※本記事は、JTP株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月17日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
JTPは、海外ICTメーカーや医療機器メーカーなどの日本市場参入を技術サービスで支援するアウトソーシング事業と、その知見を活かしたソリューション事業を展開しています。デジタルイノベーション、ICT、ライフサイエンス、その他の4つのセグメントでサービスを提供しています。
単体従業員数は459名です。セグメントはデジタルイノベーション事業、ICT事業、ライフサイエンス事業、その他事業の4つです。
JTPは、海外ICTメーカーや医療機器メーカーなどの日本市場参入を専門的な技術サービスで支援するアウトソーシング事業と、その知見を活かしたソリューション事業を主たる業務としています。
JTPは2023年5月15日の取締役会で、子会社であるJapan Third Party of Americas,Inc.の解散・清算を決議しました。これにより、第37期より連結財務諸表を作成していません。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
JTPは、IT技術の進展に常に追随し、顧客のビジネス課題をITで解決する人材の育成に注力しています。多様性を尊重し、誰もが活躍できる職場環境づくりを進めることで、社員一人ひとりが能力を最大限に発揮し、イノベーションと新しい価値創造を実現することを目指しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、比較的若手から中堅層が中心となっており、平均勤続年数からは一定の定着傾向が見られます。社員が長期的にキャリアを築きながら、専門性を高めていく環境があることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,183,090円 |
| 平均勤続年数 | 10.9年 |
| 平均年齢 | 36.3歳 |
| 単体従業員数 | 459人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
同社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方の退職給付制度を採用しています。退職一時金制度も設けています。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、退職給付債務は6.8億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
JTPは、中長期的な成長の実現に向け、人的資本を企業価値向上の重要な源泉の一つと位置付けています。事業環境の変化に対応し、高付加価値なサービスを継続的に提供するため、専門性と実行力を備えた人材の確保・育成・定着が不可欠であると認識しています。
同社の人材戦略は、成長領域の拡大や既存事業の高付加価値化、継続的なサービス提供体制の強化といった経営戦略と連動して策定されています。具体的には、専門性を有する人材の採用及び育成の強化、事業環境の変化に対応するリスキリングの推進、収益性及び生産性の向上に資する人員配置の最適化、将来の事業拡大を担うマネジメント人材の計画的育成、多様な人材が能力を発揮できる組織風土及び職場環境の整備を重点施策として推進しています。
給与その他の給付の額及び内容の決定については、各人の役割、職務内容、成果、能力及び専門性等を総合的に勘案しています。また、外部労働市場の動向や事業環境を踏まえ、公正性及び競争力を確保した処遇の実現に努めています。
同社は「ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン」を推進しており、従業員エンゲージメントの向上を図っています。日々進歩するIT技術に追随できるエンジニアマインドを持ち、顧客のビジネス課題をITで解決する課題解決力を持った人材の育成に注力しています。社員の多様な専門性・志向に応じた育成体系や幅広いコンテンツの整備、コミュニティ学習を通じた共創促進と学びあう風土の醸成を推進しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。各指標は、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 16.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 91.9% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 94.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 83.1% |
多様性の確保の考え方及び人財育成方針・社内環境整備方針に係る指標及び目標
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 労働者に占める外国籍労働者の割合 | 10.1% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
JTPは、海外のICTメーカーや医療機器メーカー、化学分析メーカーが日本市場に参入する際の技術サービスを専門的に提供するアウトソーシング事業を主軸としています。その過程で培った知見を活かし、自社ソリューションサービスも展開している会社です。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、顧客の多様な要求に的確に対応するため、「デジタルイノベーション事業」「ICT事業」「ライフサイエンス事業」「その他事業」の4つのセグメントに分けてサービスを提供しています。毎年技術方針を定め、最新技術の習得に全社員で取り組むことで、信頼性の高い高度なサービス供給体制を整備しています。
デジタルイノベーション事業
