【平均年収700万円】ヒロセ通商 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収700万円】ヒロセ通商 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

ヒロセ通商は、インターネットを通じた外国為替証拠金取引を主軸に、金融商品取引事業を展開しています。直近の連結会計年度では営業収益が増加し、経常利益は横ばい、親会社株主に帰属する当期純利益は減少となりました。


目次

※本記事は、ヒロセ通商株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ヒロセ通商グループは、インターネットを通じて投資家向けに外国為替証拠金取引を提供する金融商品取引事業を主軸としています。金融商品取引業者向けのホワイトラベルサービスや、店頭証券CFD取引、店頭商品CFD取引も展開しています。

単体従業員数は67名、連結従業員数は93名です。同社グループの事業セグメントは金融商品取引事業の1つです。

主な国内グループ会社は、JFX(金融商品取引事業)などです。

同社グループでは、HIROSE TRADING HK LIMITEDとHIROSE FINANCIAL LIMITEDの解散および清算手続きを進めています。また、前連結会計年度末に連結子会社であったLION PAYMENT UK LTD.は清算結了に伴い連結子会社から除外されました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ヒロセ通商は金融商品取引業を営む企業であり、給与水準や働き方について、その事業特性が反映された環境が期待されます。同社グループでは、社員一人ひとりの成長をサポートし、多様な人材が活躍できる職場環境の醸成に積極的に取り組んでいます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、社員の平均年齢が30代後半であり、平均勤続年数も一定の期間を示しています。これは、比較的若手から中堅の社員が中心となって業務を担い、長期的なキャリアを築いている傾向があることを示しています。

項目 数値
平均年間給与 6,998,000円
平均勤続年数 7.8年
平均年齢 37.7歳
単体従業員数 67人
連結従業員数 93人
単体のグループ内比率 72.0%


退職給付制度について、同社及び国内子会社は確定給付型の制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)として退職一時金制度を設けています。在外子会社には退職給付制度はありません。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、顧客への適切なサービス提供と顧客満足度向上を重要な課題と認識し、金融商品取引業者の社員として適切な知識、認識、サービス精神を持った優秀な人材の確保と継続的な育成を重視しています。意欲ある人材の採用・育成を積極的に行い、経営理念やコンプライアンスプログラムに基づく研修を通じて、全社員の育成を図っています。

従業員の給与(賞与を含む。)その他の給付の額及び内容については、各従業員の職種、職務内容、技能、経験、役割、及び同社の業績等を総合的に勘案し、個別に適切に決定する方針としています。

また、社員の多様性を活かし、一人ひとりの成長をサポートすることが持続的かつ安定的な組織成長につながると考え、多様な属性、才能、経験等をもった人材を積極的に採用しています。出産・育児等のライフステージの変化にも柔軟に対応できるよう、出産育児休暇・休業、時短勤務制度等の諸制度を整備し、職場環境の醸成に取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。

多様性・登用


本指標は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しています。女性管理職比率については、出向者を出向先の従業員として集計し、使用人兼務取締役を除いて集計されています。

指標 数値
女性管理職比率 47.4%
目標(2030年度末) 50.0%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ヒロセ通商グループは、主にインターネットを通じて外国為替証拠金取引を提供する金融商品取引事業を展開しています。投資家向けのサービス提供を通じて収益を上げており、その事業構造は多角的な収益源によって支えられています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


ヒロセ通商グループは、投資家向けにインターネットを通じた外国為替証拠金取引を主力事業としています。顧客は少額の証拠金を預託することで、その数倍の外貨を売買し、差金を授受する取引が可能です。同社グループは、顧客との取引から生じる為替変動リスクを回避するため、原則として自己ポジションを保有せず、カバー取引を行う方針をとっています。

収益は、顧客とカウンターパーティとの約定価格の差額から生じるカバー取引による収益、社内で買い注文と売り注文を相殺させる為替マリーによる収益、そして異なる通貨間の金利差から生じるスワップポイントによる収益が主な柱となっています。また、他の金融商品取引業者へのカウンターパーティとして注文を受注することでも収益を得ています。主力システムである「LION FX」を金融商品取引業者向けにカスタマイズし、ホワイトラベルサービスとして提供することも収益源の一つです。

