※本記事は、株式会社CAICA DIGITAL の有価証券報告書(2025年10月期、2024年11月1日 ~ 2025年10月31日、2026年1月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
CAICA DIGITALは持株会社であり、単体従業員数は17名、グループ連結従業員数は356名です。
同社グループは、ITサービス事業と金融サービス事業を主軸に展開しています。連結子会社6社で構成されており、企業のDX推進や先端技術を活用したサービス需要に応えています。
主な国内グループ会社は、CAICAテクノロジーズ(システム開発事業等)、EWJ、カイカフィナンシャルホールディングス、ネクス(IoT関連事業)などです。
同社グループは、金融サービス事業の一部撤退を進め、2025年10月には株式会社ネクスを連結子会社化し、IoT関連事業を新たな報告セグメントとして追加しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
CAICA DIGITALは持株会社として、グループ全体のサステナビリティを経営の重要課題と認識しています。労働力不足が予想される中で、優秀な人材の確保と生産性の向上を目指し、働きがいのある社内環境の整備と多様性を尊重した人材の採用・育成に取り組む方針です。柔軟な働き方を推進し、性別や年齢に関わらず様々な人材が活躍できる環境づくりを進めています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の平均年齢が50歳を超え、平均勤続年数も15年を超える水準となっています。このことから、比較的長く在籍する従業員が多い傾向にあることがうかがえます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,924,335円 |
| 平均勤続年数 | 15.4年 |
| 平均年齢 | 51.4歳 |
| 単体従業員数 | 17人 |
| 連結従業員数 | 356人 |
| 単体のグループ内比率 | 4.8% |
同社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を設けています。国内のグループ会社に適用されますが、海外の連結子会社では退職給付制度は採用されていません。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、中長期的な企業価値向上のため、サステナビリティに関する課題への対応を経営の重要課題と位置付けています。労働力不足に対応し、優秀な人材の確保と生産性向上を目的として、働きがいを感じられる社内環境の整備と多様性を尊重した人材の採用・育成に注力しています。
多様な人材の活躍を支援するため、柔軟な働き方を実現する取り組みを推進しています。性別や年齢に関係なく、様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲をもって活躍する組織の構築を目指しています。具体的には、テレワーク勤務の推進やリファラル採用による雇用の促進に取り組んでいます。
また、男女の区別なく事業に貢献できる人材を採用・育成できるよう、男性の育児休暇取得、テレワーク勤務、育児・介護短時間勤務制度といった柔軟な働き方を充実させています。有給休暇取得率80%以上を目指すなど、ワークライフバランスの整った職場環境の整備も進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 4.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 83.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 82.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 113.6% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 4.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異 | 83.6% |
育児・介護支援
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社CAICA DIGITALは、持株会社として同社グループ全体の経営戦略を統括しています。主にITサービス事業と金融サービス事業を展開しており、近年ではIoT関連事業も加わり、事業領域を拡大しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、ITサービス事業と金融サービス事業を主軸に、幅広い顧客層に対してサービスを提供しています。ITサービス業界では企業のDX推進や業務効率化へのニーズが高まっており、金融サービス業界でも先端技術を活用したサービス需要が堅調に推移しています。また、新たに加わったIoT関連事業では、IoT機器や通信インフラに関する技術と、同社グループのブロックチェーン、AI、セキュリティ技術を融合し、新たなソリューションの提供を目指しています。
ITサービス事業
金融機関向けのシステム開発や、非金融分野でのDX・業務効率化・セキュリティ関連のシステム開発を手掛けています。フィンテック関連ではDID/VC技術などの新たな受注も獲得しています。収益は、システム開発やDXソリューションサービスの提供から得ています。
金融サービス事業
暗号資産の投資・運用、審査制NFT販売所「Zaif INO」の運営、カスタマーディベロップメントサービスなどを展開しています。収益は、暗号資産の運用益やNFT販売手数料、顧客対応サービスから得ています。同社グループは暗号資産関連事業からの撤退を進めており、子会社であった株式会社カイカファイナンスは清算を結了しました。
IoT関連事業
株式会社ネクスを連結子会社としたことで、IoT関連事業が報告セグメントに加わりました。IoT機器、通信インフラ、エッジコンピューティングに関する高度な技術と、同社グループの先端技術を組み合わせ、分散型技術とリアルデバイスを融合した新たなサービスの創出を目指しています。なお、ネクスの損益は2026年10月期から連結される予定です。
