【平均年収777万円】新田ゼラチン 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収777万円】新田ゼラチン 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

新田ゼラチンは、グループ各社とともにコラーゲン事業をグローバルに展開し、ゼラチンやコラーゲンペプチドなどの幅広い製品群を提供しています。連結従業員数は851名で、直近の業績は売上高が減少したものの、経常利益と純利益は増加しました。


目次

※本記事は、新田ゼラチン株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


新田ゼラチンは、連結子会社9社と関連会社3社で構成され、コラーゲン事業をグローバルに展開しています。ゼラチン、コラーゲンペプチド、食品材料、バイオメディカルといった幅広い製品群を製造・販売しています。

単体従業員数は256名、連結従業員数は851名です。セグメントはコラーゲン事業の1つです。

主な国内グループ会社は、新田ゼラチン、彦根ゼラチン、ニッタゼラチンエヌエーInc.、バムニプロテインズLtd.、広東明洋明膠有限責任公司などです。

2025年8月にはニッタゼラチンホールディングInc.の解散を決議し、同年11月にはニッタゼラチンエヌエーInc.の全株式を直接取得し、グループ体制の変更を行っています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


新田ゼラチンは、ゼラチン・コラーゲン業界においてアジアNo.1を目指す長期経営構想を掲げ、グローバルな事業展開を加速させています。同社グループは、畜産・水産物の副産物を価値あるものに生まれ変わらせるアップサイクル型のビジネスモデルを構築しており、持続可能な社会の実現に貢献しています。このような事業特性から、安定した基盤を持ちつつも、グローバルな視点と専門性を重視した働き方が期待できるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員が長期的にキャリアを形成できる環境を提供している傾向が見られます。平均勤続年数と平均年齢からは、一定の経験を積んだ従業員が長く在籍していることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 7,766,568円
平均勤続年数 14.3年
平均年齢 42.7歳
単体従業員数 256人
連結従業員数 851人
単体のグループ内比率 30.1%


同社および一部の連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の制度を採用しています。退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

確定給付制度における退職給付債務は30.5億円、年金資産は40.7億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、ゼラチン・コラーゲン業界における売上高アジアNo.1の実現に向けた長期経営構想を掲げ、グローバル人材の育成・活用、及び各拠点における現地での人材強化など、グローバル展開を支える体制整備を加速させています。同社は「愛と信(まこと)を基盤とし、最高の技術と最大の活力により、社業を発展させ、もって社会に貢献し、希望ある人生をきずこう。」という社是のもと、従業員一人ひとりが「働きがい」や「働きやすさ」を感じることで主体的に業務に取組み、個々の能力を十分に発揮できる環境整備に取組んでいます。

給与その他の給付の額及び内容の決定については、生活基盤の安定に加え、職務遂行能力・態度・実績及び責任の度合いに応じて支給することを基本原則としています。毎年の見直しにあたっては、社会的な賃金水準の動向、物価変動、労働需給の状況等を総合的に勘案しています。2025年度より非管理職へも全社導入した「役割等級制度」は、年齢や年次に関わらず、担う役割の価値と成果に対して報いる、透明性と公平性の高い人事体系を確立しています。また、従業員持株会の会員に対して株式割り当てを実施するなど、多面的なインセンティブ構造も整備しています。

人材育成においては、グローバルに活躍できる人材の育成に向け、2025年度より「国際化研修(語学研修)」の対象を従来の若手層から全年齢層の希望者へと拡大し、週1回、業務時間内での受講を推奨しています。海外子会社での研修を目的としたトレーニー制度や、語学学習支援制度の拡充も行っています。次世代幹部候補の早期選抜・育成を目的に、2025年度より「キャリアアップ研修」及び「経営塾」を新設し、経営視点を備えたリーダー層の厚みを増すことで、持続的な企業価値向上を牽引する組織づくりを推進しています。働きやすい職場環境の推進として、過去5年以上、産休復職率100%を維持しており、厚生労働省より「えるぼし認定(2つ星)」も取得しています。また、フレックスタイム制、テレワーク勤務、時間単位有給休暇などのインフラを整備し、年間最大24日の年次有給休暇付与に加え、失効した有給休暇を有効活用できるストック休暇制度を導入しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。労働者の男女の賃金の額の差異は、主に男女間の管理職比率および勤務時間が短いパートタイムの女性労働者が多いことによるものです。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 10.6%
男性労働者の育児休業取得率 40.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 65.1%
労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) 72.3%
労働者の男女の賃金の額の差異(うち非正規雇用労働者) 74.6%

