【平均年収570万円】大冷 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収570万円】大冷 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

大冷は、国内の医療食や外食向けに業務用冷凍食品の企画・販売を手掛けるファブレス企業です。自社ブランドやPB商品を展開し、骨なし魚を主力としています。直近の業績は減収減益となりましたが、当期純利益は黒字転換しました。


目次

※本記事は、株式会社大冷 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月15日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


大冷は、国内の医療食、弁当仕出し、外食向けに業務用冷凍食品の企画・販売を手掛けています。ファブレス形態で国内外の協力工場に製造を委託し、自社ブランド商品やPB商品を展開しています。

単体従業員数は146名です。同社は業務用冷凍食品卸売事業の単一セグメントで事業を展開しています。

大冷は、骨なし魚事業、ミート事業、その他事業の3つの事業部門を展開しています。特に骨なし魚は1998年に開発に成功し、4つの製造特許を取得した主力商品です。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


大冷は、従業員の安定的な雇用と働きがいを重視し、人材育成と職場環境の整備に力を入れている会社です。給与水準や勤続年数から、長期的なキャリア形成が期待できる環境がうかがえます。多様な人材が能力を最大限に発揮できるよう、人事制度や教育研修体系の整備にも取り組んでいます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の定着を重視する傾向が見られます。平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、経験豊富な人材が長く活躍できる環境が整っていると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 5,705,000円
平均勤続年数 16.8年
平均年齢 45.1歳
単体従業員数 146人
連結従業員数 -
単体のグループ内比率 -


同社は、確定給付型の制度として厚生年金基金制度および退職一時金制度を、確定拠出型の制度として確定拠出年金制度を設けています。これらの制度は国内の従業員を対象としています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


大冷は、持続的成長企業として、積極的な人材確保と活躍できる職場環境の整備に努めています。ワークライフバランスに配慮した多様な働き方を尊重し、労働環境の改善、人材育成の強化、人事制度改革を通じて人材基盤を強化する方針です。中核人材の多様性確保を重視しており、育児休暇・育児短時間勤務・介護休暇等の制度を導入し、働きやすい環境を整えています。

従業員の給与は、評価基準を定めた人事評価規程に基づき、年に2回評価を実施して決定されます。この評価は、業務目標の達成度合い、業務成績、職務遂行能力、勤務態度等を公正・公平に評価し、個人の能力開発や教育訓練、資質向上に役立てるとともに、昇格・昇進・昇給・異動・配置転換等に反映されます。これにより、社員の勤労意欲とモラルの向上を目指しています。2025年度は、上記人事戦略と会社業績を考慮し、昇給率を3%として、人事評価に基づいて個々人の昇給金額を決定しています。

また、イノベーションの源泉である従業員が能力を最大限発揮できるよう、人事制度や教育研修体系を整備し、創造と挑戦を実践する人づくりに取り組んでいます。多様な従業員が活き活きと仕事に取り組める働きがいのある職場づくりと、心身ともに安全・健康に働ける環境整備を推進しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男性育児休業取得率および男女賃金差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 10.0%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


大冷は、業務用冷凍食品の企画と販売を主な事業として展開しています。国内の医療食、弁当仕出し、外食といった多様なエンドユーザーに対し、安全と安心を優先した商品を提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社は、自社で製造設備を持たないファブレス形態を採用しており、国内外の協力工場に製造を委託しています。自社ブランド商品に加え、特定のユーザー仕様に対応したPB商品も取り扱っており、外部業者への保管・物流委託により、1ケースからの翌日配送が可能なデリバリーシステムを構築しています。

商品開発においては、新商品の企画立案と商品化の決定に特化しており、社長や各部門の担当者から構成される特命商品開発プロジェクトが市場調査や商品開発にあたっています。営業担当者がエンドユーザーの要望を社内で共有し、開発担当者がそれらを充足する商品の改良や新規開発を進めています。