同社グループの売上高は、特定の顧客に集中する傾向が見られます。当連結会計年度においては、東京海上日動火災保険株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社、楽天グループ株式会社が主要な顧客となっています。
| セグメント | 売上高(2024年10月期) | 売上高(2025年10月期) |
|---|---|---|
| ITサービス事業 | 55.7億円 | 51.9億円 |
| 金融サービス事業 | 37百万円 | 1百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5年間で減少傾向にあります。しかし、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、直近2期で黒字に転換し、当期は大幅な増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益の増加には、投資有価証券売却益の計上や、のれんの減損損失の計上が影響しています。
| 項目 | 2021年10月期 | 2022年10月期 | 2023年10月期 | 2024年10月期 | 2025年10月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 59.5億円 | 64.4億円 | 56.8億円 | 56.1億円 | 52.0億円 |
| 経常利益 | △9.3億円 | △14.0億円 | △29.6億円 | 1.4億円 | 76百万円 |
| 経常利益率 | △15.6% | △21.7% | △52.2% | 2.5% | 1.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △8.0億円 | △62.4億円 | △42.8億円 | 31百万円 | 1.7億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △10.87 | △54.69 | △34.74 | 0.22 | 1.22 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から減少しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から減少する結果となりました。これらの指標は、同社グループの生産性が前期と比較して低下していることを示しています。
| 指標 | 2024年10月期 | 2025年10月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 16.1百万円 | 14.6百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.3百万円 | 0.2百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
財務の安定性から、同社グループの現在地を示します。
同社グループは、本業で得た資金を成長投資に回している段階にあることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は、前期から当期にかけて大きく上昇しています。
ROE(自己資本利益率)も前期から改善しており、収益性が向上していることを示しています。
手元資金は前期から減少していますが、依然として一定の現金を保有している状況です。
これらの財務状況は、同社グループが安定した経営基盤を築きつつあることを示しています。
| 指標 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 16.6億円 | 36.1億円 |
| 自己資本比率 | 68.4% | 84.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 1.8% | 6.3% |
| 現金及び預金 | 7.0億円 | 6.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、51百万円の増加となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益179百万円や減損損失705百万円などによる増加要因と、投資有価証券売却益815百万円などによる減少要因があったためです。
投資活動によるキャッシュ・フローは24百万円の増加を示しており、主な増加要因は投資有価証券の売却による収入200百万円、主な減少要因は投資有価証券の取得による支出189百万円となっています。
財務活動によるキャッシュ・フローは170百万円の減少となり、主に短期借入金の返済による支出が減少要因です。
フリーキャッシュ・フローは当期にプラスに転じており、本業で得た資金を投資に回しつつ、余剰資金を生み出せる状態へと変化していることがうかがえます。
これは、同社グループが事業の成長に向けた投資を継続しつつ、財務的な安定性も確保しようとしている状況を示しています。
| 項目 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 2.8億円 | 0.5億円 |
| 投資CF | △3.9億円 | 0.2億円 |
| 財務CF | △2.5億円 | △1.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △1.0億円 | 0.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、暗号資産の運用を行っており、暗号資産の価格変動や市場の混乱による損失リスクを抱えています。
また、今後の事業拡大のために投融資を行う場合があり、投融資先の業績悪化により評価損が発生する可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
システム開発プロジェクトにおいて、見積もりを超える作業や仕様変更、不具合発生による費用負担が生じるリスクがあります。
これは、プロジェクトの採算性に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
