※本記事は、ゲンダイエージェンシー株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、広告事業を主軸に、不動産事業や新事業開発を手掛けています。インターネット広告から折込広告、販促物、マスメディア広告まで幅広い広告の企画制作を行うとともに、商業施設の不動産賃貸・仲介も展開しています。
単体従業員数は138名、連結従業員数は208名です。セグメントは広告事業、不動産事業、その他事業の3つです。
主な国内グループ会社は、ユーアンドユー(広告事業)、ジールネット(広告事業・その他事業)、ランドサポート(不動産事業)、アーク(その他事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ゲンダイエージェンシーは、広告事業を主力とする同社グループにおいて、人的資本を価値創造の源泉と位置づけています。変化の激しい業界に対応するため、個人の創造性と専門性を重視した人材育成に力を入れていることがうかがえます。働きやすい職場環境の実現と若年層の定着率向上にも取り組んでおり、従業員が長期的に活躍できる環境づくりを目指していると考えられます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ゲンダイエージェンシーでは、平均勤続年数が12.0年と比較的長く、従業員の定着傾向が見られます。平均年齢も40.63歳となっており、経験豊富な人材が安定して活躍している組織であることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,741,000円 |
| 平均勤続年数 | 12.0年 |
| 平均年齢 | 40.63歳 |
| 単体従業員数 | 138人 |
| 連結従業員数 | 208人 |
| 単体のグループ内比率 | 66.3% |
ゲンダイエージェンシーでは、従業員の退職給付として確定拠出型制度を採用しています。これは、会社が拠出した資金を従業員が自ら運用する制度です。
この制度は、個々の従業員の意思により、確定拠出年金への拠出か、生涯設計手当として給与加算のいずれかを選択できる形となっています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、広告事業において人的資本を価値創造の源泉と捉え、人材戦略を重視しています。変化の激しい業界に対応するため、個人の創造性と専門性を追求する人材育成に継続的に投資しています。
人事制度においては、公正な処遇を実現し、多様なワークスタイルを支える福利厚生を拡充することで、中長期的な人材の定着と確保を図る方針です。組織戦略としては、「クライアント企業に喜ばれる仕事をみんなで楽しむ」というスローガンのもと、社内コミュニケーションの活性化や公募型プロジェクトの導入を通じて、個人の働きがいと組織のエンゲージメント向上を目指しています。
人材育成では、次世代管理職候補者を創出するサクセッションプランを遂行しています。また、働きやすい職場環境を実現するため、労働環境の改善に加え、若年層従業員の定着率を向上させるためのエンゲージメント施策を実施しています。最高人事責任者(CHO)を頂点とする人事部が、採用、配置、評価、報酬、教育の各プロセスを毎期改善し、エンゲージメント向上に努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 6.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 66.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 72.5% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 38.8% |
多様性・登用
これらの数値は提出会社単体の実績値です。子会社については数値目標を設定していません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性従業員の比率 | 25.0% |
人材育成・エンゲージメント
これらの数値は提出会社単体の実績値です。子会社については数値目標を設定していません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 有給休暇消化率 | 55.5% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ゲンダイエージェンシーグループは、広告事業と不動産事業を主軸に展開しています。特に広告事業では、多様な媒体を通じて顧客の集客を支援しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、広告事業と不動産事業を主要な事業として展開しています。広告事業は、パチンコホール向けの広告企画・制作を主軸とし、集客に貢献するサービスやインターネット広告の需要が高まっています。一方で、紙媒体広告の需要は減少傾向にあります。
不動産事業は、パチンコホールをはじめとする商業施設全般に関する不動産の賃貸や仲介を手掛けています。同社グループの収益は国内事業から得られており、海外からの売上高はありません。また、特定の顧客への売上高が連結売上高の10%以上を占めることはありません。
広告事業
同社グループの主力事業であり、パチンコホール向けの広告企画・制作を主なサービスとしています。集客力の高い来店プロモーション企画やインターネット広告の拡販に注力しており、高付加価値なDSP広告や自社保有サイト「パチ7」のオリジナルサービスが収益を牽引しています。
収益は、広告の企画制作やインターネット広告の提供から得ています。運営は、ゲンダイエージェンシー、ユーアンドユー、ジュリアジャパン、ジールネット、プレスエーが行っています。
前期と比較して売上高は減少しましたが、セグメント利益は増加しました。
不動産事業
パチンコホールをはじめとした商業施設全般に関する不動産の賃貸、仲介等を行っています。連結子会社が所有する土地の賃貸収益や、賃貸仲介に伴う手数料収益が主な収益源です。
収益は、不動産の賃貸や仲介手数料から得ています。運営は、ランドサポートが行っています。
