【平均年収529万円】ポバール興業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収529万円】ポバール興業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

ポバール興業は、樹脂加工品の製造・販売を主軸とし、グループ各社とともに産業用機械の設計・製造・販売を展開しています。直近期は売上高・利益ともに大きく伸長しました。


目次

※本記事は、ポバール興業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ポバール興業は、最適な材料・原料選定技術、接着技術、樹脂加工技術を駆使した樹脂加工品の製造・販売を主軸としています。また、産業用機械の設計・製造・販売も同社グループ各社とともに展開しています。

単体従業員数は116名、連結従業員数は204名です。セグメントは総合接着・樹脂加工事業、特殊設計機械事業の2つです。

主な国内グループ会社は、日新製作所(特殊設計機械)、ユニカー工業(同)、アールエスティ電機工業(同)などです。

なお、2026年4月1日付で、連結子会社である日新製作所はポバール興業と合併しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ポバール興業は、高付加価値製品の開発を支える技術力と人材を重視する企業です。従業員の主体性とチャレンジ精神を促すことを基本方針とし、多様な人材が活躍できる働きやすい環境づくりにも取り組んでいます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


ポバール興業では、従業員の定着を重視する傾向が見られます。平均勤続年数と平均年齢から、長期的なキャリア形成を支援する環境が整っていることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 5,289,000円
平均勤続年数 15.8年
平均年齢 42.9歳
単体従業員数 116人
連結従業員数 204人
単体のグループ内比率 56.9%


同社グループは、退職給付制度として確定給付型と確定拠出型の両方を採用しています。これらの制度は、同社および連結子会社の一部に適用されています。

退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。年金資産は121百万円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


ポバール興業グループは、高付加価値製品の開発を支える技術力の維持を重視し、教育制度と技術研修の充実を人的資本への投資と認識しています。勤続年数に関わらず、職務や役割を踏まえた評価を基本方針とし、従業員の主体性とチャレンジ精神を促すことで企業価値向上を目指しています。

従業員の給与やその他の給付は、個人の成績評価と所属組織の評価に基づいて決定されます。また、物価高騰や採用競争力を維持するため、基本給のベースアップおよび定期昇給の改定を実施しています。

同社グループは「人的資本経営の推進」を重点項目の一つに掲げ、人材の価値を最大限に引き出すための施策に取り組んでいます。具体的には、個人のキャリアパスを本人と上司が共有するための対話機会を制度化し、資格取得支援、階層別研修、計画的ジョブローテーションなどを推進しています。従業員エンゲージメント向上のため、人事評価・賃金制度の見直しも順次導入しており、女性や高齢者、子育て世代、外国人実習生なども活躍できる多様で柔軟な働きやすい職場環境を目指しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ポバール興業は、最適な材料・原料の選定技術、接着技術、樹脂加工技術を駆使した樹脂加工品の製造・販売を主軸としています。また、産業用機械の設計・製造・販売も手掛けており、多岐にわたる産業分野に製品とサービスを提供することで収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、ポバール興業と5つの子会社で構成され、「総合接着・樹脂加工事業」と「特殊設計機械事業」の2つの報告セグメントを展開しています。素材選定、接着、樹脂加工の技術を強みとし、顧客の多様なニーズに応える製品を提供しています。

総合接着・樹脂加工事業

この事業では、特殊コンベアベルト、機能性ベルト、伝動ベルト、研磨及び研磨用部材などを製造・販売しています。自動車、鉄鋼、食品、ディスプレイといった幅広い産業の搬送や超精密研磨工程で使用されており、多様な顧客基盤を持っています。

収益は、主にベルト関連製品やディスプレイ業界向けの研磨部材の販売から得ています。運営は、ポバール興業、POVAL KOGYO(THAILAND)CO.,LTD.、博宝楽輸送帯科技(昆山)有限公司が行っています。当期は前年同期比で売上高が増加し、国内では研磨部材の販売が回復し、アジア地域では中国への販路移管が順調に進みました。

