※本記事は、大木ヘルスケアホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
大木ヘルスケアホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は15名、グループ連結従業員数は685名です。
同社グループは、連結子会社8社を中心に、医薬品、健康食品、化粧品、衛生用品、日用雑貨品などのヘルスケア・カテゴリーにおける製造・販売および中間流通業を展開しています。生活者の潜在需要を顕在化させることを目指し、積極的な商品提案と安定供給に努めています。
主な国内グループ会社は、大木(医薬品等製造・販売業)、大木製薬(同)、エーアイピー大木(同)、奈良ドラッグ(同)、日野薬品工業(同)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
大木ヘルスケアホールディングスは、人的資本を重要な経営資源と位置づけ、多様な人材の育成と働きやすい環境の整備に注力しています。同社グループは、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる組織づくりを目指しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均勤続年数が長く、平均年齢も高めであることから、従業員が長期的にキャリアを形成しやすい環境にある傾向がうかがえます。なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,856,000円 |
| 平均勤続年数 | 26.5年 |
| 平均年齢 | 57.1歳 |
| 単体従業員数 | 15人 |
| 連結従業員数 | 685人 |
| 単体のグループ内比率 | 2.2% |
同社グループは、確定給付型と確定拠出型の退職給付制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。これらの制度は、同社及び連結子会社4社に適用されています。
退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。確定給付制度における退職給付債務の期末残高は8.1億円です。また、複数事業主制度の企業年金制度への要拠出額は48百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、事業が提供する付加価値の源泉を人的資本と捉え、「大木の精神」に基づき、社会への役立ちを志す人材の結集と、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる組織の構築に努めています。需要創造型の新しい中間流通業を目指すため、失敗を恐れずに挑戦し続ける人材を不可欠とし、多様なジェンダー、年齢、国籍、キャリアを受け入れ、安定的かつ長期にわたる雇用機会を提供し、その育成に注力しています。
報酬決定においては、「努力する人材に報いる」との方針に基づき、生み出した収益や成果に基づいて「賃金決定の大原則」にのっとり、社内外の経済及び雇用環境を踏まえた競争力のある賃金水準を念頭に賃金の引上げを行っています。個々の従業員の成果や役割に応じた公正・公平・適正な処遇を行う賃金体系を構築しています。非正規雇用者に対する処遇も重要な課題として位置付け、雇用形態にかかわらず、従業員が能力を発揮できるよう、公平性と納得感のある処遇と職場環境の整備に努めています。
具体的な人材育成としては、新入社員やキャリア採用社員に対する研修、米国視察研修、社内eラーニング制度、国内大学院への留学や派遣、外部研修プログラム参加への補助金交付等、多種多様な機会を提供しています。また、産休・育休制度、時短勤務・在宅勤務制度等の働き方の多様化を始めとして、外国籍人材やシニア人材の採用及び登用、異業種を含む経験者人材の採用及び登用を積極的に行っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社及び他の連結子会社は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 株式会社大木
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 11.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 52.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 77.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 62.0% |
▼ 大木製薬株式会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 4.8% |
指標及び目標
主要な連結子会社である株式会社大木の数値です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 11.9% |
| 男性の育児休業取得率 | 0.0% |
| 男女間賃金格差(正規雇用労働者) | 77.5% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
大木ヘルスケアホールディングスは、医薬品等の製造・販売を主軸とするヘルスケア分野の持株会社です。同社グループ全体の経営管理を通じて、人々の美と健康、快適な生活を支える事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
大木ヘルスケアホールディングスは、2015年10月に株式会社大木の完全親会社として設立された持株会社です。同社は傘下グループ会社の経営管理およびそれに付帯する業務を行っており、連結子会社8社で構成されています。同社グループの主な事業内容は医薬品等の製造・販売業であり、単一のセグメントとして事業を営んでいます。
同社グループは「医薬品スタンディングの美と健康と快適な生活にウイングをもつ需要創造型の新しい中間流通業」を掲げています。医薬品、健康食品、化粧品、衛生用品、日用雑貨品で構成されるヘルスケア・カテゴリーを対象に、生活者の潜在需要を顕在化させることを目指し、積極的な商品提案と安定供給に努めています。具体的には、小売企業やメーカーとパートナーシップを組み、新しいカテゴリーの提案や商品開発支援、販売プロモーション支援、販売体制構築などの店頭販売力強化サポートに取り組んでいます。
