※本記事は、トモニホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月17日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
トモニホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は33名、グループ連結従業員数は2,184名です。
同社グループは、銀行業務を中心に、リース業務、カード業務、ベンチャーキャピタル業務などの金融サービス業務を提供しており、連結子会社10社を中心に事業を展開しています。
主な国内グループ会社は、徳島大正銀行(銀行業)、トモニシステムサービス、徳銀ビジネスサービス(銀行各種事務受託、代行業務)、トモニリース(リース業務)、トモニカード(クレジットカード業務)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
トモニホールディングスは、地域金融グループとして持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値向上を目指しています。同社グループは、従業員を「人財」と位置づけ、積極的に投資することで、その価値を高め、グループ全体の成長と地域社会の発展に貢献する方針です。多様な人材の活躍を推進し、働きやすい職場環境の整備と人財育成に注力しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は持株会社であり、グループ全体の戦略策定や経営管理を担っています。従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も高めであることから、経験豊富な人材が定着している傾向が見られます。なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 9,452,000円 |
| 平均勤続年数 | 31.6年 |
| 平均年齢 | 54.3歳 |
| 単体従業員数 | 33人 |
| 連結従業員数 | 2,184人 |
| 単体のグループ内比率 | 1.5% |
同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を併設しています。これらの制度は国内グループ会社に適用されています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
当連結会計年度末における退職給付債務は91.2億円、年金資産は232億円です。確定拠出制度への要拠出額は154百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、従業員を「人財」と捉え、成長に向けた価値創造の源泉である「人的資本」として積極的に投資する人材戦略を基本方針としています。これにより、グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上、そして持続可能な地域社会の実現を目指しています。
同社の従業員は銀行子会社からの出向者であり、給与は出向元の各銀行子会社の規程に基づき決定されます。例えば、最大人員会社である徳島大正銀行では、執行役員の給与は取締役会で決定され、メンバーシップ型行員には職責や業務執行力、業績評価を反映した年俸制や、職務・資格に応じた月額給与と賞与が適用されます。ジョブ型行員や嘱託行員は職種や発揮能力を考慮して決定される仕組みです。
第6次経営計画では「人財戦略」を基本戦略の一つとし、「パーパス実現に向けたインセンティブの強化」「経営戦略と連動した経営人財、専門性の高い人財の育成」「多様な人材の活躍推進への取組み」を推進しています。女性の活躍促進を含むダイバーシティを積極的に推進し、働きやすい職場環境の整備と実践的な学びの場を提供することで、人財育成に努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
グループ全体(連結)
連結子会社の徳島大正銀行および香川銀行の合算数値です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 15.9% |
| 男性育児休業取得率 | 103.7% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
トモニホールディングスは、銀行業務を主軸に、リース業務やカード業務、ベンチャーキャピタル業務など多岐にわたる金融サービスを提供する広域金融グループです。同社グループは、地域経済の活性化とお客さまの成長支援に積極的に取り組んでいます。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、銀行業務を基幹事業としています。株式会社徳島大正銀行と株式会社香川銀行が中心となり、預金業務、貸出業務、内国為替業務、外国為替業務、有価証券投資業務などの金融サービスを提供しています。
また、同社グループは、リース業務、銀行業務に関連するコンピューター業務、クレジットカード業務、ベンチャーキャピタル業務、GX・地方創生関連業務といった多様な金融サービスも展開しています。これらの業務は、連結子会社8社によって運営されています。
同社グループの経常収益は、貸出業務が最も大きな割合を占めており、当連結会計年度において増加しました。次いで有価証券投資業務やその他業務が続き、リース業務は比較的小規模ながらも当連結会計年度に増加しています。有価証券投資業務は当連結会計年度に減少しました。同社グループの経常収益は、本邦の外部顧客からの収益が大部分を占めており、国内事業が中心となっています。
| セグメント | 経常収益(2025年3月期) | 経常収益(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 貸出業務 | 516億円 | 602億円 |
| 有価証券投資業務 | 218億円 | 201億円 |
| その他 | 164億円 | 186億円 |