前期と比較して売上高、セグメント利益ともに大幅に増加しました。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 広告事業 | 76.2億円 | 74.3億円 |
| 不動産事業 | 56百万円 | 99百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5期間で概ね横ばいから微減傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、変動を伴いながらも直近の期で大幅に増加しました。
これは、収益性の高いインターネット広告の伸長による販売マージンの増加が主な要因です。一方で、紙媒体広告の需要減少や、持続的成長に向けた人的資本への投資による販売費及び一般管理費の増加も影響しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 74.3億円 | 75.5億円 | 74.2億円 | 76.8億円 | 75.3億円 |
| 経常利益 | 3.1億円 | 4.2億円 | 2.6億円 | 4.2億円 | 6.8億円 |
| 経常利益率 | 4.2% | 5.6% | 3.5% | 5.4% | 9.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.5億円 | 3.7億円 | 1.2億円 | 3.6億円 | 4.7億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 16.90 | 27.85 | 10.17 | 29.16 | 42.24 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から減少しましたが、従業員1人あたりの営業利益は増加しました。これは、売上高が微減した一方で、利益率の高いインターネット広告の伸長により営業利益が大幅に増加したためと考えられます。組織全体の収益性が向上している傾向が見られます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 37.1百万円 | 36.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.0百万円 | 3.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動を通じて得た資金をどのように活用し、将来の成長に繋げているかを示しています。手元資金の厚みや自己資本の状況から、経営の安定性を確認できます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ゲンダイエージェンシーの財務基盤を見ると、自己資本比率はプライム市場平均と比較して高い水準にあります。これは、同社グループが外部からの借入に過度に依存せず、安定した経営を維持していることを示しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を上回っており、効率的な資本活用ができている状況です。手元資金も潤沢に確保されており、不測の事態への耐性も高いと言えます。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にも良い影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 42.0億円 | 38.9億円 |
| 自己資本比率 | 73.1% | 71.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 8.7% | 11.7% |
| 現金及び預金 | 36.9億円 | 32.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ゲンダイエージェンシーの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益を計上したことにより、収入が増加しました。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出があったため、支出が増加しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いや自己株式の取得による支出があったため、支出が増加しました。これらの結果、現金及び現金同等物は減少しています。
本業で安定的に資金を生み出しつつ、投資活動による支出を上回るフリーキャッシュ・フローを確保しており、財務的な安定性が見られます。これは、同社グループが持続的な成長に向けた投資余力を持ち、雇用や給与の安定性にも繋がる状況を示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 5.1億円 | 6.7億円 |
| 投資CF | △1.3億円 | △2.7億円 |
| 財務CF | △1.2億円 | △8.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 3.8億円 | 4.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、売上高が特定業種であるパチンコホール業界の広告需要に大きく依存していることをリスクとして挙げています。規制強化や遊技人口の減少により、広告需要が減少する可能性があり、他の業種への顧客開拓を進めています。