特殊設計機械事業

この事業では、搬送機、回転式熱交換器、メカニカルシールなどの産業用機械の設計・製造・販売を行っています。主に食品業界での加熱・冷却・攪拌・混練・固化プロセスや、ケミカルプロセス分野での回転軸の密封などに使用される機械を提供しています。

収益は、産業用機械の販売から得ています。特にメカニカルシールが新規顧客開拓により増収に貢献しました。運営は、ポバール興業、日新製作所、ユニカー工業、アールエスティ電機工業が行っています。当期は前年同期比で売上高が大きく増加しました。

同社グループの売上高は日本が最大の割合を占め、アジア地域がこれに続いています。為替差益が経常利益に影響を与えるなど、海外事業も収益に貢献しています。特定の顧客として、AGC株式会社への売上高が同社グループの総販売実績の約1割を占める状況です。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
総合接着・樹脂加工 28.4億円 29.6億円
特殊設計機械 5.4億円 6.5億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績は、売上高が概ね横ばいから増加傾向にあり、特に当期は大きく伸長しました。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も、当期に大幅な増加を記録しています。これは、材料歩留の向上や生産工程の改善による原価低減の推進、為替差益の増加、関係会社清算益などが寄与したことによるものです。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 34.8億円 35.7億円 35.9億円 33.8億円 36.1億円
経常利益 3.8億円 3.8億円 3.5億円 2.7億円 4.8億円
経常利益率 11.0% 10.7% 9.6% 7.9% 13.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 2.8億円 2.6億円 1.9億円 81百万円 3.7億円
1株当たり当期純利益(円) 106.22 97.23 70.48 30.56 141.44

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から当期にかけて増加しており、生産性の向上がうかがえます。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から大幅に増加しており、収益性の改善が進んでいることを示しています。これらの指標の改善は、同社グループが推進する原価低減や生産工程の改善が奏功していることを示唆しており、組織全体の効率化が進んでいる傾向が見られます。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 16.6百万円 17.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.2百万円 2.1百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


ポバール興業グループの経営の安定性について、財務基盤や資金の流れ、事業リスクの観点から見ていきます。
同社グループは、本業で安定した資金を生み出し、財務基盤を堅固にしています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


ポバール興業の財務基盤は、自己資本比率が非常に高く、安定した状態を示しています。
これは、外部からの借入に依存せず、自社の資金で事業を運営していることを意味します。
手元資金である現金及び預金も増加傾向にあり、不測の事態への耐性があることがうかがえます。
ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っていますが、前期からは改善しています。
これらの財務状況は、同社が安定した経営を継続し、従業員の雇用や給与の基盤を支える上で重要な要素となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 57.2億円 60.4億円
自己資本比率 79.8% 82.8%
ROE(自己資本利益率) 1.4% 6.4%
現金及び預金 10.3億円 11.6億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


ポバール興業グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当連結会計年度で3.9億円のプラスとなっています。
これは主に役員退職慰労引当金の減少によるもので、前期に比べて減少しています。
投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出額の減少により、前期に比べて支出が減少しています。
財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の増減額の減少により、前期のプラスからマイナスに転じています。
結果として、フリーキャッシュフローは2.2億円のプラスとなっており、本業で得た資金が投資を上回り、自由に使える資金を確保している状況です。
この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた余力も持っていることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 4.8億円 3.9億円
投資CF △3.9億円 △1.6億円
財務CF 1.0億円 △1.0億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 97百万円 2.2億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

