※本記事は、株式会社ファンデリー の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ファンデリーは、健康食宅配事業、冷凍食宅配事業、およびマーケティング事業を展開しています。MFD事業で培った医療機関との紹介ネットワークを活用し、マーケティング事業でサンプリング業務を行うなど、収益源を多様化しています。
単体従業員数は41名です。セグメントはMFD事業、CID事業、マーケティング事業の3つです。
ファンデリーは、MFD事業、CID事業、マーケティング事業を自社で展開しています。特にCID事業では、旬の国産食材にこだわった冷凍食を自社工場で製造し、ECサイトや小売店で販売しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ファンデリーは、健康食宅配サービスを通じて社会貢献を目指す企業です。専門性の高い管理栄養士・栄養士の育成と確保を重視しており、従業員が長く活躍できる環境づくりに力を入れています。ライフイベントに応じた柔軟な働き方にも対応し、従業員の健康と成長を支える方針です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ファンデリーでは、従業員の平均年齢が比較的若く、平均勤続年数も一定の期間を示しています。これは、若手人材がキャリアを築きながら、専門性を高めていく傾向があることを示唆しています。同社は、離職率の低下や平均勤続年数の延伸を目標としており、長期的な人材育成に注力しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,737,000円 |
| 平均勤続年数 | 6.5年 |
| 平均年齢 | 30.7歳 |
| 単体従業員数 | 41人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
同社は、従業員の退職給付制度として確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ファンデリーは、「お客様の健康を心から願う企業であり続けます」という経営理念のもと、ヘルスケア総合企業を目指しています。特に、管理栄養士・栄養士の専門人材の確保と育成を事業発展に不可欠と位置づけ、企業理念を体現する人材の育成に注力しています。
給与は基本給と賞与で構成され、年齢や性別、勤続年数に関わらず、専門人材として高い付加価値を創出する従業員に報いる制度設計です。基本給は職務・職責と評価に基づき、業界内で競争力のある水準を確保しています。賞与は同社や部門の業績、個人の貢献度に加え、人材育成や組織課題解決といった定性的な要素も考慮して決定されます。
従業員の育成と社内環境整備にも力を入れており、社内研修や外部講師による講演会、ジョブローテーションを積極的に実施しています。入社時だけでなく、年次や役職に応じた研修プログラムも充実させ、従業員の継続的な成長を支援しています。また、従業員の健康を重視し、喫煙を認めない方針を推進するなど、働きやすい環境づくりにも取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ファンデリーは、健康食宅配、冷凍食宅配、そしてマーケティングの3つの事業を展開し、お客様の健康で豊かな食生活をサポートしています。独自のビジネスモデルを構築し、収益源を多様化させていることが特徴です。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、生活習慣病患者向けの健康食宅配から、旬の食材にこだわった冷凍食、さらには医療機関ネットワークを活用したマーケティング支援まで、幅広いサービスを提供しています。これらの事業は相互に関連し、シナジーを生み出しています。
MFD事業
MFD事業は、健康食『ミールタイム』の宅配サービスを提供しています。同社栄養士による無料カウンセリングや、お客様の疾病・制限数値・嗜好に合わせたメニュー選びのサポートが特徴です。全国の医療機関を中心とした紹介ネットワークを通じて、生活習慣病患者などを主な顧客としています。
収益は、健康食の販売から得ています。MFD事業は同社の売上高の大部分を占める主力事業であり、前期から収益が増加しています。
CID事業
CID事業は、旬の国産食材にこだわった冷凍食『旬をすぐに』の宅配サービスを展開しています。若年層や仕事・家事で忙しい方をターゲットに、電子レンジで温めるだけで食べられる冷凍食をECサイトや小売店で販売しています。自社工場での製造やAIが顧客の嗜好を学習する定期購入サービスも特徴です。
収益は、冷凍食の販売から得ています。CID事業は前期から収益が大きく増加しています。
マーケティング事業
マーケティング事業は、健康食通販カタログの誌面広告枠販売や、医療機関を中心とした紹介ネットワークを活用したサンプリング業務を受託しています。健康志向の商品を製造・販売する食品メーカー等に対し、効果的なマーケティング活動を支援しています。管理栄養士・栄養士向けコミュニティサイトやレシピサイトの運営も行っています。
収益は、広告枠販売や業務受託、メディア運営による収益から得ています。マーケティング事業は前期から収益が大きく増加しています。
同社は本邦以外の外部顧客への売上高がないため、海外売上はありません。MFD事業が同社の売上高の大部分を占めており、主力事業となっています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| MFD | 19.7億円 | 20.2億円 |
| マーケティング | 3.9億円 | 4.8億円 |
