【平均年収570万円】フェニックスバイオ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収570万円】フェニックスバイオ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

フェニックスバイオは、PXBマウスを用いた医薬品開発の受託試験サービスを、グループ各社とともにグローバルに展開しています。直近期では、費用圧縮効果や為替差益により、売上高が増加し、営業利益、経常利益、当期純利益が黒字転換しました。


目次

※本記事は、株式会社フェニックスバイオ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


フェニックスバイオは、PXBマウス(ヒト肝細胞を持つキメラマウス)を用いた医薬品開発の受託試験サービスを主たる業務としています。同社グループは、このPXBマウスを活用し、医薬品開発の主に前臨床過程において様々なサービスを展開しています。

単体従業員数は45名、連結従業員数は55名です。セグメントはPXBマウス事業の1つです。

国内においてはフェニックスバイオがPXBマウスの作製技術を基盤に、医薬品開発の前臨床過程における受託試験サービスを展開しています。海外2社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。

なお、同社グループでは、海外生産施設であった連結子会社のKMT Hepatech,Inc.を2025年10月31日付で清算しており、これが費用圧縮と営業黒字転換に寄与しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


フェニックスバイオは、前臨床市場においてヒト予測性の高いモデルを基盤とした事業を展開し、グローバル展開を推進しています。同社グループは、高度な専門性を持つ人材の確保と育成に注力しており、専門性と成果を重視した報酬体系を採用しています。このような環境で、どのような給与水準や働き方が実現されているのかを見ていきましょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


フェニックスバイオでは、従業員の平均年齢と平均勤続年数から、比較的落ち着いた年齢構成と長期的なキャリア形成が可能な環境であることがうかがえます。専門性の高い事業領域において、経験豊富な人材が安定して活躍している傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 5,695,000円
平均勤続年数 14.6年
平均年齢 48.8歳
単体従業員数 45人
連結従業員数 55人
単体のグループ内比率 81.8%


フェニックスバイオは、従業員の退職給付制度として確定拠出年金制度を採用しています。これは、会社が拠出した資金を従業員が運用するタイプの制度です。この制度は、同社および在外連結子会社1社に適用されています。

なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


フェニックスバイオは、ヒト予測性の高い前臨床モデルを基盤とした事業展開とグローバル展開を基本戦略としており、この実現には高度な専門性を持つ生産技術者、研究開発人材、およびグローバル事業開発人材の確保と育成が不可欠であると認識しています。従業員の給与決定においては、専門性と成果を重視した報酬体系を基本とし、外部市場水準を踏まえた競争力のある水準設定により、優秀な人材の確保と定着を図っています。

具体的には、創薬研究やヒト肝細胞開発に関する専門人材の採用強化、技術継承・高度化のための教育研修制度の充実を進めています。また、海外市場拡大に対応するため、海外ビジネス経験者の採用や海外拠点との人材交流によるグローバル人材の強化にも取り組んでいます。

人材多様性の推進として、外国籍人材やジェンダー平等に配慮した人材の採用、女性の積極採用を進めており、仕事と育児等の両立支援のための休暇・休業制度や時短勤務制度も整備しています。中途採用者も積極的に活用し、経験・スキルに応じた処遇と、入社後の公平な評価を通じてハンデなく働ける人事制度を採用しています。さらに、就業時間管理の徹底や長時間労働の削減によるワークライフバランスの推進にも努めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


フェニックスバイオおよび連結子会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示項目は記載を省略しています。提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

多様性・登用


当社グループの管理職の定義は、課長クラス以上としています。

指標 実績(当連結会計年度) 目標(2028年3月期)
女性社員比率 54.5% 50.0%
女性管理職比率 38.9% 40.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


フェニックスバイオは、ヒト肝細胞を持つキメラマウス「PXBマウス」を用いた医薬品開発の受託試験サービスと関連製品の販売を主軸とする事業を展開しています。医薬品の安全性や有効性を評価する前臨床試験において、ヒトの代謝や肝毒性を予測できるモデル動物としてPXBマウスを提供し、製薬会社の創薬研究を支援しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、PXBマウスを用いた医薬品開発の受託試験サービスを主たる業務としています。マウスの肝臓の70%以上がヒトの肝細胞に置き換えられた「PXBマウス」を作製する技術を基盤とし、主に前臨床過程における様々なサービスを提供しています。

