【平均年収724万円】日本ドライケミカル 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収724万円】日本ドライケミカル 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

日本ドライケミカルは、各種防災設備の設計・施工・保守点検、製造・販売などをグループ各社とともに手がける総合防災企業です。直近の連結会計年度では売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに大きく伸長し、着実な成長を続けています。


目次

※本記事は、日本ドライケミカル株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


日本ドライケミカルは、各種防災設備の設計・施工・保守点検、消火器や消火設備、消防自動車、自動火災報知設備の製造・販売、防災用品の仕入れ・販売を手がける総合防災企業です。同社グループは、人々に安心と安全を提供することを使命としています。

単体従業員数は807名、連結従業員数は1,195名です。事業セグメントは、防災設備事業、メンテナンス事業、商品事業の3つです。

主な国内グループ会社は、北海道ドライケミカル、M-tech.(商品事業)、イナートガスセンター(防災設備事業、メンテナンス事業)などです。

なお、日本ドライケミカルは2025年10月1日付で日本ドライメンテナンスを吸収合併しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


日本ドライケミカルは、防災設備事業を主軸とする企業であり、専門性の高い分野で社会の安心・安全に貢献しています。同社グループでは、従業員の健康を重要な資産と捉え、多様な働き方を支援する制度を整備しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高い傾向にあります。これは、従業員が長期的にキャリアを築きやすい環境が整っていることを示唆しています。

項目 数値
平均年間給与 7,235,000円
平均勤続年数 12.4年
平均年齢 41.2歳
単体従業員数 807人
連結従業員数 1,195人
単体のグループ内比率 67.5%


同社は確定給付型の退職給付制度を採用しており、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる仕組みです。この制度は、同社および連結子会社に適用されています。

退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

退職給付債務は31.7億円、年金資産は21.6億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、中期経営計画において「人財育成と社員の挑戦を促す組織づくり」をマテリアリティの一つに掲げています。事業の高付加価値化を実現するため、人財ポートフォリオを明確にし、新人事制度の構築を推進しています。

具体的には、スキルマネジメントシステムの導入やスキルマップの活用、組織構成・人員配置の最適化を進めています。採用チャネルの多様化や研修体制の強化により、多様性を確保しつつ専門性を向上させ、従業員の自律性を尊重し働きがいを追求する方針です。

給与は主に「基本給+役職手当」と「賞与」で構成されています。基本給は等級を基準に、年間の業績目標達成度や行動目標の発揮度を評価して決定されます。賞与は直近会計年度の会社業績に応じて支給されます。

給与水準は、経営環境や労働市場の変化、業界の報酬水準を踏まえて定期的に見直しを行い、持続的な企業価値向上に資する報酬体系への転換を目指しています。施工管理職には経験とスキルに応じた「特殊技能手当」、公的資格取得には「資格手当」を支給し、エンジニアリング力の向上を支援しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 3.8%
男性労働者の育児休業取得率 27.3%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 66.8%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 74.3%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 46.6%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


日本ドライケミカルは、各種防災設備の設計・施工から保守点検、消火器や消防自動車の製造・販売まで、幅広い防災事業を展開しています。人々に安心と安全を提供する総合防災企業として、社会インフラの構築に貢献しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


日本ドライケミカルグループは、総合防災企業として、各種防災設備の設計・施工から保守点検、消火器、消防自動車、自動火災報知設備の製造・販売、防災用品の仕入れ・販売まで、幅広い防災事業を展開しています。同社グループの事業は、消防法をはじめとする関連法規制に厳格に従い、製品は公的な第三者機関の型式取得や個別検査が義務付けられています。消火器や消火設備、自動火災報知設備などの多くを自社ブランドで取り扱い、自社工場で生産しています。

同社グループは、事業を「防災設備事業」「メンテナンス事業」「商品事業」の3つの営業種目に区分しています。防災設備事業は、建築物、プラント、船舶向けの各種防災設備の設計・施工、消防自動車の製造・販売を手がけており、同社グループの売上高において最も大きな割合を占めています。メンテナンス事業では、各種防災設備の保守点検業務に加え、修繕や改修工事も行い、建物所有者に義務付けられている定期点検に対応しています。商品事業では、各種消火器の製造・販売、防災用品の仕入れ・販売、小型工事を行っており、特にアルミ製容器を採用した軽量で環境に優しい消火器が特徴です。

