【平均年収502万円】成学社 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収502万円】成学社 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

成学社は、教育関連事業を主軸に、不動産賃貸事業、飲食事業をグループ各社とともに展開しています。近畿圏や関東圏、海外で幅広い教育・保育サービスを提供し、直近期も増収増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社 成学社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


成学社グループは、教育関連事業を主軸に、不動産賃貸事業、飲食事業を展開しています。乳幼児から社会人までを対象とした教育・保育サービスを、大阪府を中心とした近畿圏、東京都を中心とした関東圏、および海外で幅広く提供しています。

単体従業員数は766名、連結従業員数は841名です。同社グループの事業セグメントは、教育関連事業、不動産賃貸事業、飲食事業の3つです。

主な国内グループ会社は、アプリス、かいせいチャイルドケア(教育関連事業)などです。

当連結会計年度では、事業譲渡益を計上しており、一部事業の再編が行われたことが示されています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


成学社は、教育関連事業を主軸とする企業です。人材の確保と育成を重視し、多様な働き方を推進することで、社員が長期的に活躍できる環境づくりに注力しています。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社の特徴を詳しく見ていきましょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


成学社では、平均勤続年数と平均年齢から、比較的安定した人材構成がうかがえます。多様な人材の確保と定着に努めていることが、これらの数値に表れていると言えるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 5,021,000円
平均勤続年数 7.8年
平均年齢 38.5歳
単体従業員数 766人
連結従業員数 841人
単体のグループ内比率 91.1%


成学社では、確定給付型と確定拠出型の両方の退職給付制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。

退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。これらの制度は国内グループ会社を対象としています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


成学社グループは「創造的で質の高い教育、保育、文化事業を通じて次世代の健全な成長と学びの支援を行い、世界で活躍できる人材の育成と豊かで平和な社会づくりに貢献する」ことを経営理念としています。この理念に基づき、「育」の分野で事業を行う同社グループにとって、人材の確保と育成は重要なテーマと位置づけられています。性別や国籍、勤続年数にとらわれず、能力を重視した採用と管理職への登用を推進しています。

給与は年2回の人事評価制度を基に、職務内容や職責を考慮して決定されます。全部長が参加する部長会で横断的な評価を実施し、部署間の評価のばらつきを抑制することで公平性を確保しています。毎期給与水準の向上も実施し、人材の確保と定着に努めています。

人材育成においては、教員・講師の成長がサービスの質向上と社会の発展に不可欠であると考え、多様な成長機会を提供しています。具体的には、指導力向上を目的とした「講師全体研修会」や「講師フォーラム」、教員の授業力や教科能力を測る「教師フォーラム」や「開成講師学力テスト」を実施しています。また、一定水準に達した講師・教員には「講師認定証」を発行し、質の高い教育サービスを保証しています。

業務改善提案を現場社員から募る「イノベーションアワード」や、学習プランナーの教務力向上を目的とした社内独自の「学習プランニング検定」も導入されています。成果を上げた社員の成功事例を共有する「ベストプラクティス」の仕組みも若手社員の成長に繋がっています。社内環境の整備としては、部署間のコミュニケーション向上を図る「部署間連携会議」や、従業員の心身の健康を支援する「健康経営」にも積極的に取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
女性管理職比率 19.8%
男性育児休業取得率 45.5%
男女賃金差異(全労働者) 87.4%
男女賃金差異(正規雇用) 89.0%
男女賃金差異(非正規雇用) 95.2%

任意開示指標

指標 数値
女性の年間採用率 45.0%
全社員に占める女性社員の割合 42.4%
全正社員の残業時間 15.8時間

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


成学社グループは、乳幼児から社会人までを対象とした教育および保育を基本とする教育関連事業を主軸に、不動産賃貸事業、飲食事業を展開しています。多岐にわたる教育ニーズに応えながら、安定的な収益基盤を構築していることが特徴です。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、教育関連事業を中核とし、連結売上高の大部分をこの事業が占めています。少子化や教育ニーズの多様化が進む中で、幅広いサービスを提供することで事業を拡大しています。

教育関連事業

乳幼児から社会人までの教育および保育を基本とする事業です。個別指導部門では「個別指導学院フリーステップ」などを展開し、クラス指導部門では「開成教育セミナー」や医学部・難関大学受験に特化した「一会塾」を運営しています。保育部門では認可保育所を、その他の指導部門では学童保育付き英会話スクールや日本語学校などを手掛けています。

