【平均年収699万円】デジタルアーツ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収699万円】デジタルアーツ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

デジタルアーツは、Webセキュリティやメールセキュリティなどのソリューションの企画・開発・販売を手がける企業です。海外子会社を通じてグローバルに事業を展開しており、直近期は増収増益となりました。


目次

※本記事は、デジタルアーツ株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


デジタルアーツは、Webセキュリティ、メールセキュリティ、ファイル暗号化・遠隔削除ソリューションの企画・開発・販売を主要事業とするセキュリティ企業です。同社グループは、Web・メールセキュリティ製品「i-FILTER」「m-FILTER」を中心に、多様なセキュリティ課題に対応するソリューションを提供しています。

単体従業員数は279名、連結従業員数も279名です。同社グループの報告セグメントはセキュリティ事業の単一です。

デジタルアーツはインターネットセキュリティ関連ソフトウェア及びアプライアンス製品の企画・開発・販売を担っています。海外3社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


デジタルアーツは、セキュリティソフトウェア開発を中核とする企業です。若手社員が多く活躍しており、専門性を重視する環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、働きがいのある職場と言えるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、比較的若い年齢層の社員が多く、勤続年数も安定した傾向を示しています。専門性の高い分野でキャリアを形成しながら、長期的に働くことを目指せる環境です。

項目 数値
平均年間給与 6,990,000円
平均勤続年数 7.1年
平均年齢 34.9歳
単体従業員数 279人
連結従業員数 279人
単体のグループ内比率 100.0%


なお、同社は確定拠出年金制度を採用しています。退職給付費用として、当連結会計年度には31百万円を要拠出額としています。

退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、中期経営計画と連動した人材戦略を推進しており、事業を通じた社会課題の解決を担う人材の確保と育成を基本方針としています。イノベーションを牽引するリーダーや多彩な能力を発揮する人材の育成を重要な経営課題の一つと位置付け、グループ社員一人ひとりの能力発揮と成長を促進することで、中長期的な競争力向上を図っています。

従業員の給与その他の給付は、多様な人材の成長と活躍を促進するため、従業員の役割、能力、成果、貢献度等に基づき決定されています。評価制度としては、マネジメント力を評価する役職等級と、専門性および個人のスキルを評価する能力等級をそれぞれ設定し、両面から総合的な評価を行う仕組みです。各部門の特性や求められる役割を踏まえ、部門ごとに評価項目と給与レンジを設定することで、業務特性に応じた適正な評価と処遇を実現しています。

人材の確保においては、製品の自社開発を支えるエンジニア人材、カスタマーサクセスを推進するセールス人材、社会課題の解決を牽引するリーダー人材を重視しています。中途採用に加え、新卒採用にも継続的に取り組み、多様な人材の確保を推進しています。人材育成では、従業員が早期に高いパフォーマンスを発揮できるよう、職階別研修の実施や資格取得支援制度の充実を通じてスキル向上に取り組んでいます。教育計画の策定から研修後の職場実践フォローまでを含めた育成サイクルを整備し、継続的なスキル向上を支援する環境づくりを進めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。女性管理職比率および正規雇用労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法に基づき算出されています。男性育児休業取得率は、育児介護休業法に基づき算出されています。男女賃金差異(全労働者)および男女賃金差異(非正規雇用)は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 8.6%
男性労働者の育児休業取得率 33.3%
正規雇用労働者の男女の賃金の差異 79.5%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


デジタルアーツグループは、Webセキュリティ、メールセキュリティ、ファイル暗号化・遠隔削除ソリューションの企画・開発・販売を主要な事業としています。同社グループは、企業、官公庁、教育機関、家庭など幅広い顧客層に対し、サイバー攻撃の巧妙化・多様化に対応するセキュリティ製品とサービスを提供しています。

主力製品としては、Webアクセスセキュリティ対策の「i-FILTER」や、偽装メール対策の「m-FILTER」があります。これらはクラウド型サービスとしても提供され、市場のニーズを捉えています。また、国産のゼロトラストセキュリティソリューションである新製品「Z-FILTER」の販売も開始し、今後の成長ドライバーとして育成を進めています。

