※本記事は、株式会社ディー・エル・イー の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ディー・エル・イーは、IPの新規開発から映像コンテンツの企画製作、メディア展開までを統合的に手掛けるファスト・エンタテインメント事業を展開しています。インターネット時代に求められる「手軽なエンタテインメント」を提供することを特徴としています。
単体従業員数は63名、連結従業員数も63名です。同社グループの事業セグメントは、ファスト・エンタテインメント事業の単一セグメントとなっています。
主な国内グループ会社は、CJ4K、Conecti(メタバース関連事業)、ディーエルイー コリア(広告、コンサルティング事業等)、Esplanade、キャビアなどです。
同社グループでは、複数の連結子会社が解散手続き中または清算結了しており、ちゅらっぷす株式会社などの株式売却により連結子会社からの除外も行われています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社ディー・エル・イーは、アニメやキャラクターなどのエンタメコンテンツ、そしてAIなどの技術革新を活用した事業を展開しています。同社グループは、多様な人材がそれぞれの能力を最大限に発揮できる職場づくりを推進しており、キャリア形成や働き方を尊重する環境が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員が働きがいを感じ、能力を十分に発揮できるよう、人事制度の構築や人材育成制度の整備、働き方改革による働きやすさの向上に取り組んでいます。平均勤続年数と平均年齢からは、比較的若い年齢層の従業員が活躍し、中長期的なキャリアを築いている傾向がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,303,000円 |
| 平均勤続年数 | 5.0年 |
| 平均年齢 | 37.0歳 |
| 単体従業員数 | 63人 |
| 連結従業員数 | 63人 |
| 単体のグループ内比率 | 100.0% |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「希望や熱意を持った人々をつなぎワクワクを創出し続ける企業」という経営ビジョンに基づき、人材戦略を推進しています。個々の従業員の能力、知見、経験、専門性が最大限に発揮されるような取り組みを重視しています。
給与に関する方針としては、人材の確保と定着、従業員の意欲向上を図る観点から、各従業員の役割、職責、能力、および業績を総合的に勘案し、社内規程に基づき決定されています。
また、性別、年齢、国籍、人種、障がいといった多様性を認め、様々なキャリアや働き方を尊重する職場づくりを推進しています。具体的には、女性や中途採用者を管理職に登用することを含め、中核人材の登用における多様性の確保を図っています。管理職候補者が意欲的に管理職を目指せるよう、職場の環境整備や意識改革研修、外部との交流機会の提供にも取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 10.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ディー・エル・イーは、IP(知的財産)の新規開発から映像コンテンツの企画製作、メディア展開、マーケティングサービスまでを統合的に手掛けるファスト・エンタテインメント事業を展開しています。インターネット時代に求められる「いつでも、どこでも、すぐに」楽しめる手軽なエンタテインメントを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、IPの企画開発・制作、ソーシャル・キャラクターを活用したマーケティング・サービス、スマートフォンアプリ等のデジタルコンテンツ企画開発を主な事業としています。収益は、主に制作収入、プロモーション収入、広告・マーケティング収入、課金収入、ライセンス収入、製作委員会からの分配金収入、グッズ販売による小売収入など、多岐にわたる源泉から得ています。
同社グループのビジネスモデルは、デジタル制作技術を活用することで、IPを短納期かつ低コストで量産できる点が特徴です。これにより、視聴者の声や消費者の動向を迅速に反映したコンテンツ制作が可能となっています。また、自社または共同でIPの原著作権を保有することで、権利許諾や調整コストを削減し、市場ニーズへの迅速かつ柔軟な対応を実現しています。さらに、「小さく生んで大きく育てる」戦略として、当初は限定された地域やメディアで展開を開始し、認知度を高めてから展開エリアを順次拡大しています。具体的なIPとしては、「秘密結社 鷹の爪」「パンパカパンツ」「貝社員」「耐え子の日常」などがあります。地域別の売上高を見ると、日本が最も大きいものの、台湾からの売上高も一定の割合を占めています。当連結会計年度においては、アイア株式会社への売上高が総販売実績の10%以上を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
過去5期間の売上高は変動が見られます。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、5期連続で損失を計上しています。当連結会計年度は売上高が減少した一方で、営業損失および経常損失は前期から拡大しました。親会社株主に帰属する当期純損失は前期から縮小しています。営業活動によるキャッシュ・フローも5期連続でマイナスとなっています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 16.4億円 | 20.2億円 | 17.1億円 | 19.8億円 | 14.6億円 |
