【平均年収782万円】ACCESS 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年1月期)

【平均年収782万円】ACCESS 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年1月期)

ACCESSは、国内外のITソリューションを提供し、グループ各社とともにIoT関連ソリューションやWebプラットフォームなどを展開しています。国内外に事業を広げ、直近の売上高は増加しましたが、利益は損失を計上しています。


目次

※本記事は、株式会社ACCESS の有価証券報告書(2026年1月期、2025年2月1日 ~ 2026年1月31日、2026年4月28日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ACCESSは、国内外の携帯電話や情報家電メーカー、通信ネットワークのインフラ事業者、サービス事業者、一般企業を顧客とし、先進のITソリューションを提供しています。グループ各社とともに、IoT関連ソリューションやWebプラットフォーム、ネットワーク機器向けソフトウェアなどを展開しています。

単体従業員数は331名、連結従業員数は795名です。セグメントはIoT事業、Webプラットフォーム事業、ネットワーク事業の3つです。

国内においてはACCESSがIoT関連ソリューションやソフトウェア、組み込みブラウザをはじめとしたWebプラットフォーム関連ソリューションの提供を主に行っています。海外の連結子会社10社を通じてグローバルに事業を展開しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


株式会社ACCESSは、IoTやWebプラットフォーム、ネットワークといった技術領域で事業を展開しており、専門性の高い人材が活躍する環境です。従業員の平均勤続年数や平均年齢からは、一定の経験を積んだ人材が長く在籍している傾向が見られます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の定着が進んでおり、平均勤続年数や平均年齢から安定したキャリア形成が可能な環境であることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 7,818,948円
平均勤続年数 10.0年
平均年齢 40.4歳
単体従業員数 331人
連結従業員数 795人
単体のグループ内比率 41.6%


同社は、確定給付型と確定拠出型の両方の退職給付制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。これらの制度は同社および一部の連結子会社に適用されています。

退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、人材を最も重要な経営資本と位置づけ、「人事に関する基本方針」を定めています。従業員一人ひとりの価値観や独創性、プロフェッショナリズムを尊重し、多様な人材の確保、育成、管理職への登用を推進しています。

従業員が健康で生き生きと働ける環境整備を行い、個の能力が最大限に発揮できるよう支援するとともに、イノベーション創出につながる風土の醸成を目指しています。実力に応じた積極的な女性管理職登用や男性の育児休業取得促進、長期的なキャリア形成を支援する環境整備にも注力しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 5.5%
男性労働者の育児休業取得率 83.3%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 84.9%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 84.3%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 102.8%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


株式会社ACCESSは、国内外の携帯電話や情報家電メーカー、通信ネットワークインフラ事業者、サービス事業者、一般企業を顧客とし、先進のITソリューションを提供しています。同社グループは、IoT事業、Webプラットフォーム事業、ネットワーク事業の3つの報告セグメントで事業を展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、ITサービス産業において、デジタル化の高度化と業務効率向上へのニーズ、AIのITサービスへの統合といった環境変化に対応し、ITソリューションを提供しています。プロフェッショナルサービスの積極的な事業拡大や、組み込みソフトウェア製品の提供、ネットワークOSの事業拡大に注力しています。

IoT事業

通信技術、クラウド技術、アプリ開発力、センシング技術を活かし、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)需要に対応するIoTプロフェッショナルサービスや自社開発のIoTソリューションを主軸に事業を展開しています。アジア地域の日本の通販事業者向けには、オムニチャネルでの販路拡大機能と物流等のバックオフィス機能を統合した業務支援クラウドサービス「CROS®」も提供しています。
収益は、IoTプロフェッショナルサービスの成長や大型案件の納品、顧客側のサービス提供開始により大きく増加しました。運営は、同社および台湾子会社が行っています。

Webプラットフォーム事業

ドイツ・中国・韓国の現地法人と連携し、国内外の市場でスマートデバイス、情報家電、各種デバイス向けに高性能・高機能ウェブブラウザ「NetFront® Browser」シリーズをはじめとした組み込みソフトウェア製品を提供し、グローバルでのシェア拡大を推進しています。中長期的な成長施策として、TV・放送および車載インフォテインメント用途向けのコンテンツや動画配信システム・サービスプラットフォームの事業育成を図っています。
収益は、組み込みソフトウェア製品の提供から得ています。運営は、同社、ドイツ、中国および韓国子会社が行っています。

