【平均年収531万円】中村超硬 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収531万円】中村超硬 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

中村超硬は、特殊精密機器、D-Next、マテリアルサイエンスの3分野で、先端技術の開発・製造・販売を手掛ける企業です。直近の連結会計年度では売上高が増加し、親会社株主に帰属する当期純利益は利益となりましたが、経常利益は損失です。


目次

※本記事は、株式会社中村超硬 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


中村超硬は、特殊精密機器、D-Next、マテリアルサイエンスの3つの分野で、開発・製造・販売を手掛ける企業グループです。ダイヤモンドや超硬合金を用いた特殊精密部品・工具の提供から、ダイヤモンドワイヤ製造装置、さらにはナノサイズゼオライトの事業化まで、多岐にわたる先端技術を展開しています。

単体従業員数は56名、連結従業員数は58名です。同社グループの事業セグメントは、特殊精密機器事業、D-Next事業、マテリアルサイエンス事業の3つです。

主な国内グループ会社は、Zeo Nextなどです。

なお、同社グループは2026年3月31日付で連結子会社であった日本ノズル株式会社の全株式を売却し、連結の範囲から除外しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


中村超硬は、ものづくりを基盤とする事業を展開しており、従業員の専門性と技術力の向上に力を入れています。社員の成長を組織力と競争力の源泉と捉え、個人の自己実現とチャレンジを支援する環境が整えられています。給与面では、優秀な人材の確保と定着を目指し、継続的な賃上げやベースアップを適宜実施する方針が示されています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均年齢が比較的高く、平均勤続年数も長めであることから、安定した環境で長く働く社員が多い傾向が見られます。これは、技術やノウハウの蓄積を重視し、熟練した人材が活躍できる職場であることを示唆しています。

項目 数値
平均年間給与 5,312,909円
平均勤続年数 15.3年
平均年齢 47.9歳
単体従業員数 56人
連結従業員数 58人
単体のグループ内比率 96.6%


同社および連結子会社は、退職金規程に基づく退職一時金制度を採用しています。一部の連結子会社では、中小企業退職金共済制度への加入や確定拠出制度の導入も行われています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、従業員の成長が組織力と競争力の源泉であると認識し、一人ひとりの自己実現とチャレンジできる成長の機会を提供することで、持続的な企業価値の向上を目指しています。従業員が高い志を持ち、自律的に学び、新たな技術にチャレンジし続けられるよう、人事制度や人材育成などの改善に継続的に取り組んでいます。

具体的には、定期的な上司と部下との面談を通じて、期待される役割を明確にし、個別の教育訓練計画を策定しています。特に技術面では、「ものづくりのエキスパート集団」であるべく、高い技術力を有する人材の確保・育成のため、国家技能検定の受検を推進しています。従業員の給与は、優秀な人材の確保と定着を目的とした継続的な賃上げ(昇給・昇格など)に加え、世の中の賃金動向や物価動向を勘案したベースアップも適宜実施されています。

また、従業員の健康増進が個人と組織のパフォーマンス向上につながるものと捉え、健康経営を推進しています。安全衛生委員会の開催と労働安全衛生教育の実施、定期健康診断・ストレスチェックの実施、特定保健指導の実施、希望者に対する産業医面談の実施といった具体的な取り組みが行われています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


当社及び連結子会社は、女性活躍推進法及び育児介護休業法に基づく公表義務の対象となっていないため、提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

人材育成・エンゲージメント


国家技能検定2級以上合格者指数は、2級合格者を1、1級合格者を2、特級合格者を3とした場合の指数です。

指標 数値
国家技能検定2級以上合格者指数(目標) 50
国家技能検定2級以上合格者指数(実績) 42

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


株式会社中村超硬は、特殊精密機器、化学繊維用紡糸ノズル、D-Next、マテリアルサイエンスの4つの事業を主軸に展開しています。これらの事業を通じて、多様な産業分野に貢献しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、特殊精密機器関連、D-Next関連、マテリアルサイエンス関連の開発・製造・販売を主な事業としています。2026年3月31日現在、2社の子会社(Zeo Next株式会社、上海那科夢楽商貿有限公司)を連結しています。同社グループの事業区分は、報告セグメントと同一の区分となっています。

特殊精密機器事業

この事業では、ダイヤモンドや超硬合金、セラミックスなどの耐摩耗性の高い硬脆材料を用いた特殊精密部品、工具の設計・製造・販売を行っています。主要な製品は、自動車部品やベアリング製造用工作機械に用いられるダイヤモンド部品、液晶テレビやスマートフォン、タブレット等の電子機器の製造に欠かせない電子部品実装用の産業機械に用いられるダイヤモンドノズルといった部品です。
また、実装機用ノズル等を洗浄する装置の開発・製造・販売も手掛けています。微細精密加工技術と装置開発技術の複合により、化学反応用マイクロリアクターシステムの開発・製造・販売も行っています。収益は、これらの特殊精密部品、工具、装置の販売から得ています。

