※本記事は、株式会社フルッタフルッタ の有価証券報告書(第23期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月30日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. フルッタフルッタってどんな会社?
ブラジルの農協「CAMTA」の日本総代理店として、アサイーなどのアマゾンフルーツ製品を輸入販売する企業です。
■(1) 会社概要
同社は2002年にアマゾンフルーツの仕入・販売を目的として設立され、同年にブラジルのトメアス総合農業協同組合(CAMTA)と独占販売契約を締結しました。2014年に東京証券取引所マザーズ市場へ上場し、2022年の市場区分見直しに伴いグロース市場へ移行しました。2024年には同社製品を使用した他社飲料でCO2削減マークが表示されるなど、環境価値の可視化にも取り組んでいます。
連結子会社はなく、単体での従業員数は32名です。筆頭株主は代表取締役社長の長澤誠氏で、第2位はカストディ業務を行う銀行の常任代理人であるBNP PARIBAS LONDON BRANCH、第3位は楽天証券となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 長澤 誠 | 10.04% |
| BNP PARIBAS LONDON BRANCH FOR PRIME BROKERAGE CLEARANCE ACC FOR THIRD PARTY | 2.13% |
| 楽天証券 | 1.50% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性6名、女性0名の計6名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長執行役員CEOは長澤誠氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 長澤 誠 | 代表取締役社長執行役員CEO | 京セラを経て2002年に同社設立、代表取締役に就任。2014年より現職。 |
| 德島 一孝 | 取締役 | 司法書士事務所等を経て2017年に同社顧問。常勤監査役などを歴任し2025年より現職。 |
| ジェイソンサウスト | 取締役 | オンキヨー執行役員などを経てEvolution Financial Groupに参画。2025年より現職。 |
社外取締役は、鈴木朗広(公認会計士・税理士事務所共同代表)です。
2. 事業内容
同社は、「輸入食品製造販売事業」および「その他」事業を展開しています。単一セグメントですが、販売チャネルごとの特徴は以下の通りです。
■輸入食品製造販売事業
アサイーをはじめとするアマゾンフルーツの冷凍パルプ(搾汁加工・冷凍処理したもの)や加工食品を輸入・販売しています。主な顧客は、量販店、外食チェーン、食品メーカー、および一般消費者です。アグロフォレストリー農法で生産された原料を扱い、熱帯雨林再生への貢献を掲げています。
収益は、リテール(量販店向け製品販売)、業務用(外食・メーカー向け原料販売)、ダイレクト・マーケティング(ECサイトでの直販)、海外(カカオ豆等の輸出)の4部門から得ています。運営は主にフルッタフルッタが行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
売上高は直近で急激な拡大を見せており、2025年3月期には前期比で倍増以上の25.5億円に達しました。利益面でも、長らく損失計上が続いていましたが、直近決算において経常利益、当期純利益ともに黒字転換を果たしています。
| 項目 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 6.9億円 | 7.8億円 | 8.0億円 | 11.4億円 | 25.5億円 |
| 経常利益 | -2.8億円 | -3.2億円 | -3.1億円 | -3.1億円 | 2.3億円 |
| 利益率(%) | -40.0% | -41.1% | -38.2% | -27.0% | 9.2% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | -2.9億円 | -3.2億円 | -3.1億円 | -3.1億円 | 2.7億円 |
■(2) 損益計算書
売上高の急増に伴い売上総利益が大幅に増加し、利益率も改善しています。これにより、販管費の増加を吸収して営業利益が黒字化しました。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 11.4億円 | 25.5億円 |
| 売上総利益 | 3.6億円 | 9.6億円 |
| 売上総利益率(%) | 31.3% | 37.7% |
| 営業利益 | -2.6億円 | 2.3億円 |
| 営業利益率(%) | -% | 9.0% |
販売費及び一般管理費のうち、運賃及び荷造費が1.7億円(構成比24%)、給料及び手当が1.1億円(同16%)、業務委託費が0.9億円(同13%)を占めています。物流コストや人件費が主な費用項目となっています。
