【平均年収638万円】アドバンスト・メディア 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収638万円】アドバンスト・メディア 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

アドバンスト・メディアは、AI音声認識「AmiVoice®」を核に、サービス、プロダクト、ソリューションの事業を展開しています。直近の業績は、売上高が増加し、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高を更新しました。


目次

※本記事は、株式会社アドバンスト・メディア の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


アドバンスト・メディアは、AI音声認識「AmiVoice®」を核に、サービス、プロダクト、ソリューションの3つの事業を展開しています。同社グループは、既存コアビジネスと新規ビジネス創生・M&A・海外事業を両輪として、幅広い分野で音声認識技術を提供しています。

単体従業員数は253名、連結従業員数は286名です。事業セグメントは音声事業の単一セグメントとなっています。

主な国内グループ会社は、速記センターつくば、アミサポなどです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


株式会社アドバンスト・メディアは、音声認識技術を核にAIを活用したソリューションを提供する企業です。同社グループでは、AI技術を支える人材への投資を重視し、従業員の成長と働きがいを追求する環境づくりに注力しています。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社グループの企業文化や人材への考え方を読み解いていきましょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


アドバンスト・メディアでは、従業員の平均年齢が30代後半であり、比較的若い人材が中心となって活躍している傾向が見られます。平均勤続年数も7年台と、長期的なキャリア形成を支援しつつ、新しい技術や変化に対応できる柔軟な組織体制を築いていることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 6,379,000円
平均勤続年数 7.49年
平均年齢 37.5歳
単体従業員数 253人
連結従業員数 286人
単体のグループ内比率 88.5%


同社は2021年10月より確定拠出年金制度を導入しています。確定拠出型年金は、会社が拠出した資金を従業員が自ら運用し、その運用実績によって将来の給付額が決まる制度です。適用範囲は国内および海外のグループ会社に及びます。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


アドバンスト・メディアグループは、「HCI(Human Communication Integration)の実現」というビジョンを掲げ、AI音声認識を主軸とした高度な技術力を支える人材への積極投資を経営の最重要テーマと位置付けています。この考えに基づき、2026年4月には給与制度を改定し、全社員の給与レンジを底上げするとともに、従業員の実績や役割、責任を処遇に反映するための評価制度の改善を実施しました。新卒初任給の最大約14%引き上げに加え、全社平均約9.5%の賃上げと賞与の大幅増額を行っています。

また、新たにAI技術の研究・開発を担う新卒入社5年目までのAIエンジニアを対象に「AIエンジニア手当」を導入し、AI分野における高度人材の獲得競争に対応しています。同社は事業の成長を組織を構成する人の成長の足し算と捉え、「ETICA」(Earning(良い報酬)、Task(良い仕事)、Information(有用な情報)、Colleague(尊敬、刺激しあえる仲間)、Asset(資産の形成))を重視した人的資本の強化に取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社及び連結子会社は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。

人材育成・エンゲージメント


同社は、人的資本に関する指標として報酬を重視し、平均年間給与を指標としています。

指標 数値
平均年間給与(実績) 6,379,000円
平均年間給与(目標) 7,000,000円

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


アドバンスト・メディアグループは、AI音声認識技術「AmiVoice®」を核として、多岐にわたる事業を展開しています。この技術を基盤に、企業や一般消費者向けのサービス提供、アプリケーションのライセンス販売、そして音声認識ソリューションの企画・開発を行っています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、AI音声認識AmiVoice®を核とした音声事業の単一セグメントで事業を展開しています。この音声事業は、企業や企業内のユーザー、一般消費者へAI音声認識アミボイスをサービス利用の形で提供する「サービス事業」、AI音声認識アミボイスを組み込んだアプリケーション商品をライセンス販売する「プロダクト事業」、そしてAI音声認識アミボイスを組み込んだ音声認識ソリューションの企画・設計・開発を行う「ソリューション事業」の3つの形態で構成されています。