化学繊維用紡糸ノズル事業

この事業では、主に化学繊維用の紡糸ノズルや不織布製造装置、不織布関連ノズル等を生産しています。航空機向けを中心とした炭素繊維用ノズルや不織布用ノズルの販売が堅調に推移しています。
また、たばこ用フィルター向けノズルの受注・販売も回復基調に転じています。収益は、これらのノズルや装置の販売から得ています。

D-Next事業

この事業は、太陽光発電向けダイヤモンドワイヤの製造・販売に関する経験とノウハウを活かし、ダイヤモンドワイヤ製造装置(PHX-01)の開発・販売を行っています。さらに、パワー半導体向けダイヤモンドワイヤの開発・製造・販売へと事業モデルの転換を進めています。
収益は、ダイヤモンドワイヤ製造装置やダイヤモンドワイヤの販売から得ています。

マテリアルサイエンス事業

この事業は、東京大学との共同開発により、ゼオライトを低コストでナノサイズ化する技術開発に成功し、この技術を用いて開発したナノサイズゼオライトの事業化を目指しています。ナノサイズ化されたゼオライトは、透明性や高分散などの特長が付加され、機能性が向上しています。
現在、透明吸湿フィルム分野をはじめ、半導体・電子基板封止剤や塗料、抗菌・抗ウイルスコーティング剤、コスメ、ヘルスケア分野等の企業において、ナノサイズゼオライトを利用した製品開発が進められています。収益は、ナノサイズゼオライトの開発・販売から得ています。

当連結会計年度の売上高は前年同期比で増加しており、特殊精密機器事業、化学繊維用紡糸ノズル事業、マテリアルサイエンス事業が売上高を伸ばしました。一方で、D-Next事業は売上高が減少しています。地域別では中国市場からの収益が日本市場に次いで大きな割合を占めており、主要な顧客としてNATIONAL FOX LIMITED.への販売が引き続き大きな割合を占めています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
化学繊維用紡糸ノズル事業 16.8億円 17.8億円
特殊精密機器事業 7.1億円 7.4億円
D-Next事業 2.4億円 2.3億円
マテリアルサイエンス事業 10百万円 13百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、過去5年間で変動が見られますが、直近の当連結会計年度では前年同期から増加しました。経常利益は過去数期にわたり損失を計上しており、当連結会計年度も損失となっています。親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度において特別利益の計上により利益となりました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 40.4億円 33.2億円 24.1億円 26.4億円 27.7億円
経常利益 3.4億円 66百万円 △5.5億円 △22百万円 △1.4億円
経常利益率 8.4% 2.0% △22.9% △0.8% △5.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 △2.6億円 △1.2億円 1.4億円 △33百万円 2.8億円
1株当たり当期純利益(円) △23.97 △11.29 13.08 △2.98 25.07

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、当連結会計年度において前期から増加しています。一方、従業員1人あたり営業利益(連結)は、当連結会計年度において前期から減少しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 18.9百万円 47.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.1百万円 △2.8百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、事業活動と投資活動を通じて資金を創出している状態です。手元資金の厚みや資金の流れから、現在の財務基盤を把握することができます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率と手元資金の状況から確認できます。当期の自己資本比率は63.9%であり、プライム市場の製造業平均46.8%と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は29.0%で、プライム市場平均の9.4%を大きく上回る結果となっています。手元資金である現金及び預金は10.8億円を確保しており、事業継続に必要な資金が確保できている状況です。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で重要な要素となります。

指標 2025年3月期 2026年3月期
純資産 8.2億円 11.0億円
自己資本比率 15.1% 63.9%
ROE(自己資本利益率) - 29.0%
現金及び預金 13.1億円 10.8億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは3.9億円の収入となりました。これは主に棚卸資産の減少額や税金等調整前当期純利益の増加によるものです。投資活動によるキャッシュフローは16.7億円の収入となっており、連結子会社株式の売却による収入が主な要因です。結果として、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは20.6億円のプラスとなっています。一方で、財務活動によるキャッシュフローは23.0億円の支出となり、短期借入金や長期借入金の返済が主な要因です。

当期は子会社売却による収入が投資活動のプラスに大きく寄与し、本業の営業活動でも資金を創出しています。財務活動では借入金の返済を進めており、財務体質の改善を図っている状況です。このような資金の流れは、今後の事業展開や雇用・給与の安定性に影響を与える可能性があります。