| 経常利益 | △2.9億円 | △3.4億円 | △6.6億円 | △3.9億円 | △6.0億円 |
| 経常利益率 | △17.5% | △16.7% | △38.7% | △19.9% | △40.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △3.2億円 | △5.8億円 | △5.6億円 | △7.3億円 | △5.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △7.44 | △13.71 | △13.22 | △17.14 | △11.53 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
当連結会計年度の従業員1人あたり売上高(連結)は前期から増加しています。これは、子会社売却による連結除外に伴う従業員数の大幅な減少が影響している可能性があります。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期に引き続き損失を計上しており、損失額は拡大しています。組織のスリム化が進む中で、1人あたりの収益創出能力が向上している傾向が見られますが、収益性全体の改善が引き続き課題であることが示されています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 15.6百万円 | 23.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △3.9百万円 | △9.4百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動によるキャッシュフローがマイナスであり、現在は成長に向けた投資を継続している段階にあることがうかがえます。ここでは、同社グループの財務基盤と資金の流れ、そして事業を取り巻くリスクについて解説します。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場平均と比較して高い水準にあります。これは、財務の健全性を示す指標の一つです。一方で、ROE(自己資本利益率)はマイナスとなっており、収益性の改善が課題であることがうかがえます。手元資金である現金及び預金は増加傾向にあり、一定の流動性を確保している状況です。これらの財務状況は、同社グループが事業を継続していく上での安定性や、将来的な成長投資の余力に影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 18.6億円 | 13.3億円 |
| 自己資本比率 | 68.7% | 72.3% |
| ROE(自己資本利益率) | - | △31.2% |
| 現金及び預金 | 5.9億円 | 8.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純損失の計上を主な要因として、前期に引き続きマイナスとなっています。投資活動によるキャッシュフローは、投資有価証券や関係会社株式の売却による収入が増加したことで、プラスに転じています。財務活動によるキャッシュフローは、転換社債型新株予約権付社債の発行や第三者割当増資による収入があり、資金が増加しています。
これらの結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローはマイナスですが、前期と比較してマイナス幅は縮小しました。同社グループは、継続企業の前提に関する重要な疑義を解消するため、不採算事業の整理やエクイティ・ファイナンスによる資金調達を進めており、財務基盤の強化を図っている状況です。このような資金の流れは、事業構造の転換期にあることを示しており、今後の事業戦略の進捗が、雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △4.6億円 | △7.2億円 |
| 投資CF | 11百万円 | 5.4億円 |
| 財務CF | 29百万円 | 4.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △4.5億円 | △1.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
同社グループは、当連結会計年度まで営業損失および営業キャッシュフローのマイナスが継続しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象または状況が生じていると認識しています。対応策は実施途上であり、今後の事業進捗によっては業績や資金繰りに重要な影響を及ぼす可能性があることから、重要な不確実性が存在すると開示されています。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの事業構造に関するリスクとして、マーケティング・サービスやライセンスサービスの業績が市場変化や景気の影響を受けやすい傾向があります。また、主力事業である広告・映像制作事業においては、受注から売掛金の回収まで長期を要する案件があり、運転資金の必要額が増加した場合、資金繰りに影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは小規模組織であるため、事業戦略の推進が各部門の責任者に強く依存する傾向があります。そのため、人材の確保や教育が想定通りに進まない場合、あるいは人材の流出が生じた場合には、事業戦略の推進に支障をきたす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ディー・エル・イーは、「希望や熱意を持った人々をつなぎワクワクを創出し続ける企業」という経営ビジョンを掲げています。エンタメコンテンツやAI技術を活用し、社会の持続的な発展に貢献することを目指している会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ディー・エル・イーは、「希望や熱意を持った人々をつなぎワクワクを創出し続ける企業」という経営ビジョンを掲げています。このビジョンの実現に向けて、経営施策に取り組んでいます。
