※本記事は、株式会社日本M&Aセンターホールディングス の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
日本M&Aセンターホールディングスは持株会社であり、グループ連結従業員数は1,062名です。
同社グループは、M&Aの仲介を主たる業務とするM&A総合企業です。連結子会社17社を中心に、M&Aにおける全てのプロセスにおいて付加価値の高いサービスを提供できるよう事業領域を拡大しています。
主な国内グループ会社は、日本M&Aセンター(M&A仲介業務)、経営プランニング研究所、企業評価総合研究所(企業評価に関する業務)、日本PMIコンサルティング(PMIコンサルティング業務)などです。
また、2026年4月にはファンド事業を束ねる中間持株会社としてJ-Capitalを新設し、ファンド事業における収益区分を明確にする方針です。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
日本M&Aセンターホールディングスグループは、M&A仲介・支援事業を展開する純粋持株会社です。同社グループは、人材を最も重要な経営資本と位置づけ、その質の向上が中長期的な企業価値向上に直結すると考えています。知的集約型ビジネスであるM&A事業において、人的資本への投資を成長戦略の中核としています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社グループは、M&A仲介という専門性の高い事業を展開しており、人材の育成と定着を重視する方針が見られます。連結子会社のデータからは、比較的若年層の従業員が多く、キャリア形成の初期段階にある人材が活躍している傾向がうかがえます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 連結従業員数 | 1,062人 |
なお、直近の主要子会社のデータは以下の通りです。
| 会社名 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 株式会社日本M&Aセンター | 34.2歳 | 4.6年 | 13,000円 |
同社グループは、従業員の退職給付制度として確定拠出年金制度を採用しています(会社が拠出した資金を従業員が運用する制度)。この制度は、同社および連結子会社に適用されています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
日本M&Aセンターホールディングスグループは、「最高のM&Aをより身近に。」というパーパスのもと、人材を最も重要な経営資本と位置づけ、その質の向上が中長期的な企業価値向上に直結すると考えています。知的集約型ビジネスであるM&A事業において、人的資本への投資を成長戦略の中核としています。同社グループは、成果至上主義から信頼・品質・付加価値を重視する事業運営への転換を進め、人的資本経営を「成長投資としての実行・可視化の段階」へと進化させています。
報酬制度は、短期的な業績評価に基づくインセンティブに加え、中長期的な企業価値向上への貢献を重視した設計です。評価にあたっては、成約実績だけでなく、案件品質、顧客満足度、業務プロセス遵守状況、組織への貢献度等を総合的に勘案しています。また、役員および従業員を対象とする株式報酬信託制度の導入を予定しており、中長期的な視点での企業価値向上への貢献を促しています。
人材戦略の柱として、中長期視点に基づく人材ポートフォリオの構築、専門性・倫理観・公共性を兼ね備えた人材の計画的育成、属人的判断に依存しない組織としての価値提供体制の確立を目指しています。新卒採用ではパーパスへの共感や長期的な成長可能性を重視し、中途採用では専門的知見に加え組織全体の価値創造に貢献できる人材の獲得を重視しています。人材育成においては、全社員共通の基礎教育を軸に、役割・経験に応じた専門教育や階層別研修を体系的に実施し、人材の多様性を確保する社内環境整備も継続して検討しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 株式会社日本M&Aセンター
男女ともにコンサルタント職の平均給与が高いことに加え、女性コンサルタントに比べて男性コンサルタントの比率が高いことから、男女の賃金差異が生じています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 9.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 38.8% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 53.8% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 55.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 31.0% |
▼ 株式会社企業評価総合研究所
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 71.4% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 80.8% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 82.5% |
▼ 株式会社スピア
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 80.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 86.5% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 88.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 105.2% |
女性活躍推進プロジェクト
| 指標 | 2025年 | 2027年 | 2030年 |
|---|---|---|---|
| 女性役員比率 | 14.3% | 21.4% | 31.3% |
| 女性管理職(課長以上)比率 | 12.8% | 21.1% | 21.9% |
| 女性社員比率 | 28.6% | 28.9% | 30.2% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社日本M&Aセンターホールディングスは、M&Aの仲介を主たる業務とするM&A総合企業です。優良な案件情報の獲得から成約後のコンサルティングまで、M&Aにおける全てのプロセスにおいて付加価値の高いサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、M&A仲介事業を単一の事業セグメントとしています。M&A仲介業務では、金融機関や会計事務所との情報ネットワーク、直接コンタクト、特定の業種に特化したコンサルテーションなど多面的なアプローチで案件情報を効率的に取得しています。
