※本記事は、株式会社ソケッツ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ソケッツは、音楽・映像・書籍などのエンターテイメント関連や、美容、食品、旅行といった生活・ライフスタイル全般に関わるデータベースを開発し、インターネットサービス開発およびシステム提供を行う企業です。データ提供、レコメンド、パーソナライズ、検索、データアナリティクスといったサービスを多岐にわたる顧客に提供しています。
単体従業員数は53名です。同社は単一セグメントで事業を展開しています。
ソケッツのデータサービスは、KDDI、レコチョク、NTTドコモ、LINEヤフー、楽天グループ、LINE MUSIC、Hulu、FOD、集英社、世界文化ホールディングス、CEメディアハウス、ハースト婦人画報社などで利用されています。
同社は、開発・運用型売上から技術ライセンス収入主体への事業モデル転換を進めています。また、データ・システム提供会社からIPコンテンツを創発・増幅する会社への脱皮を目指し、独自のDMPを開発しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ソケッツは、感性データ技術を核に事業を展開する企業です。従業員の平均年齢や勤続年数からは、一定の経験を積んだ人材が安定して活躍している様子がうかがえます。多様な働き方を支援する制度も導入されており、個々のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が期待できる環境です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が9.0年と比較的長く、平均年齢も42.7歳であることから、経験豊富な社員が定着し、長期的にキャリアを築いている傾向が見られます。単体従業員数は53人であり、少数精鋭で事業に取り組んでいることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,968,000円 |
| 平均勤続年数 | 9.0年 |
| 平均年齢 | 42.7歳 |
| 単体従業員数 | 53人 |
同社は退職金支給規定に基づく確定給付型の退職一時金制度を採用しており、国内の従業員が対象です。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ソケッツは、IPデータテック企業として、エンターテイメント分野の業界経験者やAI・データ技術者など、多様な経験と能力を持つ人材を重視しています。組織戦略として、採用、育成、制度、文化への投資を通じて人材力と組織力を高め、生産性の最大化を目指しています。また、互いの異文化や異なる才能を尊重しあう企業文化の発展にも注力しています。
具体的には、専門スキルを持つスペシャリストの確保のため、リファラル制度の推進や各種学会への参加、Web・SNSを活用した新卒採用、求人媒体を通じた中途採用を積極的に行っています。人材育成においては、社内外研修制度や資格取得支援制度を整備し、社員の専門性向上と積極的な挑戦を応援しています。技術者、運用者、営業、企画メンバーが一体となって個別戦略を遂行することで、幅広い事業視点と相互理解を促進しています。
働き方の多様性も重視しており、時差勤務、テレワーク、バックホームワーク、1/4休などの柔軟な勤務制度を導入しています。全社員出社日も設けることで一体感を育みつつ、多様で柔軟な働き方(フレキシブルワーク)を多面的に推進しています。さらに、国籍、性別、人種、障がいなどの有無に関わらず、社員が個性を活かせる職場環境の整備や、人権尊重、ハラスメント相談窓口の設置を通じて健全な職場環境を確保しています。社員の健康にも配慮し、安全衛生委員会による教育、産業医による健康相談窓口、定期健康診断、ストレスチェックを実施しています。治療・介護・育児と仕事の両立支援として、育児休業制度の活用を推奨するなど、ライフイベントに合わせた勤務形態の柔軟化も図っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社ソケッツは、音楽・映像・書籍などのエンターテイメント関連、および美容、食品、飲料、衣料、旅行といった生活全般に関わるデータベースを開発し、それらを活用したインターネットサービス開発とシステム提供を行っています。同社は、通常のAIでは捉えきれない人間の感性や感情をデータで理解することに注力し、エンターテイメントと感性マーケティングの分野を開拓しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、音楽・映像・書籍などのエンターテイメント関連、および美容、健康、ファッション、食、飲料、旅、住、金融など暮らし全般に関わるデータベースを開発し、インターネットサービス開発とシステム提供を行っています。具体的には、「データ提供サービス」「レコメンドサービス」「パーソナライズサービス」「検索サービス」「データアナリティクス(データ分析)サービス」を提供しています。これらのサービスは、通信会社、Eコマース会社、音楽・映像関連のインターネットサービス会社、音楽レーベル会社、商品・製品開発メーカー、流通小売会社、サービス提供会社などに利用されています。
同社のビジネスモデルは、「ライセンス」「開発」「運用」の3つの事業で構成されています。「ライセンス」事業では、月額従量制、月額固定制、またはその組み合わせ、および都度利用毎従量制、初期ライセンスなどがあります。「開発」事業では、初期開発やサービス拡張に伴う追加開発が行われます。「運用」事業では、主に年間契約に基づき、サービス事業者のシステムの一部を運用しています。同社は、開発・運用型売上ではなく、技術ライセンス収入主体への事業モデル転換を進めています。
