※本記事は、株式会社エコミック の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
エコミックグループは、業務プロセスとテクノロジーを一体として提供するBPaaS事業を展開しています。顧客企業の人事・総務・経理業務を支援する給与計算関連サービスを中心に、クラウドサービス提案や業務プロセス改善支援、事務作業代行を提供しています。
単体従業員数は65名、連結従業員数は152名です。セグメントはBPaaS事業の1つです。
主な国内グループ会社は、ビズライト・テクノロジー(BPaaS事業)などです。
エコミックグループは、当連結会計年度より業務プロセスとテクノロジーを一体としたBPaaS事業の単一セグメントに報告セグメントを変更しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、人材を最も重要な資産と捉え、多様な人材が自律的なキャリアを形成できる環境と、生産性高く成果を出せる環境の整備に注力しています。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社グループの働く環境の傾向を把握することができます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、比較的若手から中堅層が中心の年齢構成となっています。平均勤続年数からは、一定の定着傾向が見られ、従業員がキャリアを築きやすい環境であることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,754,475円 |
| 平均勤続年数 | 7.2年 |
| 平均年齢 | 37.6歳 |
| 単体従業員数 | 65人 |
| 連結従業員数 | 152人 |
| 単体のグループ内比率 | 42.8% |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、中期経営計画の達成に向けて、事業拡大を支えるマネジメント人材の育成、専門性を有する人材の確保・育成、並びに生産性向上に資するAI・IT活用人材の育成を基本方針としています。人材を最も重要な資産と捉え、「お客様への価値あるサービスの提供」という経営理念のもと、カスタマーサクセスを通じて社会的課題の解決を目指しています。
従業員の給与その他の給付の額及び内容については、役割や期待成果に応じた等級制度及び目標管理制度等に基づく評価を実施し決定しています。正社員に加え、パートスタッフ向け評価制度も整備し、成長意欲向上と適切な処遇に努め、年1回の評価及び給与改定を行っています。
人材の多様性の確保を含む人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針として、「多様な人材が自律的なキャリアを形成できる環境と、生産性高く成果を出せる環境を整備する」と定めています。具体的には、階層別教育、OJT、プロジェクト型研修等を通じた実践的な経験機会の提供により、次世代リーダー及び管理職候補人材の計画的育成を推進しています。また、国籍、性別、年齢、障害の有無等を問わない採用・教育を通じて企業体質の強化に取り組んでおり、社員一人ひとりが「第一人者」になれる人材育成や、成果に基づいた公平な評価、キャリア形成に関する様々な支援を全社で実施しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率は、女性活躍推進法及び育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。労働者の男女の賃金の額の差異において、正規雇用労働者については女性労働者の割合が年間平均42.1%となっている一方、パート・有期労働者については女性労働者の割合が年間平均85.5%となっています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職的地位である労働者に占める女性労働者の割合 | 21.4% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 55.5% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 82.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 104.8% |
多様性・登用
指標は全て同社正社員にかかる割合や金額となっております。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性比率 | 21.4% |
| 外国籍社員の比率 | 21.5% |
人材育成・エンゲージメント
指標は全て同社正社員にかかる割合や金額となっております。一人当たりの教育研修費用は、外部研修費用のほかに、社内研修費用も含めております。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 一人当たりの教育研修費用 | 123千円 |
| テレワーク制度利用率 | 89.2% |
| フレックスタイム制度適用率 | 100.0% |
| 副業実施率 | 9.2% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
エコミックグループは、業務プロセスとテクノロジーを一体として提供するBPaaS事業を主軸としています。顧客企業の生産性向上と成長を支えることをミッションに掲げ、バックオフィス業務のソリューションプロバイダーとして事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、BPaaS事業の単一セグメントで事業を展開しています。この事業では、給与計算関連サービスを中心に、顧客企業の業務効率化と省力化を支援しています。具体的には、給与(賞与)計算BPaaS、年末調整BPaaS、住民税関連BPaaS、マイナンバー収集BPaaSといったサービスを提供しています。
