インターネットインフィニティー 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

インターネットインフィニティー 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

インターネットインフィニティーは東証グロース市場に上場し、デイサービス「レコードブック」やケアマネジャー向けサイト運営等のヘルスケアソリューションと在宅介護サービスを展開しています。直近の業績は、店舗網の拡大とM&A効果により増収増益を達成しており、高齢社会の課題解決に向けた持続的な成長が期待されます。


※本記事は、株式会社インターネットインフィニティーの有価証券報告書(第22期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. インターネットインフィニティーってどんな会社?


デイサービスや介護システムなど、超高齢社会の課題解決に向けたヘルスケアソリューションを展開しています。

(1) 会社概要


2001年にシステムインテグレーション事業を目的に設立されました。2002年に訪問介護サービスで介護事業へ参入し、2005年にはケアマネジャー向けポータルサイト「ケアマネジメント・オンライン」を開設しています。2011年に短時間リハビリ型デイサービス「レコードブック」を開始し、2017年に東証への上場を果たしました。直近の2025年にはセントワークスを子会社化し事業領域を広げています。

同社グループは連結で391名、単体で59名の従業員を擁しています。筆頭株主は創業者の別宮圭一氏の資産管理会社である別宮圭一事務所で、第2位は事業会社の大同生命保険、第3位は別宮圭一氏個人です。

氏名 持株比率
別宮圭一事務所 19.06%
大同生命保険 7.48%
別宮圭一 5.31%

(2) 経営陣


同社の役員は男性8名、女性0名の計8名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は別宮圭一氏が務めています。取締役5名のうち、社外取締役は2名(40.0%)です。

氏名 役職 主な経歴
別宮圭一 代表取締役社長 アスキー、サイトデザインを経て2001年に同社設立。2004年より現職。名鉄ライフサポート取締役等も兼務。
藤澤卓 常務取締役 アスキー等を経て2004年に同社入社。介護事業本部長などを歴任し、2021年より現職。フルケア代表取締役社長等も兼務。
星野健治 常務取締役経営管理部長 あずさ監査法人を経て2013年に同社入社。管理本部長などを経て2021年より現職。カンケイ舎監査役等も兼務。


社外取締役は、金子博臣(元日本ケアサプライ社長)、黒田和道(PLAY代表取締役社長)です。

2. 事業内容


同社グループは、「ヘルスケアソリューション事業」および「在宅サービス事業」を展開しています。

ヘルスケアソリューション事業


高齢者の健康寿命を延ばすための短時間リハビリ型デイサービス「レコードブック」の運営や、ケアマネジャー向け専門サイト「ケアマネジメント・オンライン」を通じたマーケティング支援、仕事と介護の両立支援、介護保険請求ソフトの開発・販売などのDXソリューションを提供しています。

レコードブック事業では、利用者からの介護報酬のほか、フランチャイズ加盟店からの加盟金や売上に応じたロイヤルティ収入を受け取ります。DXソリューション事業では顧客企業からのリサーチ代金やシステム利用料を受け取ります。運営は主にインターネットインフィニティーおよび子会社のレコードブックやセントワークスが行っています。

在宅サービス事業


在宅の高齢者を対象に、ケアプランを作成する居宅介護支援、ホームヘルパーによる訪問介護、デイサービスセンターでの通所介護、住宅型有料老人ホームでの施設介護といった各種介護保険サービスを提供しています。

介護保険制度に基づくサービス提供により、利用者および国民健康保険団体連合会等の公的機関から介護報酬を受け取ります。運営は主に子会社のカンケイ舎が行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


売上高は右肩上がりで順調に成長を続けています。経常利益と当期利益については一時的に落ち込む時期もありましたが、直近では大幅な増益を達成しており、利益率も10.0%まで改善しています。事業拡大に伴い収益基盤の強化が進んでいることが伺えます。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 41.7億円 44.6億円 49.6億円 51.6億円 58.9億円
経常利益 2.9億円 1.5億円 2.7億円 4.1億円 5.9億円
利益率(%) 6.9% 3.3% 5.5% 8.0% 10.0%
当期利益(親会社所有者帰属) 1.9億円 -0.3億円 1.2億円 1.2億円 2.3億円

(2) 損益計算書


売上高の成長に伴い、売上総利益および営業利益も順調に拡大しています。利益率も改善傾向にあり、効率的な事業運営と付加価値の高いサービス提供が利益成長を牽引しています。