同社のデータサービスは、KDDI、レコチョク、NTTドコモ、LINEヤフー、楽天グループ、LINE MUSIC、HJホールディングス(Hulu)、フジテレビジョン(FOD)、集英社、世界文化ホールディングス、CEメディアハウス、ハースト婦人画報社、講談社などのサービスで利用されています。販売実績を見ると、サービス提供と受託開発の二つのサービス内容があり、当事業年度の販売実績はサービス提供が934,315千円、受託開発が125,816千円となっています。主要な相手先としては、LINE MUSIC株式会社、楽天グループ株式会社、株式会社エッグスへの販売実績が上位を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の当事業年度の売上高は前期から増加しました。利益面では、前期は営業損失、経常損失、当期純損失を計上していましたが、当事業年度は営業利益、経常利益、当期純利益ともに黒字に転換しています。これは、技術ライセンス提供に関連する事業を主体とした事業モデルへの転換や、新規事業としての感性マーケティング事業の育成、IPコンテンツ市場の広がりを見据えた音楽・映像データサービスの強化などが影響しています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社は、従業員1人あたりの収益や利益に関する具体的な数値は開示していません。しかし、当事業年度の経営成績は、前期の損失から黒字に転換しており、収益性の改善が進んでいることがうかがえます。同社は、収益基盤の改善と強化を短期的な目標とし、中長期的には独自のデータサービスによる収益性の向上を目指しています。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ソケッツは、財務の安定性という観点から、堅実な経営基盤を築いていることがうかがえます。本業で得た資金を元手に、将来に向けた投資も行っている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率が高く、手元資金も潤沢であることが特徴です。これは、外部からの借入に過度に依存せず、安定した経営を維持していることを示しています。不況時や予期せぬ事態が発生した場合でも、事業を継続するための耐性があると言えます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 5.5億円 | 6.2億円 |
| 自己資本比率 | 63.9% | 65.4% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 4.6億円 | 6.0億円 |
自己資本比率は当期で65.4%となっており、前期の63.9%から増加しています。これは東京証券取引所プライム市場の平均(製造業46.8%、非製造業24.2%)と比較しても高い水準を示しています。
現金及び現金同等物は当期で6.0億円となっており、前期の4.6億円から増加しています。手元資金が厚いことは、事業運営の安定性や、今後の成長投資に向けた柔軟な資金活用が可能であることを示しています。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、財務基盤を強化しつつ株主還元も行っている状況を示しています。
本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは当期で1.2億円の増加となりました。主な収入要因は税引前当期純利益、売上債権の減少、未払費用の増加、退職給付引当金の増加です。
投資活動によるキャッシュフローは当期で28百万円の増加となりました。主な収入要因は敷金及び保証金の回収による収入です。財務活動によるキャッシュフローは当期で△14百万円の減少となっており、配当金の支払額と自己株式の取得による支出が主な要因です。
フリーキャッシュフローは当期で1.5億円のプラスとなっており、本業で得た資金が投資を上回る状況です。これは、同社が安定した経営基盤を持ち、将来の成長に向けた余力も確保していることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性にも良い影響を与えると考えられます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 1.2億円 |
| 投資CF | - | 28百万円 |
| 財務CF | - | △14百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | 1.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
インターネット関連テクノロジー業界における新技術や新サービスの急速な変化に対応できない場合、技術やサービスの陳腐化により競争力が低下する可能性があります。また、生成AIの進展はインターネット関連テクノロジーやデータサービス分野に大きな影響を及ぼすことが見込まれています。
データサービス分野では新規参入企業が増加しており、競合他社が同社を上回る開発スピードやサービス品質を実現した場合、事業展開や経営成績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