| CID | 1.0億円 | 1.2億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高が増加し、営業利益、経常利益、当期純利益ともに黒字転換を果たしました。前期は営業損失、経常損失、当期純損失を計上していましたが、今期は大幅な改善が見られます。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の単体従業員数は41名です。平均勤続年数は6.5年となっており、平均年齢は30.7歳です。平均年間給与は4,737千円となっています。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ファンデリーは、本業で安定的に資金を生み出し、投資活動後も手元に資金を残している状況です。これは、同社が事業活動を通じて資金を創出し、将来に向けた投資も行いつつ、財務的な健全性を維持していることを示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ファンデリーの財務基盤を見ると、自己資本比率は当期で7.4%となっており、前期の5.3%から増加しています。これは東京証券取引所プライム市場の非製造業平均と比較すると低い水準です。
一方、ROE(自己資本利益率)は当期で24.7%と、前期の△82.7%から大きく改善し、プライム市場平均を上回る水準を示しています。手元資金である現金及び現金同等物は当期末で5.5億円となり、前期末の7.6億円から減少しました。
これらの状況は、同社が財務体質の改善を進めつつも、引き続き資金の効率的な運用が求められる段階にあることを示しており、今後の事業展開や雇用環境の安定性を見極める上でのポイントとなります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 2.2億円 | 2.9億円 |
| 自己資本比率 | 5.3% | 7.4% |
| ROE(自己資本利益率) | △82.7% | 24.7% |
| 現金及び現金同等物 | 7.6億円 | 5.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ファンデリーのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは1.6億円の収入となりました。これは主に税引前当期純利益の計上や減価償却費の増加によるものです。
投資活動によるキャッシュフローは1.0億円の支出となっており、有形固定資産の取得や敷金及び保証金の差入による支出が主な要因です。財務活動によるキャッシュフローは2.7億円の支出となり、長期借入金の返済が主な要因となっています。
結果として、フリーキャッシュフローは0.6億円の収入となり、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している状況です。これは、同社が事業活動を通じて安定的に資金を創出し、将来に向けた投資も行いつつ、財務的な健全性を維持していることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる要素と言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 1.6億円 |
| 投資CF | - | △1.0億円 |
| 財務CF | - | △2.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | 0.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
ファンデリーは、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると開示しています。これは、前事業年度以前に多額の営業損失及び経常損失を計上した結果、当事業年度末においても長期借入金に係る財務制限条項の一部に抵触しているためです。
同社は、取引金融機関との良好な関係構築や根抵当権の設定、資金繰り計画の検討を通じて、この状況を解消すべく対応を進めています。その結果、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しています。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、主力サービスである健康食宅配サービス『ミールタイム』および食事宅配サービス『旬をすぐに』の会員数拡大が計画通りに進まない場合、事業及び業績に影響を与える可能性があると認識しています。
また、健康食宅配市場や食事宅配市場における競合の激化もリスクとして挙げており、商品や製品の品質・価格面での競争優位性が確保できない場合に業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、今後の事業拡大に伴い、営業人員や製造・管理部門の人員確保と育成が計画通りに進まない場合、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じるリスクを挙げています。また、人員の流出が生じた場合にも、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があると認識しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ファンデリーは、社会の健康課題解決に貢献するヘルスケア総合企業として、お客様の豊かな食生活と未来社会の実現を目指しています。事業活動を通じて社会価値と経済価値の両方を追求するサステナビリティ経営を重視する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ファンデリーは、ヘルスケア総合企業を目指し、お客様に満足度の高い商品とサービスを提供することで、中長期的な収益力向上を図ることを経営方針としています。同社は「一人でも多くのお客様に健康で楽しい食生活を提案し、豊かな未来社会に貢献します」という企業理念を掲げています。
