※本記事は、株式会社オープンドア の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
オープンドアグループは、旅行比較サイト「トラベルコ」の運営を主軸とする旅行関連事業を展開しています。同社は、1,500以上の予約サイトから海外・国内の旅行商品を一括検索・比較できるメタサーチサイトを提供しています。
単体従業員数は181名、連結従業員数は191名です。同社グループの報告セグメントは「旅行関連事業」の1つです。
主な国内グループ会社は、ホテルスキップなどです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
オープンドアは、インターネット市場の技術革新と市場拡大が同時進行する中で、従業員の数と質が競争力を左右する重要な要素であると認識しています。そのため、優秀な人材の採用と育成に注力し、働きがいのある職場環境の構築を目指しています。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社の環境を詳しく見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が6.6年、平均年齢が37.4歳となっており、比較的若い年齢層で構成されながらも、一定の定着傾向が見られます。従業員数は単体で181人、連結で191人であり、単体従業員がグループ全体の大部分を占める体制です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,886,000円 |
| 平均勤続年数 | 6.6年 |
| 平均年齢 | 37.4歳 |
| 単体従業員数 | 181人 |
| 連結従業員数 | 191人 |
| 単体のグループ内比率 | 94.8% |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「新たな挑戦を恐れず、たゆまぬ革新性をもって、社会の豊かさ、喜び、未来に貢献し続ける」という企業理念のもと、AIをはじめとする技術革新が進むインターネット市場において、優秀な人材の採用と継続的な育成を重要な課題と位置づけています。この課題に対応するため、AI人材を含む優秀な人材の採用・育成に注力し、働き甲斐のある職場環境の構築を基本方針としています。
給与その他の給付は、社会的水準、会社の支払能力、物価、本人の能力、役割や業績への貢献度などを総合的に考慮して決定される方針です。多様性の確保にも力を入れており、性別・国籍・入社経路を問わず優秀な人材を積極的に登用し、能力を発揮できる体制づくりや教育研修制度の見直しを進めています。
女性の就労環境の充実に向けては、リモートワークや時差勤務制度の定着、教育研修制度の拡充、育児休業の取得推進、育児短時間勤務制度の周知など、多角的な視点から取り組みを進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の額の差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 9.5% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率(2030年3月31日目標) | 15.0% |
| 女性管理職比率(2026年3月31日実績) | 9.5% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
オープンドアは、旅行比較サイト「トラベルコ」の運営を主軸とする旅行関連事業を展開しています。ユーザーが国内外の様々な旅行商品を一括で検索・比較できるサービスを提供しており、旅行の計画から予約までをサポートしています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、旅行関連事業を主たる業務としています。主力サービスである旅行比較サイト「トラベルコ」は、国内大手旅行会社や国内外のオンライン旅行会社(OTA)、ホテル、航空会社など1,500以上の予約サイトが販売する多様な旅行商品を横断的に検索・比較できるメタサーチサイトです。ユーザーは無料で利用でき、希望に合った旅行商品を見つけて予約や照会ができます。
収益モデルは主に3つの形態があります。一つは、旅行会社が「トラベルコ」に旅行商品を掲載し、ユーザーが予約や問い合わせを行った実績に応じて手数料を収受する成果報酬型の「従量課金収入」です。二つ目は、システム利用に伴う月額固定金額を旅行会社から収受する「固定課金収入」です。三つ目は、「トラベルコ」上の広告スペースを提供し、旅行関連企業から掲載料を収受する「広告収入」です。
連結子会社のホテルスキップは、個人顧客向けのホテル予約サイト「ホテリア」や航空券予約サイト「トラベリア」の運営、法人顧客への旅行商品の販売も行っています。同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が90%を超えており、国内市場が中心となっています。また、当連結会計年度においてはLINEヤフー株式会社への販売実績が全体の12.0%を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は第25期から第27期にかけて増加した後、第28期に一時的に減少しましたが、当期である第29期には再び増加に転じています。経常損失は第25期に大きく計上された後、第26期には大幅に縮小し、その後も損失が続いていますが、当期は前期に比べて損失額が減少しました。
親会社株主に帰属する当期純損失は、第25期に大きな損失を計上した後、第26期には大幅に縮小しましたが、第27期以降は再び損失が続いています。当期は前期と比較して損失額が大きく増加しました。これは主に、投資有価証券評価損や減損損失といった特別損失を計上したことによるものです。営業活動によるキャッシュ・フローは、当期も減少となりました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 12.0億円 | 20.6億円 | 25.6億円 | 24.1億円 | 24.5億円 |