具体的には、薬物の体内動態や毒性を評価するDMPK/Tox試験、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスなどの抗ウイルス薬開発に利用される肝炎試験(薬効評価)の受託試験サービスを提供しています。また、PXBマウスから得られる新鮮なヒト肝細胞「PXB-cells」の販売も行い、創薬研究におけるハイスループットスクリーニングに貢献しています。

同社グループの事業は「PXBマウス事業」の単一セグメントで構成されています。主要顧客である海外の製薬企業では開発予算の抑制が続いており、海外市場での受注高や売上高は伸び悩む傾向にありました。一方で、国内市場ではPXBマウスの利用が増加し、堅調に推移しています。

収益は、主に安全性等分野でのPXBマウスやPXB-cellsの普及に努めることで得ています。かつては肝炎分野の受託試験サービスが中心でしたが、現在は安全性等分野への重点を移しています。製品販売が受託試験サービスを上回る割合を占める傾向にあります。

特定の顧客への収益集中も見られ、Alnylam Pharmaceuticals, Inc.が主要な取引先の一つとなっています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績は、売上高が変動しながらも直近の期ではわずかに増加しました。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、損失を計上する期と大幅な利益を計上する期が混在し、変動が大きい傾向にありました。

直近の期では、海外生産施設の子会社清算による売上原価の減少や、人件費・研究開発費の圧縮といった費用圧縮効果により、営業利益が黒字に転換しました。また、円安傾向が続いたことで為替差益が発生し、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も黒字となりました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 13.2億円 21.2億円 17.2億円 15.4億円 15.7億円
経常利益 △1.3億円 5.1億円 44百万円 △1.6億円 1.3億円
経常利益率 △9.7% 24.1% 2.5% △10.1% 8.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 △3.9億円 4.9億円 26百万円 △4.5億円 1.3億円
1株当たり当期純利益(円) △117.50 145.23 6.98 △110.99 30.81

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から増加し、生産性が向上していることを示しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期の損失から黒字に転換しており、収益性の改善が見られます。これらの指標の改善は、組織全体の効率化が進み、本業で利益を生み出す力が強化されていることを示唆しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 22.3百万円 28.5百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) △2.1百万円 1.5百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


フェニックスバイオは、安定した財務基盤を構築し、本業で得た資金を効率的に運用している状況です。手元資金も厚く、経営の安定性がうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


フェニックスバイオの自己資本比率は、前期から増加し、70.2%となっています。これはプライム市場上場企業の製造業平均(46.8%)と比較して高い水準を示しており、強固な財務体質であると言えます。ROE(自己資本利益率)は8.7%で、プライム市場平均(9.4%)と比較するとやや低い水準です。

手元資金である現金及び預金は11.5億円を維持しており、不測の事態にも対応できる資金力を有しています。このような財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 13.7億円 15.5億円
自己資本比率 59.1% 70.2%
ROE(自己資本利益率) - 8.7%
現金及び預金 11.5億円 11.5億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


フェニックスバイオの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、69百万円の資金を獲得しました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上、売上債権及び契約資産の減少、減価償却費があった一方で、事業整理損失引当金や前受金の減少があったことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは△14百万円の使用となり、主に有形固定資産の取得による支出が要因となっています。

財務活動によるキャッシュ・フローは△88百万円の使用となり、主に長期借入金の返済による支出があったことによるものです。結果として、フリーキャッシュ・フローは55百万円のプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄い、余剰資金を生み出している状況です。これは、事業活動が安定しており、将来に向けた投資も継続しつつ、資金繰りに余裕があることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF △0.7億円 0.7億円
投資CF △0.3億円 △0.1億円
財務CF △1.3億円 △0.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △1.0億円 0.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの売上高はPXBマウス事業のみに依存しており、他社との競争により売上高が減少した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、特定の顧客(Alnylam Pharmaceuticals,Inc.)に対する売上高が約38%を占め、米国市場に対する売上高が約54%を占めているため、これらの顧客や市場の動向、政策変更が業績に影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループの事業は特殊性が高く、専門性も高いため、技術育成に期間を要します。技術の個人依存度も高いため、技術者が大幅に流出した場合には、事業展開に影響を与える可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


フェニックスバイオは、21世紀の医療に貢献することを目指し、独自の細胞技術を基盤に事業を展開しています。同社グループは、従業員の幸福と社会貢献を両立させる企業文化を大切にしています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


フェニックスバイオは、「事業を通じて21世紀の医療に貢献する企業となること」を経営方針として掲げています。生物が持つ機能を活用し、これまでにない医療技術や医薬品開発技術の実用化を目指しています。