防災設備事業と商品事業は前期から売上高が増加しており、メンテナンス事業はわずかに減少しました。同社グループの収益は、主に国内市場から得られており、海外売上高の比率は比較的小さい傾向にあります。特定の外部顧客への売上高が全体の10%以上を占めることはありません。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
防災設備 33兆4,266億円 36兆7,973億円
商品 12兆1,397億円 13兆6,163億円
メンテナンス 10兆1,608億円 10兆1,051億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


日本ドライケミカルグループの業績は、過去5期間にわたり着実に成長を続けています。売上高は一貫して増加傾向にあり、特に直近の連結会計年度では大きく伸長しました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も同様に順調に推移しており、直近の連結会計年度では大幅な増加を達成しています。これは、防災・減災を目的とした公共事業や都市部の大規模再開発による需要拡大が背景にあると考えられます。同社グループは、総合防災企業としての強みを活かし、製品ラインナップの拡充と積極的な営業活動を推進しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 448億円 502億円 559億円 557億円 605億円
経常利益 27.8億円 39.5億円 51.8億円 58.2億円 82.3億円
経常利益率 6.2% 7.9% 9.3% 10.4% 13.6%
親会社株主に帰属する当期純利益 18.9億円 25.4億円 32.9億円 39.6億円 50.8億円
1株当たり当期純利益(円) 67.52 91.63 120.38 147.67 189.61

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


日本ドライケミカルグループの従業員1人あたりの売上高は、前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。これは、事業規模の拡大とともに、組織全体の効率化が進んでいることを示唆しています。また、従業員1人あたりの営業利益も同様に増加しており、収益性の改善がうかがえます。これらの指標の向上は、同社グループが効率的な事業運営を通じて、従業員一人ひとりの貢献度を高めていることを示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 48.2百万円 50.6百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 5.3百万円 6.7百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、安定した財務基盤を築き、事業活動で得た資金を効率的に運用しています。本業で着実に資金を生み出し、将来に向けた投資も行いながら、手元資金を確保している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を上回る水準で推移しており、安定した経営基盤を示しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を大きく上回る水準で、効率的な収益獲得能力があることがうかがえます。手元資金も厚く、不測の事態への耐性も備わっている状況です。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にも寄与すると考えられます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 305億円 364億円
自己資本比率 50.3% 54.5%
ROE(自己資本利益率) 16.5% 17.9%
現金及び預金 95.4億円 107億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが当期は34.2億円の収入となりました。これは前期と比較すると減少していますが、税金等調整前当期純利益や減価償却費が主な収入源となっています。一方で、売上債権の増加や仕入債務の減少、法人税等の支払額が主な支出要因となっています。

投資活動によるキャッシュフローは△7.0億円の支出となり、前期よりも支出が減少しています。これは主に有形固定資産の取得による支出が要因です。財務活動によるキャッシュフローは△16.6億円の支出となり、前期よりも支出が減少しています。長期借入れによる収入がある一方で、社債の償還や配当金の支払いが主な支出となっています。

これらの結果、フリーキャッシュフローは27.2億円のプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している状況です。この資金状況は、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資余力を持ち合わせていることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながるものと考えられます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 89.4億円 34.2億円
投資CF △10.2億円 △7.0億円
財務CF △33.6億円 △16.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 79.2億円 27.2億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、売上高の60.8%を占める防災設備事業への依存度が高い状況です。この事業は設備投資動向や大規模再開発計画、新規供給物件動向などに左右されるため、建築投資案件の減少や設備投資計画の延期があった場合には、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、景気変動リスクも挙げられています。建設需要や設備投資の縮小、建設資材価格や労務費の急激な上昇が生じた場合、同社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループは、新製品の開発や既存製品の製造、工事施工管理、製品販売のための有能な人材確保を重要な課題として認識しています。人材の確保ができない状況や、これまで培ってきた重要な技能・技術の伝承が中断してしまう状況が顕在化した場合には、同社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


日本ドライケミカルは、「創ろう ゆたかで安心な未来を テクノロジーで」をパーパスに掲げ、社会の安心・安全に貢献する防災のプロフェッショナル集団です。テクノロジーと人財育成を重視し、持続的な企業価値向上を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、企業理念として「創ろう ゆたかで安心な未来を テクノロジーで」をパーパスに掲げています。ミッションとして、消火・防災のプロフェッショナルとして社会に安心と安全を提供すること、社会の変化に適応した新しい発想とテクノロジーで防災の未来をエンジニアリング力で創ること、そして次世代の消火・防災へつなぐ自律型人財の育成に取り組むことを掲げています。