収益は、学習指導、保育サービス、各種学校運営など、顧客との契約から生じる対価から得ています。当連結会計年度では、塾生数の増加や授業料の改定、公定価格改定に伴う給付金の増加などにより、売上高が伸びています。運営は、成学社、株式会社アプリス、株式会社かいせいチャイルドケア、株式会社ナスピア、株式会社一会塾、成学社コリア株式会社、成学社ベトナム有限責任会社が行っています。

不動産賃貸事業

所有する不動産の一部を効率的に活用するため、賃貸を行っています。

収益は、不動産の賃貸料から得ています。当連結会計年度では、入居テナントの減少により、売上高およびセグメント利益が減少しています。運営は、成学社及び株式会社アプリスが行っています。

飲食事業

大阪市内で飲食店を1店舗運営しています。

収益は、飲食店の売上から得ています。当連結会計年度では、客単価は向上したものの、店舗周辺の流入客数が減少したことなどにより売上高は微減となり、人材採用に伴う求人広告費の増加によりセグメント損失が拡大しています。運営は、株式会社アプリスが行っています。

同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えており、国内市場が中心となっています。また、特定の主要な顧客への売上高集中は見られません。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
教育関連事業 142億円 151億円
飲食事業 67百万円 67百万円
不動産賃貸事業 42百万円 39百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、過去5期間にわたり売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに継続的に増加する傾向を示しています。特に当連結会計年度においては、売上高が前年同期比で増加し、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益もそれぞれ大きく伸びています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 123億円 127億円 131億円 143億円 152億円
経常利益 6.6億円 7.3億円 7.1億円 7.6億円 9.7億円
経常利益率 5.3% 5.7% 5.4% 5.3% 6.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 3.3億円 4.2億円 4.3億円 4.6億円 5.8億円
1株当たり当期純利益(円) 59.75 75.95 78.19 83.18 105.23

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は前期から当期にかけて増加しており、従業員1人あたり営業利益(連結)も同様に増加しています。これらの指標の改善は、同社グループ全体の生産性が向上していることを示しています。従業員の処遇改善などによる人件費の増加があったものの、それを上回る売上高の伸びと利益の増加が実現している状況です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 17.8百万円 18.0百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.0百万円 1.2百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


財務基盤の状況とキャッシュフローの動きから、成学社の経営の安定性と資金の流れを把握できます。これらの情報を通じて、入社後の雇用や給与の安定性、そして会社の成長性について判断する一助となります。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


成学社の自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあり、ROE(自己資本利益率)も平均を上回っています。手元資金である現金及び預金も増加傾向にあり、強固な財務基盤が形成されていることが示されています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 38.6億円 43.3億円
自己資本比率 40.7% 43.7%
ROE(自己資本利益率) 12.6% 14.3%
現金及び預金 21.8億円 25.8億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


成学社は、本業の営業活動で安定的に資金を生み出しており、その資金を将来に向けた投資に充てています。営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費、減損損失の計上などにより増加しました。投資活動によるキャッシュフローは、主に有形固定資産の取得による支出により資金が減少しています。

財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済や配当金の支払いにより資金が減少しました。本業で得た資金を投資に回しつつも、フリーキャッシュフローはプラスを維持しており、事業の成長と安定した資金運営を両立している状況がうかがえます。このような資金の流れは、従業員の雇用や給与の安定性、そして会社の持続的な成長を支える基盤となります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 10.1億円 10.4億円
投資CF △3.4億円 △4.3億円
財務CF △1.7億円 △2.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 6.7億円 6.1億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、学齢人口及び待機児童の減少が塾生数の減少や入塾動機の希薄化に繋がる可能性をリスクとして認識しています。また、学習塾や保育業界における競合先の増加やオンラインコンテンツの充実も、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、教員・講師及び保育士の安定的確保と内部育成を重要な経営資源と位置付けています。人材の確保や育成が計画通りに進まない場合、新規教室開校計画の遂行に支障が生じ、提供する教育及び保育の質の低下から業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


