※本記事は、株式会社ショーエイコーポレーションの有価証券報告書(第59期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026年6月24日提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. ショーエイコーポレーションってどんな会社?
同社は、パッケージの専門メーカーから発展し、販促支援や100円ショップ向け雑貨の企画販売を展開しています。
■(1) 会社概要
同社は1968年に照栄製袋として設立され、1986年に現在のショーエイコーポレーションに社名変更しました。1991年にはダイレクトメール発送代行業界に本格参入し、事業領域を拡大させました。2008年に大阪証券取引所ヘラクレス市場に上場を果たし、2012年には日用雑貨品事業を立ち上げるなど、継続的に事業の多角化を進めています。
同社グループは連結で570名、単体で184名の従業員を擁しています。筆頭株主は創業者で代表取締役社長を務める芝原英司氏であり、第2位は同社の従業員持株会となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 芝原 英司 | 24.69% |
| ショーエイ従業員持株会 | 3.21% |
| 吉岡 裕之 | 2.23% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性7名、女性2名の計9名で構成され、女性役員比率は22.0%です。代表取締役社長は芝原英司氏が務めています。取締役9名のうち5名が社外取締役であり、過半数を占めています。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 芝原 英司 | 代表取締役社長 | 1973年同社入社。1982年常務取締役を経て、1988年より代表取締役社長。 |
| 川上 弘恭 | 取締役 執行役員営業部門担当 | 1981年伊藤忠商事入社。タキロンシーアイグループの要職を経て2022年同社入社。同年より現職。 |
| 田中 博文 | 取締役 執行役員営業促進支援事業営業部門担当 | 1994年同社入社。営業部門の要職を経て2019年執行役員。2021年より現職。 |
| 稲谷 和樹 | 取締役 執行役員管理部門担当兼経理部長兼経営企画部長兼法務部長 | 2007年同社入社。経理部長などを歴任し2019年執行役員。2025年より現職。 |
社外取締役は、山之口良子(JEI社長)、片山淳一郎(JMキャピタルマネジメント社長等)、新城学(元みずほ証券)、大森茂樹(大森経営事務所設立)、種田ゆみこ(ブレイン取締役)です。
2. 事業内容
同社グループは、「営業促進支援事業」および「商品販売事業」を展開しています。
■(1) 営業促進支援事業
顧客自身の営業活動を促進するため、商品や販促品の企画開発から、アセンブリなどの生産支援、配送にいたるまで一貫した商品・サービスを提供しています。化粧品のOEM受託なども含まれます。
販促企画案件や日用雑貨品の充填、ダイレクトメールの発送代行などのサービス対価として顧客から収益を得ています。運営は同社のほか、子会社のファインケメティックスが行っています。
■(2) 商品販売事業
100円ショップやドラッグストアなどの小売販売店に向けて、環境対応型パッケージや日用雑貨などの商品を企画提案し、製造・調達して提供しています。市場ニーズに合致した機能性や利便性を持つ商品開発に注力しています。
小売販売店に対する商品の販売代金を収益源としています。同社が企画・販売を担うほか、子会社のSHOEI PLASTIC(THAILAND)CO.,LTD.などが海外生産を担い、グループで展開しています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
売上高は190億円から200億円規模で安定的に推移しています。利益面では一時的な赤字を計上した期もありましたが、直近では高付加価値商品の販売増やコスト見直しが寄与し、経常利益率が大きく改善して増益基調となっています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 193億円 | 207億円 | 194億円 | 190億円 | 190億円 |
| 経常利益 | 2億円 | -3億円 | 14億円 | 7億円 | 13億円 |
| 利益率(%) | 1.0% | -1.6% | 7.4% | 3.9% | 6.8% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 1億円 | -16億円 | 10億円 | 5億円 | 9億円 |
■(2) 損益計算書
売上高は前年と同水準ながら、原材料価格の高騰に対し調達先の見直しや価格転嫁が進んだことで売上総利益率が向上しました。これに伴い営業利益も大幅に増加しています。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 190億円 | 190億円 |
| 売上総利益 | 42億円 | 47億円 |
| 売上総利益率(%) | 21.8% | 24.6% |
| 営業利益 | 7億円 | 13億円 |
| 営業利益率(%) | 3.9% | 7.0% |
販売費及び一般管理費(33億円)のうち、従業員給与・賞与が11億円(構成比34%)、荷造運送費が8億円(同23%)を占めています。売上原価(144億円)については、仕入原価や製造経費などが計上されています。
■(3) セグメント収益