これらのサービスは、クラウドサービスの提案、業務プロセス改善支援、事務作業の代行を通じて提供されており、顧客企業のニーズに合わせたオーダーメイド型のBPaaSが特徴です。また、給与計算等のBPaaSに付帯するシステムの受託開発や、勤怠・人事システムの提供も行っています。収益は、これらのサービス提供による手数料や利用料から得られています。当連結会計年度においては、年末調整BPaaS業務における処理件数の増加や平均処理単価の向上、給与計算BPaaS業務における平均処理単価の向上に加え、中国上海市の子会社が連結子会社となったことによる売上高の計上が、同社グループの売上高増加に寄与しています。事業活動は主に日本国内で行われており、本邦の外部顧客への売上高が連結売上高の90%を超えています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近の当連結会計年度において増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、前連結会計年度と比較して大きく改善し、回復基調を示しています。前連結会計年度は一時的に利益が減少しましたが、当連結会計年度で再び増加に転じています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 17.6億円 | 22.2億円 | 21.6億円 | 21.2億円 | 23.5億円 |
| 経常利益 | 1.9億円 | 2.2億円 | 1.8億円 | 62百万円 | 1.6億円 |
| 経常利益率 | 10.7% | 9.9% | 8.5% | 2.9% | 6.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.1億円 | 1.7億円 | 1.3億円 | 43百万円 | 1.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 29.89 | 44.71 | 32.93 | 9.21 | 24.28 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期と比較して増加しており、事業規模の拡大とともに生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたり営業利益も前期から大きく改善しており、収益性の向上がうかがえます。これらの指標の改善は、同社グループが業務効率化への取り組みを進め、成果を上げていることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 13.8百万円 | 15.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.3百万円 | 1.1百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、安定した財務基盤を維持しながら事業活動を行っています。本業で得た資金を元手に、将来に向けた投資も進めている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と手元資金の厚みによって特徴づけられます。2026年3月期における自己資本比率は83.7%となっており、プライム市場の非製造業平均と比較しても高い水準を示しています。これは、外部環境の変化に対する耐性が高いことを示唆しています。
ROE(自己資本利益率)は6.9%であり、前期の2.4%から改善しています。プライム市場平均と比較すると、今後の収益性向上が期待される状況です。手元資金である現金及び預金は10.7億円を確保しており、事業運営における安定性を示しています。
これらの財務状況は、同社グループが安定した経営を継続し、従業員の雇用や給与の安定性にも寄与する基盤となっていることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 18.0億円 | 13.6億円 |
| 自己資本比率 | 91.4% | 83.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 2.4% | 6.9% |
| 現金及び預金 | 13.5億円 | 10.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出しつつ、戦略的な投資と財務活動を行っている状況を示しています。2026年3月期における営業活動によるキャッシュフローは3.7億円の収入となり、前期から増加しました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費の計上によるものです。
投資活動によるキャッシュフローは△0.7億円の支出となり、前期と比較して支出が減少しています。これは主に年末調整システムの改修に伴う無形固定資産の取得によるものです。本業で得た資金で投資を賄い、フリーキャッシュフローは3.1億円のプラスとなっています。
一方で、財務活動によるキャッシュフローは△6.3億円の支出となり、前期から大幅に増加しました。これは主に自己株式の取得による支出が大きかったためです。これらの資金の流れは、同社グループが本業で安定した収益力を持ち、将来に向けた投資も継続していることを示しており、雇用や給与の安定性につながる経営基盤があると言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 1.5億円 | 3.7億円 |
| 投資CF | △1.2億円 | △0.7億円 |
| 財務CF | △1.7億円 | △6.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 0.3億円 | 3.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループはBPaaS事業を単一セグメントとしており、給与計算関連サービスへの依存度が高い収益構造となっています。特定領域の需要減少や単価低下が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、BPaaS事業は競争環境が急速に変化しており、多様な事業者が参入しています。価格競争の激化や技術革新への対応の遅れ、大手事業者による市場シェアの拡大等が生じた場合には、競争力の低下及び収益性の悪化につながる可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループの持続的な成長には、業務運用とITの双方に精通した人材の確保と育成が不可欠です。DXやAI分野における人材獲得競争が激化しており、必要な人材の確保が進まない場合や人材の流出、教育体制の遅れ等が生じた場合には、サービス品質の低下や生産性の悪化、事業拡大の制約につながる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
