※本記事は、株式会社ショーエイコーポレーション の有価証券報告書(第58期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月24日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. ショーエイコーポレーションってどんな会社?
フィルムパッケージの専門メーカーとして創業し、現在はDM代行や雑貨・化粧品の企画販売も手掛ける企業です。
■(1) 会社概要
1968年に製袋業として設立され、1980年に主力製品ネオパックの特許を取得しました。1991年にダイレクトメール発送代行へ参入し、2008年に大阪証券取引所ヘラクレス(グロース)へ上場しました。その後、2012年に日用雑貨品事業を開始し、2021年には株式会社ファインケメティックスを連結子会社化しました。
連結従業員数は579名、単体では186名です。筆頭株主は代表取締役社長の芝原英司氏で、第2位はショーエイ従業員持株会です。第3位以下には個人株主や、日本紙通商、オザックスといった事業会社が名を連ねています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 芝原 英司 | 22.73% |
| ショーエイ従業員持株会 | 3.69% |
| 吉岡 裕之 | 2.04% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性7名、女性2名の計9名で構成され、女性役員比率は22.0%です。代表取締役社長は芝原 英司氏です。社外取締役比率は55.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 芝 原 英 司 | 代表取締役社長 | 1973年4月同社入社。常務取締役を経て1988年4月より社長。2017年6月代表取締役社長兼CEO代表執行役員就任。2021年8月より現職。 |
| 川 上 弘 恭 | 取締役 執行役員営業部門担当 | 元韓国伊藤忠商事CEO兼社長、タキロンシーアイ取締役常務執行役員。2022年5月同社入社、同年6月より現職。 |
| 小 倉 幹 雄 | 取締役 執行役員商品販売事業部門担当兼商品販売部長 | 元シー・エス代表取締役社長。2016年同社入社。執行役員リテール営業部長等を経て2022年4月より商品販売事業部門担当。2024年4月より現職。 |
| 田 中 博 文 | 取締役 執行役員営業促進支援事業営業部門担当兼大阪本社営業第二部長兼東京本社営業第二部長 | 1994年同社入社。執行役員メディアネットワーク営業部長等を経て2019年6月取締役就任。2025年4月より現職。 |
社外取締役は、山之口良子(JEI代表取締役社長)、片山淳一郎(環境機器代表取締役社長)、新城 学(元みずほ証券)、大森 茂 樹(大森経営事務所代表)、種田 ゆみこ(ブレイン取締役)です。
2. 事業内容
同社グループは、「営業促進支援事業」「商品販売事業」および「その他」事業を展開しています。
■(1) 営業促進支援事業
フィルムパッケージの企画・製造、ダイレクトメールの封入・発送代行、販促物の梱包・配送、化粧品のOEM製造などを行っています。顧客の営業活動を一層促進するために、製品・商品・サービスの提供から物流支援までをワンストップで提供します。
主な収益源は、パッケージ製品や販促物の販売代金、DM発送代行等のサービス料です。運営は主にショーエイコーポレーションが行い、化粧品製造等は連結子会社のファインケメティックスが担っています。
■(2) 商品販売事業
100円ショップ、ドラッグストア、小売販売店等に対し、日用雑貨品等の企画提案・調達・卸売りを行っています。消費者のニーズに合わせた商品を海外等から調達し、企画・提案力を活かして提供しています。
収益源は、商品の販売代金を小売店等から受領する形となります。運営はショーエイコーポレーションおよびタイの連結子会社であるSHOEI PLASTIC (THAILAND) CO., LTD.などが行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
売上高は概ね200億円前後で推移していますが、直近では減少傾向にあります。利益面では、2023年3月期に大幅な赤字を計上した後、翌期には回復しましたが、第58期は再び減益となりました。利益率は年度によって変動が大きく、安定的な収益確保が課題となっています。
| 項目 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 205億円 | 193億円 | 207億円 | 194億円 | 190億円 |
| 経常利益 | 11億円 | 2億円 | -3億円 | 14億円 | 7億円 |
| 利益率(%) | 5.2% | 1.0% | -1.6% | 7.4% | 3.9% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 7億円 | 3億円 | -16億円 | 10億円 | 5億円 |
■(2) 損益計算書
売上高は微減となりましたが、売上総利益は増加しており、利益率の改善が見られます。一方で、販売費及び一般管理費が増加したことにより、営業利益は減少しました。売上原価の低減努力が粗利改善に寄与しているものの、販管費の増加が利益を圧迫している構造となっています。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 194億円 | 190億円 |
| 売上総利益 | 41億円 | 42億円 |
| 売上総利益率(%) | 21.0% | 21.8% |
| 営業利益 | 8億円 | 7億円 |
| 営業利益率(%) | 4.0% | 3.9% |
販売費及び一般管理費のうち、従業員給与・賞与が11億円(構成比32.5%)、荷造運送費が8億円(同23.0%)を占めています。