| 経常利益 | △5.4億円 | △2百万円 | △1.6億円 | △1.0億円 | △34百万円 |
| 経常利益率 | △45.1% | △0.1% | △6.4% | △4.2% | △1.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △5.4億円 | △45百万円 | △1.7億円 | △1.2億円 | △11.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △17.57 | △1.44 | △5.49 | △3.89 | △36.48 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から当期にかけて増加しています。これは、従業員一人ひとりが生み出す売上高が増加傾向にあることを示しています。一方、従業員1人あたり営業利益は、前期に引き続き損失となっていますが、損失額は縮小しました。
これらの指標は、同社グループが売上高を伸ばしつつ、本業の損失を改善する傾向にあることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 12.5百万円 | 12.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △0.5百万円 | △0.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況を見ると、当期は損失を計上しており、キャッシュフローも減少しています。事業活動や投資活動における資金の流れから、現在の財務状態と今後の見通しを把握することが重要です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率を維持していることが特徴です。当期の自己資本比率は85.1%となっており、非製造業のプライム市場平均と比較しても非常に高い水準を示しています。一方で、ROE(自己資本利益率)は当期で-29.1%と大幅なマイナスとなっており、収益性には課題が見られます。手元資金である現金及び預金は21.4億円と一定の厚みがあるものの、前期からは減少しており、今後の資金繰りの動向が雇用や給与の安定性にも影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 43.4億円 | 34.8億円 |
| 自己資本比率 | 90.1% | 85.1% |
| ROE(自己資本利益率) | -2.6% | -29.1% |
| 現金及び預金 | 22.1億円 | 21.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、当期は営業活動によるキャッシュフロー、投資活動によるキャッシュフローともにマイナスとなっています。本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純損失の計上が主な要因となり、12百万円の減少となりました。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出が主な要因で、59百万円の減少となっています。財務活動によるキャッシュフローは変動がありませんでした。これらの結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは71百万円のマイナスとなっており、本業の稼ぎで投資を賄いきれていない状況を示しています。前期と比較すると、営業活動によるキャッシュフローの減少幅は拡大したものの、投資活動によるキャッシュフローの減少幅は大幅に縮小しています。このような資金の流れは、今後の事業展開や雇用、給与の安定性を検討する上で注視すべき点となります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △5百万円 | △12百万円 |
| 投資CF | △414百万円 | △59百万円 |
| 財務CF | △0百万円 | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △419百万円 | △71百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは旅行比較サイト「トラベルコ」を基盤とした事業を展開しており、同サイトの利便性低下や利用者数減少、旅行需要の減退などが事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、旅行比較サイト「トラベルコ」をはじめとした旅行関連事業には競合会社が複数存在します。大手企業の参入や同業他社によるサイト規模拡大でユーザー獲得競争が激化した場合、同社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループでは、今後の業容拡大のために能力の高い優秀な人材の確保及びその育成が急務となっています。人材の確保及び育成が不十分である場合には、同社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
オープンドアは、旅行比較サイト「トラベルコ」の運営を軸に、社会の豊かさや喜びに貢献することを目指しています。常に変化する市場ニーズに対応し、顧客満足度を追求する姿勢が同社グループの文化を形作っています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「新たな挑戦を恐れず、たゆまぬ革新性をもって、社会の豊かさ、喜び、未来に貢献し続ける」ことを企業理念としています。この理念のもと、「変化する市場ニーズに迅速に対応し、最速のスピードと最高のクオリティをもって顧客満足No.1を達成する」というミッションを掲げています。