中長期にわたり革新的なエンタテインメントやコミュニケーションを継続的に創造する、ファスト・エンタテインメント事業を推進していく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ディー・エル・イーは、多様性を尊重し、従業員一人ひとりの能力を最大限に発揮できる職場づくりを推進しています。性別、年齢、国籍、人種、障がいといった多様性を認め、様々なキャリアや働き方を尊重する方針です。
持続的な成長と企業価値向上のため、女性や中途採用者を管理職に登用するなど、中核人材の多様性確保を図っています。経営理念やビジネスモデルに適した人材の育成、グローバル展開に対応できる異文化コミュニケーション能力の向上も重視しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ディー・エル・イーは、中長期的な事業推進のため、いくつかの経営課題に取り組んでいます。その一つが「人材登用と能力開発」です。事業拡大や新規事業、グローバル展開に対応するため、継続的な人材確保と育成を重視しています。
経営理念やビジネスモデルに適した人材の育成、グローバル展開に対応できる異文化コミュニケーション能力の向上を図る方針です。教育制度の整備や海外パートナーとの人材交流を通じて、人材の能力開発を進めています。
また、「AIコンテンツ制作における法令遵守」も重要なテーマです。関連法令や各種ガイドラインを遵守し、適切な制作・管理体制のもとで作品づくりに取り組むとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ディー・エル・イーは、取締役会の監督機能強化と経営効率化のため、監査等委員会設置会社へ移行しています。取締役会は社外取締役を含む構成で、経営の意思決定と業務執行の監督を行っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ディー・エル・イーの筆頭株主は朝日放送グループホールディングスであり、同社グループの資本構成において重要な位置を占めています。また、創業家の一員である椎木隆太氏も上位株主として名を連ねており、特定の事業会社と創業家が同社グループを支える体制となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 朝日放送グループホールディングス | 45.00% |
| 椎木 隆太 | 15.75% |
| NOMURA PB NOMINEES LIMITED OMUNIBUSMARGIN(CASHPB) | 3.70% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長CEO・CCOは小野亮氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 小野 亮 | 代表取締役社長 CEO・CCO | 1990年読売映画社入社後、有限会社クリートを経て、2006年同社入社。取締役FLASH本部長、執行役員CCOなどを歴任し、2025年6月より同社代表取締役社長CEO・CCOより現職。 |
| 椎木 隆太 | 取締役COO | 1991年ソニー入社後、2001年に有限会社パサニア(現同社)を設立し代表取締役に就任。DLE America,Inc.代表取締役、株式会社W TOKYO代表取締役などを経て、2025年6月より同社取締役COOより現職。 |
| 井上 和久 | 取締役 | 2004年株式会社ドリームインキュベータ入社。株式会社デライト代表取締役、株式会社グッドラックスリー代表取締役などを経て、2026年6月より同社取締役より現職。 |
社外取締役は、曽我有信氏(元電通グループ取締役代表執行役副社長グローバルCGO)、馬場貞幸氏(法律事務所エイチーム パートナー・監査等委員)、山岸洋一氏(キャリアフィロソフィー代表取締役・監査等委員)、浜田高志氏(Q.ENESTホールディングス入社・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、経営の監督と業務執行の分離を推進しています。社外取締役4名のうち3名が監査等委員を務め、客観的かつ中立的な視点から経営監視を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社グループの役員報酬は、優秀な人材の確保と業績向上へのインセンティブを考慮した報酬体系を基本方針としています。常勤取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬は月例の固定報酬を基本とし、役位や職責、同社グループの業績などを総合的に勘案して決定されています。監査等委員である取締役の報酬は、株主総会で決議された限度額の範囲内で監査等委員が協議して決定しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 56百万円 | 14.0百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 15百万円 | 2.2百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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