エムアップホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

エムアップホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

エムアップホールディングスは、THE STAR JAPAN、FREEなどを傘下に持つ持株会社です。グループ連結従業員数362名を擁し、スマートフォンやPC端末向けサイトの企画・制作・運営、コンテンツ提供を事業としています。直近の連結会計年度は、売上高・各利益が大きく伸長し、増収増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社エムアップホールディングス の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


エムアップホールディングスは持株会社であり、グループ連結従業員数は362名です。

同社グループは、スマートフォンやPC端末向けのサイト企画・制作・運営およびコンテンツ提供を主な事業としています。日本のエンタテインメント市場の活性化と新たなビジネス流通・販売形態の創造を経営理念とし、コンテンツホルダーとファンをつなぐ最適なコンテンツとシステムを提供しています。連結子会社11社を中心に、ファンクラブ運営を軸とした多角的なエンタテインメントエコシステムを構築し、アーティストとファンのエンゲージメント向上に特化したサービスを展開しています。

主な国内グループ会社は、THE STAR JAPAN(韓流ファンクラブサイトの運営)、FREE(ファンクラブサイトの運営)、Roen Japan、VRMODE(VR企画・制作、営業)などです。

直近では、電子チケット事業とデジタルカード事業の組織再編を実施し、各事業における機敏かつ専門性の高い運営体制を構築しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


エムアップホールディングスは、持続的な成長と競争力の源泉を「人材」と捉え、その確保と育成を最重要戦略としています。従業員一人ひとりの自律的な成長を支援し、多様性を重視した柔軟な人事制度や労働環境の整備を通じて、職場力の強化と優秀な人材の定着を図っています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社グループは、人材を最も重要な経営資源と位置づけ、その確保と育成を最重要戦略としています。有価証券報告書では、平均年間給与、平均勤続年数、平均年齢といった個別の従業員データは開示されていません。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
連結従業員数 362人


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


エムアップホールディングスグループは、持続的な成長と競争力の源泉を「人材」と位置づけ、優秀な人材の確保と育成を最重要戦略としています。高度な専門人材の獲得と育成を強化し、社員一人ひとりが自律的に専門性の向上に取り組むことを積極的にサポートしています。また、均等な雇用機会の提供と多様性の強化を通じて、個々が能力を最大限に発揮できる柔軟な人事制度や労働環境の整備を進めています。

人事評価は年齢・性別・国籍を一切問わない「完全実力主義」を徹底し、勤続年数に関わらず「仕事の成果と質」によって公正に決定されます。給与やインセンティブの決定においてもこの実力主義を基本とし、中長期的なエンゲージメント向上を促す効果的なインセンティブ設計を行っています。

研修体系としては、企業倫理、人権啓発、情報セキュリティ等の基礎知識やスキル習得研修に加え、専門性向上に向けた社内研修や能力開発支援施策、各階層で求められる役割意識の醸成に向けた役職別研修を実施しています。女性社員のキャリア意識やビジネススキル向上に向けた研修、育児と仕事の両立支援研修も行っています。ワークインライフの実現に向け、柔軟なリモートワークやフレックスタイム制を活用した多様な働き方を整備し、健康経営の推進や、女性・障がい者・LGBTQ+、子育て・介護等の制約を持つ社員にとって働きやすい職場環境の構築にも取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


同社グループは、次世代育成支援対策推進法および女性活躍推進法に基づき、社員の仕事と子育ての両立と女性が活躍できる職場環境作りを目的とした行動計画を策定しており、その指標を示します。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 30.6%
男性労働者の育児事休業取得率 100.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


株式会社エムアップホールディングスは、スマートフォンやPC向けのサイト企画・制作・運営、およびコンテンツ提供を主な事業とする持株会社です。日本のエンタテインメント市場の活性化と新たなビジネス流通・販売形態の創造を経営理念としています。コンテンツホルダーから利用者まで、エンタテインメントに関わる全ての人々に対し、最適なコンテンツとその流通システムを提供することを経営方針としています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、スマートフォンやPC向けの有料コンテンツ提供、アプリ配信、EC販売などを手掛けています。アーティストとファンのエンゲージメント向上に特化したサービス展開が特徴です。ファンクラブを軸とした多角的なエンタテインメントエコシステムを構築しており、外部環境の変化に左右されにくい安定した収益構造を実現しています。また、多彩なアーティストやIPの獲得、コンテンツホルダーとの強固なネットワークと信頼関係も同社グループの強みです。