また、インターネット広告市場の拡大に伴い、広告メディアの自主規制強化や競合他社による類似サービスの開発、生成AI等の技術進化に伴うユーザー行動の変化が収益性に悪影響を及ぼすリスクも認識しています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、持続的成長が人材に大きく依存しているため、必要とする人材の採用、育成、定着率の向上が重要であると認識しています。計画通りに人材を確保・育成できない場合や、人材の流出を招いた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があるとしています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ゲンダイエージェンシーは、イノベーションと創造性を重視し、クライアントの業績発展を通じて豊かな社会の実現に貢献することを目指しています。真摯な姿勢と熱意をもって最良のサービス提供に努め、信頼されるパートナーとなることを追求する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループの企業理念は、「イノベーションと創造性に満ちた取り組みでクライアント企業の業績発展を支援する活動を通じて、豊かな社会の実現に貢献する」です。この企業理念を合言葉に、常に真摯な姿勢と熱意をもって最良なサービス提供に努めています。クライアント企業のコミュニケーション戦略実現のパートナーとして信頼される企業を目指しています。さらに、広告事業の枠にとらわれない、新たなビジネスモデルやサービスの開発にも挑戦していく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、行動規範として「法令遵守」「株主重視」「顧客満足」「従業員尊重」の4つを掲げています。これらの規範に基づき、ステークホルダーの要求を満たしながら企業価値の最大化に努める方針です。サステナビリティ基本方針では、法令遵守、地球環境への配慮、人権尊重、公正な取引を重視しています。また、従業員の個性と多様性を尊重し、それぞれが能力を最大限発揮できるための教育研修体系や人事制度を整備し、やりがいと誇りを持って働ける職場環境の実現に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、新たな経営体制への移行を次世代リーダーの育成・登用を軸として着実に進めています。意思決定の迅速化と事業執行のスピードアップを図るべく、実効性の高い組織運営に注力している状況です。持続的な成長のための人材育成と組織力強化を重要な課題と認識しており、若手・中堅社員の定着率向上とスキルアップ、長期的なキャリア形成を支援する人事制度の運用・改善を進めています。人的資本への投資を継続し、競争力ある処遇の実現を通じて、従業員が能力を最大限に発揮できる環境整備を目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ゲンダイエージェンシーは、取締役会と監査役会、そして任意で設置する経営役員会を企業統治の機関としています。取締役会は迅速かつ的確な経営意思決定を行い、監査役会は法令や定款違反の有無について監査を実施しています。同社は監査役制度を採用しており、社外取締役の選任や執行役員制度の運用を通じてコーポレート・ガバナンスの強化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主はGAキャピタルであり、同社取締役の山本正卓氏一族の資産管理会社です。上位株主には複数の個人株主も名を連ねており、特定の株主グループが経営に一定の影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| GAキャピタル | 32.95% |
| 梅田 美智子 | 3.27% |
| 内藤 征吾 | 2.60% |
| 完山 敏錫 | 1.66% |
| 鎌倉 吉成 | 1.58% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性10名・女性-名)で構成されています。代表取締役社長最高経営責任者(CEO)は大島克俊氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 大島 克俊 | 代表取締役 社長最高経営責任者 (CEO) | 2002年4月同社入社、上野営業所長、営業企画開発部長、執行役員を経て、2021年6月同社取締役就任。2024年6月より代表取締役社長最高経営責任者(CEO)現職。 |
| 両角 正人 | 取締役 最高財務責任者 (CFO) | 2002年4月テンアライド株式会社入社、2004年3月同社入社。松本営業所長、神戸営業所長、経理部長、執行役員を経て、2024年6月同社取締役就任。2025年6月より最高財務責任者(CFO)現職。 |
| 黒子 好章 | 取締役 最高人事責任者 (CHO) 最高コンプライアンス責任者 (CCO) | 1997年3月同社入社、上野営業所長、八王子営業所長、人事部長、執行役員を経て、2009年4月より最高人事責任者(CHO)現職。2025年6月より同社取締役、最高コンプライアンス責任者(CCO)現職。 |
| 山本 正卓 | 取締役 | 1991年4月有限会社アイユー入社、1993年4月株式会社ファラン入社。1994年2月現代広告社創業、1995年4月同社設立と同時に取締役就任。代表取締役、社長、最高経営責任者(CEO)を経て現職。 |
社外取締役は、田坂正樹氏(株式会社ピーバンドットコム 取締役会長)、谷口辰成氏(株式会社セキュア 代表取締役社長 代表執行役員CEO)です。
同社は監査役会設置会社であり、意思決定・監督と業務執行の分離による責任の明確化と取締役会の活性化のため、執行役員制度を導入しています。社外取締役は、外部からの客観的で中立的な視点と専門性を活かした経営監視の機能を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、役員の報酬について、基本報酬の水準と安定性を重視する方針です。取締役の報酬は月例の固定報酬のみで構成され、業績連動報酬や非金銭報酬は支給されません。監査役の報酬は、任期期間における定額固定報酬が基本原則となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 6名 | 71百万円 | 11.8百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 6百万円 | 6.0百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 11百万円 | 1.8百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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