※本記事は、株式会社テクノマセマティカル の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
テクノマセマティカルは、独自のコンピュータアルゴリズム「DMNA」を基盤に、画像・音声処理を行うソフトウェアIP、ハードウェアIP、およびソリューションの開発・ライセンス・販売を手掛けています。DMNAは低消費電力・高画質・高音質・低遅延といった特長を持つ製品を実現しています。
同社の単体従業員数は55名です。同社は単一セグメントで事業を展開しています。
テクノマセマティカルは、ファブレスメーカーとして、ソフトウェアIP、ハードウェアIP、およびソリューション製品の開発・製造・販売を自社で行っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社テクノマセマティカルは、独自の技術開発を強みとする企業であり、専門性の高いエンジニアが活躍する環境です。給与水準や働き方については、個人の能力や貢献が評価される仕組みが整っており、長期的なキャリア形成を支援する方針が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員が比較的長く在籍し、経験を積んでいる傾向が見られます。年齢構成も落ち着いており、安定した環境で専門性を深めたいと考える方にとって、魅力的な職場であると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,688,000円 |
| 平均勤続年数 | 13.8年 |
| 平均年齢 | 52.0歳 |
| 単体従業員数 | 55人 |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、独自のアルゴリズムを活用した差別化戦略を推進しており、この目標達成のために「世にないもの、便利になるものを創って人の役に立つことに喜びを見出すエンジニア」の採用と育成に力を入れています。比較的短期間で一流のエンジニアに成長できるような教育・研修に注力していることが特徴です。
給与は目標管理制度に基づき、設定目標の難易度と達成度合い、そして今後の成長への期待値を加味して決定されます。賞与の配分においては、会社業績と個人業績を基礎としつつ、人材育成の観点も重視されています。具体的には、管理職には部下社員の成長のための教育・指導の内容と成果が、一般社員には管理職の教育・指導への取り組み姿勢や自己研鑽・能力開発の内容と実績が評価に加味されます。
また、人材の多様化と育成を継続企業にとって不可欠と認識し、採用や管理職への登用に積極的に取り組んでいます。中途採用者についてはスキルや経験を総合的に判断して管理職への登用を行っており、女性や外国人材についても、今後中核人材として比率が高まるよう募集環境の整備に努める方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
当社は、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社テクノマセマティカルは、独自開発のコンピュータアルゴリズム「DMNA」を核に、画像・音声/音響処理技術を提供する会社です。デジタルメディアの圧縮・伸張技術を基盤とした製品やソリューションを展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、数学的手法を用いた「DMNA」アルゴリズムにより、演算負荷を大幅に削減し、低消費電力・高画質・高音質・低遅延といった優れた特長を持つ製品を提供しています。これらの技術は、動画像、静止画、音声、音響などあらゆるデジタルメディアに応用されています。国際標準規格に準拠した製品に加え、H.265を上回る圧縮性能を持つ独自規格「DMNA-V2」「DMNA-V3」も開発し、アミューズメントや動画像配信サービス分野で高い評価を得ています。
同社の事業は、主に「IPライセンス事業」と「ソリューション事業」で構成されています。IPライセンス事業では、携帯端末などの組込みシステム向けソフトウェアIPや、大規模半導体向けハードウェアIP(設計データ)をライセンス提供し、イニシャルライセンス料と複製ロイヤルティを収益としています。ソリューション事業では、これらのIPを活用した単機能LSIや各種ソリューション製品をファブレスメーカーとして開発・製造・販売しています。
主要顧客は電子機器関連業界であり、特定の顧客への販売実績が一定の割合を占める傾向があります。また、日本国内だけでなく、その他アジアや北米・欧州といった海外地域への売上も存在しています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
直近の事業年度において、同社の売上高は前期から大きく増加しました。これにより、前期に計上していた経常損失および当期純損失から転換し、当期は利益を計上する結果となっています。これは7事業年度ぶりの利益計上であり、売上高の大幅な伸長が販管費などのコストを吸収し、収益性の改善につながったことを示しています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は健全な財務基盤を維持しており、本業で資金を獲得しつつ、今後の事業展開に向けた投資も行っている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社は、有利子負債がなく、自己資本比率が非常に高い水準を維持しており、強固な財務基盤を築いていることがうかがえます。手元資金も確保されており、安定した事業運営が期待できる状況です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 1,763百万円 | 1,812百万円 |
| 自己資本比率 | - | 93.1% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 738百万円 | 855百万円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社は、本業の事業活動で資金を獲得し、投資活動も行っている状況を示しています。当期は営業活動による資金がプラスに転じ、フリーキャッシュフローもプラスとなっています。これは、同社が事業活動で得た資金を投資に充てつつも、余剰資金を生み出している状況を示しており、今後の事業展開に向けた基盤を整えていることがうかがえます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △2.0億円 | 1.1億円 |