外国為替証拠金取引のほか、主要国の株価指数やETFを対象とした店頭証券CFD取引、金や原油などの商品を対象とした店頭商品CFD取引も手掛けています。同社グループは、日本国内で培ったノウハウを活かし、英国、マレーシア、アンティグア・バーブーダの子会社を通じて海外顧客向けの金融商品取引も展開しています。低スプレッドや1,000通貨単位からの取引提供により、幅広い投資家層が投資に親しめる環境を整備し、特定の大口顧客に依存しない営業基盤の構築に努めていることが特徴です。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


ヒロセ通商グループの過去5期間の業績を見ると、営業収益は概ね増加傾向にあり、直近の連結会計年度では前期から増加しています。経常利益も同様に増加傾向を示していましたが、直近の2期間では横ばいとなっています。親会社株主に帰属する当期純利益は、直近2期間で減少傾向にあります。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
営業収益 87.2億円 103億円 107億円 102億円 105億円
経常利益 27.0億円 35.9億円 42.6億円 30.7億円 30.7億円
経常利益率 31.0% 34.7% 39.7% 30.1% 29.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 18.4億円 24.1億円 29.3億円 22.3億円 20.6億円
1株当たり当期純利益(円) 288.28 380.17 480.29 365.95 336.04

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


ヒロセ通商グループの従業員1人あたり営業収益は、前期から減少しています。また、従業員1人あたり営業利益も同様に前期から減少する傾向が見られます。これらの指標は、組織全体の生産性を示すものとなっており、従業員一人ひとりの稼ぐ力や効率性を測る上で参考となる情報です。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり営業収益(連結) 117.3百万円 112.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 35.2百万円 32.7百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、事業活動による資金の出入りと投資活動による資金の動きから、現在の経営状況を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して低い水準にあります。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を上回っていますが、当期は前期から減少しています。手元資金である現金及び預金は前期から減少しており、不況時の耐性については慎重な見方が必要です。これらの財務状況は、同社グループの事業運営における資金の安定性や、将来的な雇用・給与の安定性に影響を与える可能性があります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 198億円 217億円
自己資本比率 16.8% 15.9%
ROE(自己資本利益率) 12.0% 9.9%
現金及び預金 136億円 125億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、当連結会計年度における営業活動による資金の出入りは支出となりました。これは主に預託金の増加や短期差入保証金の増加による支出があった一方、受入保証金の増加やトレーディング商品(負債)の増加による収入があったことによるものです。投資活動による資金は増加しており、主に定期預金の払戻による収入があった一方で、定期預金の預入や有形固定資産の取得による支出がありました。財務活動による資金は支出となっており、短期借入金の純減額、自己株式の取得、配当金の支払額が主な要因です。結果として、自由に使える資金を示すフリーキャッシュフローはプラスを維持しています。この資金の流れは、同社グループが事業活動で資金を支出したものの、投資活動で資金を回収し、財務活動で資金を支出している状況を示しており、事業運営と資金繰りのバランスを保っていることがうかがえます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 22.4億円 △4.4億円
投資CF △0.5億円 13.6億円
財務CF △4.8億円 △7.7億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 21.9億円 9.2億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの主要な事業である外国為替証拠金取引市場は、景気動向や金融情勢、競合商品の出現により市場が縮小する可能性があります。また、外国為替証拠金取引業界では、新規参入等により顧客獲得競争が激化しており、スプレッドの縮小や新規顧客獲得費用の増加が財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、継続的な成長のために優秀な人材の確保と育成、組織体制の強化を図っています。しかし、計画通りに進まなかった場合、組織体制の強化が図れず、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ヒロセ通商は、金融商品取引を通じて世界中の人々に投資の機会を提供することを目指し、顧客満足と挑戦、そして法令遵守を重視する企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


ヒロセ通商グループは、「金融商品取引を通じて世界中の人々に平等な投資のチャンスを提供する為、低価格戦略及びフルラインアップ戦略を共に採用し挑戦し続けマーケットリーダーを目指します。」を会社経営の基本方針としています。企業理念として「人と世界をつなぐ」を掲げ、Customer satisfaction(顧客満足)、Challenge(挑戦)、Compliance(法令遵守)の3つのCを重視しています。顧客に期待以上のサービスを提供し、利用価値の高い取引環境を低コストで提供することに挑戦し、高い信頼を得られるようコンプライアンスを徹底する方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