また、流通限定品の売上構成比を高めることで非価格競争力の向上を図り、物流部門をはじめとする間接業務の効率化による経費削減を進めています。電子化・デジタル化への先行投資も行い、グループ全体および流通業界関係者を対象とした業務改善に取り組んでいます。同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が90%を超えており、国内事業が中心となっています。
主要な顧客としては、アマゾン・ジャパン合同会社や株式会社スギ薬局があります。製品およびサービスごとの収益では、医薬品、健康食品、化粧品などが主要な構成を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は一貫して増加傾向にあります。しかし、直近の当連結会計年度においては、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益が前期から大きく減少しています。
これは、売上総利益が減少した一方で、販売費及び一般管理費が増加したことにより、営業利益が大幅に減少したことが影響しています。物価の高止まりや大手小売企業の取引条件見直し、価格転嫁の遅れ、人件費や物流コストの上昇などが、利益を圧迫する要因として挙げられています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,782億円 | 3,044億円 | 3,347億円 | 3,495億円 | 3,604億円 |
| 経常利益 | 15.8億円 | 31.5億円 | 32.6億円 | 39.9億円 | 19.6億円 |
| 経常利益率 | 0.6% | 1.0% | 1.0% | 1.1% | 0.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 9.7億円 | 21.8億円 | 22.1億円 | 26.4億円 | 13.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 70.51 | 158.22 | 160.45 | 193.49 | 98.23 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から減少しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から減少する結果となりました。
これらの指標は、同社グループ全体の生産性が前期と比較して低下していることを示しています。売上高の伸びが鈍化し、営業利益が大きく減少したことが、1人あたりの稼ぐ力に影響を与えていると考えられます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 539.3百万円 | 526.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 4.3百万円 | 1.0百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務基盤と資金の流れは、現在の事業状況を反映しています。これらの状況は、入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で重要な情報となります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの純資産は増加傾向にあります。自己資本比率は非製造業のプライム市場平均と比較して低い水準となっています。ROE(自己資本利益率)は前期から低下しています。現金及び預金は減少しており、手元資金の状況は変化しています。これらの財務状況は、同社グループの事業運営における資金の安定性を示すものです。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 311億円 | 342億円 |
| 自己資本比率 | 22.2% | 23.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 9.0% | 4.1% |
| 現金及び預金 | 28.8億円 | 22.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、当連結会計年度において営業活動によるキャッシュフローがマイナスとなっています。これは主に棚卸資産の増加によるものです。投資活動によるキャッシュフローもマイナスであり、固定資産の取得に資金が使用されています。その結果、フリーキャッシュフローはマイナスとなっています。財務活動によるキャッシュフローはプラスであり、主に借入によって資金を調達している状況です。これらの資金の流れは、同社グループが事業運営において資金を使用していることを示しており、今後の資金創出能力が雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △91.8億円 | △14.2億円 |
| 投資CF | △31.3億円 | △6.7億円 |
| 財務CF | 68.9億円 | 14.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △123.2億円 | △20.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、医薬品卸売業界特有の商慣習として、医薬品メーカーからの販売報奨金制度の変更や、大手量販ストアー・ドラッグチェーンからの物流負担金(センターフィー)の料率変更による業績への影響リスクを認識しています。また、ドラッグストア・薬局を中心とする取引先に多額の売掛債権を有しており、取引先の財務状況悪化による回収滞りのリスクも挙げています。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
大木ヘルスケアホールディングスは、ヘルスケア事業を通じて生活者と社会の課題解決に貢献し、持続的な成長を目指す企業です。独自の価値観と戦略に基づき、社会に貢献する組織づくりを進めています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「医薬品スタンディングの美と健康と快適な生活にウィングを持つ需要創造型の新しい中間流通業」を目指しています。同時に「流通コストのナショナルミニマムを実現する中間流通業」として、小売店と一体となって消費者満足の向上を通じて社会に貢献することを社会的使命と考えています。
