※本記事は、味の素株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月12日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
味の素は、調味料、栄養・加工食品、冷凍食品などの食品事業と、医薬用アミノ酸、電子材料などのヘルスケア等事業をグローバルに展開しています。同社グループは連結子会社105社と持分法適用会社15社で構成されています。
単体従業員数は3,705名、連結従業員数は34,787名です。同社グループの報告セグメントは、調味料・食品、冷凍食品、ヘルスケア等の3つです。
主な国内グループ会社は、味の素冷凍食品(特定子会社)(冷凍食品)、味の素食品(特定子会社)、味の素AGF(特定子会社)(栄養・加工食品)、味の素ヘルシーサプライ(その他(ヘルスケア等))などです。
同社グループは、2023年度にフォージ・バイオロジクス社を買収し、バイオファーマサービス事業を強化しています。また、味の素アルテア社の売却も行いました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
味の素は、食品事業を基盤としつつ、ヘルスケアや電子材料といったバイオ&ファインケミカル事業も展開するグローバル企業です。同社グループは、アミノサイエンス®を強みとして、人・社会・地球のWell-beingに貢献することを志としています。このような事業特性から、安定性と成長性を両立させながら、多様な専門性を持つ人材が活躍できる環境が期待されます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、長期的なキャリア形成が可能な環境である傾向がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 10,613,479円 |
| 平均勤続年数 | 18.9年 |
| 平均年齢 | 43.5歳 |
| 単体従業員数 | 3,705人 |
| 連結従業員数 | 34,787人 |
| 単体のグループ内比率 | 10.7% |
退職給付制度は確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)であり、海外子会社を含む範囲で適用されています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
味の素グループは、「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」という志の実現に向け、ASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)による社会価値と経済価値の共創を推進しています。成長戦略の実現には、人財・技術・顧客・組織の4つの無形資産を相互に連動させることが重要であり、特に人財資産への投資を強化しています。
味の素の一般職の報酬は、等級ごとに設定された給与レンジに基づき、個人業績(行動評価)で次年度の昇給を決定し、個人業績(成果評価)と会社業績の結果で賞与額を決定しています。管理職においては、職務のグレードに応じた給与レンジが定められ、個人業績(行動評価と成果評価)と会社業績の結果に基づいて昇降給および賞与額が決定されます。これらの評価は、味の素グループの共通価値観であるAGW(味の素グループWay)やASVと連動しています。
また、同社グループは「志」「挑戦」「多様性(DE&I)」「Well-being」の4つの“つなげる”戦略をグローバルに展開しています。従業員一人ひとりが自身の志を言語化する「My Purpose ワークショップ」や、アミノサイエンス®を通じた事業創造と社会課題解決を体感的に学ぶ「Our Philosophy チャレンジ」を通じて、志の実行力を高めています。
「挑戦」の機会提供として、「手挙げでの異動」や「TRY&A-CROSS(社内副業制度)」を拡大し、コンフォートゾーンを超える文化を醸成しています。「多様性」の推進では、リーダーシップ層の多様化やキャリア採用を強化し、女性管理職のパイプライン形成に向けた「AjiPanna Academy(アジパンナ・アカデミー)」等の育成支援を進めています。さらに、「Well-being」の観点では、グローバルでの健康経営推進や、競争力のある報酬体系を目指す取り組みを行っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性育児休業取得率は正規雇用労働者を対象としています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 16.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 89.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 72.1% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 75.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 65.2% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 味の素冷凍食品㈱
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 10.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 66.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 54.9% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 74.8% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 85.0% |
▼ 味の素食品㈱
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 8.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 78.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 78.9% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 76.6% |
▼ 味の素AGF㈱
