※本記事は、アグレ都市デザイン株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
アグレ都市デザインは、東京都区部を中心とした首都圏で、戸建住宅や戸建用地の販売を行うハウジング事業を展開しています。また、投資用マンションやアパートの販売、空き家を活用した宿泊施設のコンサルティング・分譲も手掛けています。
単体従業員数は138名、連結従業員数は142名です。セグメントはハウジング事業、アセットソリューション事業、宿泊事業の3つです。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)ハウスバード(宿泊事業)などです。
2023年11月にはハウスバードを子会社化し、空き家や空き別荘を活用した宿泊施設の開業・運営コンサルティングを行う宿泊事業を本格化させました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
アグレ都市デザインは、住宅事業を核とする企業として、従業員の成長と働きやすい環境づくりに注力しています。個々の能力を最大限に引き出し、組織全体の生産性向上を目指す方針がうかがえます。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社グループの職場環境を詳しく見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の定着と成長を重視する傾向が見られます。平均勤続年数と平均年齢からは、比較的若い世代が中心となりながらも、一定のキャリアを築いている従業員が在籍していることがううかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 8,216,000円 |
| 平均勤続年数 | 6.3年 |
| 平均年齢 | 37.0歳 |
| 単体従業員数 | 138人 |
| 連結従業員数 | 142人 |
| 単体のグループ内比率 | 97.2% |
同社は確定拠出年金制度を採用しています。この制度は、会社が拠出した資金を従業員が自ら運用し、その運用実績によって将来の給付額が決まるものです。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
アグレ都市デザインは、人材の多様化と育成を中長期的な企業価値向上に資する重要な経営基盤と位置づけています。多様なバックグラウンドを持つ人材の確保と育成に取り組み、特に中途採用者を積極的に登用し、役割や能力に応じた配置と管理職への昇進を推進しています。
企業戦略と連動した人材戦略のもと、各従業員の役職等の役割に基づいた等級制度により給与その他の給付額を決定しています。成果やプロセス、役割の遂行状況を踏まえた公正な評価を行い、その結果を処遇に適切に反映することで、組織全体の生産性向上と持続的な成長につなげています。
2023年4月からは新しい人事評価制度を導入し、社員一人ひとりが役職に応じて業績・業務・理念の3つの目標設定を行います。上位者による具体的かつ継続的なフィードバックを通じて成長を促進する仕組みを構築しており、業務遂行に必要な知識の習得だけでなく、自身のスキルアップを企図した研修受講なども評価に取り入れています。
用地仕入れからアフターサービスまでを自社一貫体制で行う強みを活かし、部門間の連携や情報共有、フィードバックを重視しています。建設的なディスカッションや部門横断的な情報共有を通じて風通しの良い組織風土を醸成し、経営に反映される体制構築を推進しています。また、時短勤務や在宅勤務、フリーアドレス、デジタルデバイスの普及等を通じて、誰もが働きやすい環境づくりを進めています。女性管理職比率の向上に向け、サステナビリティ委員会を通じて女性が働きやすい組織環境整備について継続的に話し合い、ライフステージの変化においても労働時間や働き方が制限されない環境づくりに努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データを示します。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金差異は、公表義務の対象ではないため記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 4.4% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
アグレ都市デザインは、首都圏を主要な事業エリアとし、戸建住宅の分譲から投資用不動産の販売、さらには宿泊施設のコンサルティングまで、幅広い不動産関連サービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、主に「ハウジング事業」「アセットソリューション事業」「宿泊事業」の3つのセグメントで事業を展開しています。各事業は、それぞれの専門性を活かして収益を上げています。
ハウジング事業
同社グループのハウジング事業は、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)を中心に、戸建住宅および戸建用地の分譲販売を行っています。用地の仕入れから街区のプランニング、建物の企画・設計、施工管理、販売、アフターメンテナンスまでを一貫して手掛けています。収益は、自社ブランド「アグレシオ」シリーズを中心とした戸建住宅や戸建用地の販売から得ています。運営は、同社が行っています。
アセットソリューション事業
アセットソリューション事業では、収益マンションや収益アパート、マンション用地などの販売を行っています。主に希少性の高い都心部において、投資家向けの賃貸マンションを販売しています。収益は、投資用収益マンションやアパート、マンション用地の販売から得ています。運営は、同社が行っています。
宿泊事業
宿泊事業は、空き家や空き別荘などを活用した宿泊施設の開業および運営コンサルティング、宿泊施設の分譲を行っています。物件の提案からコンセプト策定、設計・施工支援、運営管理まで一貫したサポートを日本全国で展開しています。収益は、コンサルティング契約の受注や宿泊施設の分譲から得ています。運営は、同社およびハウスバードが行っています。
同社グループの事業セグメント別の売上高は以下のとおりです。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| ハウジング事業 | 271億円 | 304億円 |
