【平均年収725万円】セック 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収725万円】セック 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

セックは、リアルタイム技術を専門とし、社会インフラや宇宙先端システムなど多岐にわたる分野でリアルタイムソリューションを提供する会社です。直近の業績は増収増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社セック の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


セックは、リアルタイムソフトウェアの提供を主体とするリアルタイム技術専門会社です。時々刻々と変化する外界と密接な相互作用を持つコンピュータシステムを開発する技術をユビキタス社会の基盤技術と位置づけ、社会インフラや宇宙先端システムなど多岐にわたる分野でリアルタイムソリューションを提供しています。

単体従業員数は365名です。セグメントは情報サービス事業の1つです。

同社は、移動体通信事業者、電機メーカー、自動車メーカー、重工業メーカー、精密機械メーカー、各種研究機関、官公庁などに技術サービスを提供しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


同社は、リアルタイム技術を中核とするソフトウェアサービスを提供し、社会の安全と発展に貢献しています。高度な専門性を持つ人材の育成と確保を重視しており、社員一人ひとりの成長が企業価値の向上に直結するという考えのもと、人材戦略を策定しています。専門性を高めながら長期的にキャリアを築くことに焦点を当てた働き方が特徴です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が比較的長く、社員が長期的にキャリアを形成している傾向が見られます。平均年齢も中堅層が中心となっており、経験豊富な社員が多数在籍していることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 7,253,000円
平均勤続年数 13.2年
平均年齢 39.0歳
単体従業員数 365人


同社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)および確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を設けています。これらの制度は国内の従業員に適用されます。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、退職給付債務は11.9億円、年金資産は22.8億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社は、リアルタイム技術を中核とする事業を展開しており、高度な専門性を持つ人材の継続的な確保と育成を経営戦略の遂行に不可欠な要素と位置付けています。人材を最も重要な経営資源と捉え、中長期的な企業価値向上を目指した人材戦略を策定しています。経営戦略は研究開発を通じた技術力強化と高付加価値化を図り、人員規模に依存しない持続的な成長を目指すものであり、専門性に加え、主体的な課題解決能力、マネジメント力、顧客への提案力を発揮できる人材の育成が不可欠であると考えています。このため、短期的な人員拡大ではなく、質を重視した採用と計画的な育成を基本方針としています。

従業員の給与その他の給付は、上記の人材戦略および経営戦略と整合した形で設計されており、社員一人ひとりの能力発揮と中長期的な成長を促すことを目的としています。優秀な人材の確保と定着を通じて人的資本への投資効果を高め、同社の持続的な成長と企業価値の向上に資する方針です。給与その他の給付の額および内容は、業界水準を参考にし、職務内容、役割、能力、経験、並びに業績や成果等を総合的に勘案して決定され、事業価値の向上に貢献する人材が適切に評価される仕組みとなっています。

人材育成においては、「社員の自己実現と会社の存続発展の一致をはかる」ことを目標の一つに掲げています。ソフトウェアエンジニアの素養とプロとしての志を持つ優秀な人材を採用し、プロに相応しい挑戦の機会と自ら学び成長する機会を提供することを基本方針としています。具体的には、「基礎なくして高度な専門性なし」の基本理念のもと、半年間にわたる新入社員教育で基礎技術を教育し、変化への対応力を鍛えています。社員の自己啓発を促し、仕事を通して専門性を高める成長と社員自らの学びが循環する「学ぶ組織」の構築に努めています。

また、社員の知的好奇心を高めるための研究開発の推進や、生産性を高め、コミュニケーションを促進し、イノベーションを生み出すための開発環境や執務環境の設備投資も進めています。社員が安心して働き続けられるよう、心身両面の健康と安全に配慮し、様々なライフステージの変化を経る中で働き続けられる環境や制度を整備し、社員との対話を通じて心理的安全性と従業員エンゲージメントの向上にも努めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。労働者の男女の賃金の額の差異の要因としては、近年の女性採用比率の引上げにより、女性社員における若年層の構成比が高まっていること、および管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合が相対的に低いことが影響しています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 3.8%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 77.2%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 81.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 58.5%

指標及び目標


同社は、人材の多様性を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針について、以下の指標を用いています。採用応募者に占める女性の割合は2026年4月に入社する社員に対する採用活動で算出されており、情報処理技術者試験資格保有率については、全社員の取得を推進しているため具体的な目標数値は設定されていません。

指標 目標 実績(当事業年度)
採用応募者に占める女性の割合 2029年3月までに30%以上 18.7%
有給休暇取得率 2029年3月までに70%以上 72.7%
情報処理技術者試験資格保有率 - 93.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


