※本記事は、株式会社共和コーポレーションの有価証券報告書(第40期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026年6月23日提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準はJapan GAAPです。
1. 共和コーポレーションってどんな会社?
同社は全国規模でアミューズメント施設を展開し、機器販売や広告代理店業も手掛ける企業です。
■(1) 会社概要
同社は1982年に共和レジャーシステムとして創業し、1986年にアミューズメント施設運営を目的に法人化しました。1999年に現在の共和コーポレーションへ商号を変更し、2018年に東京証券取引所に上場しています。近年も積極的な店舗展開を続け、2026年には道楽を完全子会社化してトレーディングカード事業を拡大させるなど、領域を広げています。
同社グループの従業員数は連結で279名、単体で246名となっています。筆頭株主は事業会社のユーミーコーポレーションであり、第2位および第3位は経営陣である宮本早苗氏、宮本和彦氏となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| ユーミーコーポレーション | 42.90% |
| 宮本早苗 | 11.09% |
| 宮本和彦 | 5.83% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性5名、女性2名の計7名で構成され、女性役員比率は28.6%です。代表取締役社長兼営業本部長は宮本和彦氏が務めており、社外取締役比率は42.8%となっています。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 宮本和彦 | 代表取締役社長兼営業本部長 | 1982年共和レジャーシステム創業。1986年同社専務取締役、1988年代表取締役社長。2026年より代表取締役社長兼営業本部長として広告営業部やTCG営業部等を担当し現在に至る。 |
| 宮本早苗 | 専務取締役 | 1982年共和レジャーシステム創業。1986年同社代表取締役社長。2017年専務取締役。2025年より専務取締役として業務部を担当し経理部等を管掌、現在に至る。 |
| 櫻井孝紀 | 取締役人事総務部長 | 1996年アメニティーズ入社。2006年同社入社。2011年人事部長、2016年執行役員を経て、2024年より取締役人事総務部長として情報システム部を担当し現在に至る。 |
| 長尾忠 | 取締役開発本部長兼店舗開発部長 | 1998年上新電機入社。2017年同社入社。2019年上席執行役員、2024年取締役営業本部長を経て、2025年より取締役開発本部長兼店舗開発部長を務め現在に至る。 |
社外取締役は、芹澤清(元中外製薬監査部長)、岡本俊也(岡本会計事務所開設)、中嶌実香(中嶌知文・実香法律事務所入所)です。
2. 事業内容
同社グループは、「アミューズメント施設運営事業」「アミューズメント機器販売事業」および「その他事業」を展開しています。
■(1) アミューズメント施設運営事業
ロードサイドや駅前などの様々な立地において、景品ゲームやメダルゲームなどを備えたアミューズメント施設(ゲームセンター、バッティングセンター、ボウリング場等)を展開し、幅広い世代の顧客にレジャー空間を提供しています。
店舗でのゲームプレイ料金などのサービス提供を通じて、来店顧客から収益を得ています。また、商業施設等のスペースに機器を設置する管理委託業務も行っており、運営は主に共和コーポレーションが担当しています。
■(2) アミューズメント機器販売事業
全国のアミューズメント施設運営会社(オペレーター)や卸売業者を対象に、業務用の国内ゲーム機新商品、中古機器、部品類、および景品類など多岐にわたるアミューズメント関連商品を販売しています。
機器や景品の販売代金として顧客から収益を得ており、商品の多くはメーカーからの直送で対応しています。また、施設運営ノウハウを活かしたコンサルティング提案も行っており、運営は主に共和コーポレーションが担っています。
■(3) その他事業
地元長野県を中心とした広告代理店業のほか、トレーディングカード専門店での新品・中古カードの買取および販売、子会社を通じた玩具「スクイーズ」などの企画・開発・販売を一般消費者に提供しています。
商品販売代金や広告の代理手数料として顧客から収益を得ています。運営は、共和コーポレーションのほか、子会社のブルームおよび道楽が担っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5年間の業績は、売上高および経常利益ともに右肩上がりの持続的な成長を記録しています。特に近年は景品ゲームの需要増大や新規出店の効果が大きく寄与し、収益規模が拡大しました。それに伴い、利益率も着実に改善しており、収益性の向上と事業の安定した成長基盤の強化が図られています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 104億円 | 124億円 | 146億円 | 167億円 | 207億円 |
| 経常利益 | 3億円 | 7億円 | 11億円 | 13億円 | 17億円 |
| 利益率(%) | 2.7% | 5.7% | 7.6% | 7.7% | 8.4% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 1億円 | 4億円 | 6億円 | 9億円 | 11億円 |
■(2) 損益計算書
直近2期間の損益構造を見ると、売上高の堅調な拡大に連動して売上総利益が増加しています。出店加速に伴う費用の増加はあったものの、増収効果によってコスト増を吸収し、営業利益および営業利益率ともに向上を果たしています。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 167億円 | 207億円 |
| 売上総利益 | 89億円 | 107億円 |
| 売上総利益率(%) | 53.1% | 51.8% |
| 営業利益 | 13億円 | 18億円 |
| 営業利益率(%) | 7.8% | 8.5% |