| リース業務 | 53.1億円 | 58.7億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期にわたり経常収益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに増加傾向を示しています。当連結会計年度においては、貸出金利息の増加や役務取引等収益の増加、株式等売却益の増加により経常収益が増加しました。一方で、預金利息の増加や貸倒引当金繰入額の増加により経常費用も増加しましたが、結果として経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も増加となりました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 経常収益 | 682億円 | 777億円 | 878億円 | 951億円 | 1,048億円 |
| 経常利益 | 191億円 | 207億円 | 215億円 | 234億円 | 244億円 |
| 経常利益率 | 28.1% | 26.6% | 24.5% | 24.6% | 23.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 131億円 | 142億円 | 140億円 | 158億円 | 162億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 81.53 | 87.71 | 82.10 | 82.32 | 83.85 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり経常収益(連結)は前期から増加しており、従業員1人あたり経常利益(連結)も同様に増加しています。これらの指標は、同社グループの生産性が向上している傾向を示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり経常収益(連結) | 43.6百万円 | 48.0百万円 |
| 従業員1人あたり経常利益(連結) | 10.7百万円 | 11.2百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
トモニホールディングスグループは持株会社であり、その財務基盤はグループ全体の安定性を示しています。当期は事業活動による資金の出入りがあり、投資活動による支出が上回ったことで、フリーキャッシュフローはマイナスとなりました。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
トモニホールディングスグループの財務基盤は、自己資本と手元資金の状況から確認できます。純資産は前期から増加し、自己資本比率は前期とほぼ同水準で推移しています。ROE(自己資本利益率)は前期からわずかに低下しましたが、5%台を維持しています。手元資金である現金預け金は前期から減少しましたが、依然として潤沢な水準を保っています。これらの状況は、同社グループの事業活動を支える財務的な安定性を示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 2,840億円 | 2,974億円 |
| 自己資本比率 | 5.6% | 5.6% |
| ROE(自己資本利益率) | 5.7% | 5.6% |
| 現金預け金 | 5,092億円 | 4,842億円 |
なお、銀行は預金が主な負債のため、一般的な計算式による自己資本比率は構造上低くなります。規制上は国内基準4%以上・国際統一基準8%以上が求められます。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
トモニホールディングスグループのキャッシュフローは、資金の動きを示しています。当期の営業活動による資金の出入りは、前期と比較して預金の増加による資金獲得が減少したこと等により、獲得資金が減少しました。投資活動による資金の支出は、前期と比較して有価証券の償還による収入が増加したこと等により、支出が減少しています。財務活動による資金の支出は、前期と比較して配当金の支払額が増加したこと等により、支出が増加しました。これらの結果、フリーキャッシュフローは前期のプラスから当期はマイナスに転じています。同社グループは、事業活動で得た資金を投資に充てている状況であり、将来に向けた投資を継続していることがうかがえます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 1,182億円 | 174.8億円 |
| 投資CF | △681.5億円 | △358.1億円 |
| 財務CF | △30.5億円 | △56.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 500.4億円 | △183.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは銀行持株会社であり、収入の大部分を銀行子会社からの配当金及び経営管理料に依存しています。規制上の制限等により、銀行子会社が同社に支払う配当金額が制限される可能性があります。また、主要な収益源である資金運用・調達における金利差による利鞘収入は、金利変動がマイナスに作用する可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、雇用、健康又は安全に関する法令又は協定に違反した行為、個人傷害に対する支払、労働災害、差別行為、ハラスメント等の事案が発生した場合に、社会的信用、業務遂行及び業績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
「トモニホールディングス」は、金融持株会社として、地域のお客さまとの共存共栄を掲げ、持続的な成長と企業価値向上を目指しています。グループ経営理念に基づき、お客さま第一主義を徹底し、地域とともに歩む信頼される金融グループとしての役割を追求しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
「トモニホールディングス」は、グループ経営理念として「お客さま第一主義」「お客さまとともに成長」「信頼と安心の経営」を掲げています。金融持株会社として、同社グループ全体の健全かつ適切な運営を確保し、中核子会社である銀行子会社を中心とした子会社の経営管理を通じて、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図っています。第5次経営計画では、10年後の目指す姿を「やっぱり“トモニ”を選んでよかったと言われる広域金融グループ」と定めています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
