【平均年収723万円】ユビキタスAI 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収723万円】ユビキタスAI 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

ユビキタスAIは、製造業向けにIoT機器関連の組込みソフトウェア製品や海外製ソフトウェアの販売、サポートサービスをグループ各社とともに展開しています。直近期は売上高が減少し、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は損失となりました。


目次

※本記事は、株式会社ユビキタスAI の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ユビキタスAIは、製造業向けにIoT機器関連の組込みソフトウェア製品や海外製ソフトウェアの販売、サポートサービスを提供しています。同社グループは、自社開発製品と輸入製品の両方を扱い、幅広いテクノロジーとサービスを展開しています。

単体従業員数は106名、連結従業員数は199名です。セグメントはソフトウェア事業、アナリシスソフトウェア事業の2つです。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)ライトストーン.3.(アナリシスソフトウェア事業)、(連結子会社)グレープシステム.(ソフトウェア事業)などです。

同社グループは、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しました。従来の4つのセグメントを「ソフトウェア事業」と「アナリシスソフトウェア事業」の2つに統合しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


株式会社ユビキタスAIは、ソフトウェアテクノロジーを基盤に社会の進化に貢献することを目指しています。同社グループでは、専門性の高い人材を育成し、多様な働き方を支援する環境づくりを推進しています。

このような環境で、どのような給与水準や働き方が実現されているのか、具体的なデータから見ていきましょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


ユビキタスAIの従業員は、平均年齢が比較的高く、勤続年数も一定の長さがあることから、安定したキャリアを築いている傾向がうかがえます。専門性の高い技術分野において、経験豊富な人材が長く活躍できる環境があると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 7,229,000円
平均勤続年数 10.3年
平均年齢 48.0歳
単体従業員数 106人
連結従業員数 199人
単体のグループ内比率 53.3%


当社及び一部の連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、主に確定給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)を採用しており、一部の連結子会社は確定拠出制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する制度)を採用しています。これらの制度は国内及び海外のグループ会社に適用されています。

退職一時金制度がある旨は確認できますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


ユビキタスAIグループは、2026年度から2028年度までを「基盤整備の3年」と位置づけ、人材を事業成長と革新の原動力として、企業戦略と関連付けた人材戦略を推進しています。組込みソフトウェアからIT開発まで対応可能な人材ポートフォリオの拡充、IoTセキュリティ、AI、Big Data、量子分野等の成長領域を担う専門人材の育成、確保に注力しています。

具体的には、「最適なソフトウェアテクノロジーを、あらゆるところに。」というミッションのもと、「Grow Together」「Curious about Technology」「Embrace challenge」「Be professional」「With integrity」という5つのValuesを掲げています。これらの理念を体現する人材を「あるべき人材」と定義し、必要な資質・能力を8軸に言語化し、育成可能な等級制度を確立しています。

従業員給与等は、各人の職務・役割・専門性、成果、能力の伸長、同社グループ及び各事業の業績、市場水準並びに内部公平性等を総合的に勘案して決定されます。高度専門人材の確保及び定着、成長領域への人材シフト、並びに中長期的な企業価値向上に資する人材投資を意識しつつ、処遇の適正化を図る方針です。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 0.0%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 61.9%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 63.5%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 56.7%

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
ワークエンゲージメントの平均 3.63
組織エンゲージメントの平均 3.31

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


株式会社ユビキタスAIは、製造業の顧客に向けてテクノロジーとサービスを提供する企業です。IoT機器向けの各種ソフトウェア製品の開発・販売、および海外ソフトウェアの輸入販売と関連サポートサービスを事業の柱としています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、自社開発による組込みソフトウェア製品と、海外から輸入したソフトウェア製品の販売を主に行っています。これらに加えて、製品に関連するサポートサービス、エンジニアリングサービス、データコンテンツのライセンス販売も手掛けています。同社グループの売上高は、その大部分を日本国内の顧客から得ています。