具体的には、ヒト細胞の機能を維持したまま体外で大量に増殖させる細胞技術を開発してきました。この技術を応用し、増殖したヒト細胞を実験動物に移植する技術により、ヒト細胞の機能を様々な用途に提供していくことを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


フェニックスバイオは、「分野のトップランナーを目指すことで、全従業員の物心両面の幸福を追求し同時に人類・社会の進歩発展に寄与する」という企業理念のもとで事業活動を行っています。サステナビリティに関する課題への対応を重要な経営課題と認識しています。

同社グループは、グループ行動規範において地球環境の保全、人権の尊重、公平な取引を謳っています。また、メンタルヘルスケアやハラスメントの撲滅など、従業員の健康・労働環境に配慮した方針を策定し、運用しています。

働きやすい職場環境の整備にも積極的に取り組んでおり、仕事と育児等の両立支援として休暇・休業・職場復帰制度や時短勤務制度を設けています。多様な人材の採用を進め、外国籍人材やジェンダー平等に配慮した人材の採用、中途採用者の積極的な活用も行っています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


フェニックスバイオは、PXBマウスの需要に対応するため、外部への飼育委託による段階的な増産に取り組んでいます。また、高い品質のPXBマウスを提供するため、品質管理部門による情報フィードバック体制を整えています。

動物愛護の観点から、国際的な動物管理及び使用に関する評価を行っているAAALAC Internationalへの認証取得を申請しました。今後も国際基準に準拠した動物福祉の実現に取り組む方針です。

in vitro分野への展開・発展として、Microphysiological System(MPS:生体模倣システム)等の新規デバイスや新技術に対する研究開発を強化しています。新しい市場の取り込みに向けては、次世代医薬品・治療法の評価ツールとしての有用性を示すデータ取得や、用途開発、新製品開発に取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


フェニックスバイオは、取締役会と監査役会を基本機関とするコーポレート・ガバナンス体制を採用しています。経営の健全性と透明性を確保し、社会的責任を果たすことを重視しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


フェニックスバイオの株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社である三和澱粉工業です。その他、個人株主や複数の事業会社が上位に名を連ねています。筆頭株主は同社のその他の関係会社に該当しますが、取締役会を支配する状況ではなく、独立性が保たれていると説明されています。

株主名 持株比率
三和澱粉工業 31.33%
森本 俊一 12.43%
特殊免疫研究所 3.17%
叡拳 2.16%
馬渡 祥二 1.86%


なお、前事業年度末に主要株主であった三和商事株式会社は、当事業年度末現在では主要株主ではなくなっています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


フェニックスバイオの役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は島田卓氏が務めています。社外取締役比率は16.7%です。

氏名 役職 主な経歴
島田 卓 取締役社長 (代表取締役) 1984年明治製菓株式会社入社、1988年株式会社特殊免疫研究所入社。2002年株式会社エピフェニックス(現同社)代表取締役社長、2018年6月より同社代表取締役社長。PhoenixBio USA Corporation Chairmanも現任。
田村 康弘 専務取締役 管理部長 1981年サントリーフーズ株式会社入社。2004年同社入社、管理部長。2014年6月より同社専務取締役管理部長。PhoenixBio USA Corporation CFOも現任。
向谷 知世 取締役 研究開発部長 生産部長 1984年住友化学工業株式会社入社。2007年同社入社、研究開発部長。2022年6月より同社取締役研究開発部長兼生産部長。
加國 雅和 取締役 1996年協和発酵工業株式会社入社。2005年同社入社。2014年6月より同社取締役受託試験部長。2025年6月より同社取締役。KMT Hepatech,Inc. Presidentも現任。
森川 良雄 取締役 1997年中外テクノス株式会社入社。2004年同社入社。2018年6月よりPhoenixBio USA Corporation President,CEO。2025年6月より同社取締役。


社外取締役は、藤井義則氏(ビズリンク・アドバイザリー株式会社代表取締役・株式会社ハローズ取締役)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会を基本機関としています。社外取締役1名と社外監査役2名を置くことで、外部からの客観的かつ中立的な経営監視機能を確保しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


フェニックスバイオの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして、株主利益と連動した報酬体系を基本方針としています。業務執行取締役に対しては、固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬、および株式報酬を組み合わせて支給しています。一方、監督機能を担う社外取締役には基本報酬のみを支払う方針です。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 68百万円 13.7百万円
監査役(社外除く) 1名 2百万円 1.9百万円
社外役員 3名 14百万円 4.6百万円


同社グループの役員報酬等の総額は84.0百万円であり、対象となる役員の総数は9名です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。