この事業は、人財育成ソリューションサービス、セキュリティサービス、DX開発サービスの3つのサービスで構成されています。人財育成ソリューションサービスは、コンサルテーションから研修の実施・運用までをワンストップで提供しています。セキュリティサービスは、予防型セキュリティソリューションの提案から運用保守までをワンストップで提供しています。DX開発サービスは、最新のAI技術を活用した企業のDX推進を支援しており、自社AIサービス「Third AI」やアプリケーション開発事業が好調に推移しています。
当事業年度において、AI技術の進化による事業環境の急速な変化をビジネスチャンスと捉え、事業拡大に注力し、前期比で増収増益となりました。収益は、Web試験配信プラットフォームの利用者増加、内部脅威対策ソリューションの拡大、Third AI及びアプリケーション開発事業の好調から得ています。
ICT事業
この事業は、ICTシステムの設計・構築・運用・保守サービスを提供しています。システム構築サービスは、ガバメントクラウド関連をはじめとするスポット案件の受注により増収となりました。システム運用サービスは、クラウド運用サービス「Kyrios」とテクニカルヘルプデスクが伸長しています。
当事業年度は、利益率の高い案件の失注や従来型の顧客企業への常駐運用サービスの減少が影響し、前期比で増収減益となりました。収益は、ICTシステムの設計・構築・運用・保守サービスから得ています。
ライフサイエンス事業
この事業は、医療機器や化学分析装置などの保守サービス、海外医療機器メーカー向けのコンサルティングサービス、ライフサイエンス分野のICTサービスを提供しています。当事業年度において、医療機器の保守サービスとコンサルティングサービスが伸長しました。
利益率の高い案件の獲得と人員配置の最適化を進めた結果、収益性が改善し、前期比で増収増益となりました。収益は、医療機器や化学分析装置の保守サービス、コンサルティングサービス、ライフサイエンス分野のICTサービスから得ています。
その他
この事業は、上記3事業に属さないその他の事業で、グローバルIT人財紹介サービス「Reinforce HR」、インド支店における事業、海外プロジェクト案件が含まれます。当事業年度においては、Reinforce HRが伸長し、前期比で増収となりました。収益は、グローバルIT人財紹介サービスや海外プロジェクト案件などから得ています。
同社の販売実績において、ソフトバンク株式会社への販売が総販売実績の16.1%を占めています。また、本邦の外部顧客への売上高が損益計算書の売上高の90%を超えているため、国内市場が主要な収益源となっています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| ICT事業 | 50.2億円 | 52.3億円 |
| デジタルイノベーション事業 | 22.4億円 | 26.7億円 |
| ライフサイエンス事業 | 19.2億円 | 19.5億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の過去の業績推移を見ると、売上高は増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、売上高の増加に伴い伸長しています。この傾向は、同社の事業が着実に成長していることを示しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 70.4億円 | 73.8億円 | - | - | - |
| 経常利益 | 4.7億円 | 4.8億円 | - | - | - |
| 経常利益率 | 6.7% | 6.5% | - | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.5億円 | 3.2億円 | - | - | - |
| 1株当たり当期純利益(円) | 45.35 | 56.24 | - | - | - |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
財務の安定性の観点から、JTPの現在地を示します。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
(該当するデータがありません)
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
(該当するデータがありません)
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
JTPが属する情報サービス業界では、ITサービス専業企業間の競争に加え、海外企業や異業種からの参入により競争環境が激化しています。事業環境の変化や価格競争の激化は、同社の経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、海外情勢に伴うリスクも挙げられています。戦争やテロリズム、紛争、政治的混乱、文化・慣習の違いによる労務問題や疾病といった地政学的なリスクが、同社の事業および経営成績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
IT業界は近年売り手市場であり、同社が必要とする資質を持つ人材を確保できない場合、経営成績および財政状態に影響が及ぶ可能性があります。同社は学歴・国籍・性別にとらわれない採用を訴え、人材確保に努めている状況です。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
JTPは、「開かれた市場の形成と世界の格差是正を実現する」というパーパスを掲げ、技術を通じて社会貢献を目指す企業です。多様な人財が活躍できる環境を重視し、イノベーションと新しい価値創造を追求する企業風土があります。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は、存在意義(パーパス)として「開かれた市場の形成と世界の格差是正を実現する」ことを定めています。世界で生み出された技術革新の果実が広く等しく享受される社会を目指し、不均衡を修正して競争力ある市場形成を通じて国際社会に貢献する考えです。