収益は、譲渡企業からの着手金や企業評価料、譲受企業からの着手金や業務中間報酬、そして最終契約締結後に受領する成功報酬が主な源泉です。特に成功報酬は、株式譲渡契約等の最終契約の締結後、M&A取引の実現が確実であると客観的に判断した時に認識されます。また、M&A周辺分野として企業評価やM&A後の事業統合コンサルティング、ファンド運営事業も手掛けています。
その他の事業としては、各地域の会計事務所が運営する地域M&Aセンターの会員組織運営による会費収入や、TOKYO PRO Marketへの上場支援業務などがあります。同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えており、特定の顧客への売上高が10%以上を占める相手先はありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、直近5期において売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも概ね増加傾向を示しています。特に当連結会計年度においては、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のすべてで過去最高の業績を計上しました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 404億円 | 413億円 | 441億円 | 441億円 | 503億円 |
| 経常利益 | 169億円 | 155億円 | 165億円 | 169億円 | 192億円 |
| 経常利益率 | 41.7% | 37.4% | 37.4% | 38.4% | 38.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 114億円 | 98.4億円 | 107億円 | 110億円 | 125億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 34.60 | 29.76 | 33.04 | 34.54 | 39.36 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は前期から増加し、従業員1人あたり営業利益(連結)も同様に増加しています。これは、ミッドキャップ案件(売上高10億円以上または利益5千万円以上)の成約に注力した結果、1件あたりのM&A売上高が増加したことなどが影響していると考えられます。コンサルティング品質の高度化やダイレクトマーケティングの強化、地域金融機関との連携といった取り組みが、従業員一人ひとりの稼ぐ力の向上に貢献している状況がうかがえます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 40.6百万円 | 47.3百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 15.4百万円 | 17.7百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、安定した財務基盤と堅実なキャッシュフローを維持しています。本業で得た資金を適切に運用し、将来に向けた投資も行っている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は強固であり、自己資本比率はプライム市場の平均と比較しても高い水準にあります。また、ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を大きく上回っており、効率的な経営が行われていることを示しています。手元資金も十分に確保されており、事業運営の安定性がうかがえます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 476億円 | 506億円 |
| 自己資本比率 | 76.4% | 75.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 24.1% | 25.7% |
| 現金及び預金 | 392億円 | 404億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益の増加を主な要因として、前期に比べて増加しました。投資活動によるキャッシュフローは、敷金及び保証金の増加や投資有価証券の取得による支出などがあり、前期の収入から当期は支出に転じています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済や配当金の支払額が増加したことにより、前期に比べて支出が増加しました。
これらの資金の流れから、同社グループは本業で安定的に資金を生み出し、事業拡大のための投資も行いつつ、株主への還元も行っていることがわかります。本業で得た資金が投資を上回るフリーキャッシュフローを確保しており、事業の持続的な成長と安定した経営基盤が期待できる状況です。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 131.2億円 | 155.5億円 |
| 投資CF | 119.8億円 | △43.1億円 |
| 財務CF | △87.5億円 | △105.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 251.0億円 | 112.4億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、M&A仲介事業が経営成績に大きな割合を占めています。将来的にM&Aマーケットが縮小に転じた場合や、案件完了の長期化、成約率の低下があった場合には、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、M&A業界は参入障壁が低いと認識されており、競合他社とのバッティングにより受託価額が下落する可能性もリスクとして挙げられています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、コンプライアンス重視を経営上の重要な課題と位置付けています。しかし、役員・従業員の不正及び不法行為が発生した場合、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
