※本記事は、株式会社フルッタフルッタ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
フルッタフルッタは、ブラジルのトメアス総合農業協同組合(CAMTA)の日本総代理店として、アサイーをはじめとするアマゾンフルーツ冷凍パルプの輸入・加工販売を手掛けています。アグロフォレストリー農法を通じて熱帯雨林再生にも貢献し、「健康・本物」を追求する企業です。
単体従業員数は33名です。事業部門は、リテール事業部門、業務用事業部門、ダイレクト・マーケティング事業部門、海外事業部門の4つです。
フルッタフルッタは、ブラジルのCAMTAからアマゾンフルーツ冷凍パルプを直輸入し、国内および台湾でジュース加工・製造・販売を行っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
フルッタフルッタは、「自然と共に生きる」を企業理念に掲げ、アグロフォレストリーを基盤とした事業を展開しています。持続可能な社会の実現を目指す同社では、アジア市場への本格参入やSCOPE 3プラットフォーム事業の推進など、成長戦略を加速させている状況です。このような事業特性を持つ同社が、従業員に対してどのような給与水準や働き方を提供しているのかを見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢が42.9歳となっており、一定の経験を持つ人材が活躍していることがうかがえます。平均勤続年数は4.8年であり、組織の活性化と流動性を高めるための若年層の計画的採用が進められている状況です。これにより、次世代への理念・技術の承継と組織の若返りを図る方針が示されています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,766,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.8年 |
| 平均年齢 | 42.9歳 |
| 単体従業員数 | 33人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
フルッタフルッタは、人材を消費的な「コスト」ではなく、価値を創出する「資本」と捉える「人的資本経営」を実践しています。会社のパーパスと従業員個人のパーパスをすり合わせる「パーパス経営」を核に据え、仕事の本質を「時間の提供」から「価値の創出」へと転換する企業文化の醸成を進めています。
給与については、法規制と市場競争力を踏まえ、必要な人材確保と従業員の安心感醸成のため、適切なレベルの賃金を支給する方針です。また、ストックオプション制度等のインセンティブプランも視野に入れ、従業員と株主の価値共有を図ることで、エンゲージメント強化と財務的アウトカムへの連動を目指しています。
人材育成においては、従来のジョブローテーションから脱却し、リスキリング(再教育)機会の提供や、自律的なキャリア形成を支援するジョブアサインを通じて、従業員の専門性と労働生産性を高めることを重視しています。特に、研究開発・品質管理部門における専門人材の育成・確保に注力し、事業構造の変革とグローバル展開に対応できるプロフェッショナル人材の育成を図っています。
多様性の推進も重要なテーマであり、女性管理役職者比率の向上に加え、男性の産休・育休取得促進や男女の性別役割分担の見直しを重点目標に掲げています。リモートワークやフレックスタイム制度の定着により、柔軟な働き方を推進し、従業員が心身ともに健康で能力を最大限に発揮できる社内環境の整備にも取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
同社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示項目は記載を省略しています。
任意開示
人材の確保
注記:2026年3月期末時点で、当初の事業計画目標である30名体制を達成しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 従業員数(臨時雇用・有期雇用含む) | 33名 |
企業文化
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 個人のパーパス浸透率 | 85.0% |
人材育成
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| リスキリングプログラム研修受講率 | 30.0% |
多様性推進
注記:2024年3月期から2026年3月期において配偶者が出産した男性労働者が該当しなかったため、男性の育児休業・産休取得率は算出されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理役職者比率 | 36.3% |
| 男性の育児休業・産休取得率 | - |
労働環境
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 月平均法定外残業時間 | 5.5時間 |
組織の健康
注記:次世代への理念・技術の承継を見据えた若年層の計画的採用の成果により、平均年齢の低下を実現しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 平均年齢 | 42.9歳 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
フルッタフルッタは、ブラジル連邦共和国パラー州のトメアス総合農業協同組合の日本総代理店として、アサイーをはじめとするアマゾンフルーツ冷凍パルプの輸入・加工販売を手がけています。同社は「健康・本物」を基本に据え、天然のサプリメントともいえるアマゾンフルーツを日本に普及・拡大させる事業を展開しています。