販売費及び一般管理費のうち、地代家賃が31億円(構成比34%)、給料及び手当が24億円(同27%)を占めています。
■(3) セグメント収益
主力の「アミューズメント施設運営」は、景品ゲームの好調や積極的な新規出店により大幅な増収増益を牽引しました。「アミューズメント機器販売」は売上が微減したものの利益は堅調に推移し、「その他」もトレーディングカード事業の拡大等で増収となっています。
| 区分 | 売上(2025年3月期) | 売上(2026年3月期) | 利益(2025年3月期) | 利益(2026年3月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| アミューズメント施設運営 | 153億円 | 190億円 | 17億円 | 22億円 | 11.8% |
| アミューズメント機器販売 | 4億円 | 4億円 | 2億円 | 2億円 | 71.4% |
| その他 | 10億円 | 14億円 | 1億円 | 0.9億円 | 6.3% |
| 連結(合計) | 167億円 | 207億円 | 13億円 | 18億円 | 8.5% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
営業で利益を出し、借入によって積極投資を行う状態です。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 25億円 | 40億円 |
| 投資CF | -27億円 | -43億円 |
| 財務CF | -3億円 | 6億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は20.8%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は31.7%で市場平均を下回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社グループは、「三つの楽しみ(顧客満足の楽しみ、一生懸命の楽しみ、実践と行動の楽しみ)」という経営理念を掲げています。お客様と従業員の双方の「楽しみ」の創出を目指し、レジャー空間の提供を通じて社会に貢献することを存在理由として、日々事業活動を推進しています。
■(2) 企業文化
同社グループは、「明るい(外壁がガラス仕様)、安心(健全で衛生的)、三世代(三世代でご来店いただける店舗作り)」をモットーに運営しています。接客を通じたお客様への共感や対話を重視し、現場のトレンドを迅速に店舗作りに反映させるなど、顧客満足度(CS)の向上を徹底する文化が根付いています。
■(3) 経営計画・目標
同社は、企業規模のさらなる拡大と「安心・安全・安価」にお楽しみいただけるアミューズメントスポットとしての強みを全国に浸透させることを中長期的な目標として掲げています。具体的な数値計画に関する明記はありませんが、安定した経営基盤の構築と継続的な出店数の増加を最重要課題として事業拡大を図っています。
■(4) 成長戦略と重点施策
今後の成長戦略として、営業基盤の強化および効率的な店舗網の構築を目指し、現在の店舗所在地域を拠点として点から線、線から面への出店戦略を推進します。あわせて、M&Aの積極的な活用による事業規模拡大のスピードアップ、店舗運営を担う人材の育成、電子決済システムの導入推進による環境変化への対応などに注力していきます。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
同社グループは、「従業員の安定的確保」と「次期経営幹部の育成」を重点課題に掲げています。正規・非正規を問わず多様な採用手法や株式の支給等を取り入れて定着率向上を図りつつ、中堅から役職者に向けた長期育成プログラムを実施し、次世代リーダーや経営を担う幹部人材の継続的な育成を推進しています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | 38.6歳 | 8.2年 | 5,165,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 5.1% |
| 男性育児休業取得率 | 66.7% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 62.2% |
| 男女賃金差異(正規雇用労働者) | 82.1% |
| 男女賃金差異(パート・有期労働者) | 93.7% |
また、同社は「サステナビリティに関する考え方及び取組」のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、全労働者に占める女性の割合(47.3%)、正規社員に占める女性の割合(22.2%)などです。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 経済情勢の変化
国内の景気変動や経済政策による雇用水準の変化で消費者の可処分所得が減少し、アミューズメントなどのレジャーへの支出が落ち込んだ場合、店舗の来店客数や収益に悪影響を及ぼし、事業および業績に影響を与える可能性があります。
■(2) アミューズメント施設運営における環境変化
競合店に先駆けた最新機器の導入遅延や、導入した機器が顧客の嗜好に合致しなかった場合、またはレジャーに対する顧客の嗜好自体が変化した場合には、事業戦略が機能せず業績に影響を及ぼす可能性があります。
■(3) 出店施策と敷金・保証金の回収不能リスク
計画通りの基準を満たす物件が確保できずに店舗展開が遅れる場合や、賃借時の敷金や保証金が中途解約により違約金の対象となる、もしくは貸主の破綻で回収不能となった場合、出店計画と財務に影響を及ぼす可能性があります。
■(4) 関連法令の規制強化
「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」や「不当景品類及び不当表示防止法」等の規制強化や新たな法改正が行われた場合、店舗運営や景品提供において事業活動が制約を受け、業績に影響を及ぼす可能性があります。



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