※本記事は、株式会社ルネサンス の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ルネサンスグループは、スポーツクラブの運営および関連事業を展開しています。フィットネスクラブや各種スクール事業に加え、地域・自治体、企業向けの健康づくり事業、ホームフィットネス事業、介護・医療周辺事業、アウトドアフィットネス事業など多岐にわたるサービスを提供しています。
単体従業員数は1,883名、連結従業員数は2,020名です。同社グループの報告セグメントは「スポーツクラブ運営事業」の1つです。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)(通所介護事業)などです。
同社グループは、2025年4月1日付で株式会社スポーツオアシスを吸収合併し、事業規模を拡大しました。また、株式会社楓の風の株式を100%取得し完全子会社化するなど、M&Aを通じた事業強化を進めています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ルネサンスは、スポーツクラブ運営事業を通じて「生きがい創造」を掲げる企業です。従業員一人ひとりの「生きがい・働きがい」の最大化を重視し、人的資本経営を経営の根幹と捉えています。健康経営とDE&Iを軸に、多様な人材が活躍できる柔軟な働き方を支援する環境づくりに取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ルネサンスでは、従業員の平均勤続年数が比較的長く、安定したキャリア形成が可能な環境であることがうかがえます。平均年齢も30代後半であり、経験豊富な人材が多数活躍している傾向が見られます。従業員の定着を重視し、長期的な視点での働き方を支援していると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,691,000円 |
| 平均勤続年数 | 11.8年 |
| 平均年齢 | 38.7歳 |
| 単体従業員数 | 1,883人 |
| 連結従業員数 | 2,020人 |
| 単体のグループ内比率 | 93.2% |
同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しています。これらの制度は同社グループに適用されます。
退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、退職給付債務は12.2億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ルネサンスは、持続的な企業価値向上を実現するため、人的資本経営を経営の根幹と捉え、従業員一人ひとりの「生きがい・働きがい」の最大化を基本方針としています。健康経営とDE&I(ダイバーシティ,エクイティ&インクルージョン)を軸に、従業員の自律的な成長と貢献を支援し、組織全体のパフォーマンス向上を図る方針です。中長期の事業戦略を見据え、各事業に必要な人材ポートフォリオを計画的に構築し、最適化を進めています。
報酬決定においては、「職責と貢献」に対して公正に報いることを基本方針とし、比較業界において競争力を持つ年収水準を設定しています。専門性の高い職種には市場価値に応じた柔軟な処遇を行い、基本給は中長期的な職責と貢献の積み重ねを反映する「投資価値」と位置づけています。賞与は該当年度の業績と単年度の職責・貢献度に応じて支給され、属人的な手当を廃止し、職責・貢献ベースの報酬に一本化しています。
人材育成では「自ら学ぶ・みんなで育てる」という価値観のもと、個人と組織がともに成長できる機会づくりに取り組んでいます。多様な学習機会と基盤を整備し、意欲的な挑戦には積極的な成長機会と投資を提供しています。また、持続可能な企業経営と未来の発展を見据え、次世代経営人材の計画的な育成も推進しています。
環境整備においては、従業員一人ひとりの「エンゲージメント」を重視し、定期的な組織調査をもとに従業員間の対話を促す場づくりを推進しています。人事制度基本方針「your design, our future」のもと、一人ひとりのライフデザイン・キャリアデザインにあわせた柔軟な働き方を支援し、従業員の能力が最大限に発揮される環境を整備しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 22.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金差異(全労働者) | 75.4% |
| 労働者の男女の賃金差異(正規雇用労働者) | 85.6% |
| 労働者の男女の賃金差異(有期社員及び臨時雇用者) | 95.9% |
健康経営の推進
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 定期健康診断の受診率 | 100.0% |
| 定期健康診断の事後措置 要医療 受診率 | 91.5% |
| 定期健康診断の事後措置 要精密検査 受診率 | 91.4% |
| 定期健康診断の事後措置 要再検査 受診率 | 83.3% |
ダイバーシティ,エクイティ&インクルージョンの推進
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 22.0% |
| 管理職に占める女性労働者の数 | 75名 |
| リーダー職に占める女性労働者の割合 | 37.8% |
| リーダー職に占める女性労働者の数 | 171名 |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 男性労働者の育児休業取得者数 | 47名 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社ルネサンスは、スポーツクラブの運営とその関連事業を主軸に展開しています。人々の健康増進をサポートする多様なサービスを提供し、地域社会の活性化にも貢献しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、フィットネスクラブ、スイミング・テニス・ゴルフスクールといったスポーツクラブ事業を核としています。これに加え、地域・自治体や企業・健康保険組合向けの健康づくり事業、自宅でできるホームフィットネス事業、介護及び介護・医療周辺事業、アウトドアフィットネス事業など、幅広い分野でサービスを提供しています。
