※本記事は、技研ホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
技研ホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は1名、グループ連結従業員数は106名です。
同社グループは、土木・建築関連の工事請負、消波根固ブロック製造用鋼製型枠の貸与、コンクリート二次製品および建設資機材の販売を主たる業務としています。連結子会社5社を中心に、社会資本整備の一翼を担う企業集団として事業を展開しています。
主な国内グループ会社は、技研興業、日動技研(建築資材のレンタル及び販売)、筑波工業(土木建築資材の製造・貸与・販売)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
技研ホールディングスグループは、持株会社としてグループ全体の経営戦略を統括しています。人材を最も重要な財産と位置づけ、持続的な成長と企業価値向上を目指す人材戦略を推進しています。従業員一人ひとりの成長と能力発揮を重視し、柔軟な働き方を支援する企業文化が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、安定した環境で長く働く人材が多い傾向にあることがうかがえます。個々の従業員のキャリア形成と組織力向上を連動させる人事制度を推進しています。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,359,000円 |
| 平均勤続年数 | 31.0年 |
| 平均年齢 | 55.0歳 |
| 単体従業員数 | 1人 |
| 連結従業員数 | 106人 |
| 単体のグループ内比率 | 0.9% |
なお、直近の主要子会社のデータは以下の通りです。
| 会社名 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 技研興業株式会社 | 54.5歳 | 22.9年 | 5,972,000円 |
同社グループは、確定給付型の退職給付制度を設けています。これは、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる制度です。この制度は国内グループ会社に適用されています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
同社グループの退職給付債務は5.8億円、年金資産は5.1億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
技研ホールディングスグループは、社員を最も重要な財産と捉え、人材価値を最大限に引き出し、会社の持続的な成長と企業価値の向上につなげることを人材戦略の基本方針としています。グループの経営戦略の根幹となる安定的な事業継続に向けた施策を確実に実行し、積極的な人的資本投資を掛け合わせることでグループの強靭化を図っています。
給与決定方針は、経営方針や戦略の実現に向け、従業員自らが率先して目標へ立ち向かうことを意図して設計されています。個人の主体的なキャリア形成と組織力向上を連動させるため、年齢や勤続年数によらず、所属チームの成果、社員一人ひとりに与えられた役割の重要度や難易度、専門性に応じて決定されます。また、新規プロジェクトや組織変革を伴う高難度な取り組みにおいては、結果の成否のみではなく、その難易度や挑戦した姿勢を適切に処遇に反映させることで、リスクを恐れず付加価値を追求し、自律的に高いハードルへ挑む組織文化を醸成しています。
同社グループは、長期にわたり持続可能な社会への貢献と自らの発展を実現させるためには人材が重要であるとの認識から、人的資本への戦略的投資を進めています。一人ひとりの成長や能力発揮を図り、経営戦略の実行を目指した人事の仕組みを推進しており、経営戦略の実現に向けて人材・組織強化への成長投資は不可欠な取り組みと位置づけられています。性別・年齢関係なく、個々の従業員の生活スタイルに応じた働き方ができるよう柔軟に対応しており、時差出勤やリモートワークも取り入れています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
技研ホールディングスは、持株会社として同社グループ全体の経営戦略を策定し、傘下の事業会社を通じて土木・建築関連の工事請負、型枠の貸与、建設資機材の販売などを展開しています。社会資本整備の一翼を担い、国民の安全と豊かな暮らしの土台形成に貢献する事業活動を行っています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、土木関連事業、建築関連事業、型枠貸与関連事業、およびその他の事業セグメントの4つの報告セグメントで事業を展開しています。収益は主に工事の請負や資材の販売、型枠の賃貸から得ており、工事の進捗に応じて収益を認識するモデルと、資材販売のように一時点で収益を認識するモデルを組み合わせています。国内の外部顧客への売上高が大部分を占めており、海外事業の比率は小さい傾向にあります。
土木関連事業
法面保護工事や急傾斜対策工事といった土木工事の設計・施工を主な事業内容としています。
収益は、土木工事の請負から得ています。運営は、技研興業が行っています。
建築関連事業
医療施設向けの放射線防護・電磁波シールド工事や電波吸収体関連の建築工事、および関連する建築工事用資材の販売を手掛けています。
収益は、建築工事の請負や資材販売から得ています。運営は、技研興業が行っています。
型枠貸与関連事業
消波根固ブロック製造用の鋼製型枠の賃貸、コンクリート二次製品や建設資材の販売、設計コンサルタントを行っています。
収益は、型枠の賃貸や製品・資材の販売から得ています。運営は、技研興業および日動技研が行っています。
その他の事業セグメント
海外事業、事務所用テナントビル等の賃貸収入、太陽光等による発電および売電事業など、多岐にわたる事業が含まれています。
