0 編集部が注目した重点ポイント
① 自治体システムの標準化需要で営業利益が2.1倍に急増する
地方公共団体事業部門において、国が定める「情報システム標準化」への移行作業がピークを迎えています。当第1四半期だけで92団体の移行を完了させ、コンサルティング売上が劇的に増加しました。連結営業利益は前年同期比111.2%増という驚異的な成長を遂げており、大規模プロジェクトを完遂する高いPM(プロジェクト管理)能力が求められています。
② 会計ソフトのクラウド比率が50%を超え収益基盤が安定する
主力の会計事務所事業部門では、FXシリーズ全体に占めるクラウド版の利用割合が50%を突破しました。サブスクリプション型のコンピューター・サービス売上が5.5%増と堅調に推移しており、安定した収益構造への転換が加速しています。今後は令和12年末のスタンドアロン版サポート終了に向けたシステム移行支援が、エンジニアやコンサルタントの主要な活躍フィールドとなります。
③ 自己資本比率86%超の盤石な財務で攻めのDX投資を継続する
当第1四半期末の自己資本比率は86.1%に達し、前年度末からさらに2.5ポイント向上しました。無借金経営に近い極めて健全な財務体質を背景に、Peppol(ペポル)インボイス対応や司法試験のCBT(コンピューター試験)化対応など、最先端のデジタル領域へ積極的な開発資源の投入を続けています。長期的なキャリア形成を望むエンジニアにとって、非常に安心感のある経営環境といえます。
1 連結業績ハイライト
出典:第60期 第1四半期説明資料 P.2
売上高
24,190百万円
(前年同期比 +38.0%)
営業利益
8,288百万円
(前年同期比 +111.2%)
純利益
5,916百万円
(前年同期比 +110.5%)
2026年9月期第1四半期の業績は、売上高が前年同期比38.0%増、営業利益が111.2%増と、凄まじい伸びを記録しました。この主因は、地方公共団体事業部門における「システム標準化」と「ガバメントクラウド移行」の集中案件を、計画通りに収益化したことにあります。また、会計事務所向けサービスでも、インボイス対応やWindows10サポート終了に伴うハードウェアの買い替え需要(前年同期比29.9%増)が業績を押し上げました。
通期業績予想に対する売上高の進捗率は28.3%、営業利益の進捗率は49.9%に達しており、第1四半期時点としては順調な進捗です。特に利益面では、高収益なコンサルティング案件が第1四半期に集中したため、通期目標に対して貯金をつくった形となっています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:第60期 第1四半期説明資料 P.6
地方公共団体事業部門
【事業内容】全国の市区町村に対し、基幹業務システムや行政サービス窓口のデジタル化を支援するソリューションを提供。
【業績推移】売上高は前年同期比124.9%増の10,871百万円。営業利益は599.9%増の5,158百万円と爆発的な成長。
【注目ポイント】令和8年3月末の標準化期限に向けた「システム移行の完遂」が最重要ミッションです。92団体もの同時並行移行を成功させたノウハウは業界屈指。今後は「3ない窓口」などの行政サービスDXや、公会計システムの更なる普及(現在400団体超)に向け、官公庁向けITコンサルタントやPMの需要が極めて高い状態です。
会計事務所事業部門
【事業内容】TKC全国会の税理士・公認会計士事務所とその関与先企業へ、財務会計・税務システムをクラウド提供。
【業績推移】売上高は前年同期比5.5%増の12,666百万円。営業利益は0.5%減の3,269百万円と堅調。
【注目ポイント】FXクラウドシリーズの利用企業が急増しており、月次決算速報サービスの利用も開始1年で2万社を突破しました。金融機関500行と連携した「モニタリング情報サービス」など、FinTech領域のサービス開発が加速しています。税務×ITの専門性を磨きたいエンジニアや、法人向けカスタマーサクセスにとって魅力的な環境です。
印刷事業部門
【事業内容】子会社の株式会社TLPが担当。データプリントサービス(DPS)やビジネスフォーム印刷、BPOサービスを展開。
【業績推移】売上高は前年同期比5.7%減の652百万円。営業損失140百万円を計上。
【注目ポイント】前期に実施された衆議院選挙関連の特需がなくなったため減収となりましたが、一方で商業美術印刷(前年比21.2%増)などの新規領域は伸長しています。現在は、QRコードを活用した「効果測定DM」や、文字情報を音声化する「音声コードUni-Voice」の採用など、アナログとデジタルの融合による付加価値提案を強化しています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:第60期 第1四半期説明資料 P.11
TKCは、令和8年3月末までに顧客全164団体の「標準システム移行」を完了させる見通しであり、その後は安定的なストック収益(システム利用料)の拡大フェーズに入ります。また、上場企業向けには「リースに関する会計基準」の強制適用(令和9年4月)を見据え、固定資産管理システム(FAManager)の販売を強化しています。
特筆すべきは、ドイツDATEV社と成功させたPeppolによる電子請求書の送受信です。2030年のEU義務化を見据えたグローバルなデジタル化対応は、今後の大企業市場シェア(現在上場企業44%)を更に押し上げる武器となります。また、司法試験のCBT方式への移行に対応した「TKCデジタルテスト」の開発も進んでおり、特定の業界に依存しない多角的なITサービス展開が、転職者にとっての「キャリアの選択肢」を広げています。
4 求職者へのアドバイス
HINT 志望動機のヒント
TKCは「顧客への貢献」を理念に掲げており、単なるシステムの提供だけでなく、「黒字申告割合57%」という圧倒的な実積(全国平均36.5%)を重視しています。エンジニアであれば「社会インフラとしての会計・行政システムを支えたい」、営業であれば「単なるソフト売りではなく、経営改善という本質的なコンサルティングに関わりたい」という軸が、同社の姿勢と合致しやすく、高く評価されるはずです。
Q&A 面接での逆質問例
・「地方公共団体の標準化移行が完了した後の第2フェーズにおいて、どのような追加付加価値サービス(データ活用等)を計画されていますか?」
・「FXシリーズのクラウド化が50%を超えましたが、残り半分のスタンドアロン版ユーザーの移行における最大の技術的・営業的な壁と、その克服に期待される役割を教えてください。」
・「ドイツDATEV社とのPeppol連携を機に、今後グローバル展開や外資系企業へのアプローチはどのように加速していく予定ですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 令和8年9月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 第60期 第1四半期説明資料(2026年2月13日発表)



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