収益は、主に会員制スポーツクラブの会費収入やスクール料金、そして各種健康づくりプログラムの提供、ホームフィットネス商品の販売、介護リハビリサービスの提供から得ています。同社グループの報告セグメントは「スポーツクラブ運営事業」のみであり、この単一セグメントで多角的なサービスを展開していることが特徴です。国内での事業が中心であり、海外売上高が連結売上高の大部分を占めることはありません。
スポーツクラブ事業では、新規入会者数の回復や会員数の増加、会費単価の上昇が見られました。介護・医療周辺事業では、リハビリ特化型デイサービスの新規開設や、通所介護施設を運営する企業の完全子会社化により、事業規模を拡大しています。一方、ホームフィットネス事業では、一部商品の販売が伸び悩む状況も見られましたが、新商品の投入により新たな収益源を確保しています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5年間で増加傾向にあります。特に直近の2年間では、売上高が大きく伸びています。一方で、経常利益は変動が見られ、当期は前期から減少となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益については、当期に損失を計上しています。これは、不採算店舗の退店費用の一括計上や、固定資産の減損損失を計上したことによるものです。しかし、営業活動によるキャッシュ・フローは増加しており、本業によるキャッシュ創出力は維持されている状況です。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 371億円 | 408億円 | 436億円 | 637億円 | 649億円 |
| 経常利益 | 6.3億円 | 3.1億円 | 5.6億円 | 12.2億円 | 8.0億円 |
| 経常利益率 | 1.7% | 0.8% | 1.3% | 1.9% | 1.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5.1億円 | △11.4億円 | 6.3億円 | 7.7億円 | △21.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 27.19 | △60.44 | 32.46 | 39.48 | △112.47 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期からわずかに減少しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期から減少となりました。これは、売上高の増加に対して営業利益が減少したことや、連結従業員数が増加したことによる影響が考えられます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 32.6百万円 | 32.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.0百万円 | 0.8百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定した資金を生み出していますが、将来に向けた積極的な投資も行っています。そのため、現時点ではフリーキャッシュフローがマイナスとなっています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は前期から低下しています。ROE(自己資本利益率)も当期はマイナスとなっており、収益性の改善が課題となっています。一方で、手元資金である現金及び預金は増加傾向にあります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 121億円 | 96.9億円 |
| 自己資本比率 | 21.8% | 17.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 6.5% | △19.3% |
| 現金及び預金 | 76.8億円 | 85.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュフローは、減価償却費の増加や長期預り保証金の増加、売上債権の減少などにより、前期から増加しています。これは本業で安定的に資金を生み出していることを示しています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得や子会社株式の取得、無形固定資産の取得などにより、前期から支出が増加しています。これは将来の成長に向けた積極的な投資を行っている状況です。
財務活動によるキャッシュフローは、長期借入れによる収入や短期借入金の純増加などにより、前期から増加しています。その結果、フリーキャッシュフローは当期にマイナスとなりました。これは本業で得た資金を上回る投資を行っていることを示しており、今後の事業成長への期待と同時に、資金の効率的な活用が重要となる局面です。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 35.1億円 | 41.2億円 |
| 投資CF | △31.6億円 | △44.0億円 |
| 財務CF | 10.9億円 | 11.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 3.5億円 | △2.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、スポーツクラブへの来館を前提とした施設産業であるため、自然災害や感染症の拡大による施設の休業が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、競合店舗の出店や個人消費の低迷により会員数が減少した場合も、業績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、新規出店や既存施設の改修工事に伴う投資判断に瑕疵があった場合や、出店後の収支計画が未達となった場合、固定資産の減損損失が発生し、業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ルネサンスは、「生きがい創造企業」として、お客様に健康で快適なライフスタイルを提案することを企業理念に掲げています。人々の心身の健康を支え、社会に貢献することを目指す企業風土が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ルネサンスは、「わたしたちルネサンスは『生きがい創造企業』としてお客様に健康で快適なライフスタイルを提案します」という企業理念を掲げています。この理念には、お客様の心身の健康を通じて「生きがい創造」を支援し、従業員自身の生きがいも創造するという思いが込められています。