収益モデルには、ソフトウエア製品が提供された時点で収益を認識するライセンス販売系製品と、サービス提供期間に応じて収益を認識するクラウドサービス系製品があります。特に「GIGAスクール構想 第2期」案件で受注が多いクラウドサービス系製品は、契約高の増加に対して売上高への反映が段階的となる特徴があります。同社グループが提唱する「ホワイト運用」は、安全な通信や挙動のみを許可する独自モデルとして、企業や公共機関を中心にユーザー基盤を拡大しています。

同社グループはセキュリティ事業の単一セグメントで事業を展開しており、売上高の大部分は国内の顧客から得ています。主要な顧客としては、ダイワボウ情報システムとSB C&Sがあります。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績推移を見ると、売上高は変動しながらも、当期は前期から増加に転じています。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、同様に変動しつつ当期は前期から増加しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 90.5億円 104億円 115億円 99.8億円 108億円
経常利益 41.4億円 44.3億円 44.4億円 45.6億円 48.4億円
経常利益率 45.7% 42.4% 38.6% 45.7% 44.7%
親会社株主に帰属する当期純利益 29.0億円 30.6億円 43.8億円 31.8億円 34.3億円
1株当たり当期純利益(円) 206.71 218.12 315.46 232.79 253.57


当連結会計年度の売上高は前期から増加し、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益もそれぞれ前期から増加しました。これは主に、企業向け市場でのWebアクセスセキュリティ対策や偽装メール対策製品の堅調な推移、公共向け市場での「GIGAスクール構想 第2期」案件や「次世代校務DX」案件の拡大が寄与しています。一方で、中期経営計画に沿った人材投資の強化により、売上原価や販売費及び一般管理費は増加しています。

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から増加しています。これは、事業規模の拡大と効率的な運営が進んでいることを示唆しています。

また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、組織全体の収益性が向上している傾向が見られます。これらの指標は、同社グループが従業員一人ひとりの生産性を高めながら事業成長を実現していることを示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 36.7百万円 38.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 16.8百万円 17.2百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


デジタルアーツの財務状況は、安定した経営基盤を示しています。本業で得た資金を元手に、将来に向けた投資も行われています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


デジタルアーツは強固な財務基盤を築いています。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあり、安定した経営を示しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回る水準で推移しており、効率的な資本活用がうかがえます。手元資金である現金及び預金も増加傾向にあり、事業活動を支える十分な流動性を確保しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 174億円 185億円
自己資本比率 76.6% 66.1%
ROE(自己資本利益率) 19.1% 19.2%
現金及び預金 180億円 231億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


デジタルアーツのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出している状況を示しています。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは83.8億円の収入となり、税金等調整前当期純利益の計上や売上債権の減少などが主な要因です。これは前期と比較して大幅な増加となっています。

投資活動によるキャッシュフローは、無形固定資産の取得などにより11.6億円の支出となりました。これは将来の成長に向けた投資が行われていることを示しています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いや自己株式の取得などにより20.9億円の支出となりました。

営業活動で得た資金が投資活動の支出を上回るフリーキャッシュフローは72.2億円の収入となり、前期から大きく増加しています。この資金の流れは、同社グループが本業で安定した収益を上げ、同時に将来への投資も継続しながら、株主還元も行える健全な財務状態にあることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素です。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 28.2億円 83.8億円
投資CF △11.1億円 △11.6億円
財務CF △21.0億円 △20.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 17.1億円 72.2億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループはセキュリティ事業に特化しており、セキュリティ市場の需要が低迷した場合、業績や財務状況に大きな影響を与える可能性があります。また、提供する製品やサービスの技術が陳腐化したり、技術革新が進行しなかったりした場合、競合他社と比較して競争力を維持できないリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループは、代表取締役社長をはじめとする主要な経営陣への依存度が高い状況です。また、セキュリティ市場における専門人材の需要が高まる一方で、人材確保の難易度も上昇しています。求める人材の確保や定着・育成が計画通りに進まない場合、将来の成長に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


