※本記事は、株式会社コパ・コーポレーション の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
コパ・コーポレーションは、「やさしさと感動を売って、人々に笑顔を与える」という経営理念のもと、実演販売を柱に生活用品を販売しています。実演販売士が商品の使用価値をアピールし、需要を喚起する独自の販売手法を強みとしています。
単体従業員数は37名です。事業セグメントは実演販売関連事業の単一セグメントです。
コパ・コーポレーションは、実演販売を強みとし、生活用品(「パルスイクロス」「ゴムポンつるつる」など)の販売を主軸としています。独自の「3Dマーケティング販売戦略」を通じて、実演販売士がテレビ通販やインターネット通販など多様なチャネルで販売活動を展開しています。
同社は、ECサイト「デモカウ」を「わくたんマーケット」へリニューアルし、「わくたん」事業とブランド統合しました。これにより、販売チャネルの区分も変更されています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
コパ・コーポレーションは、実演販売を柱に生活用品を販売する企業です。同社では、実演販売士や社員の能力向上、多様性の促進を重視しており、人的資本への投資を持続的な成長の基盤と位置付けています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が5年を超えており、一定の定着傾向が見られます。平均年齢は40代前半であり、経験豊富な人材が活躍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,940,000円 |
| 平均勤続年数 | 5.16年 |
| 平均年齢 | 40.3歳 |
| 単体従業員数 | 37人 |
同社は確定給付型の退職給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を採用しています。この制度は同社の従業員に適用されます。退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、実演販売の源泉である「人的資産(資本)」を極めて重要な経営資本と位置付けています。実演販売士や社員の能力と人間力を向上させ、多様性を高めることで、顧客の様々な価値観や要望に応えられるよう努めています。人的資本への投資は、事業基盤やサステナビリティ経営への投資であり、持続的な成長に不可欠であると考えています。
具体的には、「売の極意塾」と称する実演販売士育成講座を開催し、心理学や脳科学に基づく実演ノウハウ、関連法令知識、販売、コミュニケーション、コンプライアンスに関する教育を行っています。これにより、商品企画もできる実演販売士を継続的に輩出する仕組みを整えています。また、中途採用による柔軟な人員増強を通じて、優秀かつ多様な人材を確保し、収益獲得機会の増加に取り組んでいます。幹部社員に対しても継続的な教育を行い、全体レベルの向上と経営力強化に努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
コパ・コーポレーションは、実演販売を核とした生活用品の企画・販売を事業の中核としています。独自の販売戦略と実演販売士の育成を通じて、顧客に価値を提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
コパ・コーポレーションは、「やさしさと感動を売って、人々に笑顔を与える」という経営理念のもと、実演販売を柱に生活用品の販売を行っています。掃除用クロス「パルスイクロス」やピーリングタオル「ゴムポンつるつる」などが主力商品です。同社の強みは、実演販売士が商品の使用価値を消費者に直接アピールし、需要を喚起する販売手法にあります。
実演販売士は、商品の目利き力を備え、メーカーや工場と共同で商品企画から販売まで携わる役割も担っています。同社は「売の極意塾」と称する育成講座を通じて、販売ノウハウや関連法令知識を身に付けた実演販売士を継続的に輩出する仕組みを整えています。また、同社独自の「3Dマーケティング販売戦略」を採用し、テレビ通販、ベンダー販売、インターネット通販など、顧客層や販売特性の異なるチャネルを連携させて販売活動を展開しています。プライベートブランド(PB)や独占販売商品を取り扱うことで、ブランド戦略を立案し、実演販売で開拓した需要を効率的に回収しています。
同社は実演販売関連事業の単一セグメントで事業を展開しており、主な販売チャネルはTV通販、ベンダー販売、インターネット通販、セールスプロモーション、デモカウ、わくたん、その他です。TV通販では主力商品が堅調に推移したものの、既存商品の苦戦や新規商品の立ち上がり遅れにより売上高は減少しました。インターネット通販では新商品や一部主力商品は好調でしたが、競合激化やメディア露出減少が響き、売上高が大きく減少しています。ベンダー販売では傘カテゴリーの新旧商品が大きく伸長しましたが、他の既存商品が市場競争激化で苦戦し、売上高は減少しました。セールスプロモーションではイベント出演案件の減少により売上高が減少しています。デモカウとわくたんも、主力商品の牽引やブランド統合の成果はあったものの、全体としては売上高が減少しました。
当事業年度の期末には、財務体質の健全化と在庫効率向上を目的とした販売見込みの低い在庫処分を実施しました。これにより売上総利益率は低下しましたが、翌期以降の収益改善に寄与するものと見込んでいます。販売実績においては、特定の取引先への売上集中が見られる傾向にあります。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
直近の業績は、売上高が前年同期から減少しています。一方で、営業損失、経常損失、当期純損失はいずれも前年同期と比較して縮小する結果となりました。売上総利益率は低下しましたが、これは財務体質の健全化と在庫効率向上を目的とした在庫処分が主要因であり、翌期以降の収益改善に寄与するものと見込まれています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
従業員1人あたりの売上高や利益は、組織の生産性を示す重要な指標です。これらの指標は、従業員一人ひとりがどれだけ収益に貢献しているかを示し、会社の効率性や成長性を測る上で役立ちます。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
コパ・コーポレーションは、本業の資金流出が続いている状況にあり、財務基盤の強化と収益改善に向けた取り組みを進めています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
コパ・コーポレーションの自己資本比率は、当事業年度で66.6%となっています。これは前事業年度の81.7%から減少しています。一般事業会社である同社の自己資本比率は、プライム市場の製造業平均や非製造業平均と比較して高い水準にあります。
ROE(自己資本利益率)については、データがありません。手元資金である現金及び預金は、当事業年度末で5.6億円となっています。前事業年度末からは減少しています。
自己資本比率は高い水準を維持していますが、現金及び預金が減少傾向にあることから、資金の流動性には注意が必要です。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 81.7% | 66.6% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 6.6億円 | 5.6億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