項目 2025年3月期 2026年3月期
売上高 51.6億円 58.9億円
売上総利益 20.4億円 24.4億円
売上総利益率(%) 39.6% 41.4%
営業利益 4.0億円 5.4億円
営業利益率(%) 7.8% 9.2%


販売費及び一般管理費のうち、給与手当及び賞与が7.4億円(構成比39%)、のれん償却額が0.8億円(同4%)を占めています。売上原価は労務費や業務委託費が大部分を占めており、人材とシステムに関連するコストが主な支出となっています。

(3) セグメント収益


ヘルスケアソリューション事業は、フランチャイズ店舗数の増加やM&Aによる新規子会社の連結開始により大幅な増収を達成しています。在宅サービス事業も、既存事業所の利用者数が順調に推移し、着実な成長を見せています。

区分 売上(2025年3月期) 売上(2026年3月期)
ヘルスケアソリューション事業 35.5億円 42.3億円
在宅サービス事業 16.1億円 16.6億円
連結(合計) 51.6億円 58.9億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標


営業利益で借入返済を行い、投資も手元資金で賄う優良企業である「健全型」のキャッシュ・フロー状況です。

項目 2025年3月期 2026年3月期
営業CF 4.7億円 6.9億円
投資CF -2.3億円 -7.0億円
財務CF 5.0億円 -3.3億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は18.6%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は39.3%で市場平均を下回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


「健康な未来」というコーポレートスローガンのもと、「創意革新と挑戦による、超高齢社会における課題解決」をミッション(企業行動指針)と位置づけています。新しいヘルスケアサービスの創造を通じて持続可能な社会の実現に貢献するとともに、自らも成長し続けることを目指しています。

(2) 企業文化


株主、社員、利用者、取引先および地域社会など、取りまくすべてのステークホルダーから信頼され、持続して収益をあげることにより企業価値を増大することを経営の基本方針としています。介護現場での課題をウェブで解決し、テクノロジーを起点に生産性を高めるなど、超高齢社会における持続可能な仕組みづくりを推進しています。

(3) 経営計画・目標


安定した経営と持続的な成長を実現させることを重視し、以下の数値を重要な経営指標と位置づけて事業活動を推進しています。

* ROE(自己資本利益率)の向上
* 売上高営業利益率の向上

(4) 成長戦略と重点施策


ヘルスケアプラットフォームの価値向上により事業拡大と新規事業開発を進めます。全国の大都市圏や地方都市におけるフランチャイズ展開の加速、介護保険外のヘルスケアソリューションの開発、およびDXソリューション事業の強化に取り組むほか、コンプライアンス体制等の経営基盤強化も推進します。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


人材を重要な経営資源の一つと位置づけ、社員の「仕事のやりがい」と「働きやすさ」の向上を目指し、人事制度や人材育成の仕組みの構築を行っています。ライフステージに合わせた勤務体制の整備や社内研修制度の充実など、社員のエンゲージメントを高める施策を推進し、多様な人材が活躍できる環境整備に取り組んでいます。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均とほぼ同じ水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2026年3月期 41.3歳 6.6年 6,240,823円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
男性労働者の育児休業取得率 100.0%


※女性管理職比率および労働者の男女の賃金の差異については、公表義務の対象項目として選択していないため、有報には本項の記載がありません。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 介護保険制度の改正リスク


同社の主力事業は介護保険法の適用を受けるサービスが中心であり、介護報酬の改定や制度改正の影響を強く受けます。将来的に介護報酬の引き下げや利用者の自己負担割合の引き上げが行われた場合、サービスの利用控えが生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 新規出店とフランチャイズ展開の遅れ


「レコードブック」の店舗展開において、希望エリアでの物件確保が遅れたり、自治体の方針によりフランチャイズ展開が想定通りに進まなかったりする場合、出店計画の見直しや投資回収の長期化を招き、事業成長に影響を与える可能性があります。

(3) システムトラブルと情報管理


DXソリューション事業はインターネットを通じて提供されており、システム障害やウイルス感染が生じた場合、サービスの提供停止等により業績に影響を及ぼします。また、利用者の重要な個人情報を取り扱うため、情報漏洩が発生した際には損害賠償や信用の低下を招くリスクがあります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。