女性活躍推進法に基づく目標及び実績


当社グループに属する全ての会社では行われていないため、当社のものを記載しています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 10.6%
男性労働者の育児休業取得率 40.0%
労働者の男女の賃金の額の差異 65.1%
採用した労働者の女性労働者の割合 16.7%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


新田ゼラチンは、コラーゲン事業をグローバルに展開している企業です。ゼラチンやコラーゲンペプチドといった製品を通じて、幅広い産業に貢献しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、コラーゲン事業を単一セグメントとしてグローバルに事業を営んでいます。当社と関係会社が製造・販売を分担し、相互に協力しながら事業活動を展開しています。

主な製品区分としては、ゼラチン、コラーゲンペプチド、食品材料、バイオメディカルがあります。ゼラチンは、製菓・調理用、グミキャンディー用、発酵乳向けなどの食品用途に加え、ソフトカプセル用やハードカプセル用として販売されています。コラーゲンペプチドは、北米でのプロテイン需要やインド・アジア市場での需要が堅調に推移しています。食品材料は商品構成の見直しを進めており、バイオメディカルは医療用コラーゲン・ゼラチン市場の拡大を目指しています。

収益は、これらの製品の製造・販売から得ており、特に北米やインド、アジアといった海外市場での展開も進められています。世界経済の不確実性や主要国の金融政策に伴う為替変動の影響を受ける状況が続いています。特定の顧客への売上高が連結損益計算書の10%以上を占める相手先はありません。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は一時的な増加の後、直近2期は減少傾向にあります。一方で、経常利益は一貫して増加傾向を示しており、収益性の改善が見られます。

親会社株主に帰属する当期純利益は、過去に一時的な損失を計上した期がありましたが、その後は回復し、直近では増加傾向で推移しています。この純利益の増加は、経常利益の増加が、前期に計上された減損損失戻入益や固定資産売却益、減損損失の減少を上回ったことによるものです。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 318億円 392億円 404億円 387億円 380億円
経常利益 17.3億円 22.5億円 23.8億円 41.5億円 47.8億円
経常利益率 5.5% 5.7% 5.9% 10.7% 12.6%
親会社株主に帰属する当期純利益 7.3億円 15.6億円 △18.5億円 31.6億円 32.8億円
1株当たり当期純利益(円) 40.16 85.98 △101.98 173.94 180.54

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期と比較してわずかに減少しています。しかし、従業員1人あたりの営業利益は前期から増加しており、組織全体の収益性が向上している傾向が見られます。

これは、売上高が減少する中でも、北米等での収益性改善などにより、効率的な事業運営が進められていることを示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 45.1百万円 44.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 4.6百万円 5.5百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、事業の安定性と将来への投資余力を示しています。手元資金の厚みや自己資本の状況から、経営の盤石さを確認できます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率やROE、そして手元資金の状況から安定していることがうかがえます。自己資本比率はプライム市場の製造業平均と比較して高い水準にあり、ROEもプライム市場平均を上回っています。これにより、事業活動を支える強固な財務体質が維持されていることが示されています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 254億円 296億円
自己資本比率 51.2% 56.6%
ROE(自己資本利益率) 16.3% 14.6%
現金及び預金 50.1億円 63.8億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業で安定した資金を創出している状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは増加しており、事業で着実に資金を獲得していることがうかがえます。投資活動によるキャッシュフローは、主に定期預金の預入や有形固定資産の取得による支出が要因となり、資金を使用しています。これは将来に向けた事業基盤の強化や成長投資を積極的に行っていることを示しています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済や短期借入金の減少、配当金の支払いにより資金を使用しています。本業で得た資金を成長投資に回しつつ、負債の圧縮も進めていることから、安定した経営基盤と将来への成長意欲が感じられます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 51.8億円 64.8億円
投資CF △11.8億円 △51.0億円
財務CF △25.5億円 △23.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 40.1億円 13.9億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、海外市場での競合による販売拡大への影響をリスクとして認識しています。また、市場動向の変化として、畜産業や動物性原材料に対する消費者マインドの変化、将来的な動物由来製品への規制もリスクとして挙げています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、継続的な人材の確保と育成をリスクとして認識しています。雇用情勢の変動や人材の流出が増加した場合、競争力の低下や事業継続性に影響を与える可能性があるとしています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


新田ゼラチンは、未利用資源を価値あるものに変えるアップサイクリングを事業の原点とし、新たなパーパスとビジョンを掲げています。持続可能な社会の実現と従業員の成長を重視する企業文化を築いています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは2025年11月に新たな長期経営構想を策定し、企業・経営理念体系を改定しました。未利用資源と副産物を自社の技術やサービスで価値あるものに変えるという事業の原点に立ち返り、未来に向けて、アップサイクリングの力で人々の暮らしをより良いものに変えていきたいという考えから、新たにパーパス(私たちの存在意義)を策定しています。