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 14.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 90.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 80.5% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 78.5% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 89.9% |
グループ全体(連結)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 28% |
志
従業員エンゲージメントスコアは2025年度より生産性向上(承認プロセスの課題)設問変更に伴い集計方法が見直されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 従業員エンゲージメントスコア(ASV実現プロセスの9設問の平均値) | 84% |
| 持続可能なエンゲージメントスコア | 89% |
挑戦
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 手挙げでの異動比率 | 51% |
| 自身にとって挑戦と思えることを1つでも達成できたと答えた人の割合 | 90% |
多様性(DE&I)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| リーダーシップ層の多様化 | 27% |
| 女性管理職比率(グローバル) | 28% |
| 女性管理職比率(味の素㈱) | 16% |
| 1年間で入社する従業員の内、キャリア採用で入社する従業員の比率 | 40% |
| 全従業員の内、キャリア採用で入社した従業員の構成比 | 20% |
Well-being
プレゼンティーズム(仕事の生産性)の改善は、WHO-HPQの設問を活用し、直近4週間の勤務日における自身の総合的なパフォーマンスを10段階で自己評価し、全回答者の平均値を10倍して算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| Well-beingに関するエンゲージメントスコア | 85% |
| プレゼンティーズム(仕事の生産性)の改善 | 75% |
| アブセンティーズム(病欠)の低減 | 2.2日 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
味の素グループは、調味料・食品、冷凍食品、ヘルスケア等の幅広い事業をグローバルに展開しています。多様な製品とサービスを通じて、世界中の人々の食と健康に貢献しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
味の素グループは、食品事業を基盤としつつ、バイオ&ファインケミカル領域での成長、さらに融合領域における新たな価値創出を推進しています。主力事業は、調味料、栄養・加工食品、冷凍食品、医薬用・食品用アミノ酸、バイオファーマサービス、電子材料など多岐にわたります。
調味料・食品
このセグメントでは、うま味調味料「味の素®」や「ほんだし®」、マヨネーズなどの調味料を提供しています。また、「クノール® カップスープ」や即席麺、コーヒー飲料などの栄養・加工食品も手掛けています。外食用調味料や加工用うま味調味料も提供しており、これらの製品の販売から収益を得ています。当期は販売増により、売上高、事業利益ともに前期から増加しています。
冷凍食品
冷凍食品セグメントでは、餃子、米飯、麺類、スイーツ、焼売、鶏肉加工品など、幅広い種類の冷凍食品を提供しています。これらの冷凍食品の販売が収益源となっています。当期の売上高は前期並みでしたが、事業利益は前期から減少しました。
ヘルスケア等
ヘルスケア等セグメントでは、医薬用・食品用アミノ酸や、医薬中間体・原薬の受託開発製造サービス(CDMO)を提供しています。さらに、半導体パッケージ用層間絶縁材料などの電子材料や機能性材料も手掛けています。これらの製品・サービスの提供から収益を得ており、当期は電子材料の販売好調などにより、売上高、事業利益ともに前期から大きく増加しました。
その他の事業セグメント
その他の事業セグメントには、飼料用アミノ酸、スポーツニュートリション(サプリメント)、パーソナルケア素材、メディカルフード、農業サービスなどが含まれます。これらの製品・サービスの提供が収益源となっています。当期は売上高、事業利益ともに前期から減少しました。
味の素グループの売上高海外比率は63.9%となっており、海外での事業展開が広範囲にわたっています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 調味料・食品 | 8,960億円 | 9,369億円 |
| ヘルスケア等 | 3,284億円 | 3,415億円 |
| 冷凍食品 | 2,894億円 | 2,903億円 |
| その他の事業セグメント | 168億円 | 150億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
味の素グループの過去5期間の売上高は、一貫して増加傾向を示しています。事業利益も概ね増加傾向にあり、特に当連結会計年度は大幅な増加となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益も当連結会計年度に大きく増加しています。当連結会計年度の営業利益の増加には、同社が保有する固定資産の一部(本社ビル土地及び建物)を譲渡したことによる固定資産売却益の計上も寄与しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆1,494億円 | 1兆3,591億円 | 1兆4,392億円 | 1兆5,306億円 | 1兆5,837億円 |
| 税引前利益 | 1,225億円 | 1,400億円 | 1,420億円 | 1,083億円 | 1,961億円 |
| 税引前利益率 | 10.7% | 10.3% | 9.9% | 7.1% | 12.4% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 757億円 | 941億円 | 871億円 | 703億円 | 1,347億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 69.71 | 87.99 | 83.72 | 69.77 | 138.36 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