コパ・コーポレーションの当事業年度におけるキャッシュフローは、営業活動による資金が減少しています。これは主に税引前当期純損失の計上、棚卸資産の増加、仕入債務の減少によるものです。
投資活動による資金も減少しており、有形固定資産の取得による支出が主な要因となっています。本業の資金流出と投資活動による資金流出が重なり、フリーキャッシュフローはマイナスとなっています。
一方で、財務活動による資金は増加しており、長期借入れによる収入が主な要因です。本業で資金を創出できていない状況が続いており、外部からの資金調達に依存しているため、今後の収益改善が雇用や給与の安定性、そして会社の成長性にとって重要な要素となります。
| 項目 | 2026年2月期(当期) |
|---|---|
| 営業CF | △2.9億円 |
| 投資CF | △185百万円 |
| 財務CF | 1.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △2.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
コパ・コーポレーションは、前事業年度末まで3期連続で営業損失、経常損失、当期純損失を計上し、当事業年度も同様に損失を計上していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しています。しかし、同社は収益性向上策の実施や資金調達余力の確保により、現時点では重要な不確実性は認められないと判断しています。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、TV通販、ベンダー販売、インターネット通販など複数の販売形態で競合関係にあります。今後、有力な販売手法の登場により商品販売の競争力が低下した場合、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、特定の販売先への依存もリスクとして挙げられています。当事業年度の売上高の24.7%がジュピターショップチャンネル株式会社、17.3%がアマゾンジャパン合同会社に対するものであり、これらの取引方針が変更された場合、事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は実演販売士を強みとしており、その確保と育成が重要な課題です。人材の確保・育成が計画通りに進まない場合や、既存の実演販売士が社外に流出した場合、事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
コパ・コーポレーションは、実演販売を核とした事業を通じて、人々に笑顔と感動を届けることを目指しています。お客様との直接的なコミュニケーションを重視し、生活文化を提案し続けることを存在意義としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「やさしさと感動を売って、笑顔と感謝を稼ぎ、みんなのための糧とします」という企業理念を掲げています。また、「“1”にこだわって商ゐの王道を歩み、お客様と共に幸せになります」や「お客様を大切にし、お客様と共に清く正しく美しく成長します」といった理念も大切にしています。実演販売を商いの王道と捉え、その可能性を追求する総合商社であり続けることを目指しています。人々に笑顔を与えることを存在意義とし、時代に合わせた正しい生活文化を提案し続けることを価値としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、実演販売の力を最大の強みとしており、営業力、広告宣伝力、商品企画力をその要素としています。消費者と直接触れ合うことでニーズを掴み、売れるコンセプトの商品企画に繋げています。
実演販売の源泉である「人的資産(資本)」を極めて重要な経営資本と位置づけています。実演販売士や社員の能力と人間力を向上させ、多様性を高めることで、お客様の様々な価値観や要望に応えることを重視しています。
リスク管理においては、リスク管理委員会を中心に、コンプライアンス会議や部課長会を通じて現場レベルのリスク情報を吸い上げ、検証・検討・解決にあたる仕組みを構築しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、人材の獲得及び育成を優先的に対処すべき課題の一つとしています。実演販売士や実演アンカーマンの育成が競争力の源泉であるため、積極的な採用と育成内容の充実に取り組んでいます。
商品企画力の強化も重要なテーマであり、実演販売で培った経験を基に商品企画を行い、実演口上のデータベース化や新たな商品カテゴリの企画推進を進めています。また、認知度の向上を図るため、戦略的かつ効果的な広告宣伝活動を通じて商品や事業の魅力を伝えています。
さらに、内部管理体制の充実も課題としており、人材の採用や社員教育の充実、業務のシステム化を通じて強化を図っています。中期経営戦略では、生成AIを活用した実演販売の進化により、持続的な競争優位性の確立を目指しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は、持続的な成長と企業価値向上を経営の重要課題とし、コーポレート・ガバナンスの充実に努めています。取締役会と監査役会を設置し、経営の健全性、透明性、コンプライアンスの向上を図る体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は代表取締役社長である吉村泰助氏です。また、同氏が代表を務めるミロクやチョイズも上位株主となっており、創業家が経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 吉村 泰助 | 38.48% |
| ミロク | 23.63% |
| チョイズ | 6.75% |
| SBI証券 | 2.16% |
| 佐藤 友亮 | 2.03% |
なお、前事業年度末に主要株主であったエンパワーフィールドは、当事業年度末では主要株主ではなくなり、ミロクが新たに主要株主となりました。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は吉村泰助氏が務めています。社外取締役比率は66.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 吉村 泰助 | 代表取締役社長 | 1996年9月吉村泰助事務所設立。1998年10月有限会社コパ・コーポレーション(現 同社)設立、代表取締役社長に就任。2016年8月株式会社コパ(現 株式会社チョイズ)設立、代表取締役に就任。2024年6月株式会社ミロク設立、代表取締役に就任し、現在に至ります。 |
社外取締役は、川原武浩氏(ふくや代表取締役社長)、佐野強氏(HANATOUR JAPAN常勤監査役)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営の監督と監査を担っています。社外取締役が取締役の過半数を占め、経営の独立性と透明性を確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は固定報酬のみで構成されており、業績連動報酬は導入されていません。報酬額は、株主総会で決議された限度額の範囲内で、各役員の役職や役割、会社の業績、担当業務への貢献・実績に基づき決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 45百万円 | 22.5百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 21百万円 | 4.2百万円 |
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