取り扱うアマゾンフルーツ原料の一部はアグロフォレストリー農法を使用しており、アマゾンの森林再生に貢献する事業モデルを推進しています。同社は輸入食品製造販売事業の単一セグメントですが、リテール事業部門、業務用事業部門、ダイレクト・マーケティング事業部門、海外事業部門の4つの事業部門を柱としています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
リテール事業部門は、量販店やプレミアム・スーパーマーケット等リテール向けに、アサイーなどのアマゾンフルーツを主原料とした自社ブランド製品やPB製品を販売しています。収益は、主にこれらの製品の販売から得ています。
業務用事業部門は、外食店や食品メーカー等に対して冷凍フルーツパルプやその加工品等を販売する事業と、アグロフォレストリーの畑でできるフルーツ以外の産物を販売する事業に区分されます。収益は、外食産業や食品メーカーへの原料供給から得ています。
ダイレクト・マーケティング事業部門は、自社サイトや各プラットフォームなどのECチャネルを通じて販売を行う事業です。収益は、自社ECサイトでの商品販売や定期購入施策から得ています。
海外事業部門は、主にアグロフォレストリー農法で生産されたカカオ豆や胡椒等の輸入販売と海外事業展開を推進しています。収益は、海外市場でのサステナブル商材の販売から得ており、特に中国市場への本格参入に向けた取り組みを進めています。
同社の収益は、リテール事業部門と業務用事業部門が大部分を占めており、ダイレクト・マーケティング事業部門がこれに続いています。海外事業部門も成長を見せています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高が増加し、各利益は黒字を継続しています。売上高は過去最高水準に追随する増収を達成し、国内市場における「アサイーの日常食化」戦略が着実に浸透した結果とされています。
一方で、営業利益と当期純利益は前期を下回る着地となりました。この利益の減少は、中国を中心としたアジア輸出事業や国内大手チャネルへの商品導入拡大を見据えた「戦略的先行投資」によるもので、将来の成長に向けた準備期間と位置づけられています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
(このセクションは、参照すべき数値データが不足しているため記載を省略します。)
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は将来の成長に向けた戦略的な先行投資を実行しており、足元の業績はその結果となっています。資金の流れを見ると、営業活動および投資活動で資金を使用し、財務活動で資金を調達している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率が前期から増加し、高い水準を維持しています。これは、同社の財務の健全性を示すものです。手元資金である現金及び預金も前期から大きく増加しており、資金の厚みがある状況です。これらの財務状況は、事業運営の安定性につながる要素となっています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 29.6億円 | 70.8億円 |
| 自己資本比率 | 83.2% | 91.9% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金 | 18.9億円 | 47.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローを見ると、当期の営業活動によるキャッシュフローは資金を使用する結果となりました。これは主に棚卸資産の増加と税引前当期純利益の計上によるものです。投資活動によるキャッシュフローも資金を使用しており、事業活動に必要な固定資産の取得が主な要因となっています。一方、財務活動によるキャッシュフローは、新株予約権の行使による株式発行収入により資金を獲得しています。これらの資金の流れは、同社が将来の成長に向けた戦略的な先行投資を行っていることを示しており、今後の事業拡大への期待が持てる状況です。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △437百万円 | △1,235百万円 |
| 投資CF | 585百万円 | △5百万円 |
| 財務CF | 1,359百万円 | 4,029百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 148百万円 | △1,240百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、アマゾンフルーツ冷凍パルプの仕入れを特定の取引先であるCAMTAに大きく依存しています。CAMTAとの関係変化や原料価格の引き上げ、自然災害などにより、計画通りの仕入れが困難になった場合、同社の事業および業績に影響を与える可能性があります。また、同社の売上高の7割以上をアサイー関連事業が占めており、消費者の嗜好変化などによりアサイー関連市場が縮小した場合、同社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は従業員33名の小規模な組織であり、業容拡大に応じた人員を確保できない場合や、役職員が予期せず退社した場合、内部管理体制や業務執行体制が有効に機能せず、事業展開および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