■(3) セグメント収益
営業促進支援事業は、販促品販売が好調だったものの、DM発送代行の減少等により売上は微減、利益も減少しました。商品販売事業は、低利益率商品の縮小により売上は減少しましたが、高付加価値商品の導入や原価低減が進み、利益は増加しました。
| 区分 | 売上(2024年3月期) | 売上(2025年3月期) | 利益(2024年3月期) | 利益(2025年3月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業促進支援事業 | 95億円 | 95億円 | 4億円 | 4億円 | 3.7% |
| 商品販売事業 | 99億円 | 95億円 | 4億円 | 4億円 | 4.1% |
| 調整額 | -1億円 | -2億円 | - | - | - |
| 連結(合計) | 194億円 | 190億円 | 8億円 | 7億円 | 3.9% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
ショーエイコーポレーションは、収益性向上と原価低減への取り組みにより、営業活動で資金を生み出しています。一方で、事業拡大のための設備投資により、投資活動では資金を使用しています。財務活動では、借入金の増減や配当金の支払い等が行われています。これらの活動の結果、同社の資金は増加しました。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 14億円 | 9億円 |
| 投資CF | 5億円 | -10億円 |
| 財務CF | -24億円 | 3億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社は「全従業員の物心両面の幸福を追求するとともに、社会の進歩発展に貢献すること」を経営理念として掲げています。従業員の生き甲斐や働き甲斐を通じて世の中の役に立つことを目指し、事業活動を展開しています。
■(2) 企業文化
同社は、パッケージ専門メーカーとして創業以来、時代のニーズに応えながら新しい製品やサービスを提供し続けてきました。「お客様がやりたくてもなかなかできない仕事を、お客様のご要望に沿って実現させること」をモットーとしており、全従業員が自ら考え挑戦し、未来に希望を持ち、誇りを持てる会社であることを重視しています。
■(3) 経営計画・目標
同社グループは、成長性と収益性を追求し企業価値を高めるため、利益の拡大を経営目標としています。具体的には、増益および利益率の向上を重要な経営指標と位置付けています。
■(4) 成長戦略と重点施策
今後の成長に向けて、営業促進支援事業と商品販売事業の連携強化を進めています。具体的には、着実な営業活動による売上の拡大、継続的な投資による企画提案力の向上、原価および販管費の低減と商品の高付加価値化による収益性の改善、そしてECなど既存事業に隣接する新事業の開発を重点施策として取り組んでいます。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
同社は未来への基盤づくりとして、多様な人材の確保と育成に積極的な投資を行っています。新入社員へのマンツーマン指導や各種研修の充実を図り、従業員の能力発揮を支援しています。また、資格取得支援、障がい者雇用促進、女性の仕事と育児の両立支援など、多様な人材が活躍できる環境整備を推進しています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 43.1歳 | 12.4年 | 4,816,436円 |
※平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 2.2% |
| 男性育児休業取得率 | 0.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 42.4% |
| 男女賃金差異(正規) | 66.9% |
| 男女賃金差異(非正規) | 51.4% |
※「労働者の男女の賃金の差異」について、賃金制度・体系において性別による差異はありません。男女の賃金の差異は主に男女間の管理職比率および雇用形態の差異によるものであります。
また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、障がい者雇用率(8.1%)、新規雇用者における女性割合(50.0%)などです。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 原材料調達に関するリスク
同社が素材として利用するプラスチックフィルムの仕入価格は、原料である原油価格(ナフサ)の影響を受けます。原油価格の変動や急激な需給変化により仕入価格が急騰した場合、販売価格への転嫁が遅れるなどして、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
■(2) 為替変動に関するリスク
商品は一部海外から調達しており、為替変動リスクに対し為替予約等で軽減を図っています。しかし、完全にリスクを回避することは困難であり、為替相場の著しい変動があった場合、また海外連結子会社の円換算額の変動により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
■(3) 少子高齢化、人口減少に関するリスク
同社事業の大半は消費者の購買行動に影響を受けます。日本の少子高齢化・人口減少に伴い消費行動が変化しており、同社は事業ポートフォリオの見直し等で対応していますが、想定以上の市場環境の激変が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。



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