お客様から信頼される商流力を確立し、お客様にとって欠くことのできないオンリーワンの卸売業者となることを目指しています。需要創造型の中間流通業として、名実ともにヘルスケア・カテゴリーにおけるオンリーワン卸の実現に取り組む所存です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループの経営理念である「大木の精神」は、サステナビリティへの取り組みを示しています。社会への役立ちを志す人材が集い、組織を形成することで、生活者を取り巻く社会問題や環境課題等に対して、ヘルスケア商品と適切な情報を提供し、解決手段を提案することを目指しています。
株主、取引先、仕入先、地域社会、従業員等、あらゆるステークホルダーとの間に良好な関係とつながりを構築し、長期的視点に立ったグループ企業価値の向上を目標としています。
人的資本を付加価値の源泉と捉え、人材の多様化の確保を含む人材育成に関する方針を掲げています。多様なジェンダー、年齢、国籍、キャリアを受け入れ、安定的かつ長期にわたる雇用機会を提供し、個を活かす自己啓発や自己研鑽を奨励する人材育成を行う方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、新しい商品の開発支援や新しいカテゴリーの提案を通じて、新規需要の開拓と潜在需要の顕在化に努めています。これにより、一人当たりのヘルスケア関連商品の消費支出の拡大を目指しています。
また、生活者のニーズを的確に捉え、生活者の満足を高め、豊かな生活を実現することを通じて社会に貢献することを経営方針として掲げています。
併せて、継続的なコスト削減と業務の効率化に努め、経営改善を進めることを重点テーマとしています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
大木ヘルスケアホールディングスは持株会社体制を採用しており、取締役会と監査役会が経営を監督する体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
大木ヘルスケアホールディングスは、複数の事業会社が大株主として名を連ねる資本構成となっています。筆頭株主はロート製薬であり、東邦ホールディングスや国分グループ本社といった企業も上位株主として同社グループを支えています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ロート製薬 | 12.90% |
| 東邦ホールディングス | 10.36% |
| 国分グループ本社 | 7.33% |
| 大木ヘルスケアホールディングス取引先持株会 | 4.44% |
| 三菱UFJ銀行 | 4.16% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性10名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は松井秀正氏が務めています。社外取締役比率は14.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 松井秀正 | 代表取締役社長 | 1999年4月同社入社、システム部副部長、東京支店長などを経て、2010年6月同社代表取締役副社長に就任。2015年10月当社代表取締役副社長兼統括管理本部本部長、2018年6月より当社代表取締役社長に現職。 |
| 宇部由信 | 代表取締役専務取締役 | 1982年4月同社入社、東京支店中央第一営業所販売課長、多摩支店長などを経て、2009年6月同社代表取締役専務取締役に就任。2015年10月より当社代表取締役専務取締役に現職。 |
| 松井秀夫 | 取締役会長 | 1972年8月同社入社、総務部長、大阪支社長などを経て、1996年12月同社代表取締役社長に就任。2018年6月当社代表取締役会長、2022年6月より当社取締役会長に現職。 |
| 荒山周久 | 取締役 | 1992年4月同社入社、大阪支社営業部第四チームマネージャー、大阪支店営業部長などを経て、2012年6月同社取締役に就任。2015年10月より当社取締役に現職。 |
| 木村充宏 | 取締役 | 1997年4月同社入社、神奈川支社第四チームマネージャー、四国支店支店長などを経て、2019年6月同社取締役執行役員営業本部副本部長兼東京支社支社長に就任。2025年6月より当社取締役に現職。 |
| 山岡研一 | 取締役 | 1992年4月日本興業銀行(現みずほ銀行)入行、みずほ第一フィナンシャルテクノロジー取締役金融工学第一部長などを経て、2020年9月同社入社。2024年6月より当社取締役に現職。 |
社外取締役は、川上眞吾氏(サン・ダイコー顧問)です。
社外監査役は、田中安氏(ジャパンペットコミュニケーションズ顧問)、駒﨑一郎氏(AQスキンソリューションズジャパン代表取締役会長)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役1名と社外監査役2名が経営の監督機能を担っています。社外役員は、それぞれの専門的な知見と独立した立場から、経営に対する提言や監督を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
大木ヘルスケアホールディングスの役員報酬は、固定額の金銭報酬100%で構成されています。報酬額は、会社の業績や職務内容、貢献度、従業員給与の最高額、世間相場などを総合的に考慮し、取締役会から委任された代表取締役が決定する方針です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 7名 | 1.5億円 | 21.0百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 11百万円 | 11.0百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 3百万円 | 1.0百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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