| アセットソリューション事業 | 35.9億円 | 62.2億円 |
| 宿泊事業 | 1.0億円 | 3.9億円 |
同社グループは、本邦以外の外部顧客への売上高はなく、海外事業は展開していません。また、特定の顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先はありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去3年間で一貫して増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も同様に、順調な成長を示しています。特に直近の連結会計年度では、売上高と各段階利益が過去最高を更新しました。
同社グループの連結経営指標等の推移は以下のとおりです。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | 276億円 | 307億円 | 370億円 |
| 経常利益 | - | - | 12.9億円 | 22.5億円 | 27.8億円 |
| 経常利益率 | - | - | 4.7% | 7.3% | 7.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | 8.7億円 | 15.8億円 | 19.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | 151.78 | 274.64 | 335.60 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期と比較して増加しています。また、従業員1人あたり営業利益も同様に増加傾向を示しており、組織全体の生産性が向上していることがうかがえます。これは、効率的な事業運営と収益力の強化が進んでいることを示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 238.3百万円 | 260.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 19.8百万円 | 23.1百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
アグレ都市デザイングループの財務状況は、事業活動と投資活動を通じて資金を積極的に活用している状況を示しています。これは、将来に向けた成長投資を継続している段階にあることを表しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
アグレ都市デザインの財務基盤は、自己資本比率が22.3%となっており、プライム市場の非製造業平均(24.2%)と比較して同程度の水準です。ROE(自己資本利益率)は24.4%と、プライム市場平均(9.4%)を上回る水準を示しています。手元資金である現金及び預金は78.7億円に増加しており、事業運営に必要な資金を確保している状況です。これらの財務指標は、同社グループが安定した事業運営を継続するための基盤を有していることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 72.3億円 | 86.1億円 |
| 自己資本比率 | 21.7% | 22.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 23.9% | 24.4% |
| 現金及び預金 | 71.7億円 | 78.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
アグレ都市デザイングループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは△18.5億円の減少となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を計上したものの、事業用地の仕入れの進捗に伴い棚卸資産が増加したことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは△0.3億円の減少となっており、敷金保証金の差入による支出などが主な要因です。
財務活動によるキャッシュ・フローは25.8億円の増加となり、長期借入れによる収入が長期借入金の返済を上回ったことが主な要因です。結果として、フリーキャッシュ・フローは△18.8億円の減少となりました。同社グループは事業用地の仕入れを積極的に進めており、将来の売上につながる投資を継続している状況です。この資金の流れは、事業拡大に向けた投資が活発に行われていることを示しており、今後の成長性につながる可能性があります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △45.6億円 | △18.5億円 |
| 投資CF | 0.4億円 | △0.3億円 |
| 財務CF | 54.4億円 | 25.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △45.2億円 | △18.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの主要事業であるハウジング事業は、不動産市況の悪化により、着工・引渡し棟数の減少や販売価格の低下が生じる可能性があります。また、主力事業の展開エリアが首都圏に集中しているため、首都圏内の景気動向や住宅需要、地価の動向が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、不動産業界の競争激化の中で業績拡大を図るため、継続して優秀な人材を確保・育成していくことが重要課題であると認識しています。求める人材の確保が困難となった場合には、事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
アグレ都市デザインは、「人類の共同財産を創出すること」を社会的使命とし、プロフェッショナル集団として不動産事業を展開しています。同社グループは、変化する事業環境に迅速に対応し、持続的な成長と企業価値向上を目指す企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「人類の共同財産を創出すること」を社会的使命として掲げています。覚悟と情熱、専門性に溢れ、業界内外に向けて無類の存在感を放つ誇り高きプロフェッショナル集団となることを目指しています。