| 投資CF | 0百万円 | 1百万円 |
| 財務CF | 0百万円 | 0百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △2.0億円 | 1.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、ライセンス対象製品市場の動向による経営成績への影響をリスクとして挙げています。携帯端末やデジタルカメラなどの製品はライフサイクルが短く、技術革新のスピードも早いため、市場動向の変化が売上高や利益に影響を与える可能性があります。
また、収益構造が下期偏重となる傾向があり、主要顧客の決算期末に売上が集中するため、当面は業績が下期偏重とならざるを得ない状況です。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、今後の事業拡大には優秀な人材の確保と育成が不可欠であると認識しています。適格な人材を十分に確保できなかった場合、事業拡大に制約が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
テクノマセマティカルは、国際標準規格に準拠した映像・音響の圧縮・伸張技術を基幹技術とし、「Algorithm Specialist」をコンセプトに掲げています。快適で豊かな社会の実現に貢献することを目指し、技術とソリューションを提供しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
テクノマセマティカルは、国際標準規格に準拠した映像・音響の圧縮・伸張技術の開発と製品化を行っています。特に、数学的手法を駆使して独自開発したアルゴリズム「DMNA」(Digital Media New Algorithm)を基幹技術として差別化を図っています。
同社は「Algorithm Specialist」をコンセプトに、基幹技術の開発と各種製品への適用を進めています。様々な電子機器・通信機器向けに高品位な技術とソリューションを提供し、快適で豊かな社会の実現に寄与することを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
テクノマセマティカルは、経営戦略の基礎的遂行基準として「行動憲章」を定めています。この憲章は、お客様の満足の向上、公正な企業活動、情報の積極的な開示、従業員満足度の向上、社会への貢献、人権の尊重、環境への取り組みという7つの原則から構成されています。
同社は、これらの原則に基づき、環境問題への取り組み、自社知的財産の保護、そしてそれを生み出す人的資本の確保と育成をサステナビリティにとって重要な取り組み項目と位置付けています。また、人材の多様化と育成を不可欠と認識し、採用や管理職への登用にも積極的に取り組む方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
テクノマセマティカルは、組織・人材に関する複数の経営課題に取り組んでいます。業界内での認知度向上を急務と捉え、ウェブサイトの刷新によるマーケティング機能の充実、営業部門と開発部門の連携強化、代理店や協業会社との関係強化を通じて、国内外での市場拡大を目指しています。
多様な顧客へ高品質な製品を提供するため、効率的な開発・サポート体制の構築も課題です。将来の収益源となる研究・開発組織体制の整備に加え、製品化から品質保証、納期対応まで一貫した組織体制の構築と、顧客サポート体制の拡充を進めています。
組織の活性化も重要なテーマです。能力のある若手社員の採用に注力するとともに、人事・処遇において成果や貢献度を重視する施策を実施し、組織全体の活性化を図っています。また、東京証券取引所スタンダード市場での上場廃止を受け、福岡証券取引所本則市場への上場申請を行うことで、持続的な成長と株主への継続的な株式売買機会の提供を目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
テクノマセマティカルは監査役会制度を採用しており、社外監査役が経営に対する監視機能を担っています。取締役会は社外取締役を含めて構成され、公正かつ迅速な意思決定を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
田中正文氏が筆頭株主であり、同社の代表取締役社長を務めています。上位株主には、代表取締役社長である田中正文氏のほか、出口眞規子氏など複数の個人株主が名を連ねています。これにより、特定の株主グループが同社の経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 田中 正文 | 41.26% |
| 秋元 利規 | 9.64% |
| 出口 眞規子 | 7.79% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性4名・女性2名)で構成され、女性役員比率は33.3%です。代表取締役社長は田中正文氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 田中 正文 | 代表取締役社長 | 1971年シャープ株式会社入社、ローム株式会社等を経て、2000年同社代表取締役社長より現職。 |
| 出口 眞規子 | 取締役副社長 | 1967年日本レミントン・ユニバック株式会社入社、シミュレーション・メディア社専務取締役等を経て、2004年同社取締役副社長より現職。 |
社外取締役は、根木勝彦氏(UCサロン代表)です。
テクノマセマティカルは監査役会設置会社です。社外取締役1名と3名の社外監査役が、取締役の職務執行を監督し、経営の客観性、公正性、透明性の確保を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
テクノマセマティカルの役員報酬は、中長期的な健全な成長を重視し、基本報酬の水準と安定性を基本方針としています。業務執行取締役および社外取締役の報酬は、業績連動報酬や非金銭報酬を含まず、固定報酬としての基本報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 45百万円 | 22.5百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 5百万円 | 1.2百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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