■(3) セグメント収益
全ての事業部門で売上が増加しましたが、特に業務用事業部門とリテール事業部門の伸びが顕著です。外食店での採用拡大や家庭用製品の好調が寄与しています。
| 区分 | 売上(2024年3月期) | 売上(2025年3月期) |
|---|---|---|
| リテール事業部門 | 5.5億円 | 11.0億円 |
| 業務用事業部門 | 4.2億円 | 11.3億円 |
| DM事業部門 | 1.5億円 | 3.0億円 |
| 海外事業部門 | 0.2億円 | 0.2億円 |
| 連結(合計) | 11.4億円 | 25.5億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
なお、同社は在庫を多く抱える事業を主力としているため、営業CFのマイナスは棚卸資産(商品・販売用不動産等)の増加(事業拡大)に起因している可能性があり、必ずしも業績悪化を意味するものではありません。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | -2.5億円 | -4.4億円 |
| 投資CF | 0.4億円 | 5.8億円 |
| 財務CF | 3.4億円 | 13.6億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は13.8%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は83.2%で市場平均を上回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社は「自然と共に生きる」を経営理念とし、経済と環境が共存する持続可能な社会の実現を目指しています。アグロフォレストリー(森林農法)の恵みを商品に変えて顧客の美と健康に貢献するとともに、消費活動を通じてアグロフォレストリーの発展と地球温暖化対策に貢献することを方針としています。
■(2) 企業文化
同社は、「経済が環境を復元させる事業モデルの構築~グリーンエコノミーの実現~」を企業コンセプトとしています。顧客の感動と共感による「消費の力」で環境保全に貢献するという価値観を重視しており、アサイーのパイオニアとしての自負を持ちながら、持続可能な社会の実現に向けて事業を展開しています。
■(3) 経営計画・目標
同社は、継続企業の前提に関する疑義を解消し、営業利益の獲得と拡大を目標としています。具体的には、売上高の増加に加え、仕入原価および廃棄率の低減による売上総利益の改善、さらに販売費及び一般管理費の削減に取り組むことで、収益性の向上を目指しています。
■(4) 成長戦略と重点施策
今後の成長に向けて、国内アサイー事業へのリソース集中による供給体制の強化と、中長期的な事業拡大に向けた取り組みを推進しています。具体的には、アサイー以外のフルーツを含めた商品開発やメニュー提案の強化、海外展開に向けた市場調査、およびアグロフォレストリー産物を扱うサステナブルマッチングプラットフォームの構築を進めています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
同社は経営戦略と人材戦略の連動を図り、企業コンセプトである「経済と環境が共存共栄する持続可能な社会の実現」に向けた組織体制を構築しています。日々の生産性向上とともに、ESGやSDGsを意識し、ネイチャーポジティブを実現しながら持続的に成長することを目指しています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均をやや下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 44.1歳 | 4.0年 | 5,240,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」等の規定による公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 主要仕入先CAMTAへの依存
同社はブラジルのトメアス総合農業協同組合(CAMTA)の日本総代理店として事業を行っており、アサイー等の冷凍パルプの大部分を同組合から購入しています。独占販売権を有していますが、同組合との関係悪化や現地での自然災害等により供給が滞った場合、事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。
■(2) アサイー製品への収益依存
同社の売上高の9割以上はアサイー関連事業が占めています。消費者の健康志向等により市場は拡大していますが、嗜好の変化やブームの沈静化等により市場が縮小した場合、業績に大きな影響を与える可能性があります。
■(3) 原材料の調達リスクと価格高騰
アサイーやカカオ等の原材料について、天候不順による不作や世界的な需要増による価格高騰のリスクがあります。また、輸入決済がドル建てであるため、急激な為替変動が仕入コストの上昇を招き、業績を圧迫する可能性があります。



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