デジタルアーツは、「より便利な、より快適な、より安全なインターネットライフに貢献していく」という企業理念のもと、社会に安心と安全を提供するソフトウエアメーカーです。人々の生活を豊かにするインターネット社会の実現を目指し、事業活動を展開しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「より便利な、より快適な、より安全なインターネットライフに貢献していく」ことを企業理念としています。あらゆるヒト・モノ・コトがインターネットで繋がり、人々の生活をより豊かにする創造的・革新的な発展が可能となるインターネット社会の実現を目指しています。

そのために、ソフトウエアメーカーとして安心・安全・快適を提供していくことを掲げています。中期的には、総合セキュリティメーカーへ成長していくことを目標としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、大切な価値観の一つとして「人間性の尊重」を掲げています。国籍、宗教、婚姻の有無、性別、性的指向・性自認、障がいの有無等にかかわらず、多様な人材がそれぞれの個性及び能力を最大限に発揮し、活躍できる企業を目指しています。

グループ社員一人ひとりの能力発揮及び成長を促進することを基本方針としています。また、「自己成長に取り組む人材づくり」を目的として、自己啓発活動に関する取組事例の全社共有及び表彰等を実施し、主体的なキャリア形成及びスキル習得を促進する組織風土の醸成に努めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、中長期的な成長に向け、優秀な人材の確保及び育成を重要な課題と認識しており、人事制度の見直しや採用活動を通じて人材強化に取り組んでいます。また、サステナビリティへの取組として、「サステナビリティ委員会」を設置し、地球環境の保全と持続可能な社会の実現を目指しています。さらに、情報セキュリティ脅威と対策の重要性について社会全体の理解を深めるため、普及・啓発活動にも注力しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


デジタルアーツは監査等委員会設置会社であり、社外取締役が過半数を占める監査等委員会が設置されています。これにより、経営の客観性と監視機能の強化が図られています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


デジタルアーツの筆頭株主は代表取締役社長である道具登志夫氏です。同氏が経営を主導する立場にあり、その関連会社も上位株主として名を連ねています。その他、複数の信託銀行や国内外の機関投資家が主要な株主として同社を支える構成となっています。

株主名 持株比率
道具 登志夫 16.80%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 13.35%
日本カストディ銀行(信託口) 8.05%
DAM 5.28%
BNYMSANV RE BNYMSANVDUB RE LEGAL (AND) GENERAL UCITS ETF PLC(常任代理人 三菱UFJ銀行) 5.27%


なお、2026年3月31日現在において、複数の大量保有報告書(変更報告書)により、みずほ証券株式会社、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社、アセットマネジメントOne株式会社がそれぞれ一定の株式を所有している旨が記載されています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は5名(男性4名・女性1名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長は道具登志夫氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。

氏名 役職 主な経歴
道具 登志夫 代表取締役社長経営企画本部長 1997年10月同社代表取締役社長就任。DAM、Digital Arts America,Inc.、DA、DM、Digital Arts Asia Pacific Pte. Ltd.、Digital Arts Europe Limitedの代表取締役社長やDirectorを歴任し、2026年1月より同社代表取締役社長兼経営企画本部長より現職。
松本 卓也 取締役開発本部長 1999年4月コマス入社。2003年4月同社入社開発部。開発部担当部長、開発部長を経て、2017年6月取締役開発部長に就任。2025年6月より同社取締役開発本部長より現職。


社外取締役は、窪川秀一氏(四谷パートナーズ会計事務所代表・監査等委員)、上杉昌隆氏(桜田通り総合法律事務所シニアパートナー・監査等委員)、桒山千勢氏(桒山公認会計士事務所所長・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役が取締役会の過半数を占めています。社外取締役は独立性の高い立場から、専門的知見に基づき取締役の業務執行の適法性および適正性を監査する役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


デジタルアーツの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして機能するよう設計されています。取締役(監査等委員を除く)の基本報酬は月例の固定報酬で、業績や職責に応じた貢献度合いを考慮して決定されます。また、非金銭報酬として譲渡制限付株式の割当ても行われています。監査等委員である取締役の報酬は、業績連動ではない定額報酬となっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 2名 96百万円 48.0百万円
社外取締役 3名 12百万円 4.0百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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