新しいビジョン(私たちのありたい姿)は、「ゼラチン・コラーゲン業界における売上高アジアNo.1を目指し、世界に挑戦する」と定めています。このビジョンを実現するために、バリュー(私たちの価値観)を定義し、それを具現化するための行動指針を定めています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社は、「愛と信(まこと)を基盤とし、最高の技術と最大の活力により、社業を発展させ、もって社会に貢献し、希望ある人生をきずこう。」という社是のもと、人事ポリシーを制定しています。このポリシーでは、多様な個性や能力をもつ社員が互いを信頼し、共通の目標に向かって協働することを支援しています。

また、透明性の高い評価により社員の挑戦意欲を高め、全社員に教育研修の機会を用意し、更なる成長を目指す人を支援する方針です。サステナビリティ方針としては、アップサイクル型のビジネスモデルをさらに拡大・発展させることで、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。同社が特定した5つのマテリアリティ(重要課題)として、「環境」「調達」「ダイバーシティ」「コミュニティ」「人権」を掲げ、重点的に取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、経営基盤強化の重点テーマとして、人的資本とサステナビリティ経営を挙げています。人的資本においては、人材に係るポリシーを制定し、経営戦略と連動した人的資本経営を推進するとともに、グローバル人材の育成・活用に注力しています。

サステナビリティ経営では、未利用資源から新たな価値を創出するアップサイクル型ビジネスを引き続き追求し、同社が特定したマテリアリティ(重要課題)について取り組みを推進しています。気候変動問題を含むサステナビリティ課題について審議・検討する「サステナビリティ委員会」を設置し、地球環境の保全や地域との共生を図りながら、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


新田ゼラチンは監査役会設置会社であり、監査役による経営監視機能を活用しています。執行役員制度を導入し、経営の効率化と監視・執行の分離を図るとともに、任意の指名諮問委員会および報酬諮問委員会を設置し、客観性と透明性を確保しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


新田ゼラチンの株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社のアイビーピーです。また、ニッタや新田ゼラチン取引先持株会、新田浩士氏、新田ゼラチン従業員持株会といった関連会社や関係者が上位株主として名を連ねています。これにより、同社グループの事業基盤を支える安定した資本構成が特徴として挙げられます。

株主名 持株比率
アイビーピー 19.22%
ニッタ 4.61%
新田ゼラチン取引先持株会 2.86%
三井住友銀行 2.55%
三菱UFJ銀行 2.52%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性8名・女性2名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長執行役員は竹宮秀典氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
竹宮 秀典 代表取締役社長 執行役員 1988年4月同社入社。接着剤事業部長、執行役員、ペプチド事業部長、生産本部長などを歴任。2024年6月代表取締役社長に就任し現職。
杉本 芳久 取締役 執行役員 営業本部長 1986年4月同社入社。営業本部営業部長、執行役員、営業本部長などを歴任。2016年6月取締役、2024年4月営業本部長に就任し現職。
林 和也 取締役 執行役員 生産本部長 1992年4月同社入社。総合研究所研究部長、執行役員、総合研究所長などを歴任。2023年6月取締役、2024年6月生産本部長に就任し現職。
安藤 啓 取締役 執行役員 管理本部長 1993年4月㈱住友銀行入行。2023年6月同社入社。2024年6月取締役執行役員、管理本部長に就任し現職。


社外取締役は、鈴木博正氏(蝶理社外取締役(監査等委員))、高橋尚男氏(合同会社CO-SAKU代表社員)、種田ゆみこ氏(種田ゆみこ公認会計士事務所所長)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役3名と社外監査役2名を選任しています。これらの社外役員は、東京証券取引所の定める独立役員として指定されており、経営の客観性と透明性の向上に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


新田ゼラチンの取締役(社外取締役を除く)の報酬は、基本報酬、業績連動報酬、および株式報酬で構成されています。業績達成率が100%の場合、それぞれの報酬の割合は6:3:1となっており、役割や職位に応じた固定報酬に加え、連結売上高や連結営業利益などの業績評価項目に基づいた業績連動報酬が支給されます。また、非金銭報酬として譲渡制限付株式が毎年交付される仕組みです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 79百万円 19.8百万円
監査役(社外除く) 1名 15百万円 15.0百万円
社外役員 7名 30百万円 4.3百万円


なお、取締役の報酬等の総額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。また、役員に係る退職慰労金は、2008年6月30日開催の定時株主総会において打ち切り支給が決議されています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。