同社グループの事業は、コンテンツ事業、電子チケット事業、その他の事業の3つのセグメントで構成されています。

コンテンツ事業

本セグメントは、公式ファンクラブ・ファンサイトの運営と、ファンベースを対象とした各種コンテンツ提供やグッズ販売を行うEC事業で構成されています。ファンクラブ・ファンサイト事業では、有料会員制のサブスクリプションモデルで運営されており、会員からの月額または年額のファンクラブ会費が主な収益源です。EC事業では、アーティストグッズや関連商品の販売、オンラインくじサービスなどを展開しており、受託販売形式による受託手数料や販売総額を売上として計上しています。

電子チケット事業

本セグメントは、アーティストのライブやコンサート、スポーツイベントなどで使用する電子チケットの提供を主に行っています。電子チケットのサービス利用料が収益となります。権利者に許諾されたチケットのトレード機能も提供しており、これが大きな特徴です。

その他の事業セグメント

本セグメントは、上記の2つのセグメントに含まれない事業で構成されており、主に新規事業が該当します。キャラクターグッズの企画・販売やアパレルなど、多様なエンタテインメント関連ビジネスを手掛けています。

同社グループの事業は主に日本国内に集中しており、特定の顧客への収益集中は見られません。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
コンテンツ事業 218億円 273億円
電子チケット事業 39.2億円 44.0億円
その他の事業セグメント 23百万円 43百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも一貫して増加傾向にあります。特に直近の連結会計年度では、売上高と各利益ともに大きく伸長しました。これは、主力事業の安定した貢献に加え、複数の大型アーティストによる活動や新規ファンクラブ開設が奏功したことによるものです。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 136億円 159億円 186億円 258億円 317億円
経常利益 17.2億円 20.7億円 28.7億円 41.1億円 54.3億円
経常利益率 12.6% 13.0% 15.4% 16.0% 17.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 9.8億円 10.9億円 14.8億円 16.6億円 29.7億円
1株当たり当期純利益(円) 13.51 15.13 20.53 23.29 41.85

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益(連結)も同様に増加しており、生産性が向上していることが示されています。これらの指標の改善は、同社グループの事業規模拡大と効率的な運営体制が寄与していると考えられます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 75.2百万円 87.6百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 11.9百万円 13.8百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


エムアップホールディングスグループは、強固な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しており、事業活動を通じて着実に資金を創出しています。将来に向けた投資も継続しており、安定性と成長性を両立した経営状況を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)、そして手元資金の状況から安定していることがうかがえます。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあり、ROEもプライム市場平均を大きく上回っています。

手元資金である現金及び預金は前期から増加しており、潤沢な資金を確保している状況です。これらの財務指標は、同社グループが安定した経営を継続していることを示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 87.8億円 109億円
自己資本比率 31.2% 29.7%
ROE(自己資本利益率) 23.7% 34.7%
現金及び預金 123億円 164億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローがプラスであり、投資活動によるキャッシュフローを上回るフリーキャッシュフローを創出しています。これは、本業で安定的に資金を稼ぎ出し、その範囲内で成長投資を行っている優良な財務状態を示しています。

営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益の計上や仕入債務、契約負債の増加などにより、前期から増加しています。投資活動によるキャッシュフローは、投資有価証券の取得による支出が主な要因となり、マイナスとなっています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いや自己株式の取得による支出により、前期からマイナス幅が拡大しています。これらの資金の流れは、同社グループが本業で稼いだ資金を元手に、将来に向けた投資と株主還元をバランス良く行っている状況を示しており、雇用や給与の安定性、そして今後の成長性につながる経営が行われていると言えます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 54.8億円 70.2億円
投資CF △11.5億円 △12.2億円
財務CF △7.8億円 △17.4億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 43.3億円 57.9億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、エンタテインメント市場の急激な構造変化やトレンドの移り変わり、あるいは企画・提案力の低下等により、有料会員数の減少や顧客単価の低下を招く可能性があります。また、ファンクラブ・ファンサイト事業において、コンテンツホルダーとの契約に基づきサイトを運営しており、アーティスト等の活動状況や人気の趨勢、グループの解散や活動の停止等が発生した場合、ファンクラブサイトが閉鎖に追い込まれる可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループの持続的な成長と競争力の源泉は、優秀な人材の確保および育成にあります。市場における人材獲得競争の激化等により、必要な人材の採用が計画通りに進まない場合、社内育成が十分に機能しなかった場合、あるいはコア人材が社外へ流出した場合には、今後のサービス開発の遅延や質の低下、あるいは事業展開の停滞を招く可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


エムアップホールディングスは、インターネットを通じてエンタテインメントを提供し、人々の人生を楽しくすることに貢献するという経営理念を掲げています。コンテンツホルダーとファンを密接に繋ぐプラットフォームのリーディングカンパニーを目指し、持続的な成長と企業価値の向上を追求しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


