※本記事は、株式会社アクアライン の有価証券報告書(2025年2月期、2024年3月1日 ~ 2025年2月28日、2025年5月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
アクアライングループは、生活に不可欠な「水」から「住」をテーマに、住環境の充実と生活の質の向上に貢献しています。かつての主力事業であった水まわりサービス事業は、行政処分を受け、現在は加盟店向けの「水まわりサービス支援事業」へ移行しています。
単体従業員数は48名、連結従業員数は64名です。セグメントは水まわりサービス支援事業、広告メディア事業、全社(共通)の3つです。
主な国内グループ会社は、生活救急車(広告メディア)などです。
| 名称 | 主要な事業の内容 | 議決権の所有割合(%) |
|---|---|---|
| 株式会社生活救急車 | 広告メディア | 100.0 |
アクアラインは、2021年8月の行政処分を受け、水まわりサービス事業を加盟店支援へ移行。2024年にはミネラルウォーター事業から撤退し、株式会社生活救急車を完全子会社化しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
アクアラインは、水まわりサービス支援事業と広告メディア事業を展開しており、従業員規模は比較的小規模です。給与水準や働き方については、事業特性や企業規模に応じた特徴が見られます。同社グループがどのような環境で働くことができるのか、具体的なデータから見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
アクアラインでは、従業員の平均勤続年数と平均年齢から、一定の経験を積んだ人材が在籍している傾向がうかがえます。これは、同社が従業員のキャリア形成を支援し、長期的な視点で人材を育成していることの表れとも考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 3,988,000円 |
| 平均勤続年数 | 5.1年 |
| 平均年齢 | 40.6歳 |
| 単体従業員数 | 48人 |
| 連結従業員数 | 64人 |
| 単体のグループ内比率 | 75.0% |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
アクアラインは、事業競争力の強化に向けて、優秀な人材の確保と育成を経営戦略の要と位置づけています。計画的な新卒採用と中途採用を継続的に実施し、多様な人材を迎え入れることに注力しています。
また、人材育成面では、社内教育・研修制度の拡充を通じて、従業員が継続的に業務知識やスキルを習得できる環境を整備しています。特に、将来のマネジメントを担う人材の育成にも力を入れており、長期的な視点でのキャリア形成を支援する方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 25% |
育児・介護支援
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 産前産後休業・育児休業復帰率 | 100% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
アクアラインは、生活に不可欠な「水」から「住」に関するサービスを提供し、住環境の充実と生活の質の向上に貢献することを目指しています。同社グループは、主に水まわりのトラブル解決を支援する事業と、広告メディア事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、生活に密着したサービスを通じて収益を上げています。かつては自社で水まわりサービスを提供していましたが、現在は加盟店向けの支援事業に移行しています。このビジネスモデルでは、コールセンターで顧客からの依頼を受け付け、加盟店に業務を割り振ることでサービスを提供しています。また、広告メディア事業では、生活トラブルに対応するサービス事業者の集客を支援しています。海外での事業展開は行っておらず、収益はすべて国内から得ています。
水まわりサービス支援事業
この事業では、台所、トイレ、浴室などの水まわりの緊急トラブル修理・対応、水まわり商品の販売・取付、給排水管の修繕工事など、加盟店向けの支援サービスを提供しています。収益は、これらの加盟店向け支援サービスから得ています。運営は、アクアラインが行っています。
広告メディア事業
この事業は、主にタウンページを中心に広告掲載を行い、鍵・水回り・ガラスなどの生活トラブルに対応するサービス事業者である加盟店の集客を支援しています。収益は、広告販売から得ています。運営は、連結子会社である生活救急車が行っています。
ミネラルウォーター事業
この事業では、自社ブランド「aqua aqua」のミネラルウォーター販売や、プライベートブランド商品の提案、ウォーターディスペンサーの取り扱いを行っていましたが、2024年6月に事業譲渡を行い、同社グループはミネラルウォーター事業から撤退しました。
| セグメント | 売上高(2024年2月期) | 売上高(2025年2月期) |
|---|---|---|
| 水まわりサービス支援事業 | 27.8億円 | 25.4億円 |
| ミネラルウォーター事業 | 16.3億円 | 5.9億円 |
| 広告メディア事業 | 4.4億円 | 3.4億円 |
同社グループの売上高は、水まわりサービス支援事業が最も大きく、これにミネラルウォーター事業、広告メディア事業が続いています。前期と比較すると、水まわりサービス支援事業と広告メディア事業は売上高が減少しました。ミネラルウォーター事業も売上高が大きく減少しており、これは事業譲渡によるものです。
主要な顧客としては、株式会社JUNコーポレーション、株式会社UBパートナー、ROY株式会社からの売上高が大きく、特定の顧客への収益集中が見られます。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は減少傾向にあり、直近の当連結会計年度では前期から大きく減少しました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、5期連続で損失を計上しています。当連結会計年度では、事業譲渡益を特別利益として計上した一方で、不適切な会計処理への対応費用や減損損失を特別損失として計上しており、これらの要因が当期純損失に影響を与えています。