同社の事業は、大きく「骨なし魚事業」「ミート事業」「その他事業」に分けられます。骨なし魚事業では、医療食・介護食向けに開発された「骨なし魚」を主力とし、加熱処理や凍ったまま調理できる加工技術に関する製造特許を複数取得しています。エックス線による残骨検査や海外協力工場への日本人常駐員配置など、安全安心への取り組みを強化しており、今後は新商品「MOTTO」シリーズの拡販や調理加工品の需要増加に対応し、事業の再構築を図る方針です。

ミート事業では、骨なし魚で培った加工技術を応用し、凍ったまま調理できて冷めても柔らかい「楽らく匠味シリーズ」を展開しています。肉の臭みを軽減する特殊加工が特徴で、鶏もも、牛もも、豚肩の切り落としのほか、調理品も取り揃えています。今後は、タイ生産の安価で価格競争力のある「鶏」の楽らく匠味製品の拡販により、販売強化を目指しています。

その他事業では、惣菜などの調理冷食、冷凍野菜、魚フライ、練り製品、水産品などを幅広く取り扱っています。製造委託先と連携し、取引先やユーザーのニーズを満たす商品開発を進めており、大手ユーザーとの直接商談によるPB商品開発販売も順調に推移しています。前期に販売を開始した牡蠣やエビ商品の売上拡大、安価な新商品の市場投入にも積極的に取り組んでいます。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社の直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益ともに前期から減少する傾向を示しています。特に営業利益と経常利益は、売上高の減少に伴う粗利益の低下や粗利率の低下が影響し、前期に比べて大きく減少しました。一方で、当期純利益は前期の純損失から一転して利益を計上する結果となりました。

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社は、事業活動で得た資金を元手に、安定した財務基盤を維持しています。将来に向けた投資も行いながら、資金を効率的に活用している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社は強固な財務基盤を築いており、事業の安定性につながっています。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均を大きく上回る水準であり、不況時にも耐えうる体力を示しています。手元資金も厚く、事業運営における流動性も確保されている状況です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 87.9億円 88.2億円
自己資本比率 76.4% 78.0%
ROE(自己資本利益率) △6.2% 5.5%
現金及び預金等 37.5億円 35.8億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社は本業で安定的に資金を生み出し、その範囲内で投資を行い、さらに借入金の返済や配当の支払いも行っています。この資金の流れは、事業の安定性と健全な財務運営を示しており、雇用や給与の安定性にもつながる傾向があると言えます。

本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローは当期に3.1億円の収入となり、前期から減少しています。これは貸倒引当金の増減額の減少があった一方で、税引前当期純利益の増加や仕入債務の減少額の減少があったためです。

投資キャッシュフローは当期に△0.3億円の支出となり、前期から支出が減少しています。これは無形固定資産の取得による支出が減少したことによるものです。財務キャッシュフローは当期に△4.7億円の支出となり、短期借入金の純減額の減少や配当金の支払があったことを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 7.1億円 3.1億円
投資CF △1.5億円 △0.3億円
財務CF △6.7億円 △4.7億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 5.6億円 2.8億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社は海外からの仕入比率が約55%と高く、為替レートの急激な変動が仕入価格に影響を及ぼす可能性があります。販売価格への転嫁が遅れると、財政状態や経営成績に影響が出る可能性があります。

また、株式会社三翔とセイショウフーズ株式会社からの仕入高が同社仕入高のそれぞれ13.0%〜14.2%を占めています。これらの企業との取引終了や生産体制に支障が発生した場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社は今後の成長を実現していくため、営業、開発、経営管理等の各方面において優秀な人材の確保・育成が重要な課題と認識しています。人材の確保・育成ができなかった場合には、事業目的の達成が困難となる可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