日本M&Aセンターホールディングスは、M&A業務を通じて企業の存続と発展に貢献することを企業理念に掲げています。社会の公器である企業の深刻な後継者問題や先行き不安を解決し、ステークホルダー全員が幸福になる友好的M&Aの実践を使命としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「M&A業務を通じて企業の存続と発展に貢献する」ことを企業理念としています。後継者問題や先行き不安を抱える企業の事業を存続させ、さらに発展させる友好的M&Aを実践することが、同社グループの社会的ミッションです。全国的な情報ネットワークを基盤に、M&Aのプラットフォームとしての役割を担うことを目指しています。この企業理念に基づき、顧客に常に付加価値の高い役務を提供し、積極的な成長カーブでの業績アップを図ることを経営方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、コンプライアンス重視の経営を一層強化するため、従来のフィロソフィーをコアバリューとして刷新しました。役員・全社員が遵守すべき「グループコンプライアンス基本指針」を定め、周知徹底することで継続的にコンプライアンス意識の醸成を図っています。人事評価においては、昇級・昇格要件に「倫理観」の項目を盛り込み、多面的かつ定性的な評価を実現する人事制度を策定し運用しています。また、業務プロセス管理部による業務の健全化と品質向上にも取り組み、不正防止と顧客満足、生産性の向上を目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、企業理念の実現と企業価値の向上を図るため、「持続的な再成長」と「コンプライアンス重視の経営の継続」を優先的に対処すべき課題としています。持続的な再成長に向けては、M&Aコンサルタントの採用・定着・育成を社長直轄事項とし、各種施策を最重要項目として対応しています。新人層の離職が課題と認識しており、予算設計やフォロー体制、採用活動の強化に取り組んでいます。
コンプライアンス重視の経営の継続のため、通報窓口の充実強化や営業部門キーパーソンとの定期的な面談を実施しています。また、コンプライアンス所管部署及びチーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO)による体制強化、実効性のあるコンプライアンス研修・教育の実施も進めています。サステナビリティ推進委員会を設置し、気候変動課題への対応を推進するとともに、人材の多様性確保や女性活躍の土壌づくりにも取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
日本M&Aセンターホールディングスは、監査等委員会設置会社として、取締役会の監査・監督機能の強化を図っています。また、取締役会の独立性・客観性と説明責任を強化するため、任意の諮問機関として指名諮問委員会と報酬諮問委員会を設置しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループの株主構成を見ると、筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)であり、次いで日本カストディ銀行(信託口)が上位を占めています。これらは信託業務に係る株式であり、実質的な株主ではありません。代表取締役社長である三宅卓氏が個人として上位株主に名を連ねており、経営陣が一定の影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 18.59% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 9.00% |
| 三宅 卓 | 6.58% |
| 分林 保弘 | 2.72% |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103 | 2.26% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は13名(男性11名・女性2名)で構成され、女性役員比率は15.4%です。代表取締役社長は三宅卓氏が務めています。社外取締役比率は61.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 三宅 卓 | 代表取締役社長 | 1977年4月日本オリベッティ株式会社入社。1991年9月同社入社。2008年6月同社代表取締役社長に就任。株式会社矢野経済研究所取締役、株式会社ネクストナビ取締役、日本プライベートエクイティ株式会社取締役、株式会社ZUUM-A代表取締役、株式会社J-Capital取締役などを兼任し、現職。 |
| 楢木 孝麿 | 取締役副社長 | 1985年4月大王製紙株式会社入社。1993年1月同社入社。2005年3月同社入社。2025年6月同社取締役副社長に就任。日本プライベートエクイティ株式会社監査役、株式会社日本PMIコンサルティング監査役、株式会社日本M&Aセンター専務取締役コーポレート本部長などを兼任し、現職。 |
| 大槻 昌彦 | 専務取締役 | 1995年4月株式会社住友銀行(現株式会社三井住友銀行)入行。2006年2月同社入社。2024年6月同社専務取締役に就任。株式会社日本投資ファンド代表取締役、株式会社サーチファンド・ジャパン取締役、日本プライベートエクイティ株式会社取締役、株式会社AtoG Capital代表取締役、株式会社日本サーチファンド代表取締役などを兼任し、現職。 |
| 竹内 直樹 | 専務取締役 | 2000年4月株式会社SFCG入社。2007年4月同社入社。2025年6月同社専務取締役に就任。株式会社ZUUM-A監査役、株式会社日本PMIコンサルティング取締役、株式会社ネクストナビ取締役、株式会社日本M&Aセンター代表取締役社長などを兼任し、現職。 |
| 武田 安央 | 取締役 | 1990年4月三菱商事株式会社入社。2022年7月同社入社。2025年4月同社取締役コーポレート本部長CHROに就任。株式会社日本M&Aセンター常務取締役コーポレート本部長などを兼任し、現職。 |
社外取締役は、森時彦氏(株式会社チェンジ・マネジメント・コンサルティング代表取締役)、竹内美奈子氏(株式会社TM Future代表取締役)、錦戸景一氏(光和総合法律事務所代表弁護士・指名諮問委員長・報酬諮問委員長)、清水喬雄氏(株式会社カカクコム顧問・指名諮問委員・報酬諮問委員)、小林慎和氏(株式会社bajji代表取締役)、山田善則氏(元株式会社ジャパン・コンファーム代表取締役・監査等委員会委員長・指名諮問委員・報酬諮問委員)、松永貴之氏(マイル法律事務所代表弁護士・監査等委員会委員)、阿部美寿穂氏(阿部美寿穂公認会計士事務所代表・監査等委員会委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監査・監督機能を強化しています。独立社外取締役が取締役会の過半数を占めることで、経営の客観性と透明性を高める体制を構築しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、固定報酬としての基本報酬と業績連動報酬等により構成されています。役位、在位年数、業績への貢献度を考慮して決定され、譲渡制限付株式報酬制度も導入されています。報酬諮問委員会において審議・決定された内容を踏まえ、取締役会で支給額が決定される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 8.2億円 | 1.64億円 |
| 社外役員 | 10名 | 98百万円 | 9.8百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
個人別報酬が開示されている役員は、三宅卓氏(2.46億円)、楢木孝麿氏(1.80億円)、大槻昌彦氏(1.23億円)、竹内直樹氏(2.15億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。