「トモニホールディングス」は、グループ経営理念である「お客さま第一主義」「お客さまとともに成長」「信頼と安心の経営」を大切にしています。第6次経営計画では、サステナビリティ戦略、営業戦略、人財戦略、オペレーション戦略、ガバナンス戦略の5つの基本戦略を掲げ、全てのステークホルダーとともに次のステージへ進化することを目指しています。また、人材の多様性が組織の競争力を高めると考え、女性の活躍促進を含むダイバーシティを積極的に推進し、働きがいのある職場環境の整備と人財育成に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、地域金融機関として、金利環境の変化を踏まえた適切なリスク管理、コンサルティング機能の発揮、デジタル化の推進による収益力強化を課題としています。また、ガバナンスの強化、人的投資・人財育成、デジタライゼーションへの対応、気候変動問題や脱炭素社会への取組みなど、サステナビリティへの取組みも重点テーマです。第6次経営計画では、サステナビリティ戦略、人財戦略、オペレーション戦略、ガバナンス戦略を基本戦略とし、地域価値創造への貢献や人的資本経営の実現、DX・AI活用による業務構造改革、ステークホルダーとの対話強化に取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
トモニホールディングスは、グループ経営理念に基づき、持株会社としてグループ全体の健全かつ適切な運営を確保しています。監査等委員会設置会社として、取締役会、監査等委員会、会計監査人を主たる機関とし、コーポレートガバナンス委員会や経営会議を補完機関として設置しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)であり、次いで日本カストディ銀行(信託口)が続きます。従業員持株会も上位株主の一角を占めています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 12.63% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 5.28% |
| トモニホールディングス従業員持株会 | 3.58% |
| MURAKAMI TAKATERU | 3.41% |
| 日亜化学工業 | 3.03% |
なお、野村アセットマネジメントは令和7年9月15日現在で6,702千株を所有しています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は12名(男性9名・女性3名)で構成され、女性役員比率は25.0%です。代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)は中村武氏が務めています。社外取締役比率は41.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 中村 武 | 代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者) | 昭和61年4月日本銀行入行。平成25年5月同行業務局長、平成27年6月同行文書局長。平成29年6月同社代表取締役専務を経て、平成30年6月より同社代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)現職。 |
| 板東 豊彦 | 代表取締役副社長 | 平成5年4月徳島銀行(現徳島大正銀行)入行。平成21年4月同行人事部長、令和2年6月同行代表取締役頭取。令和2年10月より同社代表取締役副社長現職。 |
| 有木 浩 | 代表取締役副社長 | 平成元年4月香川銀行入行。令和元年6月同行取締役岡山支店長、令和3年6月同行常務取締役融資本部長。令和7年6月より同社代表取締役副社長現職。 |
| 藤井 仁三 | 常務取締役 経営企画部長 | 昭和62年4月第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。平成9年8月徳島銀行(現徳島大正銀行)入行。平成27年8月同社経営企画部長。平成29年3月より同社常務取締役経営企画部長現職。 |
| 喜岡 均 | 常務取締役 リスク・コンプライアンス部長 | 平成元年4月日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)入行。平成19年2月香川銀行入行。平成27年6月同行執行役員総合企画部長。令和6年6月より同社常務取締役リスク・コンプライアンス部長現職。 |
| 長尾 純 | 取締役 グループ戦略部長兼 地域商社的金融機能担当 | 平成3年4月徳島銀行(現徳島大正銀行)入行。令和元年6月同行執行役員本店営業部長。令和7年6月より同社取締役グループ戦略部長兼地域商社的金融機能担当現職。 |
社外取締役は、井上佳昭氏(大阪ガスケミカル常勤監査役)、多田人志氏(元四国財務局管財部長・監査等委員)、富家佐也加氏(碧海総合法律事務所開設・監査等委員)、武田真由美氏(武田真由美公認会計士事務所開設・監査等委員)、吉澤康代氏(香川大学大学院地域マネジメント研究科教授・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社を採用しています。社外取締役は、経営方針への助言や経営陣の監督、利益相反の監督、ステークホルダーの意見反映といった役割を担っています。監査等委員である社外取締役は、監査体制の独立性と中立性を高め、客観的な監査意見を表明することが期待されています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上へのインセンティブとして機能するよう設計されています。業務執行取締役の報酬は、基本報酬、業績連動報酬、株式報酬で構成され、非業務執行取締役は基本報酬のみです。業績連動報酬は会社の営業成績や目標達成度合いを勘案して決定され、株式報酬は株主との価値共有を目的としています。監査等委員である取締役の報酬は、経営からの独立性を確保するため定額報酬となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 10名 | 1.4億円 | 14.5百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 36百万円 | 5.1百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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