大冷は、業務用冷凍食品の卸売事業を専門とする企業です。エンドユーザーのニーズに応える商品提供を使命とし、サステナビリティを重視した経営を行っています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社は、エンドユーザーが「安全安心でおいしく、安価で簡単調理な商品を」というニーズに満足できる商品を提供することを、自社の使命と認識しています。

高付加価値商品を開発し、価格競争からの回避を図ることを重要な基本戦略としています。

サステナビリティに関する考え方として、「安全・安心」を経営理念に掲げ、「FOR THE COMPANY」の基本理念に基づいたマテリアリティ(重要課題)を定めています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社は、品質と安全性の確認を徹底し、安心かつ満足できる商品の提供を目指しています。全てのステークホルダーの人権を尊重し、多様な従業員が働きがいのある職場づくりと環境整備を推進することが、同社の持続的な成長につながると考えています。

従業員が能力を最大限発揮できる人事制度や教育研修体系を整備することで、創造と挑戦を実践する人づくりに取り組んでいます。

また、品質、コスト、納期、安定供給、信頼性など、公正で合理的な基準に基づいた評価による仕入先の選定を重視しています。あらゆる法令や規則を厳格に順守し、社会から高い信頼を得る経営の実現を目指す企業風土です。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社は、商品の競合、単一事業、生産拠点に関する課題を認識し、それぞれ対処に努めています。具体的には、海外協力工場の拡充によるコストダウン、新商品の販売強化、収益構造の多角化、生産拠点の分散と管理体制強化を図っています。

サステナビリティの観点からは、脱炭素社会の実現と人的資本経営の取り組みを拡充していくことを重点テーマとしています。気候変動への対応を重要な経営課題と捉え、「サステナビリティ基本方針」を定め、全社員参加の環境活動を展開しています。

人的資本においては、多様な従業員が活き活きと仕事に取り組める働きがいのある職場づくりと、心身ともに安全・健康に働ける環境整備を推進しています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会と監査等委員会、執行役員会を設置しています。経営の健全性と透明性の向上を図るため、コーポレート・ガバナンスの充実を重視しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の筆頭株主はフルタであり、古田耕司氏が全株式を所有する資産管理会社です。古田耕司氏が議決権の過半数を所有する会社と取引を行う際には、取締役会で十分に審議し、少数株主の権利を害さないよう対応しています。

株主名 持株比率
フルタ 51.44%
古田 耕司 2.33%
大冷社員持株会 1.57%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長執行役員は冨田史好氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
冨田 史好 代表取締役社長執行役員 1981年4月三和銀行入行、2012年6月同社入社、取締役内部監査室長就任、2019年6月代表取締役社長就任、2025年6月代表取締役社長執行役員就任より現職。
髙付 広昭 取締役専務執行役員社長補佐兼経営企画室長 1990年4月宝幸水産入社、2004年4月同社入社、2019年6月取締役開発統括本部長就任、2025年6月取締役専務執行役員社長補佐兼経営企画室長就任より現職。
黒川 岳夫 取締役専務執行役員管理統括本部長 1984年4月三和興業入社、2001年7月同社入社、2010年6月取締役管理部長就任、2025年6月取締役専務執行役員管理統括本部長就任より現職。


社外取締役は、長尾敏成氏(弁護士・長尾敏成法律事務所開設)、川田剛氏(税理士・税理士法人山田&パートナーズ会長)、布施雅弘氏(元菱永鑑定調査代表取締役社長・菱進ホールディングス顧問)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役が取締役会の議決権を保有することで監督機能を強化しています。これにより、経営の健全性と透明性の向上を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬等は、基本報酬、賞与、業績連動型株式報酬で構成されています。業績連動型株式報酬は、株主価値及び企業価値向上へのインセンティブ確保のため、2023年度より採用されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 5名 85百万円 17.0百万円
監査等委員(社外除く) 2名 12百万円 6.1百万円
社外役員 3名 11百万円 3.6百万円


役員報酬等の総額は1.08億円であり、対象となる役員の員数は10名です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。