収益は、不動産賃貸収入や発電・売電収入などから得ています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 建築関連事業 | 27.3億円 | 24.2億円 |
| 型枠貸与関連事業 | 13.7億円 | 13.5億円 |
| 土木関連事業 | 7.3億円 | 8.3億円 |
| その他の事業セグメント | 77百万円 | 74百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は減少傾向にありますが、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は増加傾向を示しています。これは、売上高が減少する一方で、コスト見直しによる固定費削減の効果などにより、利益率が改善していることを示しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 81.8億円 | 54.8億円 | 51.7億円 | 49.1億円 | 46.8億円 |
| 経常利益 | 10.3億円 | 5.2億円 | 6.4億円 | 7.7億円 | 8.9億円 |
| 経常利益率 | 12.6% | 9.4% | 12.4% | 15.7% | 19.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4.7億円 | 3.3億円 | 4.4億円 | 4.9億円 | 6.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 28.74 | 20.27 | 27.36 | 30.30 | 37.79 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から減少していますが、従業員1人あたりの営業利益は前期から増加しています。これは、売上高の減少傾向がある中でも、組織全体の効率化やコスト削減が進み、従業員一人ひとりの利益創出能力が向上していることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 46.7百万円 | 44.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 5.9百万円 | 6.6百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
技研ホールディングスは、財務基盤の安定性と資金の流れにおいて、堅実な経営状況を示しています。本業で得た資金を適切に活用し、将来に向けた投資も行っていることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
技研ホールディングスの財務基盤は、高い自己資本比率と手元資金の状況から安定していることが示されています。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあり、財務の健全性がうかがえます。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っていますが、安定した事業運営が継続されています。手元資金は前期から減少していますが、事業活動に必要な流動性は確保されている状況です。これらの財務状況は、同社グループの事業継続性や雇用安定性につながる要素であると考えられます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 109億円 | 129億円 |
| 自己資本比率 | 67.5% | 70.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 4.5% | 5.1% |
| 現金及び預金 | 16.5億円 | 14.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
技研ホールディングスのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、その資金を投資や負債の返済に充てている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益の計上や売上債権及び契約資産の減少などにより、前期から増加し、資金の収入となっています。投資活動によるキャッシュフローは、投資有価証券等の取得や固定資産の取得による支出があり、引き続き成長に向けた投資を行っていることがうかがえます。財務活動によるキャッシュフローは、主に長期借入金の返済による支出があり、負債の圧縮を進めている状況です。これらのキャッシュフローの状況は、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来に向けた基盤を強化していることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる要素であると考えられます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 3.6億円 | 9.3億円 |
| 投資CF | △2.9億円 | △4.4億円 |
| 財務CF | △5.3億円 | △4.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 72百万円 | 4.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、土木関連事業及び型枠貸与関連事業が大半を公共事業に係る建設市場に依存しており、官公庁の公共投資の規模や重点投資分野の変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、鋼材その他の建設資材の高騰や運搬経費の増加、労務単価の上昇等により、請負金額や販売価格への転嫁が困難な場合、工事原価の上昇による利益率の低下が業績に影響を与えるリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