健康増進には「食事コントロール」が第一であり、困難な場合に「医療」を行うという考え方を『一食二医』という独自の造語で提唱しています。同社は今後も『一食二医』社会を実現すべく事業に取り組んでいく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ファンデリーは、企業理念を念頭に、お客様にとって価値の高い商品とサービスを提供し、品質向上に努めることを重視しています。特に、同社の強みである管理栄養士・栄養士によるきめ細かい栄養相談を活かすことを大切にしています。
同社は、持続的な社会の実現に責任をもって取り組み、事業を通じて社会課題の解決に寄与することを目指しています。顧客、取引先、従業員、株主、環境、社会との関係性を重要視し、サステナビリティを重視した経営を実践しています。人的資本を最重要と考え、食と栄養の専門家である管理栄養士・栄養士の確保と育成に力を入れています。
また、企業理念に基づき、公正で透明性の高い経営に取り組み、ステークホルダーとの良好な関係構築を通じて企業価値の向上を目指すことを基本的な考えとしています。従業員の健康のために喫煙を認めないことを推進するなど、社内環境整備にも取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ファンデリーは、対処すべき課題として人材の確保・育成を挙げています。少子高齢化や人口減少による人手不足に伴う採用競争に直面しており、事業運営や顧客数拡大に必要な人材の確保が課題となっています。
同社の持続的な成長のためには、技術や知識を兼ね備えた人材の教育と中間層の強化による組織力強化も重要です。そのため、同社は人材への投資を積極的に行い、人材の確保・育成を推進していく方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ファンデリーは監査等委員会設置会社へ移行しており、取締役会は社外取締役を含む複数の取締役で構成されています。これにより、経営の監督機能の強化と透明性の高い経営を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ファンデリーの株主構成を見ると、筆頭株主は阿部公祐氏であり、創業家が上位を占めていることが特徴です。これにより、特定の株主グループが経営に強い影響力を持つ傾向があります。安定した経営基盤のもと、事業運営が行われていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 阿部 公祐 | 59.96% |
| 阿部 ふよう | 1.97% |
| 利川 美緒 | 1.24% |
| 相田 泰道 | 0.79% |
| 阿部 美子 | 0.66% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性5名・女性1名)で構成され、女性役員比率は16.7%です。代表取締役MFD事業部長は阿部公祐氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 阿部 公祐 | 代表取締役 MFD事業部長 | 1996年4月 朝日火災海上保険株式会社(現 楽天損害保険株式会社)入社。2000年9月 同社設立 代表取締役。2025年5月 代表取締役 MFD事業部長より現職。 |
| 利川 美緒 | 取締役 マーケティング事業部長 | 2001年4月 同社入社。2010年7月 取締役 マーケティング事業部長。2025年5月 取締役 マーケティング事業部長より現職。 |
| 茅野 智憲 | 取締役 経営管理本部長 | 2008年12月 あずさ監査法人(現 有限責任 あずさ監査法人)入所。2013年3月 同社入社。2020年6月 取締役 経営管理本部長より現職。 |
社外取締役は、松澤秀人氏(原田工業エグゼクティブアドバイザー・常勤監査等委員)、成願隆史氏(公認会計士成願隆史事務所所長・監査等委員)、浅井耕作氏(CO Partners代表取締役・監査等委員)です。
同社は2025年6月24日付で監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しています。監査等委員である取締役が取締役会における議決権を持つことで、取締役会の監督機能強化と透明性の高い経営を目指しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ファンデリーの役員報酬は、中長期的な視点での経営を重視し、基本報酬の水準と安定性を基本方針としています。業務執行取締役の報酬は、各職責に応じた適正な水準を考慮し、月例の金銭による固定報酬のみで構成されています。監査等委員である取締役の報酬も、独立性確保のため固定報酬のみで、業績連動の要素はありません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 64百万円 | 21.3百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 23百万円 | 5.8百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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