ネットワーク事業

米国子会社IP Infusion Inc.を中核とし、インドやカナダ等に開発拠点を設置しています。ネットワーク機器向け基盤ソフトウェア・プラットフォームの開発・提供から始まり、現在はホワイトボックス向け統合Network OS「OcNOS®」の事業拡大に注力しています。データセンター事業者、通信キャリア、IXP(インターネット相互接続ポイント)事業者向けに、ネットワークインフラ設備投資・運用コストを低減し、運用の自由度を高めるホワイトボックスソリューションを展開しています。
収益は、ネットワーク機器向けソフトウェアやホワイトボックス向け統合Network OSの提供から得ています。運営は、米国、カナダ、インドおよびイスラエル子会社が行っています。

同社グループの売上高は、IoT事業での拡大が大きく寄与し、ネットワーク事業においても大型案件の受注がありました。一方で、研究開発費等の先行投資が増加しています。地域別売上高を見ると、日本が最も大きく、次いで欧州・中東・アフリカ、米州、アジア・オセアニアと続いています。特定の顧客であるUniLab Solutions GmbHへの売上高は、前期に比べて減少したものの、引き続き一定の割合を占めています。

セグメント 売上高(2025年1月期) 売上高(2026年1月期)
ネットワーク事業 80.6億円 84.9億円
IoT事業 55.8億円 84.7億円
Webプラットフォーム事業 22.9億円 22.6億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、直近5年間で増加傾向にあります。一方で、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、5期連続で損失を計上しています。当連結会計年度は、売上高が増加したものの、研究開発費等の先行投資が増加したため、営業損失が拡大しました。親会社株主に帰属する当期純損失は、前連結会計年度と比較して減少しています。営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度に減少に転じています。

項目 2022年1月期 2023年1月期 2024年1月期 2025年1月期 2026年1月期
売上高 97.7億円 130億円 151億円 159億円 192億円
経常利益 △29.2億円 △9.0億円 △19.2億円 △18.8億円 △26.4億円
経常利益率 △29.9% △7.0% △12.7% △11.8% △13.7%
親会社株主に帰属する当期純利益 △32.4億円 △24.6億円 △22.3億円 △53.8億円 △34.0億円
1株当たり当期純利益(円) △82.93 △64.14 △59.45 △143.14 △90.53

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期と比較して増加しています。これは、売上高の増加が従業員数の変化を上回ったことを示しています。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は、前期と比較して減少しています。これは、売上高の増加に対して営業損失が拡大したことが影響しています。

指標 2025年1月期 2026年1月期
従業員1人あたり売上高(連結) 19.2百万円 24.2百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) △2.7百万円 △3.4百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、将来に向けた投資を積極的に行っている段階であり、資金の流れを理解することが重要です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は、前期から減少しているものの、非製造業のプライム市場平均と比較すると高い水準にあります。一方で、ROE(自己資本利益率)はマイナスとなっており、収益性の改善が課題として挙げられます。手元資金は前期から減少しており、今後の資金動向に注目が集まります。

指標 2025年1月期(前期) 2026年1月期(当期)
純資産 101億円 67.9億円
自己資本比率 46.5% 39.6%
ROE(自己資本利益率) △42.9% △40.5%
現金及び預金 108億円 54.1億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失の計上や売上債権及び契約資産の増加、特別調査費用等の支払いが主な要因となり、減少となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得による支出が増加したことで、減少しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出額が増加したものの、減少幅は限定的です。

これらのキャッシュ・フローの状況は、同社グループが研究開発費等の先行投資を積極的に行っていることを示しています。本業での資金創出が課題となる一方で、将来の成長に向けた投資を継続している状況です。この資金の流れは、今後の事業成長とそれに伴う雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があります。

項目 2025年1月期(前期) 2026年1月期(当期)
営業CF 11.3億円 △39.4億円
投資CF △10.7億円 △15.8億円
財務CF △0.5億円 △0.2億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 0.7億円 △55.1億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、製品開発や事業投資に関するリスクを特に重要なリスクとして認識しています。これは、顕在化の可能性が比較的高く、顕在化した時の影響が非常に大きいと判断されています。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ACCESSは、独立系の研究開発型ソフトウェア企業として、技術と創造性で世界を革新し続けることを目指しています。すべての機器をネットにつなぐという目標を掲げ、新たな価値創造に貢献する企業文化を育んでいます。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