セックは、リアルタイムソフトウェアの提供を専門とする技術会社です。時々刻々と変化する外界と密接な相互作用を持つコンピュータシステムを開発するリアルタイム技術を基盤に、社会の安全と発展に貢献する事業を展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


セックは、リアルタイム技術を核とした情報サービス事業を単一セグメントとして展開しています。このリアルタイム技術は、自然現象を入力とするシステムを設計する技術であり、割り込み処理、優先処理、並行処理といった特有の処理を用いて、高度な信頼性が求められるシステムを開発しています。

同社は、事業分野を「ビジネスフィールド(BF)」と呼ぶ4つの領域に分類し、リアルタイムソフトウェアとリアルタイムソリューションを提供しています。社会基盤システムBFでは、高度交通システムや防衛関連システム、医療、環境エネルギー、官公庁向けの情報システム開発を手掛けています。宇宙先端システムBFでは、科学衛星や惑星探査機に搭載される組込みソフトウェア、天体望遠鏡の制御、観測データ解析などの宇宙関連システムに加え、車両自動走行の研究開発や次世代ロボットに関する研究開発、各種研究機関向けの先端システムを開発しています。

モバイルネットワークBFは、キャッシュレス決済端末や車載端末などのモバイルデバイスを使ったサービスシステム、スマートコンストラクション関連システム、XR(クロスリアリティ)など次世代技術を使ったエッジデバイスのソフトウェア開発が中心です。インターネットBFでは、非接触ICに搭載される組込みソフトウェア、IoT関連システム、民間企業向けの技術アプリケーションやクラウドシステムなどを開発しています。

同社は、移動体通信事業者、電機メーカー、自動車メーカー、重工業メーカー、精密機械メーカー、各種研究機関、官公庁など、多岐にわたる顧客に技術サービスを提供しています。非連結子会社であるAMSEC,INC.は、米国最新技術及びビジネス動向調査を同社より受託しています。

直近の業績では、インターネットBFは非接触IC関連や民間企業向けのDX関連開発の増加により、社会基盤システムBFは医療分野や環境分野、官公庁向け開発の大幅な増加により、それぞれ売上高が増加しています。一方で、モバイルネットワークBFは減少傾向が継続しており、宇宙先端システムBFは車両自動走行の研究開発案件が堅調であるものの、全体に占める割合は減少しています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


セックの直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも増加傾向を示しています。特にインターネットBFや社会基盤システムBFの好調が、全体の増収増益に貢献している状況です。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


株式会社セックは、堅調な業績を背景に、財務基盤の安定性を維持しています。本業で得た資金を元手に、将来に向けた投資も行いながら、手元資金を確保している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社の財務基盤は、自己資本比率が高く、安定している状況です。当期末の自己資本比率は82.9%となっており、プライム市場の平均と比較しても高い水準を示しています。手元資金である現金及び現金同等物も増加しており、事業運営に必要な資金を十分に確保していることがうかがえます。このような財務状況は、事業の継続性や将来の成長投資を支える基盤となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 9,331百万円 10,313百万円
自己資本比率 79.2% 82.9%
ROE(自己資本利益率) - -
現金及び現金同等物 2,232百万円 3,321百万円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社のキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは当期に1,697百万円のプラスとなりました。これは主に税引前当期純利益の増加や棚卸資産の減少によるものです。投資活動によるキャッシュフローは、投資有価証券の取得や有形固定資産の取得による支出があったものの、投資有価証券の売却収入により、支出は46百万円にとどまっています。

財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いにより561百万円の支出となっています。本業で得た資金が投資を上回るフリーキャッシュフローはプラスであり、事業活動で安定的に資金を生み出し、手元資金を増やしながら、将来への投資と株主還元も行っている状況です。この資金の流れは、同社の安定した事業運営と成長余力があることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながると考えられます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF △250百万円 1,697百万円
投資CF △41百万円 △46百万円
財務CF △446百万円 △561百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) △291百万円 1,651百万円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社は、需要構造の変化やイノベーションの停滞が業績に影響を及ぼす可能性があると認識しています。また、主要取引先の受注動向によっても業績が変動する可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社は、優秀な人材の獲得・定着が成長の源であると認識しており、IT人材争奪戦の激化に伴い、獲得策が成果に繋がらない場合や、獲得した人材が定着しなかった場合に成長機会を逸する可能性があるとしています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