技研ホールディングスグループは、社会資本整備と環境保全への貢献を企業理念とし、技術の研鑽を通じて社会の発展に寄与することを目指しています。顧客満足度の高いサービス提供と安定した経営基盤の確立を重視する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、安心して生活のできる社会資本の整備に参画し、広く地域社会の発展と環境保全に貢献することを企業理念としています。土木・建築分野を中心とした技術の研鑽に努め、技術集約型企業として顧客にご満足いただける高品質なハード・ソフトを提供することを目指しています。
これにより、安定した経営基盤の確立と着実な成長を図り、企業価値を高めていく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、安定的な収益確保と収益力強化のため、採算性や原価管理を重視した事業運営を徹底しています。事業環境の変化に対応するため、多様な分野への開拓や高付加価値製品の開発にも取り組んでいます。
サステナビリティを重要な経営課題と認識し、気候変動リスクへの対応や人的資本への戦略的投資を進めています。従業員一人ひとりの成長と能力発揮を重視し、性別や年齢に関わらず、個々の生活スタイルに応じた柔軟な働き方を推進するカルチャーがあります。具体的には、時差出勤やリモートワークも導入されています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、国内の物価上昇や人手不足、資源高といった経営環境の課題を認識しています。このような状況のもと、既存事業のさらなる向上に加え、市場における優位性を高めるため、各事業の特性を活かした高付加価値製品の開発を重点テーマとしています。
また、グループ企業との連携による一気通貫体制を強化し、価格競争力を高めることで、安定した収益確保と強固な経営基盤作りを目指しています。社会貢献企業としての存在価値を高めていくことも重要なテーマです。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
技研ホールディングスは持株会社体制を採用しており、監査等委員会設置会社としてコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。取締役会は業務執行の最高意思決定機関として機能し、監査等委員会がその監督を担っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
技研ホールディングスの筆頭株主はフリージア・マクロス、次いで夢みつけ隊が上位株主となっています。両社は同じ住所に本社を構えており、関連会社を通じて同社グループの経営に深く関与していることがうかがえます。特定の株主グループが上位を占める資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| フリージア・マクロス | 27.50% |
| 夢みつけ隊 | 22.30% |
| 大和証券 | 3.20% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は5名(男性5名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は佐々木ベジ氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 佐々木 ベジ | 取締役社長(代表取締役) | 2009年9月フリージア・マクロス取締役会長(現)、2009年9月夢みつけ隊代表取締役(現)、2018年1月同社代表取締役社長就任(現)より現職。 |
| 久田 利一 | 取締役 | 1998年6月フリージア・マクロス取締役押出機事業本部長(現)、2022年6月同社取締役就任(現)より現職。 |
社外取締役は、野中信敬氏(弁護士・大島総合法律事務所パートナー)、小畑元氏(元大館市長・小畑設計顧問)、多胡英文氏(レオマックス代表取締役)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役3名全員が社外取締役で構成されています。これにより、取締役会の監督機能の強化と客観的・中立的な経営監視機能の確保を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指し、役員の報酬等を職責や貢献度に応じて決定する方針です。報酬体系は金銭報酬のみで構成されており、役位ごとの固定報酬を毎月支給する形が採用されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 社外役員 | 2名 | 10百万円 | 4.9百万円 |
なお、取締役の支給額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
💬キャリコネで会社の実態を確認する
決算資料で業績や財務の状況を把握することは、転職の準備として非常に有効です。数字は会社の今の実力と方向性を正直に示しています。
ただ、数字だけでは見えてこないこともあります。職場の雰囲気、上司との関係、実際の残業の実態、昇給のリアル——こうした情報は、現役社員やOB・OGの声から得られます。
企業口コミサイト「キャリコネ」では、社員のリアルな口コミや給与明細、求人情報をまとめて確認できます。決算データと合わせてチェックすることで、応募判断の精度が上がります。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。