※本記事は、株式会社ジェリービーンズグループの有価証券報告書(第36期、自 2025年2月1日 至 2026年1月31日、2026年4月23日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. ジェリービーンズグループってどんな会社?
ライフスタイル事業を中心に、多角的な事業展開を進める企業の特徴を解説します。
■(1) 会社概要
1976年に有限会社天笠として設立されました。1985年に自社ブランド「JELLY BEANS」の展開を開始し、1990年にアマガサを設立しました。2007年に現在のグロース市場へ上場し、2024年に現在のジェリービーンズグループへ商号変更しています。近年は持株会社体制へ移行し、M&A等による事業多角化を推進しています。
従業員数は連結で55名、単体で34名です。筆頭株主は個人の須田忠雄氏で、第2位は証券金融業務を行う日本証券金融、第3位は金融商品取引業者のSBI証券となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 須田忠雄 | 21.70% |
| 日本証券金融 | 5.83% |
| SBI証券 | 5.34% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性7名、女性1名の計8名で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は宮﨑明氏が務めており、社外取締役比率は12.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 宮﨑明 | 取締役社長(代表取締役) | 日興証券入社後、ネクサス取締役、BCM設立を経て、2024年より現職。 |
| 立川光昭 | 取締役会長 | SUNDON TRADING JAPAN入社後、MCM代表取締役、ネットプライス執行役員会長等を経て、2023年より現職。 |
| 林光 | 取締役IR広報室室長 | AQUAFI COMMUNICATIONZ Ltd.代表取締役等を経て、2024年より現職。 |
| 絹井隆平 | 取締役 | 山一證券入社後、デンタルサポート入社、ブルームバーグ・エル・ピー入社等を経て、2025年より現職。 |
社外取締役は、板野沙智(メルビスタグループ代表取締役)です。
2. 事業内容
同社グループは、「ライフスタイル」および「その他事業」を展開しています。
■ライフスタイル
同社グループの中核を担うセグメントであり、主力ブランド「JELLY BEANS」の婦人靴のほか、スポーツブランド「361°」の輸入販売、リカバリーウエアの販売、アイスクリーム販売事業を展開しています。消費者ニーズに寄り添った価値の提供を目指し、多様な商品を顧客へ届けています。
収益源は一般消費者や卸売先からの商品販売代金です。婦人靴の販売はジェリービーンズが、アイスクリーム販売はGold Starが、スポーツブランド販売は361Sports Japanが運営するなど、複数の子会社がそれぞれの事業を展開しています。
■その他事業
エンターテインメント事業およびサステナブル事業を展開しています。エンターテインメント領域ではファンクラブを通じた会員獲得やイベント興行を行い、サステナブル領域では再生重油を燃料とした自家発電設備の販売や系統用蓄電池システムの受注等を推進しています。
収益源は、ファンクラブ会費やイベント関連収入、および蓄電池やウォーターサーバ事業の販売・受注代金です。エンターテインメント事業はJBエンターテインメントやJELLY BEANS KOREAが、サステナブル事業はJBサステナブルがそれぞれ運営しています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5期間の業績を見ると、売上高は減少傾向が続いていましたが、当期はM&Aなどの事業多角化により大幅な増収に転じました。一方、損益面では継続して赤字を計上しており、収益性の改善が課題となっています。
| 項目 | 2022年1月期 | 2023年1月期 | 2024年1月期 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 16億円 | 14億円 | 9億円 | 8億円 | 36億円 |
| 経常利益 | -8億円 | -7億円 | -6億円 | -5億円 | -0.6億円 |
| 利益率(%) | -49.9% | -48.2% | -62.9% | -64.1% | -1.8% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | -9億円 | -7億円 | -6億円 | -5億円 | -2億円 |
■(2) 損益計算書
直近2期間の比較では、売上高が約4倍以上に拡大し、売上総利益も増加しました。一方で、販売費及び一般管理費も増加したものの、増収効果により営業赤字の幅は大幅に縮小しています。
| 項目 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 8億円 | 36億円 |
| 売上総利益 | 4億円 | 14億円 |
| 売上総利益率(%) | 49.2% | 38.2% |
| 営業利益 | -5億円 | -0.3億円 |
| 営業利益率(%) | -62.5% | -0.9% |
販売費及び一般管理費のうち、役員報酬及び給料手当が3.4億円(構成比24%)、支払手数料が2.7億円(同19%)、広告宣伝費が1.6億円(同11%)を占めています。
■(3) セグメント収益
当期よりセグメント区分の変更があり、ライフスタイル事業が売上の大半を占めています。子会社の増加等により同事業の売上高は前期比で大きく拡大し、セグメント利益も黒字化を達成しました。