エコミックは、バックオフィス業務の生産性向上を支援するBPaaS事業を展開しています。テクノロジーと人の力を融合させ、顧客企業の成長を戦略的に支えることを目指している会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
エコミックグループは「BPaaS生産革命」を中期ビジョンとして掲げています。顧客企業のニーズに合わせたバックオフィスBPaaSによって、生産性向上を実現する戦略的パートナーとして事業活動を行うことを経営方針としています。
「お客様への価値あるサービスの提供」を経営理念とし、「カスタマーサクセス-顧客企業の生産性向上に寄与し、顧客企業の成長を支える」ことをミッションとしています。テクノロジー(AI・SaaS)と人の力(BPO)を掛け合わせた「ハイブリッド戦略」を推進し、BPaaS業界をリードしていくことを経営戦略としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
エコミックグループは、人材を最も重要な資産ととらえています。人材の多様性の確保を含む人材育成に関する方針として、「多様な人材が自律的なキャリアを形成できる環境と、生産性高く成果を出せる環境を整備する」ことを定めています。
社員一人ひとりが「第一人者」になれる人材育成や、成果に基づいた公平な評価、キャリア形成に関する様々な支援を全社で実施しています。性別や国籍、年齢、障害の有無等を問わず有能な人材を採用・教育することで、企業体質の強化に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
エコミックグループは、優先的に対処すべき課題として複数のテーマを挙げています。業務のスピードアップとプロセスの見直し・改善では、AI活用を前提とした生産性の高い業務遂行の仕組み構築を目指しています。
業務品質の向上と情報管理体制の強化、優秀な人材の確保と育成も重要な課題です。また、災害や感染症等に備えたリスク分散の強化、既存事業とのシナジーを前提とした新サービスの開発や外部SaaS企業との連携による新規事業への対応も進めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
エコミックは、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な経営課題と位置づけています。経営の健全性、透明性を高め、経営スピード及び経営効率の向上を目指し、現在の体制を採用しています。取締役会は法令及び定款に定められた事項や重要な事項を決議し、原則として毎月1回開催されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
エコミックの株主構成を見ると、代表取締役社長CEOである熊谷浩二氏が筆頭株主となっています。上位には複数の個人株主が名を連ねており、特定の事業会社や機関投資家が過半数を占める形ではありません。筆頭株主が経営トップであることから、経営陣が会社に対して強い影響力を持つ資本構成であると言えます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 熊谷 浩二 | 8.29% |
| 日本社会保険労務士法人 | 6.71% |
| 目時 伴雄 | 6.16% |
| ティーケーピー | 3.52% |
| 佐藤 佳寿子 | 3.02% |
なお、前事業年度末において主要株主であったキャリアバンク株式会社は、当事業年度末現在では主要株主ではなくなりました。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長CEOは熊谷浩二氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 熊谷 浩二 | 代表取締役社長CEO | 1995年4月 株式会社さくら銀行(現株式会社三井住友銀行)入行。2004年2月 同社入社 管理部長。2013年5月 同社 代表取締役社長。2026年4月 同社 代表取締役社長CEOより現職。 |
| 荒谷 努 | 取締役CFO システム企画室管掌 | 1996年4月 セントラル自動車株式会社(現トヨタ自動車東日本株式会社)入社。2004年4月 同社入社。2013年6月 同社 取締役管理部長。2026年4月 同社 取締役CFO、システム企画室管掌より現職。 |
| 武田 朋宜 | 取締役COO セットアップ部長 品質管理部長 オペレーション部管掌 | 2009年4月 同社入社。2020年4月 同社 オペレーション部長。2024年6月 同社 取締役オペレーション部長、セットアップ部長、品質管理部長。2026年4月 同社 取締役COOセットアップ部長、品質管理部長、オペレーション部管掌より現職。 |
社外取締役は、西田光志氏(株式会社W&Bay consulting代表取締役)、井上晋一氏(井上晋一事務所代表)、小林董和氏(つうけんビジネス株式会社代表取締役社長)、荒木俊和氏(弁護士法人ANSWERZ社員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員会は取締役の職務執行の監査、内部統制システムの構築及び運用の状況の監視・検証を行っています。社外取締役は、客観的な意見表明を通じて取締役会の活性化を図り、業務執行の監督機能を強化する役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
エコミックの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして機能するよう設計されています。業務執行取締役の報酬は、固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬、非金銭報酬(譲渡制限付株式)で構成されています。一方、監督機能を担う社外取締役には、その職務に鑑み基本報酬のみが支払われる方針です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 57百万円 | 18.9百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 11百万円 | 2.8百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。