事業はさらに、既存のコアビジネスを「BSR1(第一の成長エンジン)」、新規ビジネスの創生、M&A、海外事業を「BSR2(第二の成長エンジン)」と定義し、それぞれ4つのプロフィットユニットで構成されています。BSR1にはCTI事業部、VoXT事業部、医療事業部、SDX事業部が含まれ、BSR2にはBDC本部(株式会社アミサポを含む)、海外事業部、AMIVOICE THAI CO., LTD.、株式会社速記センターつくばが含まれています。多くの事業部において、ライセンス数の増加やサービスの利用拡大により、継続的な収益を得るビジネスモデルが堅調に推移しています。

同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えており、国内市場が事業の中心となっています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、過去5期にわたり売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加傾向にあり、当期は過去最高を記録しました。当連結会計年度においては、売上高は前年同期比で増加しましたが、営業利益は微減となりました。これは、既存コアビジネスにおける売上原価の増加や人材・開発への投資が影響したためです。

一方で、経常利益は金利上昇による受取利息の増加や円安による為替差益の増加などにより増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益も、投資有価証券売却益の計上などにより大幅に増加し、過去最高益を更新しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 44.6億円 51.8億円 60.0億円 66.7億円 70.6億円
経常利益 9.3億円 11.2億円 14.1億円 15.4億円 15.6億円
経常利益率 20.8% 21.7% 23.6% 23.1% 22.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 4.5億円 8.7億円 10.1億円 14.1億円 17.4億円
1株当たり当期純利益(円) 24.40 52.08 64.87 90.40 111.18

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期と比較して減少しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期から減少する結果となりました。これは、売上高自体は増加しているものの、連結従業員数が前期の265人から当期は286人へと増加したことが影響していると考えられます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 25.2百万円 24.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 5.4百万円 5.0百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で安定した資金を生み出し、財務基盤を強化している状況です。手元資金も潤沢に確保されており、事業活動に必要な資金は十分に確保されていることが示されています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は84.2%となっており、プライム市場の非製造業平均(24.2%)と比較して高い水準にあります。ROE(自己資本利益率)は13.2%であり、プライム市場平均(9.4%)を上回っています。

手元資金である現金及び預金は77.9億円となっており、前期から増加しています。これらの数値は、同社グループが安定した財務基盤を構築していることを示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 123億円 140億円
自己資本比率 77.1% 84.2%
ROE(自己資本利益率) 12.0% 13.2%
現金及び預金 64.1億円 77.9億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュフローは18.5億円の増加となりました。これは主に税金等調整前当期純利益を計上したことによるものです。

投資活動によるキャッシュフローは11.5億円の増加となっています。これは投資有価証券の売却や金銭の信託の払戻による収入があった一方で、無形固定資産や有形固定資産の取得による支出があったためです。

財務活動によるキャッシュフローは△16.2億円の減少となりました。これは主に長期借入金の返済や配当金の支払額によるものです。

当期は営業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローが30.0億円のプラスとなっており、本業で稼いだ資金が投資を上回っている状況です。同社グループは安定的に利益を計上し、営業活動によるキャッシュフローを生み出す財務体質への改善が進んでいることが示されています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 14.3億円 18.5億円
投資CF △10.7億円 11.5億円
財務CF △12.1億円 △16.2億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 3.6億円 30.0億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、音声認識市場開拓において、新規ビジネスの導入や現行ビジネスの展開から拡大フェーズへの移行が想定通りに進まず、時間を要する可能性があります。また、AI音声認識に代替する新技術の誕生や競合他社の出現により、同社の技術優位性や競争優位性が失われるリスクがあることを示しています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、優秀で意欲に満ちた人材の確保に努めていますが、必要な時期に必要な人材を確保できる保証はないとしています。人員計画に基づいた採用が行えなかった場合、同社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


