※本記事は、株式会社フライトソリューションズ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
フライトソリューションズは、物流・金融系のシステムコンサルティング、開発・保守、クラウドサービス支援を手掛けています。また、電子決済ソリューション「Incredist」や「Tapion」、B2B向けECサイト構築パッケージ「EC-Rider B2B Ⅱ」の開発・販売も行っています。
単体従業員数は110名です。セグメントはSIソリューション事業、決済ソリューション事業、ECソリューション事業の3つです。
フライトソリューションズは、システムコンサルティングから開発・保守、クラウドサービス支援までを一貫して提供しています。さらに、電子決済ソリューション「Incredist」や「Tapion」、B2B向けECサイト構築パッケージ「EC-Rider B2B Ⅱ」といった自社製品の開発・販売も直接行っています。
フライトソリューションズは、第37期に連結子会社であったフライトシステムコンサルティングを吸収合併し、持株会社体制を解消しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
フライトソリューションズは、デジタル情報化社会への貢献を掲げ、高度な技術力を軸に革新的なソリューションを提供する企業です。専門性を重視した人材戦略と、多様な働き方を支援する環境整備を通じて、従業員が長期的に活躍できる職場づくりを目指しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が41.0歳、平均勤続年数が11.1年となっており、比較的落ち着いた年齢構成と長期的なキャリア形成が可能な環境であることがうかがえます。専門性を重視した人材育成と多様な働き方の支援を通じて、従業員の定着を促進していると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,631,000円 |
| 平均勤続年数 | 11.1年 |
| 平均年齢 | 41.0歳 |
| 単体従業員数 | 110人 |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
フライトソリューションズは、「Technology Changes The World.」の経営理念に基づき、高度な技術力で社会課題を解決する革新的なソリューション提供を目指しています。この実現のため、専門性を有する技術者集団の育成と、多様な人材が能力を最大限に発揮できる環境整備を人材戦略の基本方針としています。
給与や賞与の決定においては、年次や経験年数に関わらず「誰もがやったことのない新しい業務に挑戦できる」高裁量な環境を重視しています。個人の能力や成果、技術的貢献度を客観的かつ適正に評価し、処遇に反映させる仕組みを構築・運用しています。
人材育成では、技術の進化に迅速に対応できるよう、新入社員・若手層への段階的な技術研修やOJT、先輩社員による伴走を実施しています。また、AI、クラウド、セキュリティといった最先端技術の自律的な習得支援や資格取得支援制度を通じて、専門スキル向上とモチベーション向上を推進しています。定期的な1on1ミーティングにより、従業員の自立的なキャリアアップをサポートしています。
多様な働き方の実現に向けた環境整備にも注力しており、育児・介護休業制度をはじめ、仕事と家庭生活の両立を支援する諸制度を整えています。特に男性の育児休業取得や有給休暇の取得を奨励し、性別に関わらず制度を活用できる環境づくりに努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合および労働者の男女の賃金の額の差異は、女性活躍推進法に基づき算出されています。男性労働者の育児休業取得率は、当事業年度において取得対象となる従業員がいなかったため、数値は開示されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 13.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 71.9% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 72.6% |
育児・介護支援
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性育児休業取得率(目標) | 100.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
フライトソリューションズは、システムコンサルティング、システム開発・保守、クラウドサービスを活用したシステム開発支援、電子決済ソリューションの開発・販売、B2B向けECサイト構築パッケージの販売を展開しています。同社はこれらの事業を通じて、多様な顧客のビジネスをITで支援し、収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、物流系や金融系を中心とした事業会社向けのシステムコンサルティング、システム開発・保守、クラウドサービスを活用したシステム開発支援を行っています。また、自社製品として電子決済ソリューション「Incredist」シリーズ、Android端末によるタッチ決済ソリューション「Tapion」シリーズ、無人自動精算機向けの決済ソリューションの開発・販売も手掛けています。さらに、B2B向けECサイト構築パッケージ「EC-Rider B2B Ⅱ」の販売も行っています。
同社の収益モデルは、システム開発・保守による受託開発型と、自社製品の販売によるパッケージ・ソリューション提供型を組み合わせています。次期以降は、決済センターサービスによる手数料収入などのストック収入の拡大により、経営の安定化を図る方針です。