味の素グループの従業員1人あたり売上高は、2025年3月期から2026年3月期にかけて増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたり営業利益も大きく増加しており、収益性の改善がうかがえます。これは、同社グループが事業ポートフォリオの最適化やキャッシュ・フロー創出に向けた施策を推進していることと関連していると考えられます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 43.9百万円 | 45.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 3.3百万円 | 5.7百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
味の素グループは、本業で安定的に資金を創出し、将来に向けた成長投資も積極的に行っています。同時に、株主への還元も継続的に実施しており、財務基盤は堅固な状態にあると言えます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均と比較してやや低い水準にありますが、ROE(自己資本利益率)は平均を大きく上回っています。手元資金も確保されており、事業運営の安定性を示す状況です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本 | 7,468億円 | 7,708億円 |
| 自己資本比率 | 43.4% | 42.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 9.0% | 17.7% |
| 現金及び現金同等物 | 1,648億円 | 1,067億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、前期から増加し、2,394億円の収入となりました。これは税引前当期利益の増加や減価償却費及び償却費があったことなどによるものです。本業で安定的に資金を創出している状況を示しています。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより、842億円の支出となりました。有形固定資産の売却による収入があったものの、全体としては将来に向けた投資を積極的に行っていることがうかがえます。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出や配当金の支払額などにより、2,256億円の支出となりました。これは株主還元や借入金の返済に資金を充てていることを示しています。
これらの結果、フリーキャッシュ・フローは1,551億円のプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している優良な状態です。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資余力も持ち合わせていることを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 2,099億円 | 2,394億円 |
| 投資CF | △774億円 | △842億円 |
| 財務CF | △1,377億円 | △2,256億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 1,325億円 | 1,551億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、気候変動の進行に伴う異常気象や災害の頻発により、農畜産物への被害が増加し、原材料の調達価格や物流費が上昇するリスクを認識しています。また、各国における調達先多元化や国産化要件、競合の技術革新に伴い、半導体素材の代替技術が普及し、製品の顧客採用率低下及び市場シェア低下により売上が減少するリスクも挙げています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、労働市場の変化に伴い、AGWを体現する人財の採用・育成が計画どおりに進まない場合、イノベーション推進の停滞を通じて競争力が低下するリスクを認識しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
味の素は、「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」という志(パーパス)を掲げ、事業を通じて社会と経済の価値を共創するASV経営を推進しています。この理念のもと、従業員一人ひとりの成長と社会貢献を重視する企業文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」という志(パーパス)を経営の根幹に置いています。創業以来、事業を通じて社会価値と経済価値を共創するASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)の取り組みを一貫して推進しています。
同社グループの企業活動における最も重要な理念は「Our Philosophy」として体系化されており、志、ASV、味の素グループWay(AGW)から構成されています。2030年のありたい姿とその実現に向けた「中期ASV経営 2030ロードマップ」を掲げ、環境負荷の削減と健康寿命の延伸という二つのアウトカム実現を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、従業員が働く上での価値観・基本的考え方・姿勢として「味の素グループWay(AGW)」を掲げています。これは「新しい価値の創造」、「開拓者精神」、「社会への貢献」、「人を大切にする」という要素で構成されています。
一人ひとりの志を具体的な目標と挑戦につなげ、エンゲージメントを高める「My Purposeワークショップ」をグループ全社で展開しています。また、人財戦略では「志」「挑戦」「多様性(DE&I)」「Well-being」の4つの“つなげる”コンセプトをグローバルに展開し、人財資産の強化を図っています。
グループ各社およびその役員・従業員が順守すべき考え方と行動の在り方を示した「味の素グループポリシー(AGP)」を誠実に守り、内部統制システムの整備と運用に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、「中期ASV経営 2030ロードマップ」の推進において、価値創造の源泉である人財、技術、顧客、組織の4つの無形資産と企業文化の進化を重要な課題としています。全社戦略の実行を支える基盤として人財、組織、企業文化を重視し、新執行体制ではChief Human Resources Officer(CHRO)を設置し、ASV経営の進化を目指しています。
2026年度は、ポートフォリオの最適化、人財・組織を含む無形資産の強化、組織運営の進化を通じて、持続的な企業価値の向上を目指す方針です。人財戦略においては、「挑戦」と「多様性(DE&I)」が相対的に大きな課題と認識されており、挑戦文化の強化や多様な人財の融合を推進しています。