同社グループは、事業活動を通じて高い収益性(事業価値)、社会問題の解決に貢献する社会性(社会価値)、そして従業員の成長と生きがいを育む人間性(人間価値)の三つの価値の調和と実現を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ルネサンスは、従業員一人ひとりの「生きがい・働きがい」の最大化を人的資本経営の基本方針としています。健康経営とDE&I(ダイバーシティ,エクイティ&インクルージョン)を軸に、従業員の自律的な成長と貢献を支援するカルチャーを重視しています。
また、「自ら学ぶ・みんなで育てる」という価値観のもと、個人と組織が共に成長できる機会を創出しています。同社は、従業員のエンゲージメントを重視し、対話を促す場づくりや、人事制度基本方針「your design, our future」に基づいた多様な人材が活躍できる環境整備を進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ルネサンスは、フィットネス業界の競争激化や諸物価上昇に対応するため、事業全体の収益性回復を喫緊の課題と捉えています。具体的には、不採算施設の要員見直しやコスト管理の徹底、採算性の低い領域の特定と廃止を進めています。
また、事業支援機能の役割・業務を見直し、DXによる非顧客接点業務のスリム化や一人あたりの業務カバー領域の拡大を通じて生産性向上に取り組んでいます。さらに、PPP事業や地域・企業の健康づくり事業といったスポーツクラブ周辺領域の成長加速も重点テーマとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社グループは監査役会設置会社であり、執行役員制度を導入することで監督機能と執行機能の分離を進めています。取締役会は社外取締役を含む8名で構成されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ルネサンスの株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社であるDICです。その他、AAGS S3,L.P.やSOMPOホールディングスが上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| DIC | 17.81% |
| AAGS S3,L.P.(常任代理人㈱イントリム) | 9.95% |
| SOMPOホールディングス | 7.63% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 5.66% |
| 住友生命保険相互会社 | 4.76% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は12名(男性7名・女性5名)で構成され、女性役員比率は41.7%です。代表取締役社長執行役員最高健康責任者(CHO)は望月美佐緒氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 望月 美佐緒 | 代表取締役社長執行役員最高健康責任者(CHO) | 1987年12月同社入社。常務執行役員、取締役常務執行役員を経て、2023年4月同社取締役副社長執行役員。2025年4月より現職。 |
| 岡 本 利 治 | 取締役会長 | 1980年4月㈱福岡春日ローンテニスクラブ入社。同社取締役執行役員、取締役常務執行役員、取締役専務執行役員を経て、2020年6月同社代表取締役社長執行役員。2026年5月より現職。 |
| 安 澤 嘉 丞 | 取締役専務執行役員最高財務責任者管理本部長 | 1988年4月同社入社。執行役員、常務執行役員を経て、2019年6月同社取締役常務執行役員。2023年4月より現職。 |
| 吉 田 智 宣 | 取締役専務執行役員スポーツクラブ事業統括本部長 | 1990年4月同社入社。執行役員、常務執行役員を経て、2019年6月同社取締役常務執行役員。2025年9月より現職。 |
社外取締役は、阿部奈美氏(塩水港精糖社外取締役)、松井拓己氏(松井サービスコンサルティング代表)、谷口健太郎氏(UHAエジュテック社長執行役員COO)、山平恵子氏(丸一鋼管社外取締役)です。
同社は監査役会設置会社です。社外取締役は取締役会において、同社グループの現状と課題を把握し、意見を述べる役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ルネサンスの役員報酬は、基本報酬、賞与、株式報酬で構成されています。基本報酬は個人の職責に応じて決定され、賞与は売上高や経常利益の増減に連動する業績連動型です。また、株式報酬は中長期的なインセンティブとして機能しています。社外取締役には基本報酬のみが支給され、監査役の報酬は職責に応じた額が協議により決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 1.7億円 | 33.5百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 39百万円 | 19.5百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 31百万円 | 5.2百万円 |
個人別報酬が開示されている役員は存在しません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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