また、ミッションとして「Connect to the Future」を掲げています。お客様が描く未来を技術で繋ぎ、国際ビジネス社会における開かれた日本市場を形成することで、わが国の国際的地位の向上と国際貢献を実現することを目指しています。2030年には、これまでの技術集団から“事業変革とユーザー企業の自走”を促す「業界随一のイネイブラー」となることを目指す姿としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、全役員・従業員の価値や行動の指針となる「JTP Value(バリュー)」として、「オープンマインド」「パッション」「プロアクティブ」「コラボレーション」「ありがとう」「+αもうひと知恵」の6つを定めています。これらのバリューに基づき、法令遵守と高い倫理観、使命感をもって業務を遂行し、イノベーションと新しい価値創造の実現を目指しています。
人財の多様性を互いに尊重し、誰もが活躍できる職場環境づくりを進める「ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン」を推進しています。社員一人ひとりが公平に機会と支援を得て、その能力を最大限に発揮し、組織運営に参画することで、イノベーションと新しい価値創造の実現を目指す考えです。日々進歩するIT技術を追随できるエンジニアマインドと、顧客のビジネス課題をITで解決する課題解決力を持った人財の育成に注力しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、中長期的な経営環境及び対処すべき課題として、第2次中期経営計画を策定しています。2030年に目指す姿として、これまでの技術集団から“事業変革とユーザー企業の自走”を促す「業界随一のイネイブラー」となることを掲げています。基本方針は「“知恵集約型”のビジネス形態への完全な転換」です。
人的資本を同社が成長を遂げていくうえで最重要資本と位置づけ、イネイブラー人財の育成、イノベーションと価値創出のための環境整備と文化の醸成を目指しています。サステナビリティ重点課題として、IT人財不足、働き方改革、地域創成といった社会課題解決に直接的に対応したサービス開発に取り組んでいます。また、ライフサイエンス分野における医師不足や在宅医療充実といった課題解決に間接的に対応した事業も推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
JTPは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、経営に関する意思決定の迅速化と効率化を強化しています。取締役会は少数の意思決定権者で構成され、経営の効率性、健全性、透明性を確保する体制です。監査等委員会を設置し、経営に対する監督・監査機能を備えています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
JTPの株主構成を見ると、筆頭株主は代表取締役会長の森豊氏であり、個人が上位に名を連ねています。また、双日テックイノベーションや光通信KK投資事業有限責任組合無限責任組合員光通信といった事業会社や投資組合も主要株主として名を連ねています。JTP従業員持株会も上位株主の一角を占めており、多様な株主によって支えられていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 森 豊 | 8.79% |
| 双日テックイノベーション | 8.36% |
| 光通信KK投資事業有限責任組合無限責任組合員光通信 | 6.58% |
| JTP従業員持株会 | 5.61% |
| UHPartners2投資事業有限責任組合無限責任組合員UHPartners2 | 2.49% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は為田光昭氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 為田 光昭 | 代表取締役社長 | 1994年4月同社入社。2013年6月同社取締役事業推進本部担当。2022年6月同社取締役副社長ソリューション事業本部長。2026年4月同社代表取締役社長より現職。 |
| 森 豊 | 代表取締役会長 | 2002年6月同社入社。2014年6月同社代表取締役社長。2026年4月同社代表取締役会長より現職。 |
| 伊達 仁 | 常務取締役 コーポレート本部長 | 1997年3月同社入社。2013年6月同社取締役IR、コンプライアンス担当。2022年6月同社常務取締役コーポレート本部長より現職。 |
| 長谷川 慎也 | 取締役事業本部長 | 1999年9月同社入社。2022年6月同社取締役ICT事業本部長。2026年4月同社取締役事業本部長より現職。 |
社外取締役は、寺田由美氏(HRリスペクト代表取締役・千代田インテグレ社外取締役)、井出隆氏(公認会計士・東日本地所社外取締役)、竹内洋平氏(公認会計士・森組社外取締役)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役には会社経営経験者や公認会計士が選任されています。これにより、経営判断に対する監督・監査機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
JTPでは業績連動報酬制度は採用されていません。取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)の報酬は、固定報酬としての基本報酬と中長期的インセンティブとしての株式報酬で構成されています。社外取締役の報酬は経営の監督機能を重視し、基本報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 1.0億円 | 26.2百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 6百万円 | 6.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 11百万円 | 2.9百万円 |
固定報酬には、確定拠出年金の掛金が含まれています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。