フルッタフルッタは、「自然と共に生きる」を経営理念に掲げ、持続可能な社会の実現を目指しています。アグロフォレストリーを基盤としたビジネスモデルを通じて、経済と環境が共存する未来を追求する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「自然と共に生きる」を経営理念とし、経済と環境が共存する持続可能な社会の実現を目指しています。アグロフォレストリーの恵みを革新的な商品に変え、お客様の美と健康に貢献することを掲げています。
また、「消費の力」でアグロフォレストリーの発展に貢献し、地球温暖化対策(CO₂削減)に貢献する「グリーン・エコノミー」の実現を推し進めています。同社は日本におけるアサイー事業のリーディングカンパニーとして、確実な供給とトップラインの底上げを実現することを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は「自然と共に生きる」を企業理念とし、経済と環境が共存共栄する持続可能な社会の実現を経営の最重要課題と位置づけています。創業の原点である「トメアス式アグロフォレストリー(森をつくる農業)」の理念に共鳴し、荒廃地を緑に変えるビジネスモデルを推進しています。限りある自然資本を保全し、回復させる未来型の農法を中心とした「自然資本主義」の実現を目指すことをサステナビリティの根幹としています。
同社は多様性を競争力の源泉と位置づけ、女性役職者比率のさらなる向上や「男性の産休取得」「男女の性別役割分担の見直し」を重点目標に掲げ、本質的な意識改革に着手しています。仕事の本質を単なる「時間の提供」から「価値の創出」へと転換する企業文化の醸成を進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は「自然と共に生きる」を経営理念に掲げ、既存事業の強化を進めながら、次代に向けた経営基盤の強化に努めています。持続可能で豊かな社会の実現に貢献できる事業の拡大を目指しています。
経営戦略と人材戦略の連動を図り、同社の進む方向性や戦略を共有し、日々の生産性を上げ、組織体制を構築することに取り組んでいます。ESG及びSDGsと同社事業活動の関連を意識し、ネイチャーポジティブを実現しながら持続的に成長する企業を目指しています。
人的資本への投資が企業価値向上にどう貢献するかを示すため、量と質の両面から指標を管理しています。特に、組織の偏りという課題克服のため、男性の産休取得促進や性別役割分担意識の見直しに向けた施策を推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
フルッタフルッタは監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営の意思決定と監督を担っています。執行役員制度を導入し、業務執行の迅速化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
フルッタフルッタの筆頭株主は代表取締役社長執行役員CEOの長澤誠氏です。同氏は発行済株式の1割以上を保有しており、経営に対する影響力が大きい資本構成となっています。その他、楽天証券や海外の金融機関が上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 長澤 誠 | 10.68% |
| 楽天証券共有口 | 1.30% |
| BNYM SA/NV FOR BNYM FOR BNY GCM CLIENT ACCOUNTS M LSCB RD | 1.07% |
なお、2026年3月24日付の臨時報告書(主要株主の異動)にてお知らせのとおり、長澤誠氏は当事業年度中に主要株主となりました。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長執行役員CEOは長澤誠氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 長澤 誠 | 代表取締役 社長執行役員CEO | 1986年京セラ入社、1991年アサヒフーズ取締役。2002年同社設立、代表取締役。2014年より同社代表取締役社長執行役員CEO現職。 |
| 森 栄市 | 取締役 | 1985年富士フイルム入社、1991年イチネン入社。2025年イチネン取締役執行役員営業推進担当。2026年より同社取締役現職。 |
| ジェイソン サウスト | 取締役 | 1997年Booking.com日本法人代表取締役社長。2022年Evo Associates Ltd. Managing Director。2025年より同社取締役現職。 |
社外取締役は、鈴木朗広氏(金井・鈴木公認会計士・税理士事務所共同代表)です。
フルッタフルッタは監査役会設置会社です。社外取締役は公認会計士としての専門的見地から、客観的・中立的な助言・提言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、担当職務、各期の業績、貢献度、支給実績などを総合的に考慮して決定されています。株主総会で定められた報酬総額の上限内で、取締役会や監査役の協議により個別の報酬額が決定される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 46百万円 | 11.5百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 6百万円 | 3.0百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 7百万円 | 2.3百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。当期末の取締役の員数は4名、監査役の員数は3名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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