旅行関連事業を軸に、持続的な成長と収益力強化を図ることを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、「新たな挑戦を恐れず、たゆまぬ革新性をもって」事業に取り組むことを重視しています。変化の速いインターネット市場において、技術革新への継続的な対応が求められる環境です。
人的資本への投資を重要視しており、AI人材を含む優秀な人材の採用と育成を課題と認識しています。多様性の確保に向けて、性別・国籍・入社経路を問わず優秀な人材を積極的に登用し、能力を発揮できる体制づくりや教育研修制度の見直しを進めています。
多様な人材が活躍できる職場環境の構築を目指し、制度拡充を図る方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、競争の激しいインターネット市場において、技術革新への対応を重要な課題と認識しています。特に生成AIをはじめとする新技術に適時に対応し、最適な商品やサービスの提供を目指しています。
サービスの知名度やブランド価値の向上も不可欠と考えており、優秀な人材の確保や他社との良好な提携関係の構築にも取り組んでいます。また、AI人材を含む優秀な人材の採用と継続的な育成、働き甲斐のある職場環境の構築を重点テーマとしています。
さらに、旅行比較サイト「トラベルコ」におけるAI検索機能の実装や、AI技術を活用した企業向けサービスの提供、伝統的工芸品のECマーケットプレイス事業の開始など、新サービスや新規事業の展開も推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
オープンドアの取締役会は代表取締役を議長とし、社外取締役を含む6名で構成されています。同社は監査役会設置会社であり、監査役会が取締役の職務執行を監査する体制です。
また、役員の指名・報酬について審議する指名・報酬委員会も設置されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
オープンドアの筆頭株主は代表取締役である関根大介氏です。関根大介氏は発行済株式の過半数を所有しており、支配株主に該当します。
その他、株式会社くふうカンパニーホールディングスや株式会社ザ・パス・インベストメントなどが上位株主に名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 関根 大介 | 51.56% |
| くふうカンパニーホールディングス | 7.00% |
| ザ・パス・インベストメント | 5.61% |
| CHINTAI | 5.15% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 2.93% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は関根大介氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 関根 大介 | 代表取締役社長 | 1994年10月 松下寿電子工業株式会社(現 PHC株式会社)入社。1997年4月 同社設立代表取締役社長就任より現職。 |
| 鈴木 秀明 | 取締役 管理本部長 | 2007年12月 監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)入所。2015年7月 同社入社 経理・財務部長就任。2017年6月 同社取締役就任より現職。 |
| 阿部 岳志 | 取締役 工芸本部長 兼 経営企画室長 | 1998年4月 名鉄観光サービス株式会社入社。2005年1月 同社入社。2025年6月 同社取締役、工芸本部長、経営企画室長就任より現職。 |
社外取締役は、清水淳子氏(弁護士)、井植敏彰氏(塩屋土地代表取締役社長)、髙田剛氏(和田倉門法律事務所代表パートナー弁護士)の3名です。また、社外監査役は松田道春氏(松田公認会計士事務所開設)、宮本康平氏(宮本公認会計士事務所代表)の2名です。
同社は監査役会設置会社です。社外取締役および社外監査役は、弁護士や事業法人の経営経験者、公認会計士など多様な専門知識を持つ人材で構成され、経営の意思決定や監査に助言・提言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
オープンドアの取締役の報酬は、固定金銭報酬と新株予約権による非金銭報酬で構成されています。監査役の報酬は金銭報酬のみです。
報酬等の決定方針は取締役会で決議され、代表取締役および社外取締役からなる指名・報酬委員会の答申を受けて決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 84百万円 | 20.9百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 9百万円 | 8.5百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 14百万円 | 2.9百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、取締役の報酬等の額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれておりません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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