当事業年度の販売実績を見ると、ソフトバンク株式会社、GMOフィナンシャルゲート株式会社、GO株式会社といった特定の相手先への販売が総販売実績に占める割合が高くなっています。
SIソリューション事業
SIソリューション事業では、事業会社の基幹システム開発・保守などを行っています。収益は、システム開発や保守サービスから得ています。当事業年度は、前事業年度に売上計上した大型システム開発の反動などにより、売上高が減少しました。
決済ソリューション事業
決済ソリューション事業では、電子決済ソリューション「Incredist」シリーズ、Android端末によるタッチ決済ソリューション「Tapion」シリーズ、マイナンバーカードを用いた本人認証ソリューション「myVerifist」の開発・販売、フライト決済センターの開発に注力しています。収益は、これらのソリューションの開発・販売から得ています。当事業年度は、大口案件の納期が来期にずれ込んだことや、ソリューションの開発・提案活動に注力したことにより、売上高は増加しましたが、営業損失を計上しました。
ECソリューション事業
ECソリューション事業では、B2B向けECサイト構築パッケージ「EC-Rider B2B Ⅱ」の販売に注力しています。収益は、パッケージの販売から得ています。当事業年度は、「EC-Rider B2B Ⅱ」の提案活動に注力したことにより、売上高が減少し、営業損失を計上しました。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 決済ソリューション事業 | 17.8億円 | 19.2億円 |
| SIソリューション事業 | 11.6億円 | 9.3億円 |
| ECソリューション事業 | 1.2億円 | 80百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の連結業績は、第35期から第37期にかけて売上高は一時的に減少した後、再び増加する傾向を示しました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、第35期から第36期にかけて減少した後、第37期には損失を計上する結果となりました。なお、第38期以降は連結子会社が無くなったため、連結財務諸表は作成されていません。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 32.5億円 | 30.1億円 | 32.1億円 | - | - |
| 経常利益 | 1.5億円 | 57百万円 | △94百万円 | - | - |
| 経常利益率 | 4.8% | 1.9% | △2.9% | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.1億円 | 41百万円 | △1.1億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益(円) | 12.06 | 4.37 | △11.18 | - | - |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の財務状況は、事業活動や投資活動の資金の流れから、現在の経営状態を把握することができます。これらの情報は、転職を検討する上で重要な判断材料となります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本や手元資金の状況から、安定性を確認できます。自己資本比率やROEといった指標は、企業の健全性や収益力を示す重要な要素です。手元資金の厚みは、不況時における企業の耐性を示すため、入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で重要な情報となります。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、事業活動、投資活動、財務活動における資金の流れを示しています。これらの資金の流れを把握することで、同社がどのように資金を調達し、運用しているか、また将来に向けた投資の方向性を理解することができます。キャッシュフローの状況は、企業の成長性や安定性、ひいては雇用や給与の安定性にも影響を与える重要な要素です。
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
同社は、2026年3月期に営業損失を計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況となっています。しかし、複数の大口案件が翌事業年度に納品見込みであることや、追加の資金調達について金融機関と交渉中であることから、現時点では資金繰り上の懸念はないと判断しています。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、自社開発のソフトウェアと先進技術を組み合わせたソリューションを提供していますが、大手の同業他社や新規参入企業との競争激化により、業績に影響を与える可能性があります。また、システム基盤に関する技術革新のスピードが速いため、迅速な環境変化への対応が業績に影響を及ぼすリスクも認識しています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、今後の安定的な成長のために優秀な人材の確保が重要な課題であると認識しています。求める要件を満たす人材の確保・育成が計画通りに進まない場合、事業展開や業績に影響が生じる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