CAICA DIGITALは、時流を捉えた革新的な事業創造を目指し、デジタル金融の新たな知見を活かしたサービス提供を通じて社会の変革に貢献することを目指しています。金融システム開発で培った豊富な経験と最先端テクノロジーを融合させ、未来を切り拓く企業グループとしての挑戦を続けています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、時流を捉え、革新的な事業を創造することを目指しています。数多くの金融システム構築で培った知見と最先端のテクノロジーに、金融事業のノウハウを融合させることで、デジタル金融としての新たなナレッジを活かしたサービスを取引先に提供しています。
デジタル化が進む社会の中で、金融と社会が大きく変貌するパラダイムシフトに合致した企業グループとして、革新的なサービスを生み出すことを目指しています。50年以上にわたる金融機関向けシステム開発の知見を基盤に、2016年よりフィンテック戦略を掲げ、ブロックチェーンに注力し、2022年からはWeb3事業に参入しました。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、中長期的な企業価値向上の観点から、サステナビリティに関する課題への対応を経営の重要課題と認識しています。多様な人材の活躍を支援するため、柔軟な働き方を実現する取り組みを推進しています。
労働力不足への対応や生産性向上の観点から、性別や年齢など関係なく、様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲をもって活躍する組織の構築を推進しています。具体的には、テレワーク勤務の推進やリファラル採用による雇用の促進に取り組んでいます。
また、男性の育児休暇取得、育児・介護短時間勤務制度をはじめとした働き方の柔軟性を充実させる取り組みを進めています。ワークライフバランスの整った職場環境の整備も重視しており、有給休暇取得率80%以上を目標としています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、各種施策を推進していく上で、専門分野に特化した人材及びハイスペックな人材の確保が課題であると認識しています。この課題に対処すべく、採用活動を強化しています。
具体的には、ヘッドハンティング会社や専門分野に特化した紹介会社の利用に加え、現状の社員紹介制度を充実させることで人材の獲得を強化していく方針です。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
CAICA DIGITALは持株会社であり、監査役会設置会社としてコーポレート・ガバナンスの充実を図っています。経営の健全性と透明性を確保するため、取締役会による意思決定と監査役会による監督を重視しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
CAICA DIGITALの株主構成を見ると、複数の事業会社が上位に名を連ねています。筆頭株主はフィスコであり、ネクスグループや実業之日本デジタルといった事業会社が主要株主として同社を支えている状況です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| フィスコ | 13.44% |
| ネクスグループ | 10.31% |
| 実業之日本デジタル | 4.42% |
| 日本証券金融 | 1.28% |
| 楽天証券共有口 | 0.92% |
なお、第36期連結会計年度末において主要株主でなかったネクスグループは、2025年10月31日現在では主要株主となっています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は鈴木伸氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 鈴木 伸 | 代表取締役社長 | 1991年同社入社後、執行役員、事業部長などを歴任。2018年1月より同社代表取締役社長に就任し、Web3事業本部本部長を委嘱。 |
| 山口 健治 | 代表取締役副社長 | 2003年シークエッジ入社、取締役。2015年6月より同社代表取締役、管理統轄本部長などを歴任。2024年9月より代表取締役副社長。 |
| 深見 修 | 取締役 | 2011年フィスコ経営戦略本部長。2012年ネクス取締役、2013年フィスコ取締役経営戦略本部長。2024年1月より同社取締役。 |
| 川﨑 光雄 | 取締役 | 1996年アットホーム入社。2011年カテナシア設立、代表取締役。2015年6月より同社取締役。 |
| 池田 祐作 | 取締役 | 2004年セブン-イレブン・ジャパン入社。2010年税理士登録、いけだ税理士事務所開設。2021年1月より同社取締役。 |
社外取締役は、川﨑光雄氏(カテナシア代表取締役)、池田祐作氏(いけだ税理士事務所代表)です。
同社は監査役会設置会社を採用しており、社外取締役は経営者としての豊富な経験と幅広い見識を活かし、独立した立場から経営の監督と助言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
CAICA DIGITALの役員報酬は、月例の固定報酬を基本としています。また、企業価値の持続的な向上と株価上昇への貢献意欲を高めるため、ストックオプションを非金銭報酬として付与する仕組みを導入しています。報酬の決定は、独立社外取締役で構成される報酬委員会の審議を経て取締役会で決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 16百万円 | 8.0百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 6百万円 | 6.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 7百万円 | 1.8百万円 |
当事業年度における役員報酬の総額は29百万円であり、対象となる役員の総数は7名です。
なお、取締役の金銭報酬の額は年額600百万円以内、監査役の金銭報酬の額は年額200百万円以内と株主総会で決議されています。また、取締役への非金銭報酬等として、ストックオプションが年額200百万円以内(うち社外取締役は20百万円)で割り当てられることが決議されています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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