同社グループの事業は、「ソフトウェア事業」と「アナリシスソフトウェア事業」の二つの報告セグメントで構成されています。

ソフトウェア事業

この事業は、組込みネットワーク、セキュリティ&リアルタイムOS関連製品、高速起動製品、データベース製品といった自社開発のデバイス組込み用ソフトウェアを提供しています。また、海外ソフトウェアの輸入販売やテクニカルサポート、組込みソフトウェア等の受託開発、データコンテンツのライセンス提供も行っています。収益は、これらの製品販売、受託開発、ライセンス提供から得ています。

アナリシスソフトウェア事業

この事業では、統計・数値データ解析ソフトウェアなどの科学技術系ソフトウェアの輸入販売とテクニカルサポートを提供しています。全国の大学・高専などの教育機関、政府系研究機関、企業の研究開発・調査部門などが主な顧客です。収益は、統計・数値データ解析ソフトウェアの輸入販売およびテクニカルサポートから得ています。運営は、ライトストーンが行っています。

当連結会計年度のセグメント別売上高は以下の通りです。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
ソフトウェア事業 32.2億円 29.9億円
アナリシスソフトウェア事業 9.1億円 9.3億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は増減を繰り返しながら推移しています。経常利益は黒字を維持していた期間もありましたが、当連結会計年度は損失に転じています。親会社株主に帰属する当期純利益も、当連結会計年度は損失を計上しました。

当連結会計年度は、売上高が前期から減少しました。営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しています。この損失には、連結子会社の買収時に計上したのれんや固定資産に係る減損損失が大きく影響しています。営業活動によるキャッシュ・フローは、前期の増加から減少に転じています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 20.6億円 19.4億円 34.8億円 41.4億円 39.2億円
経常利益 91百万円 △76百万円 88百万円 93百万円 △2.1億円
経常利益率 4.4% △3.9% 2.5% 2.2% △5.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 △40百万円 △1.5億円 33百万円 91百万円 △5.2億円
1株当たり当期純利益(円) △3.80 △14.17 3.15 8.71 △49.59

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、当連結会計年度に前期から減少しました。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も、前期の黒字から当連結会計年度は損失に転じています。これは、当連結会計年度に営業損失を計上したことや、減損損失などの一時的な要因が影響していると考えられます。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 21.7百万円 19.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.5百万円 △1.0百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


ユビキタスAIの経営の安定性を判断するためには、財務基盤と資金の流れを多角的に見ることが重要です。
現在の財務状況とキャッシュフローの動向から、同社グループの事業運営の現在地を把握することができます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


ユビキタスAIの財務基盤を見ると、自己資本比率はプライム市場平均と比較して高い水準にあります。
しかし、ROE(自己資本利益率)は当期にマイナスとなっており、前期もプライム市場平均を下回る水準でした。
手元資金である現金及び預金は増加しており、事業運営に必要な流動性を確保している状況です。
これらの財務状況は、今後の事業展開や雇用・給与の安定性を検討する上で重要な要素となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 24.0億円 19.1億円
自己資本比率 69.4% 51.7%
ROE(自己資本利益率) 3.9% △24.1%
現金及び預金 13.5億円 20.0億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


ユビキタスAIのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、前期の増加から当期は減少に転じ、マイナスとなりました。
これは主に、税金等調整前当期純損失により資金が減少したことによるものです。
投資活動によるキャッシュフローも前期の増加から当期は減少に転じ、無形固定資産や投資有価証券の取得による支出が主な要因となっています。
その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローはマイナスとなり、財務活動によるキャッシュフローは長期借入れによる収入が増加したことでプラスに転じています。
このような資金の流れは、事業運営においてコスト削減圧力が高まる可能性を示しており、雇用や給与の安定性を検討する上で留意すべき点となります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 1.4億円 △1.4億円
投資CF 23百万円 △63百万円
財務CF △2.2億円 8.5億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 1.6億円 △2.0億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの事業収益は自動車業界関連が大部分を占めており、自動車の販売台数減少や開発投資の抑制が収益に影響を及ぼす可能性があります。
また、電子・電気機器開発に必要なソフトウェア製品市場では、無償ソフトウェアプラットフォームの拡大や半導体メーカーによる包括的な提供により、競争が激化している状況です。

