0 編集部が注目した重点ポイント
① 関連会社株の売却で10億円超の特別利益を計上
当第3四半期において、持分法を適用していたFidus Systems Inc.の全株式を譲渡しました。この構造的変化により、投資有価証券売却益1,066百万円を特別利益として計上しています。不採算や戦略外の資産を見直すことで、リソースを成長領域へ集中させる動きが鮮明となっており、専門性の高いエンジニアや営業職にとってのキャリア機会が、より戦略的事業へシフトする可能性があります。
② CN事業が利益率向上を伴う2桁の増収増益を達成
ITインフラを担うコンピュータシステム関連(CN)事業が好調です。売上高は前年同期比12.5%増、セグメント利益は31.1%増と大幅な伸びを見せました。特にセキュリティや保守・監視サービスといった、ストック型の高収益モデルが伸長しており、保守・監視サービスの売上構成比は41%まで上昇しています。
③ 車載向け商権拡大がEC事業の回復を支える
半導体及び電子デバイス(EC)事業は産業機器向けの低迷により減収となりましたが、車載機器向けは顧客商権の拡大により売上構成比47%と堅調に推移しています。サプライチェーンの在庫消化も着実に進んでおり、第3四半期単体の売上高は前四半期比で微減にとどまるなど、底打ちの兆しが見え始めています。
1 連結業績ハイライト
出典:決算参考資料 P.3
売上高
146,716百万円
(前年比 ▲9.5%)
営業利益
6,306百万円
(前年比 ▲28.8%)
経常利益
6,028百万円
(前年比 ▲24.0%)
親会社株主帰属純利益
5,030百万円
(前年比 ▲9.8%)
2026年3月期第3四半期の累計実績は、売上高146,716百万円(前年同期比9.5%減)、経常利益6,028百万円(同24.0%減)となりました。主力のEC事業において、産業機器向けの半導体需要の低迷や自社ブランド(PB)製品の低調が響きましたが、特別利益の計上により最終利益の減少幅は抑制されています。
通期予想に対する進捗状況は、売上高で73.4%、経常利益で66.2%、親会社株主に帰属する当期純利益で69.9%となりました。第3四半期までの推移は概ね計画通りとされており、全体としては概ね順調な進捗と評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:決算参考資料 P.5
コンピュータシステム関連(CN)事業
事業内容
ストレージ、ネットワーク、セキュリティ関連製品の販売、および保守・監視サービスの提供。
業績推移
売上高29,411百万円(前年比12.5%増)、セグメント利益4,175百万円(前年比31.1%増)の増収増益。
注目ポイント
企業のIT投資が堅調な中、特にセキュリティ製品やクラウド利用の進展に伴うサービス需要が拡大しています。通信事業者向けのネットワーク製品も増加しており、システムの安定運用を支える保守・監視サービスの好調が利益率を押し上げています。高度化するサイバー攻撃への対策支援など、技術的バックグラウンドを持つ人材への期待が極めて高い領域です。
半導体及び電子デバイス(EC)事業
事業内容
半導体・電子部品等の販売および自社ブランド(PB)製品の開発・販売。東京エレクトロン デバイス長崎等を含む。
業績推移
売上高117,304百万円(前年比13.7%減)、セグメント利益1,852百万円(前年比61.0%減)。
注目ポイント
産業機器向けの需要減やウェーハ市場の調整影響を受けたPB事業の低迷が課題ですが、車載機器向けは構成比47%まで拡大。新規顧客商権の寄与により、ロジックICの販売などが増加しています。在庫消化の進展に伴い、今後は回復基調への転換が見込まれます。商権拡大を牽引するフロント営業や、PB製品の技術開発を担うエンジニアのニーズが継続しています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:決算参考資料 P.16
当社は通期の連結業績予想を変更せず、売上高200,000百万円、経常利益9,100百万円の達成を目指しています。半導体市場については、顧客在庫の解消に一部遅れが見られるものの、全体としては緩やかな回復基調を想定しています。
特にCN事業ではセキュリティ中心にIT投資が堅調に推移する見通しであり、中長期的な成長の柱として期待されています。一方で、EC事業の産業機器向けやPB事業は低調が続いており、2027年3月期以降の本格的な「回復期」に向けた体制構築が現在のフェーズです。為替レートは145円〜150円のレンジを想定しており、安定的な収益確保に向けたリスク管理と、新規商権の獲得が採用・組織強化の焦点となります。
4 求職者へのアドバイス
CN事業におけるセキュリティ関連製品や保守サービスの急成長は、単なる「販売」から「課題解決・サービス提供」へビジネスモデルが進化している証です。自社の技術力やサポート体制を武器に、顧客のIT課題に深く踏み込みたいという意欲は強いアピール材料になります。また、EC事業では車載向け商権拡大が最大の成長エンジンとなっており、自動車業界の次世代技術(ケース等)に関心があるエンジニアには魅力的な環境です。
- 「CN事業で保守・監視サービスの比率が高まっていますが、現場のエンジニアに求められるスキルの変化はありますか?」
- 「車載機器向けの商権拡大において、競合他社に対する東京エレクトロン デバイス独自の強みは何だとお考えでしょうか?」
- 「PB事業が調整期にある中、次世代の自社開発製品としてどのような領域に注力していく方針ですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
人により仕事量や難しさが大きく違う
同じくらいの給与でも人により仕事量や難しさが大きく違う事がありそこに不満を持っている人も少なからずいると思います。
(30代前半・技術関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 第3四半期 決算参考資料



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