ACCESSグループは、1984年の設立以来、「すべての機器をネットにつなぐ」ことを目標に掲げています。その使命は、「CONNECT YOUR DREAMS TO THE FUTURE.」というスローガンのもと、「つなぐ」技術により新たな価値創造に資する技術・製品を開発・提供し続け、あらゆるステークホルダーに貢献することです。

意思決定の軸となるVision Statementは、「『技術』『知恵』『創造性』と『勇気』で世界を革新し続ける独立系、企画・研究型企業」と定めています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


ACCESSグループは、Core Valueとして「Unique、Fair、Open-minded」を掲げています。人材を最も重要な経営資本と位置づけ、従業員一人ひとりの価値観や独創性、プロフェッショナリズムを尊重する企業風土です。

国籍、性別、年齢等を問わず多様な人材の確保・育成・登用を進め、個の能力が最大限に発揮できる環境整備に取り組んでいます。イノベーション創出につながる風土の醸成を目指しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


ACCESSグループは、中長期的な成長戦略の実現に向け、いくつかの課題に取り組んでいます。特に、内部統制及びガバナンスの改善を優先課題と認識しており、過去の不適切な会計処理や特別注意銘柄指定を受け、全社を挙げて改善施策を実行しています。事業規模や重要性に見合った管理体制の構築と、日本の上場企業グループとしての規範意識の強化・向上に努めています。

また、多様性のある優秀な人材の確保・育成と生産性向上のための環境整備も重要なテーマです。個々のスキルの卓越性に加え、高い当事者意識・目的意識・職業倫理を持ち、リーダーシップやチームワークを発揮できる人材の採用・育成に注力しています。働き方、業務内容、キャリアプランの多様性を考慮した人事施策の導入や労働環境の整備を推進し、生産性向上に取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ACCESSは監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が企業統治の基礎をなしています。取締役会は社外取締役を多数含み、経営全般の監督機能を強化しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ACCESSの株主構成を見ると、筆頭株主は個人株主である清原達郎氏です。また、NTTのような事業会社や、SBI証券のような金融機関も上位株主として名を連ねています。多様な属性の株主によって支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
清原 達郎 33.34%
NTT 13.59%
SBI証券 4.77%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は12名(男性11名・女性1名)で構成され、女性役員比率は8.3%です。代表取締役社長執行役員ネットワーク事業担当は大石清恭氏が務めています。社外取締役比率は62.5%です。

氏名 役職 主な経歴
大石 清恭 代表取締役社長執行役員ネットワーク事業担当 1987年ソニー株式会社入社。1999年同社(ACCESS Systems Americas Inc.)入社。2012年同社取締役。2017年同社代表取締役社長。2018年同社代表取締役社長執行役員。2025年11月より現職。
吉岡 勉 取締役副社長執行役員CFO 1984年昭和シェル石油株式会社入社。昭石ガス株式会社代表取締役社長、株式会社エネサンスホールディングス代表取締役社長を歴任。2025年7月同社監査役。2025年11月より現職。
夏海 龍司 取締役専務執行役員IoT事業担当 兼 Webプラットフォーム事業担当 1990年株式会社エヌジェーケー入社。1999年同社入社。2015年同社取締役兼執行役員兼COO-Japan。2018年同社取締役専務執行役員(国内担当)。2026年2月より現職。


社外取締役は、細川恒氏(元通商産業審議官・グリーンアーム代表取締役・指名・報酬委員会委員長・ガバナンス委員会委員)、宮内義彦氏(オリックスシニア・チェアマン・指名・報酬委員会委員・ガバナンス委員会委員)、水盛五実氏(元オリックス生命保険代表取締役社長・指名・報酬委員会委員・ガバナンス委員会委員)、富田亜紀氏(東洋大学情報連携学部教授)、池田敬氏(NTT東日本代表取締役副社長)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会は5名の社外取締役で構成されています。社外取締役は、客観的な立場から経営全般への助言や監督を行っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ACCESSの役員報酬は、基本報酬、賞与、株式報酬の3つの要素で構成されています。基本報酬は役位に応じた定額の金銭報酬であり、賞与は単年度の業績や個人評価に連動します。株式報酬は、中長期的な株価向上へのインセンティブとして、在籍条件型と業績条件型が設定されています。社外取締役や監査役については、役割に応じて報酬構成が異なります。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 1.1億円 27.5百万円
社外役員 10名 82百万円 8.2百万円


なお、株式報酬による報酬額は当事業年度に費用処理された金額です。また、取締役1名には、表中の支給額とは別に連結子会社から固定報酬(基本報酬)33,860千円が支給されています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。