③ 人材・組織に関するリスク

新規事業や新規サービス・製品の立ち上げにおいて、一時的に追加の人材採用や研究開発が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ユビキタスAIは、「All for wonderful life」というスローガンのもと、テクノロジーを通じて社会の進歩に貢献することを目指しています。最適なソフトウェアテクノロジーをあらゆる場所に提供し、豊かな未来を築くことに貢献する企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「All for wonderful life」というスローガンの下、革新的なアイデアや技術シーズ、製品、そしてそれらを生み出すタレントなど、テクノロジーに関わる全てを探し続けることで社会の進歩に貢献することを経営基本方針としています。また、「最適なソフトウェアテクノロジーを、あらゆるところに。」をミッションに掲げ、全てのステークホルダーが豊かな未来を築いていくことに貢献することを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、サステナビリティを推進するために「人材」「技術」「革新」「信頼」「安全」の5つのマテリアリティを特定し、これらを重視しています。事業の成長と革新の原動力は「人材」にあると考え、高度な専門性を持つ人材の育成と才能を最大限に発揮できる環境づくりを推進しています。業界トップクラスのソフトウェアテクノロジーを基盤に、常に「革新」を追求し、新たなソリューションを創出する姿勢を大切にしています。

また、全てのステークホルダーとの持続的な関係構築の基盤として「信頼」を重視し、透明性の高い経営と堅牢なセキュリティ対策に注力しています。急速なデジタル化が進む社会において「安全」を最も重要なマテリアリティの一つと位置づけ、最新のサイバーセキュリティ技術やリスク管理体制を導入し、安心して利用できる製品・サービスの提供に努めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、ソフトウェア分野における事業強化のため、経験者の中途採用による技術力向上やM&Aによる人材・事業機会の獲得に取り組んでいます。企業グループとしての運営効率化に向けては、グループ経営の管理機能強化、管理部門人材の採用、グループ人事制度の構築などを進めています。

販売体制の強化では、顧客データに基づいたデジタルマーケティング施策の強化や情報システムの整備、営業部門の人員増を図っています。品質マネジメントの強化として、品質保証体制及びサイバーセキュリティ対策体制の整備・強化を進めています。ガバナンスの強化も重要な課題であり、社外取締役の複数名体制維持や内部統制システムの適切な運用、内部監査による定期的なモニタリング実施に取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ユビキタスAIは、取締役会設置会社であり、監査役会設置会社です。取締役会は常勤取締役と非常勤取締役で構成され、監査役は全員が社外監査役となっています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ユビキタスAIの株主構成を見ると、上位には複数の個人株主が名を連ねています。特に、鈴木仁志氏が筆頭株主であり、鈴木雅人氏も上位に位置しています。その他、村田製作所のような事業会社や、SBI証券といった機関投資家も主要な株主として名を連ねています。

株主名 持株比率
鈴木仁志 2.39%
鈴木雅人 1.99%
村田製作所 1.93%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


ユビキタスAIの役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長CEOは大吉裕太氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
大吉 裕太 代表取締役社長 (CEO) JPモルガン証券、スパークス・アセット・マネジメントを経て、toBeマーケティングで執行役員CFO、取締役CFOを歴任。2024年6月同社入社後、執行役員、取締役CSO兼CFOを経て、2025年9月より同社代表取締役社長CEOに就任。
古江 勝利 取締役副社長 (COO) 日本モトローラ、フリースケールセミコンダクタジャパン、サイプレスセミコンダクタジャパン、IARシステムズを経て、2021年1月同社入社。コネクティビティ&セキュリティ事業部長、執行役員、取締役を歴任し、2025年9月より同社取締役副社長COOに就任。


社外取締役は、阿部海輔氏(明治通り税理士法人代表社員)、爲廣曉雄氏(Noah International Taiwan Corp.董事長兼総経理)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会による経営の意思決定と監督、および監査役会による監査を通じて、経営の透明性と健全性の確保に努めています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ユビキタスAIの役員報酬は、基本報酬、短期的な業績に連動する賞与、会社の長期的な成長と連動するストックオプションの3要素で構成されています。2026年3月期においては基本報酬の支給が費用計上されており、業績連動報酬については近年、業績状況を踏まえて実施・支給されていません。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 3名 56百万円 18.7百万円
社外役員 5名 35百万円 6.9百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。