| 項目 | 2021年2月期 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 60.3億円 | 52.4億円 | 45.9億円 | 48.5億円 | 34.6億円 |
| 経常利益 | △4.4億円 | △5.6億円 | △2.1億円 | △3.3億円 | △3.9億円 |
| 経常利益率 | △7.3% | △10.7% | △4.5% | △6.8% | △11.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △6.5億円 | △5.9億円 | △3.2億円 | △3.7億円 | △3.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △320.81 | △297.86 | △149.42 | △123.69 | △93.90 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期と比較して減少しています。これは、売上高の減少と従業員数の微減が影響していると考えられます。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少しており、収益性の改善が課題となっています。
| 指標 | 2024年2月期 | 2025年2月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 72.3百万円 | 54.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △5.2百万円 | △6.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
アクアラインの財務基盤は、現在、厳しい状況にあります。手元資金の状況や自己資本比率から、会社の安定性を確認することが重要です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
アクアラインの自己資本比率は、当期で△53.4%となっており、前期の△0.6%から大幅に減少しています。これはプライム市場の非製造業平均(24.2%)と比較しても低い水準です。純資産は当期で△4.4億円の債務超過となっており、前期の△52百万円から悪化しています。
ROE(自己資本利益率)は当期で179.7%となっていますが、これは純資産がマイナスである債務超過の状態において、当期純損失が計上された結果、数値が大きく変動しているためです。手元資金を示す現金及び預金は、当期で74百万円となっており、前期の59百万円から増加しています。これらの財務状況は、同社グループの財務基盤が脆弱であることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性について注意が必要な状況です。
| 指標 | 2024年2月期(前期) | 2025年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | △52百万円 | △4.4億円 |
| 自己資本比率 | △0.6% | △53.4% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 179.7% |
| 現金及び預金 | 59百万円 | 74百万円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
アクアラインのキャッシュフローは、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュフローが△4.0億円の減少となりました。これは主に、売上債権の減少があったものの、事業譲渡損益の計上や税金等調整前当期純損失の計上によるものです。投資活動によるキャッシュフローは5.2億円の増加となりました。これは主に、事業譲渡による収入が生じたことによるものです。財務活動によるキャッシュフローは△1.1億円の減少となりました。これは主に、短期借入金の純増減額があったものの、長期借入金の返済による支出やリース債務の返済による支出が生じたことによるものです。
これらの結果、フリーキャッシュフローは1.2億円のプラスとなりました。しかし、本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローがマイナスであり、事業譲渡による一時的な収入でフリーキャッシュフローがプラスに転じている状況です。この資金の流れは、同社グループが本業で安定的に資金を生み出す力が弱く、財務的な課題を抱えていることを示しています。入社後の雇用や給与の安定性を考える上では、今後の事業改善と資金創出力の向上が重要なポイントとなります。
| 項目 | 2024年2月期(前期) | 2025年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △29百万円 | △4.0億円 |
| 投資CF | △1.4億円 | 5.2億円 |
| 財務CF | 95百万円 | △1.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △1.7億円 | 1.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