ポバール興業グループは、国内市場への依存度が高く、自動車、鉄鋼、食品、ディスプレイ業界に属する主要顧客の国内投資が低迷した場合、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、AGCグループへの売上依存度が当連結会計年度で19.6%を占めており、今後の発注動向やAGCグループの海外生産戦略の変更が、同社グループの業績に影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループにとって、優秀な人材の継続的な確保・育成は重要な課題の一つです。
少子高齢化や労働市場の流動化を背景に、必要な人材を確保できない場合、持続的な成長に影響が出る可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ポバール興業は、「企業は永遠なり、企業は魅力なり」という社是を掲げ、常に新しい価値創造と現場視点でのものづくりに挑戦し続ける企業です。顧客の真のニーズに応えるソリューションビジネスをグローバルに展開することを目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「企業は永遠なり、企業は魅力なり」を社是としています。経営理念では、常に新しいサムシングを求め、現場視点でものづくりを発想し、チャレンジし続けることで進化していくことを掲げています。経営方針としては、深い共感力と接着加工、素材加工、機械設計を駆使し、顧客の真のニーズに応えるソリューションビジネスをグローバルに展開していくことを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、常に新しいものを追求し、現場視点でのものづくりに挑戦し続けることを大切にしています。深い共感力と独自コア技術を駆使し、顧客の真のニーズに応えるソリューションビジネスを推進する姿勢が求められます。また、サステナビリティを重要な経営課題と位置づけ、事業活動を通じて持続可能な社会の形成に貢献することを目指しています。人材の価値を最大限に引き出すため、個人のキャリアパスを本人と上司が共有する対話機会の制度化や、多様で柔軟な働きやすい職場環境の実現にも取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、コア技術を駆使し、以下の課題に対処しています。顧客ニーズの深耕とソリューションビジネスの推進のため、セールスエンジニアの育成強化を進めています。グローバルでの最適な生産・供給体制の再構築として、海外子会社への技術・管理支援や生産指導を強化しています。また、社会課題解決のテーマとして、有機溶剤を使用しない水系接着剤で生産するサステナブルベルトの拡販を図っています。生産効率・業務効率の向上を目指し、製造DX導入による業務改善や工程の標準化、機械化、自動化に取り組んでいます。さらに、人的資本への積極投資と人材開発の推進を重点テーマとしています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ポバール興業は、経営の健全性と効率性、企業価値の最大化をコーポレート・ガバナンスの基本方針としています。同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が連携して経営の意思決定と業務執行の監督を行っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ポバール興業の筆頭株主はKAYです。上位株主には、光通信KK投資事業有限責任組合のような機関投資家や、神田亜希氏、神田有華氏、神田隆生氏、神田誠太郎氏といった個人株主が複数名を連ねています。また、ポバール興業従業員持株会も上位株主として名を連ねており、幅広い層に支えられた資本構成となっています。

株主名 持株比率
KAY 33.34%
光通信KK投資事業有限責任組合 6.49%
神田亜希 3.91%
神田有華 3.91%
ポバール興業従業員持株会 3.39%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.0%です。代表取締役社長は松井孝敏氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
松井孝敏 代表取締役社長 1984年4月同社入社、2012年6月営業部長、2013年6月取締役営業部長を経て、2015年6月より同社代表取締役社長に現職。POVAL KOGYO(THAILAND)CO.,LTD.取締役も務めています。
樅山政道 取締役 製造部・技術部・営業部 管掌 1993年5月同社入社後、2015年4月技術部長、2018年4月執行役員製造部長兼技術部長を経て、2021年9月より同社取締役製造部・技術部・営業部管掌に現職。


社外取締役は、大島幸一氏(大島公認会計士事務所代表)、横井良栄氏(よこいよしえ社会保険労務士事務所代表)です。
社外監査役は、伊東和男氏(公認会計士伊東和男事務所代表)、花村総一郎氏(andLEGAL弁護士法人弁護士)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名と社外監査役2名を選任しています。社外役員は公認会計士、社会保険労務士、弁護士といった専門知識と豊富な経験を持つ人材で構成され、独立した立場から経営の監督・監査を強化しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ポバール興業の役員報酬は固定報酬のみで構成されており、業績連動報酬や非金銭報酬は支給されていません。取締役の基本報酬は月例の固定報酬として、役位、任期、貢献度、前年の業績を総合的に勘案し、取締役会で個別に決定されます。監査役の報酬は、常勤・非常勤の別や業務分担を考慮し、監査役の協議により決定される仕組みです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 42百万円 10.5百万円
監査役(社外除く) 2名 6百万円 2.9百万円
社外役員 5名 9百万円 1.8百万円


なお、報酬等の額には、当事業年度において引当計上した役員退職慰労金8,667千円が含まれています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。