中長期的な会社の経営戦略として「NDCビジョン2035」を掲げ、その中でも2026年3月期から2030年3月期までの5年間を、同社グループの変革を実現するステージと位置付けています。この期間において、中期経営計画『変革と成長2030』を推進しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、お客様、株主・投資家、お取引先・事業パートナー、地域社会、従業員などすべてのステークホルダーに対する社会的責任を果たし、持続的な企業価値の向上に努めています。サステナビリティを巡る課題への取り組みを推進するため、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を中心に活動しています。

マテリアリティ(重要課題)として、「テクノロジーを活かした環境配慮型の製品開発」「防災を通じた安心・安全な未来の実現」「人財育成と社員の挑戦を促す組織づくり」「持続的成長を実現する経営基盤の構築」を特定しています。人材育成は同社グループの最重要課題と認識されており、職種と専門性から目指すべき人財ポートフォリオを明確にし、従業員の自律性を尊重し働きがいを追求する方針です。また、「健康経営」を標榜し、健全な労働環境の確保と心身の健康実現に取り組むとともに、女性従業員の活躍推進にも注力しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、中期経営計画『変革と成長2030』のなかで、持続的な成長を実現するための経営基盤の強化および高付加価値・成長領域への事業拡大を最重要課題と位置付けています。独自の防災製品・防災システムを開発するための研究開発体制および人材育成の強化、コア・ビジネスであるエンジニアリング力の強化を図っています。

とりわけ、火災を未然に防ぐ「火災予防」の分野に注力し、自動消火を目指した製品開発へのイノベーション、イマジネーション力の向上に努めています。社会の変化に適応する新しい発想とテクノロジーで次世代の防災を創造し、環境に配慮したより良質な社会インフラを構築するという社会的使命を果たすべく、グループ一丸となって取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


日本ドライケミカルは、社外取締役を含む取締役会と社外監査役を含む監査役会を設置し、経営の意思決定と監視機能の強化を図っています。倫理行動規範に基づき、健全な企業風土の醸成と維持に努めています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


日本ドライケミカルの筆頭株主はALSOKであり、事業会社が主要な株主となっています。また、日本ドライケミカル取引先持株会も上位株主として名を連ねており、取引先との連携を重視する資本構成が見られます。

株主名 持株比率
ALSOK 16.41%
日本ドライケミカル取引先持株会 6.33%
日本カストディ銀行(信託口) 6.31%


なお、ALSOKは2025年7月16日付で綜合警備保障から商号変更しています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長は亀井正文氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。

氏名 役職 主な経歴
亀井 正文 代表取締役社長 1981年藤和不動産入社、ソニーケミカル、パワードコムを経て2010年同社入社。経理財務部長、管理本部長などを歴任し、2024年3月より現職。
柄澤 秀樹 取締役 1990年山一證券入社、1993年同社入社。設備東京支店プラント防災営業部長、執行役員プラント防災事業本部長などを経て、2026年6月より現職。
粕谷 知久 取締役 1993年同社入社。設備東京支店建築防災営業部長、営業本部消装東京支店長などを歴任し、2026年6月より現職。
松尾 登志紀 取締役 1993年同社入社。社長室長、名古屋支店長、執行役員管理本部長などを経て、2026年6月より現職。
平林 学 取締役 1999年綜合警備保障(現ALSOK)入社。ALSOK-TW東日本取締役、ALSOK大阪南支社長などを経て、2025年6月より現職。


社外取締役は、清威人氏(エイムネクスト代表取締役社長)、金太浩氏(エンワールド・ジャパン代表取締役社長)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役と社外監査役が経営の意思決定機能と監視機能を強化する体制を構築しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


日本ドライケミカルの役員報酬は、基本報酬、賞与、譲渡制限付株式報酬で構成されています。社外取締役と監査役は業務執行から独立した立場であるため、固定の基本報酬のみが支給されます。基本報酬は職責や実績、賞与は全社業績や個人業績を勘案して決定される仕組みです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 6名 1.1億円 19.0百万円
監査役(社外除く) 1名 10百万円 10.5百万円
社外役員 4名 11百万円 2.8百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。