優秀な社内人材の確保、育成、定着が最重要課題と認識されています。これらの施策が効果的でない場合や、必要な人材を確保できない場合、事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ソケッツは、人々の感性や感情をデータ化し、豊かな社会の実現に貢献することを目指す企業です。独自のAI技術とデータサービスを通じて、クリエイティブな活動やライフスタイルを支援する文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ソケッツは「人の気持ちをつなぐ」ことをミッションとしています。感性メタデータと感性AIを活用し、エンターテイメント分野やマーケティング分野でデータ関連サービスを提供しています。
同社のパーパス(存在意義)は、感性データを活用してクリエイターや人々の想いを紡ぎ、クリエイティブなエンターテイメントやライフスタイルの誕生・広がりに貢献することです。AI社会において、人間にとってかけがえのない想像力の発展に貢献するデータと技術の開発を創業来のパーパスとしています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ソケッツは「人の気持ちをつなぐ」価値あるサービス実現のため、新しいテクノロジーと研究開発、データ開発を重視しています。常にユーザー視点と顧客価値を大切にし、オリジナリティの高いサービス開発を継続する姿勢です。
同社は、多様性と自主性に富む人材の採用・育成、成長への環境づくりに努め、企業理念や志を共有する従業員と共に成長する企業文化を育んでいます。全役職員を対象としたクレド(行動規範)を通じて企業文化の熟成を図り、ダイバーシティの推進と人権の尊重を重視しています。
社員一人ひとりの健康に留意し、働きやすい職場環境の整備、治療・介護・育児と仕事の両立支援、勤務形態の柔軟化を推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ソケッツは、優秀な人材の確保と育成を重要な経営課題としています。クレド(行動規範)による企業文化の熟成、採用体制の強化、段階に応じた教育・育成、研修制度、人事評価制度、多様な働き方を実現する勤務体系の充実を進める方針です。
また、開発・品質管理体制の強化として、企画営業部門と開発部門の連携見直しや開発・運用ルールの統一化、全社的な技術資産の共有を図っています。
事業規模に応じた内部管理体制の充実とコーポレート・ガバナンスの強化にも取り組んでおり、管理部門の強化や社外役員の積極的な導入を進めています。営業体制およびコンサルティング能力の向上も重点テーマであり、業界経験者やスペシャリストの採用、若手人材の育成を通じて体制強化に努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ソケッツは監査役会制度を採用しており、取締役会と監査役会を設置しています。社内取締役と社外取締役、社外監査役を選任し、企業経営や会計・法務・内部統制に関する知見に基づいたガバナンス体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ソケッツの株主構成を見ると、代表取締役社長である浦部浩司氏が筆頭株主となっています。また、カルチュア・コンビニエンス・クラブやフェイスといった事業会社も上位株主として名を連ねています。創業者が筆頭株主として経営を支えつつ、複数の事業会社が資本参加している点が特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 浦部 浩司 | 23.99% |
| カルチュア・コンビニエンス・クラブ | 9.82% |
| フェイス | 5.93% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は浦部浩司氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 浦部 浩司 | 代表取締役社長 | 1992年日本合同ファイナンス(現ジャフコ)入社。1999年ビジュアルコミュニケーション執行役員就任。2000年同社設立、代表取締役就任より現職。 |
| 豊田 将平 | 取締役 | 2019年筑波大学大学院修了後、同社入社。開発本部データマネジメントグループ配属。Engineering & Technology Division General Manager等を経て、2026年同社取締役就任より現職。 |
社外取締役は、鵜飼幸弘氏(テクノロジーハブ代表取締役)、町田修一氏(元電通ミュージック・アンド・エンタテインメント代表取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名と社外監査役3名を選任しています。社外取締役は、上場企業経営やマーケティング事業における専門知識に基づき、経営意思決定への助言や監視を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ソケッツの役員報酬は、固定報酬としての基本報酬と、会社の経営成績や各役員の貢献度に応じた業績連動報酬(決算賞与)で構成されています。また、株式報酬型ストックオプションも導入しており、中長期的な企業価値向上へのインセンティブとして、固定報酬や賞与の一部を役員持株会を通じて自社株式購入に充てる仕組みも採用しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 1名 | 36百万円 | 36.2百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 29百万円 | 4.8百万円 |
非金銭報酬等の内訳は、役員に対するストックオプション(新株予約権)に係る株式報酬費用を計上した額であり、その対象となっている社外役員の数は2名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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