| 区分 | 売上(2025年1月期) | 売上(2026年1月期) | 利益(2025年1月期) | 利益(2026年1月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| ライフスタイル | 8億円 | 35億円 | -0.5億円 | 3.8億円 | 10.7% |
| その他事業 | - | 0.7億円 | - | 0.4億円 | 54.6% |
| 連結(合計) | 8億円 | 36億円 | -5億円 | -0.3億円 | -0.9% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
同社グループは、事業運営に必要な資金の流動性と源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
営業活動によるキャッシュ・フローは、事業活動から生み出される資金の状況を示しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資や有価証券の取得・売却などによる資金の増減を表します。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入や株式の発行・償還などによる資金の調達・返済状況を示しています。
同社グループは、金融機関からの借入ではなく、第三者割当による新株発行及び新株予約権発行による機動的で柔軟な資金調達を実行しております。
| 項目 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | -6億円 | -25億円 |
| 投資CF | -0.0億円 | -18億円 |
| 財務CF | 6億円 | 50億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社は「多様な事業を展開しながら、お客様のライフスタイルに寄り添い、より豊かで充実した日々を提供すること」を経営理念に掲げています。また、衆知を集め「適時」「適品」「適量」「適価」「適提案」「適サービス」を提供することを通じて、ステークホルダーの信頼と期待に応えることを目指しています。
■(2) 企業文化
同社は「決断即実行」をモットーに、機動力を重視したシンプルな組織作りを行っています。事業推進にあたり、否定的な要因に囚われることなく実現可能性を追求する思考と行動を重視しており、全社員が実現手段を主体的に模索し挑戦を行う企業文化の醸成を通じて、企業価値の向上を目指しています。
■(3) 経営計画・目標
同社グループは、収益力の向上と財務体質の強化を経営目標の中心として重視しており、売上高および経常利益、営業キャッシュ・フローの拡大を図る方針です。多角化のもと消費者ニーズに寄り添った価値の提供に注力し、足元の建て直しと収益力の拡大を進めています。
■(4) 成長戦略と重点施策
ライフスタイル事業をグループの中核と位置づけ、更なる成長加速に取り組み、事業収益の確保を目指します。婦人靴事業の実店舗撤退による固定費削減に加え、成長事業への経営資源の集中を加速させます。
・「361°」の実店舗展開
・リカバリーウエアの販売開始
・蓄電池・ウォーターサーバ事業の受注獲得
・エンターテインメント事業の推進
・SDGs関連商品等の販売
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
同社は、社員の業務遂行に必要な知識やスキルを習得するための学習機会への参加を支援し、自己成長と能力発揮を後押ししています。また、年齢や性別等で区別せず、多様な経験を持った人材の採用を進め、様々な価値観を認め合う職場環境の醸成と、多様な働き方を実現する制度の整備に取り組んでいます。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均を大きく下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年1月期 | 39.5歳 | 5.0年 | 3,466,886円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社および連結子会社は公表義務の対象ではないため、有報には本稿の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 流行・気候等が経営成績に与える影響
同社グループが扱う婦人靴やスポーツシューズ、アイスクリームなどは流行性・季節性の高い商品であるため、ファッションの流行や異常気象などによる気候・気温の変動により、想定した商品の需要と実際の市場ニーズが異なった場合、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
■(2) 固定資産の減損に係るリスク
同社グループは固定資産の減損に係る会計基準を適用しており、経営環境の著しい悪化による収益性の低下や市場価格の下落等が生じた場合、保有する固定資産について減損損失が発生し、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
■(3) 再生可能エネルギー事業の進捗遅延リスク
サステナブル事業における再生重油を燃料とした自家発電設備の販売において、事業の進行が予定通りのスケジュールで進まない事態が発生する恐れや、売却先との価格条件によって事業全体の売上および利益が変動する可能性があります。



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