また、エンゲージメントサーベイの結果から、生産性向上における承認プロセスの課題についても継続的な改善に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
味の素グループは、ASV経営を強化し、2030年のありたい姿を実現するための重要な経営基盤の一つとしてコーポレート・ガバナンスを位置づけています。監督と執行が明確に分離している指名委員会等設置会社を選択し、多様な取締役で構成される取締役会が適切な監督を行っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
味の株主構成を見ると、上位には信託銀行や生命保険会社といった機関投資家が名を連ねています。これは、幅広い投資家層に支えられている資本構成を示しています。特定の株主グループが経営に強い影響力を持つといった記述は見られません。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 16.92% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 6.57% |
| 日本生命保険相互会社 | 5.36% |
| THE CHASE MANHATTAN BANK,N.A. LONDONSECS LENDING OMNIBUS ACCOUNT | 3.25% |
| 第一生命保険 | 2.73% |
なお、第一生命保険は2025年5月15日現在で38,005千株を所有している旨が記載されていますが、2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認はできません。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は33名(男性24名・女性9名)で構成され、女性役員比率は27.2%です。代表執行役社長は中村茂雄氏が務めています。社外取締役比率は54.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 中村 茂雄 | 取締役 | 1992年同社入社。執行役員、味の素ファインテクノ社長、執行理事、アミノサイエンス事業本部化成品部長、執行役常務、ブラジル味の素社社長を経て、2025年2月より同社代表執行役社長 最高経営責任者、2025年6月より同社取締役。 |
| 白神 浩 | 取締役 | 1986年同社入社。アミノ酸カンパニーアミノサイエンス事業開発部長、味の素アルテア社代表取締役会長、理事、常務執行役員、アミノサイエンス事業本部バイオ・ファイン研究所長、Chief Innovation Officer・研究開発統括、執行役専務、代表執行役副社長を経て、2022年6月より同社取締役。 |
| 佐々木 達哉 | 取締役 | 1986年同社入社。健康ケア事業本部ニュートリションケア部長、経営企画部長、執行役員、常務執行役員、ブラジル味の素社社長、執行役常務、執行役専務、グローバルコーポレート本部長、コーポレートサービス本部長を経て、2022年6月より同社取締役。 |
| 斉藤 剛 | 取締役 | 1992年コーポレイトディレクション入社。産業再生機構入社、オーシーシー社外取締役、カネボウ社外取締役、産業再生機構マネージングディレクター、経営共創基盤パートナー・マネージングディレクター、みさき投資チーフデベロップメントオフィサー、IMECS代表取締役、同社アドバイザーChief Transformation Officer補佐を経て、2023年4月より同社執行役常務、Chief Transformation Officer、2023年6月より同社取締役。 |
| 松澤 巧 | 取締役 | 1987年同社入社。タイ味の素社取締役、人事部グローバル人事グループ長、ブラジル味の素社常務取締役、執行役員、グローバル人事部長、人事部長、執行役、内部統制・監査委員会担当、監査部長、執行役常務を経て、2023年6月より同社取締役 常勤監査委員。 |
社外取締役は、岩田喜美枝氏(りそなホールディングス社外取締役・指名委員会・報酬委員会・社外取締役連絡会議長)、中山讓治氏(元第一三共代表取締役会長・指名委員会委員長・報酬委員会・監査委員会・サステナビリティ諮問会議・社外取締役連絡会)、引頭麻実氏(三井不動産社外取締役・指名委員会・報酬委員会委員長・監査委員会・サステナビリティ諮問会議・社外取締役連絡会)、八田陽子氏(日本製紙社外取締役・報酬委員会・監査委員会・サステナビリティ諮問会議・社外取締役連絡会)、デイヴィス・スコット氏(立教大学経営学部国際経営学科特別専任教授・指名委員会・報酬委員会委員長・サステナビリティ諮問会議・社外取締役連絡会)、我妻由佳子氏(一色法律事務所・外国法共同事業パートナー・指名委員会・監査委員会・サステナビリティ諮問会議・社外取締役連絡会)です。
同社は指名委員会等設置会社であり、監督と執行を明確に分離しています。取締役会は多様な取締役で構成され、執行の監督と企業価値向上に向けた大きな方向性を示す役割を担っています。社外取締役が過半数を占め、取締役会議長も社外取締役が務める体制です。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、基本報酬、短期業績連動報酬、および中期業績連動型株式報酬で構成されています。基本報酬は毎月支払われる固定額の金銭報酬です。短期業績連動報酬は単年度の業績目標達成を促すインセンティブとして、全社および個人別の業績評価に応じて支払われます。中期業績連動型株式報酬は、中長期的な企業価値向上を目的とし、評価指標に基づき同社株式や金銭で支給される業績連動型の報酬です。社外取締役の報酬は基本報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 6名 | 5.5億円 | 91.2百万円 |
| 社外取締役 | 6名 | 1.3億円 | 21.8百万円 |
| 執行役 | 21名 | 11.0億円 | 52.3百万円 |
なお、取締役を兼任する執行役は「取締役(社外取締役を除く)」に含め、「執行役」には含めていません。また、「取締役(社外取締役を除く)」の員数および金額には、2025年4月1日から同年6月20日開催の定時株主総会の終結の時までの間に在任していた取締役1名、およびその金額が含まれています。
個人別報酬が開示されている役員は、中村茂雄氏(1.83億円)、坂倉一郎氏(1.12億円)、吉良郁夫氏(1.03億円)、リッシュ・マイケル氏(1.46億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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