フライトソリューションズはデジタルメディア社会の発展に貢献し、常に顧客満足を実現することを目指している会社です。そのために、明確な企業理念、存在意義、経営姿勢、行動指針を定めています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
フライトソリューションズは、デジタルメディア社会の発展に貢献し、常に顧客満足を実現する企業を目指しています。企業理念として「変化に強い経営」「デジタル情報化社会に貢献する経営」「プロフェッショナルを育む経営」「個人と会社の目標を一致させる経営」を掲げています。同社の存在意義(ミッション)は、技術によってデジタルメディア社会の成長を支え、培った技術を使って広く世の中に貢献することです。お客様にとって「価値」のある会社づくりを重視し、メディアビジネスで培った技術を応用できる領域を広げていくことを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
フライトソリューションズは、存在意義を実現するための経営姿勢(約束)として、お客様に「仕事を頼んでよかった」、ビジネスパートナーに「ともに仕事をしてよかった」、従業員に「ここで働いてよかった」と感じてもらえることを重視しています。社員一人ひとりの行動指針(共有する価値観)は、「お客様を第一に」「技術を中心に」「明るくオープンなチームを」「スピーディに結果を」「挑戦を続けて」「誠実に規範を守って」の6つです。これらを大切にし、日々の仕事における創意工夫を尊重し、働く喜びを共有できる職場づくりを目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
フライトソリューションズは、高度化するプロジェクトを成功に導くため、技術ノウハウの共有を優先課題としています。個人のノウハウを組織全体のノウハウへと変革することを目指しています。また、プロフェッショナルな人材の確保と育成、および外部アライアンスの強化も重点テーマです。優秀な人材を引き付け、技術者のスキルアップとモチベーション向上を図るための施策を実行しています。社員満足度の向上と定着化を促進するため、研究開発や教育制度、キャリアプランの充実にも取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
フライトソリューションズは、監査等委員会設置会社として、経営の透明性と監督機能の強化を図っています。取締役会は社外取締役を含む7名で構成されており、迅速な意思決定と経営監視の両立を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
フライトソリューションズの株主構成を見ると、機関投資家が上位に名を連ねています。一方で、同社の代表取締役社長や代表取締役副社長といった経営陣も上位株主として名を連ねており、経営陣が一定の株式を保有していることが特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| SBI証券 | 3.25% |
| 楽天証券共有口 | 2.81% |
| 片岡 房雄 | 1.32% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性5名・女性2名)で構成され、女性役員比率は28.6%です。代表取締役社長は片山圭一朗氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 片山 圭一朗 | 代表取締役 社長 | 1988年4月株式会社フライト(現同社)設立、同社代表取締役社長。2002年10月同社代表取締役社長、2014年12月FLIGHT SYSTEM USA Inc.CEO、2023年10月同社プロダクト&フィナンシャルサービス事業部長より現職。 |
| 松本 隆男 | 代表取締役 副社長 | 1979年4月コンピューターサービス株式会社(現・SCSK株式会社)入社。2011年6月同社代表取締役副社長、2023年10月同社管理本部長より現職。 |
| 和田 克明 | 常務取締役 | 1987年4月株式会社コナム入社。2011年6月同社取締役、2023年10月同社常務取締役バリュークリエーション事業部長より現職。 |
社外取締役は、重富貴子氏(Mayer Brown GJBJアソシエイト弁護士・監査等委員)、伊東幸子氏(東京科学大学 副学長・監査等委員)、萩原義春氏(司法書士事務所アレックス・カウンセル・アンド・サービシズ代表パートナー・監査等委員)、黒田正治氏(日本電気株式会社上席事業主幹・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社を採用しており、社外取締役が経営陣から独立した客観的な立場から職務を遂行することで、経営の監督機能を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
フライトソリューションズの役員報酬は、固定報酬を基本としています。取締役(監査等委員である取締役を除く)の基本報酬は、各取締役の貢献度や会社の業績などを総合的に考慮して決定されます。監査等委員である取締役の報酬も固定報酬であり、株主総会で決議された総額の範囲内で監査等委員会が協議し決定しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 55百万円 | 18.4百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 18百万円 | 4.5百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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