アドバンスト・メディアは、人がコンピュータやAIに自然に意思を伝えられる「ソフトコミュニケーションの時代」の実現を目指し、最先端技術を通じて社会に新たな価値と文化を創造することを目指している会社です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「HCI(Human Communication Integration)の実現」をビジョンに掲げています。
このビジョンに基づき、人がコンピュータやAIに自然に意思を伝えられる「ソフトコミュニケーションの時代」を拓くことを目指しています。
有用な最先端技術を広く社会へ普及させ、その実用化を通して新しい価値観や文化を創造していくことを経営方針としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、社会のサステナビリティに自らのサステナビリティの追求によって貢献するという考え方を有しています。
環境・社会・ガバナンスを重視したESG経営に取り組み、特に社会課題の解決を重要視しています。
事業の成長を組織を構成する人の成長の足し算と捉え、「ETICA」(Earning(良い報酬)、Task(良い仕事)、Information(有用な情報)、Colleague(尊敬、刺激しあえる仲間)、Asset(資産の形成))を重視した人的資本の強化に取り組んでいます。

多様性に対応した取締役会を構築し、経営基盤を強化することで、社会課題解決の成果をあげ、社会のサステナビリティに貢献することを目指しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、AI活用の機運が高まる中で、生成AIやAIエージェントの進化をチャンスと捉え、AIを活用した事業と自身の仕事の継続に取り組むことを課題としています。
この課題に対し、<日本語 × 音声認識 × 業界特化>の強みを生かし、音声AIにより仕事の効率や効果を高め、快適に働ける環境を世の中に広めていくことを目指しています。
AIを相棒に仕事を楽しくし、効率や効果を高める「AISHの時代」への移行を重点テーマとしています。

他社連携による市場開発「M-Dev」や、快適な働き方を支援するソフトウェア基盤AWB(AISH Work Basis)の販路拡大を通じて、AISHの市場を拓き、拡大させていく方針です。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


アドバンスト・メディアは、監査等委員会設置会社として、取締役会と監査等委員会、執行役員会を設置し、コーポレート・ガバナンス体制を構築しています。経営の透明性と健全性を確保し、企業価値の増大を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


アドバンスト・メディアの株主構成を見ると、筆頭株主はLIM JAPAN EVENT MASTER FUNDという機関投資家です。上位には複数の投資事業有限責任組合が名を連ねています。

また、代表取締役会長兼社長である鈴木清幸氏が個人として上位株主の一人であり、同氏が代表を務める株式会社BSRも上位に位置しています。

株主名 持株比率
LIM JAPAN EVENT MASTER FUND 3.52%
光1号配当特化投資事業有限責任組合 3.43%
アイビー投資事業有限責任組合 3.37%
鈴木清幸 3.34%
株式会社BSR 3.26%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役会長兼社長は鈴木清幸氏が務めています。社外取締役比率は44.4%です。

氏名 役職 主な経歴
鈴木 清幸 代表取締役 会長兼社長 1997年12月同社設立 代表取締役社長、2010年6月同社代表取締役会長兼社長より現職。
立松 克己 専務取締役 経営推進本部長 兼BDC本部長 2005年12月同社入社、2024年6月同社専務取締役経営推進本部長兼BDC本部長より現職。
大柳 伸也 取締役 事業本部長 兼SDX事業部長 兼海外事業部長 2008年9月同社入社、2023年6月同社取締役事業本部長兼SDX事業部長兼海外事業部長より現職。
近藤 裕 取締役 基礎技術開発本部長 1998年11月同社入社、2026年4月同社取締役基礎技術開発本部長より現職。
枝連 俊弘 取締役 応用技術開発本部長 1999年6月同社入社、2026年4月同社取締役応用技術開発本部長より現職。


社外取締役は、岸田至康氏(元三井住友信託銀行大阪支店証券代行部部長・監査等委員)、松室哲生氏(元ダイヤモンド社代表取締役専務・監査等委員)、佐藤香代氏(法律事務所たいとう設立・監査等委員)、張﨑悦子氏(弁護士法人直法律事務所入所・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役が監査等委員として取締役会に出席し、議案の審議や業務執行の監査を行っています。これにより、経営の効率化、経営監視機能の強化、事業運営における透明性の向上に寄与しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


アドバンスト・メディアの役員報酬は、取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)の役割や責任に応じた報酬体系を採用しています。業績連動報酬は採用せず、固定報酬と譲渡制限付株式の付与による非金銭報酬を支給する方針です。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 5名 1.5億円 31.0百万円
社外役員 4名 10百万円 2.5百万円


報酬等の総額が1億円以上の役員は開示されていません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。