成学社は、「乳幼児から社会人までの教育および保育を基本とする教育企業」として、人々の成長を育む事業を通じて社会に貢献することを目指しています。教育と保育を核に、次世代の健全な成長と学びを支援する企業文化が特徴です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「乳幼児から社会人までの教育および保育を基本とする教育企業」を事業ドメインとしています。基本ビジョンとして「私たちは人の成長を育む事業を通じて日本を代表する企業を目指します」を掲げています。

経営理念は「私たちは、創造的で質の高い教育、保育、文化事業を通じて次世代の健全な成長と学びの支援を行い、世界で活躍できる人材の育成と豊かで平和な社会づくりに貢献します」です。この理念に基づき、社会貢献と人材育成に注力しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、経営理念の実践を通して、塾生・保護者をはじめとする全てのステークホルダーの幸福実現と持続可能な社会への貢献を目指しています。「人の成長」にかかわる企業として、将来世代の育成と事業活動を通じてSDGsの課題解決に貢献する考えです。

人材の確保と育成を重要なテーマと捉え、性別・国籍等を問わず能力のある者を管理職等の中核人材として登用する方針です。残業時間の抑制、勤務時間の多様化、介護・育児等で退職した正社員の再雇用推進により、多様な人材の確保を図っています。給与等の決定方針は、人事評価制度に基づき、全部長が参加する部長会で横断的な評価を実施し、公平性を確保しています。

また、従業員一人ひとりが心身ともに健康な状態を維持することが必要と考え、健康経営にも積極的に取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループが優先的に対処すべき事業上の課題として、「ブランド力の向上、集客力の強化」を挙げています。ドミナント戦略に基づいた教室展開や合格実績の積み重ねにより、知名度・集客力の向上を図る方針です。特に、関東圏での教室開校を積極的に行い、集客力の向上を目指しています。

また、「幅広い教育分野での事業展開の強化」も重要な課題です。認可保育所や日本語学校の運営、海外での事業展開に加え、連結子会社の教育コンテンツ制作会社を通じて事業を行う教育分野を拡大しています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


成学社は監査役会設置会社として、取締役会と監査役会を中心としたコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。経営の執行と監視・監督の機能が発揮されるシステムを採用しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


成学社の筆頭株主は代表取締役会長である太田明弘氏です。上位株主には、同氏のほか、株式会社オーシャスや学校法人高宮学園が名を連ねています。創業家関係者や関連会社が上位に複数名を占めており、特定の株主グループが経営に影響力を持つ資本構成となっています。

株主名 持株比率
太田 明弘 26.51%
オーシャス 21.19%
学校法人高宮学園 4.99%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性10名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は永井博氏が務めています。社外取締役比率は14.3%です。

氏名 役職 主な経歴
太田 明弘 代表取締役会長 1976年関西教育学院入社、1982年開成教育セミナー創業、1987年同社設立、代表取締役社長に就任。2018年より同社代表取締役会長。
永井 博 代表取締役社長 1988年同社入社、1991年取締役教務次長、2006年常務取締役、2013年専務取締役を歴任。2018年より同社代表取締役社長。
藤田 正人 常務取締役 1983年㈱太陽神戸銀行(現㈱三井住友銀行)入行。2005年同社へ出向し株式公開準備室長。2008年同社へ転籍。2018年より同社常務取締役。
檜浦 達也 取締役 1997年同社入社、2008年執行役員個別指導部長、2014年取締役個別指導部長を歴任。2018年より同社取締役、㈱アプリス代表取締役社長。
礒野 智行 取締役 2004年同社入社、2017年個別指導部長、2021年個別指導統括本部長を歴任。2021年より同社取締役個別指導統括本部長。
山本 一之 取締役 1989年㈱東海銀行(現㈱三菱UFJ銀行)入行。2018年同社へ出向し経営企画部長兼人事部長。2019年同社へ転籍。2023年より同社取締役経営企画部長。


社外取締役は、平井周氏(学校法人此花学院 学院長室室長)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役が独立した立場から経営監督機能を強化する役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


成学社の役員報酬は、取締役、監査役ともに固定報酬のみで構成されています。取締役の報酬は、役割と職責に相応しい水準に設定され、監査役の報酬は経営に対する独立性と客観性を重視する観点から決定されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 6名 1.1億円 17.6百万円
監査役(社外除く) 1名 6百万円 6.5百万円
社外役員 3名 9百万円 3.0百万円


同社役員全体の報酬等の総額は1億2093万円であり、対象となる役員の員数は10名です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。