ヒロセ通商グループは、企業理念である3つのC、Customer satisfaction、Challenge、Complianceを企業風土の基盤としています。顧客ニーズの早期実現やサポート体制の強化を通じて顧客満足を追求する姿勢です。また、誰も経験したことのない、利用価値の高い取引環境を低コストで提供するため、あらゆる可能性を信じて挑戦し続けることを重視しています。法令遵守はもとより、顧客から高い信頼を得られるよう、全社員がコンプライアンスの概念を受容し推進し続けるよう徹底した社員教育を行っています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


ヒロセ通商グループは、既存事業の拡大と安定的な収益計上への取り組みを課題と認識しています。今後の成長のため、優先的に対処すべき課題として、顧客ニーズの実現、取引システムの安定稼働、ブランディング力の強化、収益源の多様化、海外事業の拡大を挙げています。また、優秀な人材の確保と育成、コンプライアンス体制の確立も重要な課題として取り組んでいます。これらを通じて、顧客満足度向上と企業価値向上を目指しています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ヒロセ通商は監査等委員会設置会社として、取締役会と監査等委員会を設置しています。取締役会は代表取締役社長を議長とし、監査等委員である社外取締役を含む9名で構成されています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ヒロセ通商の株主構成を見ると、上位には同社の役員が複数名を連ねています。筆頭株主は常務取締役である友延雅昭氏であり、その他にも複数の取締役が上位株主として名を連ねていることが特徴です。これにより、経営陣が同社の主要な株主として経営に深く関与している状況がうかがえます。

株主名 持株比率
友延 雅昭 8.56%
渋谷 誠一 6.98%
石原 愛 6.64%
松井 隆司 5.87%
野市 裕作 5.83%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は野市裕作氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
野市 裕作 代表取締役社長 2004年5月同社入社、管理部長、取締役広報部長を経て、2012年10月HIROSE TRADING HK LIMITED取締役。2019年4月より同社代表取締役社長。
衣川 貴裕 専務取締役内部管理部長 2004年5月同社入社、取締役業務IT担当、取締役内部管理部長などを歴任。JFX株式会社取締役、HIROSE TRADING HK LIMITED取締役などを兼任し、2015年6月より同社専務取締役内部管理部長。
友延 雅昭 常務取締役業務本部長広報部長 2004年3月同社設立時に取締役監査担当。取締役内部監査担当、取締役本部長を経て、2008年6月より同社常務取締役業務本部長。Hirose Financial MY Limited取締役などを兼任。
石原 愛 取締役業務部長 2004年5月同社入社、業務本部統括部長を経て、2008年2月より同社取締役業務部長。
松井 隆司 取締役マーケティング部長 2004年5月同社入社、業務部長、取締役経営企画室長を経て、2021年4月より同社取締役マーケティング部長。
美濃出 真吾 取締役管理部長 2008年1月同社入社、JFX株式会社取締役、同社管理部長を経て、2021年6月より同社取締役管理部長。


社外取締役は、丸茂英雄氏(神戸伊藤町法律事務所共同代表・監査等委員)、津田和義氏(株式会社ブレイントラスト代表取締役・監査等委員)、籔内正樹氏(オーロラ法律事務所所属弁護士・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である社外取締役が経営の監視・監査機能を担っています。社外取締役は弁護士や公認会計士の専門知識を活かし、コンプライアンスや内部統制の有効性の観点から経営を監督しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ヒロセ通商の役員報酬は、取締役(監査等委員である取締役を除く)に対しては基本報酬、業績連動報酬、譲渡制限付株式報酬の3つの要素で構成されています。一方、監査等委員である取締役には基本報酬のみが支給される体系です。業績連動報酬の指標には連結経常利益が用いられており、企業価値の持続的な向上へのインセンティブとして機能するよう設計されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 6名 7.5億円 1.25億円
社外役員 3名 16百万円 5.2百万円


同社の役員報酬総額は7億6,507万円、対象となる役員の員数は9名です。

個人別報酬が開示されている役員は、野市裕作氏(1.58億円)、衣川貴裕氏(1.56億円)、友延雅昭氏(1.59億円)、石原愛氏(1.53億円)です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。