セックは、「社会の安全と発展のために」を会社理念とし、リアルタイム技術を専門とする企業です。同社は、最良のリアルタイムソフトウェアを提供することで社会に貢献することを目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社の会社理念は「社会の安全と発展のために」です。情報社会のキーコンセプトをリアルタイムにあると捉え、創業以来、リアルタイム技術を中核にビジネスを展開しています。

これからもリアルタイム技術にこだわり、トップブランドのリアルタイム技術専門会社を目指しています。そして、「最良のリアルタイムソフトウェアを提供して、社会に貢献する」ことを会社目標としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社は「QCD&I」―QCD(品質・価格・納期)を窮め、I(イノベーション)で飛躍する。―をビジネスコンセプトとしています。革新的な技術やソリューション製品といったニューエレメントを生み出し、高付加価値化ビジネスで他社との差別化を図ることを基本方針としています。

人的資本への投資と知的財産の創出を重要な経営課題と認識しており、「社員の自己実現と会社の存続発展の一致をはかる」ことを人材育成の目標の一つとしています。「基礎なくして高度な専門性なし」を基本理念とし、社員の自己啓発を促し、仕事を通して専門性を高める「学ぶ組織」の構築に努めています。

社員の能力を最大限に発揮し、イノベーションを起こすため、オフィス環境や開発環境、執務環境への設備投資を進めています。また、社員が安心して働き続けられるよう、心身両面の健康と安全に配慮し、様々なライフステージの変化に対応できる環境や制度を整備しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社は、高い成長性を確保するため、研究開発で変化を先取りし、新技術をいち早く習得する主体的なビジネス展開に注力しています。安定的な収益確保のため、プロジェクトマネージメント力の強化や組織的なリスク管理の強化、品質マネジメントシステムの徹底などを推進しています。

優秀な人材の確保を課題とし、社会的信用力と知名度の向上を活かした人材獲得、社員が成長できる環境の提供、教育制度の充実、「学ぶ組織」の構築に取り組んでいます。イノベーションを生む環境の研究や、社員の能力を最大限に発揮できる執務環境の構築、大学や他社との共同研究・アライアンスの推進も行っています。

次期の重点テーマは「先端技術を窮め、オープン・イノベーションで事業成長を目指す」としています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


セックは監査等委員会設置会社であり、取締役会と監査等委員会が経営を監督する体制です。また、任意の諮問委員会として指名報酬委員会を設置し、公正な意思決定を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の筆頭株主は有限会社矢野商会であり、特定の株主グループが上位に名を連ねています。セック従業員持株会も大株主の一つとして名を連ねています。

株主名 持株比率
有限会社矢野商会 27.20%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 6.93%
セック従業員持株会 4.91%
矢野 恭一 3.48%
有限会社近石商会 2.95%


なお、2026年4月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、アセットマネジメントOne及びみずほ証券が2026年3月31日現在で株式を所有している旨が記載されています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は櫻井伸太郎氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
秋山 逸志 代表取締役 会長 1976年4月同社入社、2006年6月同社代表取締役社長、2019年4月同社代表取締役会長より現職。
櫻井 伸太郎 代表取締役 社長 1983年4月同社入社、2016年6月同社取締役、2019年4月同社代表取締役社長より現職。
杉山 寿顕 取締役 管理本部長 2008年3月同社入社、2019年6月同社取締役 管理本部長より現職。


社外取締役は、西村 邦裕氏((株)テンクー 代表取締役社長)、酒井田 努氏(静岡ひがし法律事務所 代表弁護士)、上岡 玲子氏(株式会社zeroinon 取締役・東京工科大学 片柳研究所 教授)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、複数の社外取締役を含む監査等委員が取締役会における議決権を有することで、経営の監督機能の実効性を高める体制を採用しています。社外取締役は、専門的な知識や経験に基づき、客観的な立場から経営を監督し、有効なアドバイスを行う役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、職責や貢献度に応じた基本報酬(固定報酬)、業績へのコミットメントに応じたインセンティブ報酬(業績連動報酬)、企業価値の持続的な向上と株主との価値共有を目的とした譲渡制限付株式報酬(非金銭報酬)で構成されています。社外取締役の報酬は原則として基本報酬のみです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 3名 1.4億円 47.3百万円
監査等委員(社外除く) 1名 14百万円 13.5百万円
社外役員 5名 22百万円 4.3百万円


非金銭報酬等の内訳は、全て譲渡制限付株式報酬です。なお、報酬等の総額には、事業年度中に退任した役員の在任中の報酬が含まれています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。