アクアラインは、当連結会計年度においても営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる事象または状況が存在しています。同社グループは事業収支の改善と資金繰りの安定化を図る方針ですが、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる状況です。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、水まわりの緊急修理やリフォーム市場において、建設事業者やホームセンターを中心に競合が増加傾向にあります。そのため、シェア獲得競争及び価格競争への対応が課題となっています。また、水まわりサービス支援事業において特定の加盟店への売上割合が高い状況です。特定の加盟店との取引に支障が生じた場合、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループにとって人材は最も重要な資本であり、主力事業の業容拡大には技術力とサービス力を兼ね備えた人材の確保及び育成が重要な課題となっています。必要な人材が適時確保できない場合、同社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
アクアラインは、「水」から「住」へと生活に欠かせない領域で事業を展開しています。お客様、従業員、社会との共存を重視し、信頼される企業を目指す姿勢がうかがえます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
アクアラインは、「時代と共に歩み、お客様から学び、従業員と共に成長します」という経営理念を掲げています。生活に欠かせない「水」から「住」へをテーマに、住環境の充実や生活の質の向上に貢献することを使命としています。
また、“すべての人の「FIRST BEST」に”を経営スローガンとし、お客様、取引先、従業員、社会、株主等のステークホルダーから真に信頼され、評価される企業を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、経営の効率性を高め、企業活動を通じて継続的に収益を上げることにより企業価値を最大化することをコーポレート・ガバナンスの基本原則としています。会社を取り巻くあらゆるリスクを洗い出し分析するため、経営監査部及び内部統制・コンプライアンス委員会が中心となり、事業上のリスク分析を定期的に実施しています。
「コンプライアンス規程」「倫理規程」により役職員の法令遵守に対する意識の向上を図るとともに、「公益通報取扱規程」において内部通報制度を定めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、過去の行政処分や不正確な会計処理を受け、業務運営の透明性向上とサービス品質向上に取り組んでいます。東京証券取引所からの特別注意銘柄指定解除に向けて、内部管理体制の強化を重要な課題としています。
具体的には、経営管理体制の強化、コンプライアンス体制の構築・強化、人材の確保・育成を重点テーマとして推進しています。管理部門の人材不足解消、ガバナンス体制の強化、取引関係の適正化、会計リテラシーの向上、コンプライアンス教育の実施など、多岐にわたる再発防止策に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
アクアラインは監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営の意思決定と監督を担っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
アクアラインの株主構成を見ると、筆頭株主はジャパンベストレスキューシステム、次いでクシムインサイトといった事業会社が上位に名を連ねています。また、代表取締役社長である大垣内剛氏が主要株主の一人であり、その関連と見られる個人株主も上位に位置しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ジャパンベストレスキューシステム | 19.94% |
| クシムインサイト | 19.08% |
| 大垣内 剛 | 15.22% |
| 綿引 一 | 10.77% |
| 大垣内 好江 | 3.38% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性5名・女性2名)で構成され、女性役員比率は29%です。代表取締役社長は大垣内剛氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 大垣内 剛 | 代表取締役社長 | 1995年11月に有限会社アクアライン(現同社)を設立し代表取締役社長に就任。リモデルコンシェルジュ株式会社や株式会社生活救急車の代表取締役も務める。 |
| 加藤 伸克 | 取締役副社長経営企画部長 | 2002年8月に株式会社ワールドメンテ(現同社)に入社。営業企画部課長、業務部長、法人営業部長を経て、2018年5月より取締役経営企画部長より現職。 |
| 谷上 淳子 | 取締役加盟店営業部長 | 2000年9月に同社に入社後、業務部長、営業部長を経て、2011年5月より取締役営業部長、2021年12月より取締役加盟店営業部長より現職。 |
社外取締役は、小森光嘉氏(石嵜・山中綜合法律事務所パートナー弁護士)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会が経営の意思決定と業務執行の監督を行い、監査役会が取締役の職務執行を監査する体制です。社外取締役1名と社外監査役3名を選任し、外部からの視点を取り入れた経営監督機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
アクアラインの役員報酬は、株主総会で承認された報酬総額の範囲内で、取締役会または監査役会で決定されています。取締役の報酬は、担当職務や業績、貢献度を考慮し、代表取締役社長が決定しています。監査役の報酬は、常勤・非常勤の別や業務分担状況に基づき、監査役会の協議によって決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 54百万円 | 13.4百万円 |
| 社外取締役 | 1名 | 4百万円 | 3.6百万円 |
| 社外監査役 | 3名 | 10百万円 | 3.3百万円 |
当事業年度における役員報酬の総額は67.2百万円であり、対象となる役員の合計は8名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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