項目 2025年3月期 2026年3月期
営業CF 1.2億円 3.9億円
投資CF △45百万円 16.7億円
財務CF △2.6億円 △23.0億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 78百万円 20.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、新規事業であるナノサイズゼオライトの事業化に関するリスクを認識しています。サンプル評価に時間を要したり、量産顧客の獲得が実現できなかったりした場合、固定費負担が継続し業績や財務状態に影響を及ぼす可能性があります。また、海外取引に関するリスクも挙げられています。海外販売比率が高く、地政学リスクや急激な為替変動が海外での営業活動や国際物流に影響を及ぼし、業績及び財務状態に影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、人材の確保に関するリスクを認識しています。主要な経営陣への依存度が高く、また、重要な人材の確保と育成が将来的に困難になった場合、同社グループの成長、業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


中村超硬は、長年培ってきた開発力と技術力を基盤とし、顧客満足度の向上と社会貢献を目指す企業です。全員参加の経営を通じて「ものづくりのエキスパート集団」となり、夢ある未来を共に育むことを掲げています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは「努力、活力、創造力」を経営理念としています。全員営業、全員製造、全員参加の経営を推進し、「ものづくりのエキスパート集団」となることを目指しています。

そして、夢ある未来を共に育てることをビジョンとして掲げています。お客様や協力会社との共栄、従業員とその家族の幸せ、社会と地球環境への貢献を重視する方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、従業員の成長が組織力と競争力の源泉であると考えています。従業員一人ひとりの自己実現とチャレンジできる成長の機会を提供することで、持続的な企業価値の向上を目指す方針です。

従業員が高い志を持ち、自律的に学び、新たな技術にチャレンジし続けられるよう、人事制度や人材育成の改善に継続的に取り組んでいます。特に技術面では、「ものづくりのエキスパート集団」となるべく、国家技能検定の受検を推進するカルチャーがあります。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、企業価値を最大化するための成長戦略「Reスタート2026」を推進しています。その中で、持続的発展のために技術競争力に裏打ちされた研究開発力の強化を課題としています。

「エネルギー」「環境」「医療」を事業領域の3本の柱とし、産官学連携も視野に入れながら次世代技術の研究開発を進めています。また、高度かつ熟練した生産技術の次世代への継承と、経営の中核を担う人材の育成も急務と捉え、人材の確保・育成に注力しています。さらに、コンプライアンス体制の継続的な強化と内部牽制が機能する管理体制の構築を通じて、内部管理体制の強化も進めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


中村超硬は、2026年6月26日開催の定時株主総会で監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しました。取締役会は社外取締役1名を含む取締役5名と、監査等委員である社外取締役3名で構成されています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


中村超硬の株主構成を見ると、筆頭株主は楽天証券です。上位には代表取締役会長の井上誠氏や代表取締役社長の井上紘章氏、取締役の井上絢哉氏といった創業家関係者、および関連会社であるナカムラコーポレーションが名を連ねています。

株主名 持株比率
楽天証券 3.09%
井上 誠 2.35%
ナカムラコーポレーション 1.62%
井上 紘章 1.26%
井上 絢哉 1.21%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役会長は井上誠氏が、代表取締役社長は井上紘章氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
井上 誠 代表取締役会長 1978年4月ソニー入社、1983年12月同社入社、1995年4月同社代表取締役社長、2026年6月同社代表取締役会長より現職。
井上 紘章 代表取締役社長 2005年4月株式会社アイ・ピー・エス入社、2008年8月同社入社、2022年6月同社常務取締役営業本部長、2026年6月同社代表取締役社長より現職。
田植 啓之 常務取締役管理本部長 1990年4月株式会社ダイエー入社、2001年7月同社入社、2024年6月同社取締役管理本部長、2026年6月同社常務取締役管理本部長より現職。
井上 絢哉 取締役DW生産部長 2002年11月東電気工業株式会社入社、2008年6月同社入社、2022年6月同社取締役DW生産部長より現職。


社外取締役は、京谷忠幸氏(ピーエムティー代表取締役社長)、加藤彰氏(ニデックグローバル税務企画部部長・常勤監査等委員)、松村安之氏(唯一法律事務所代表・監査等委員)、中川雅晴氏(公認会計士中川雅晴事務所代表・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、独立性の確保された監査等委員である社外取締役3名が、取締役の業務執行の監査・監督を行い、経営の健全性と透明性の維持・向上を図る体制となっています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬について、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして株主利益と連動した報酬体系を基本方針としています。業務執行取締役の報酬は、固定報酬としての金銭報酬(月額報酬及び賞与)と非金銭報酬(ストックオプション)で構成され、業績連動報酬は定めていません。監督機能を担う社外取締役については、月額報酬のみとしています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 6名 85百万円 14.1百万円
社外役員 5名 19百万円 3.7百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。