営業促進支援事業は、販促品やOEMの受託増、自社工場の稼働率向上により増収増益となりました。商品販売事業は、定番商品の競争激化で減収となったものの、高収益商品へのシフトや原価低減策が奏功し増益を達成しています。
| 区分 | 売上(2025年3月期) | 売上(2026年3月期) | 利益(2025年3月期) | 利益(2026年3月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業促進支援事業 | 95億円 | 101億円 | 4億円 | 9億円 | 8.7% |
| 商品販売事業 | 95億円 | 89億円 | 4億円 | 5億円 | 5.1% |
| 連結(合計) | 190億円 | 190億円 | 7億円 | 13億円 | 7.0% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
営業利益で借入返済を行い、投資も手元資金で賄う優良企業(健全型)のキャッシュ・フロー状況です。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 9億円 | 12億円 |
| 投資CF | -10億円 | -4億円 |
| 財務CF | 3億円 | -8億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は18.1%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は46.7%で市場平均を下回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
「全従業員の物心両面の幸福を追求するとともに、社会の進歩発展に貢献すること」を経営理念に掲げています。従業員の生き甲斐や働き甲斐を通じて世の中に役立つことを目指し、パッケージ専門メーカーから企画開発型のメーカーへの飛躍を志向しています。
■(2) 企業文化
「お客様がやりたくてもなかなかできない仕事を、お客様のご要望に沿って実現させること」をモットーとしています。全従業員が自ら考え挑戦し、未来に希望を持ち、自発的に価値を創造して発信していく姿勢を重視し、スピードを落とさずに成長を続ける組織文化を育んでいます。
■(3) 経営計画・目標
成長性と収益性を追求して企業価値を高めるため、利益の拡大を経営目標とし、「増益及び利益率の向上」を重要な経営指標に設定しています。特定の数値目標は掲げていませんが、常に高収益を生み出すことができる事業基盤の構築と事業活動を推進しています。
■(4) 成長戦略と重点施策
今後は事業ポートフォリオの継続的な見直しと市場環境の変化への対応を進めます。具体的には、仕入先の多角化や仕様見直しによるコスト低減、環境対応や機能性を付加した高付加価値商品の開発、研究開発人材の強化を通じた差別化商品の創出、ECやデジタルチャネルを活用した新たな販売モデルの構築に取り組む方針です。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
事業成長の源泉を「人材」と捉え、従業員一人ひとりの能力を最大限に発揮できる環境づくりに注力しています。新入社員のOJTや階層別・職種別研修などの教育体制を充実させるほか、柔軟な働き方の導入、資格取得支援、女性活躍推進、障がい者雇用の拡大といった多様な人材が活躍できる組織づくりを推進しています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均とほぼ同じ水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | 44.0歳 | 11.8年 | 5,975,334円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 4.9% |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 45.0% |
| 男女賃金差異(正規雇用労働者) | 70.3% |
| 男女賃金差異(臨時雇用者) | 53.4% |
また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、障がい者雇用率(8.1%)、新規雇用者における女性割合(57.1%)などです。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 原材料調達に関するリスク
素材として利用するプラスチックフィルム等の仕入価格は原油価格の影響を受けます。仕入先の分散や価格交渉による抑制に努めていますが、急激な需給変化により価格が高騰し販売価格への転嫁が遅れた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
■(2) 少子高齢化、人口減少に関するリスク
同社の事業は最終的に消費者の購買行動の影響を受けます。少子高齢化や人口減少による市場環境の想定以上の激変が生じた場合、業績に影響が及ぶ可能性があります。これに対し、事業領域の拡大やポートフォリオの継続的見直しで対応しています。
■(3) 環境規制及び環境問題に関するリスク
パッケージ包装などは海洋プラスチック問題等と密接に関係しており、バイオマス素材など環境負荷を抑えた商品開発に積極的に取り組んでいます。しかし、環境に関する法的規制の強化や社会的要請により事業活動が制約されたり対策費用が増加するリスクがあります。



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