エムアップホールディングスグループは、「日本のエンタテインメント市場の活性化」と「新たなエンタテインメントビジネスの流通・販売形態の創造」を経営の基本理念としています。コンテンツホルダーから利用者に至るまでの全ての人々に対し、最適なコンテンツとその流通システムを提供することを経営方針としています。

同社グループは、アーティスト等のコンテンツホルダーとファンを繋ぐエンタテインメントプラットフォームのリーディングカンパニーとして、さらなる成長と企業価値の向上を目指しています。ファンクラブ・ファンサイト運営サービスの拡充やエコシステムの深耕、グローバル展開の推進を事業展開方針としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


エムアップホールディングスグループは、コンテンツホルダーと利用者の関係性を重視し、両者をより密接に繋げることを意識したサイト運営を行っています。ロイヤリティ(忠誠心)の高いファンが集う強固なコミュニティ形成を重視する企業風土です。

同社グループは、事業を推進する上で最も重要な経営資源は人材であると考え、従業員一人ひとりの能力向上が持続的発展に不可欠であると位置づけています。年齢・性別・国籍に関係なく、完全実力主義で「仕事の成果と質」で評価を決定する方針です。多様な働き方に対応した柔軟な人事制度の構築や、労働環境の整備を進めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


エムアップホールディングスグループは、変化の激しいエンタテインメント業界およびインターネット市場の動向を的確に捉え、付加価値の高いサービスを提供し続けることを重要課題としています。新規事業および最先端テクノロジーを活用したサービス開発に注力し、AI技術やWeb3.0を取り入れたビジネスモデルの確立を目指しています。

また、専門性の高い優秀な人材の確保も不可欠な課題と認識しており、多様な働き方に対応した柔軟な人事制度の構築や労働環境の整備を進め、国内外からの採用を強化しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


エムアップホールディングスは、変化の激しい業界に対応するため、社内取締役と社外取締役をバランス良く配置した取締役会を構成しています。
また、社外取締役が過半数を占める監査等委員会による監査体制を採用し、経営監視機能の強化を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


エムアップホールディングスの株主構成を見ると、筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)であり、機関投資家が上位に名を連ねています。
また、代表取締役である美藤宏一郎氏が個人として第2位の大株主となっており、経営陣が一定の株式を保有していることが特徴です。
上位の株主には複数の信託銀行が含まれており、幅広い投資家層に支えられている状況がうかがえます。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 18.82%
美藤 宏一郎 12.26%
日本カストディ銀行(信託口) 11.56%
JPモルガン証券 4.65%
BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG(FE-AC) 3.10%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は6名(男性5名・女性1名)で構成され、女性役員比率は17.0%です。
代表取締役は美藤宏一郎氏が務めています。
社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
美藤 宏一郎 代表取締役 1984年2月ビクター音楽産業入社。1990年8月東芝イーエムアイ入社。1997年6月ボーダレス・コネクション入社。2004年12月同社設立、取締役。2005年10月同社代表取締役より現職。
藤池 季樹 取締役 管理担当兼 総務経理部長 1987年4月神洋信販入社。1992年9月ASTリサーチジャパン入社。2007年7月同社入社、経理部長。2007年8月同社取締役経理部長。2009年10月同社取締役管理担当より現職。


社外取締役は、後藤豊氏(ユイミュージック代表取締役・指名・報酬委員会・サステナビリティ委員会)、永田友純氏(ホットスタッフ・プロモーション代表取締役・監査等委員会・指名・報酬委員会・サステナビリティ委員会)、キャスリンH.コネリー氏(テックスエージェンシー代表取締役・監査等委員会委員長・指名・報酬委員会・サステナビリティ委員会)、沖一雄氏(東京大学生産技術研究所特任教授・監査等委員会・指名・報酬委員会・サステナビリティ委員会)です。

同社は監査等委員会設置会社制度を採用しています。
社外取締役は、経営管理や専門知識、ダイバーシティ推進、グローバルな観点から、意思決定や監督機能の強化に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


エムアップホールディングスの役員報酬は、基本報酬、業績連動報酬、そして株式報酬で構成されています。
基本報酬は職責や経験年数を考慮し、業績連動報酬は単年度の業績に連動する仕組みです。
また、中長期的な企業価値向上へのインセンティブとして、譲渡制限付株式報酬制度も導入されています。
社外役員や監査等委員の報酬は、その役割に応じて現金による基本報酬のみで構成されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
社外役員 4名 14百万円 3.5百万円


なお、報酬等の総額には、使用人兼務取締役の使用人給与は含まれていません。

個人別報酬が開示されている役員は、美藤宏一郎氏(2.30億円)、佐藤元氏(2.05億円)です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。