経営方針として、目まぐるしく変わる事業環境に対して迅速かつ的確に対応できる態勢構築を進めています。常に先を見通した経営戦略の推進や財務基盤の強化を図ることにより、将来の安定的な収益確保を担保しています。
また、主力のハウジング事業のみならず、アセットソリューション事業及び宿泊事業において、不動産を取り巻くあらゆるビジネスの可能性を模索し、同社グループの存在意義と存在感を世の中に示していくことを考えています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、覚悟と情熱、専門性に溢れたプロフェッショナル集団となることを目指しています。持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しています。
事業活動を通じて社会への新しい価値を創造し、社会や地域、相互の持続可能性を追求するサステナビリティ経営に取り組んでいます。誰もが活躍できる組織風土、より多くの人材の活躍と成長を実現する組織風土の実現を重要課題として認識しています。
自社一貫体制が生み出す付加価値のさらなる強化を重視し、用地仕入れからアフターサービスまでを自社一貫体制で行っています。それぞれの部門間における連携、情報の共有、フィードバックがより良い商品の創造・価値の提供につながる源泉であると考えています。
風通しの良い組織風土の醸成を重要視しており、部門間での建設的なディスカッションや部門横断的な情報共有を推進しています。当該内容が経営会議等の会議体で報告・共有され、経営に反映される体制構築を進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、企業理念の実現を通じて企業価値の向上を図るため、複数の課題を自らに課して業務を推進しています。お客様への商品訴求力の強化として、社内研修・OJT等による自社人材の育成及びSNSの積極活用により、商品訴求力をブラッシュアップしていく方針です。
生産性の向上と人材育成を不可欠と認識し、ITを活用したマンパワー業務の自動化や業務内容の見直しによる無駄の排除に取り組んでいます。社内外での研修・OJTの充実を図ることで人材の育成に取り組み、テレワーク・時差出勤・時短勤務の導入といった様々な働き方を推奨しています。
コンプライアンス体制及びリスク管理体制の充実も重点テーマであり、関連法規への対応や業務内容の多様化等に伴う潜在的なリスク要因の適切な管理に努めています。これらに対応するため、社員への教育を徹底し、経営管理体制の強化に努めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
アグレ都市デザインは、経営の健全性・透明性・効率性及びコンプライアンスの徹底を重視し、コーポレート・ガバナンスの充実を図っています。同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が連携して経営を監督する体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
アグレ都市デザインの筆頭株主は代表取締役社長の大林竜一氏です。上位株主には複数の個人名が並び、その中には同社の役員や執行役員も含まれています。また、アグレ都市デザイン従業員持株会も大株主の一員です。この株主構成は、経営陣や従業員が同社の主要な株主を構成し、経営に深く関与している傾向を示しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 大林 竜一 | 40.67% |
| 平井 浩之 | 2.09% |
| 五郎川 隆 | 1.65% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性4名・女性2名)で構成され、女性役員比率は33.3%です。代表取締役社長は大林竜一氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 大林 竜一 | 代表取締役社長 | 1982年日本信販株式会社入社、1990年株式会社新日本建物入社、1993年同社取締役、2009年同社設立より代表取締役社長に就任し現職。 |
| 柿原 宏之 | 取締役経営管理部長 | 1995年株式会社大京入社、1999年株式会社新日本建物入社、2011年同社入社、2013年より取締役経営管理部長に就任し現職。 |
| 原 由香 | 取締役 | 1996年大原出版株式会社入社、2000年下吹越会計事務所入所、2004年税理士登録、2022年ペンデル税理士法人社員、2025年より同社社外取締役に就任し現職。 |
社外取締役は、原由香氏(ペンデル税理士法人社員)です。
同社は監査役会設置会社であり、監査役会が取締役会の意思決定の適法性を監査しています。監査役3名のうち2名は社外監査役であり、独立した立場で経営監視機能を高めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
アグレ都市デザインの取締役の報酬は固定報酬を基本方針としており、個々の職責に応じた適正な水準で決定されています。監査役の報酬は、株主総会で決議された総額の範囲内で、常勤・非常勤の別や業務分担を考慮して監査役の協議により決定されます。中長期的な業績連動型報酬や自社株報酬制度は現在採用されていませんが、今後の導入が検討されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 70百万円 | 35.0百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 7百万円 | 7.2百万円 |
| 社外取締役 | 2名 | 2百万円 | 1.1百万円 |
| 社外監査役 | 2名 | 5百万円 | 2.4百万円 |
なお、報酬は全て金銭であり、上記の報酬等の総額及び対象となる役員の員数には、期中に退任した社外取締役1名が含まれています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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