リグア 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

リグア 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

グロース市場に上場し、接骨院向けの経営支援や金融サービスを展開しています。2025年3月期の売上高は29億円で前期比16.3%の減収となりました。利益面では、営業損失1.5億円、親会社株主に帰属する当期純損失3.0億円を計上し、前期の黒字から赤字に転落するなど苦戦しています。


※本記事は、株式会社リグア の有価証券報告書(第21期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月25日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. リグアってどんな会社?


接骨院向けの経営支援(ウェルネス事業)と、保険・金融商品仲介(ファイナンシャル事業)を展開する企業です。

(1) 会社概要


2004年に設立され、接骨院向けCRMシステムの開発やEMS等の機材販売を開始しました。2018年には療養費請求代行サービスを開始し、2020年に東証マザーズへ上場しました。その後、2022年にIFMC.(集積機能性ミネラル結晶体)関連事業を子会社化し、2024年にはソフトウェア事業の一部を譲渡しています。

従業員数は連結142名、単体51名です。筆頭株主は創業者の川瀨紀彦氏で、第2位は投資事業を行う法人です。

氏名 持株比率
川瀨 紀彦 31.64%
BRIDGE 12.97%
藤原 俊也 5.80%

(2) 経営陣


同社の役員は男性8名、女性0名の計8名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は川瀨紀彦氏です。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
川瀨 紀彦 代表取締役社長 2000年商工ファンド入社。2004年リグア設立時に代表取締役社長就任。グループ各社の代表・役員を兼務し、2022年よりイフミックウェルネス代表取締役会長、2023年よりヒゴワン代表取締役社長。
藤原 俊也 取締役副社長 2001年ノヴァ入社。2005年リグア入社、同年取締役就任。2015年より取締役副社長。グループ会社の取締役を経て、2023年よりヘルスケア・フィット代表取締役社長。
大浦 徹也 取締役管理部長 2002年ノヴァ入社。エクステンド、eWeLLを経て2015年リグア入社。2016年取締役管理部長就任。ヘルスケア・フィット、FPデザイン等のグループ会社取締役を兼任。


社外取締役は、村田雅幸(元大阪証券取引所執行役員)、丸岡吉人(元電通デジタル代表取締役社長兼COO)です。

2. 事業内容


同社グループは、「ウェルネス事業」および「ファイナンシャル事業」を展開しています。

(1) ウェルネス事業


接骨院等の経営・運営支援を行います。具体的には、機材・消耗品(EMS、トムソンベッド等)や健康サポート商品(IFMC.製品)の販売、療養費請求代行サービス、経営コンサルティング、教育研修などを提供しています。2024年5月にソフトウェア事業の一部を譲渡しました。

収益は、機材や商品の販売代金、請求代行手数料、コンサルティング料、受講料などから得ています。運営は主にリグア、ヘルスケア・フィット、ヒゴワン、日本ソフトウエア販売、イフミックウェルネスが行っています。

(2) ファイナンシャル事業


保険代理店として生命保険・損害保険の募集を行うほか、金融商品仲介業(IFA)として資産運用アドバイスを行います。また、事業会社向けの財務コンサルティングやM&A仲介などの経営支援業務も手掛けています。

収益は、保険会社からの代理店手数料、証券会社からの金融商品仲介手数料、コンサルティングフィーやM&A仲介手数料などから得ています。運営は主にFPデザインが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


2025年3月期は、ソフトウェア事業の譲渡や一部事業の伸び悩みにより減収となりました。利益面では、売上の減少に加え、先行投資による販管費の増加などが影響し、各利益段階で損失を計上しています。

項目 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期
売上高 27億円 32億円 28億円 34億円 29億円
経常利益 2.4億円 1.5億円 -5.3億円 0.9億円 -1.9億円
利益率(%) 8.9% 4.7% -18.6% 2.7% -6.5%
当期利益(親会社所有者帰属) 1.6億円 0.7億円 -7.7億円 1.0億円 -3.0億円

(2) 損益計算書


2025年3月期は前期と比較して売上高が減少し、売上総利益率も低下しました。販管費が増加したことで営業損失となりました。

項目 2024年3月期 2025年3月期
売上高 34億円 29億円
売上総利益 19億円 17億円
売上総利益率(%) 54.8% 59.4%
営業利益 1.2億円 -1.5億円
営業利益率(%) 3.4% -5.4%


販売費及び一般管理費のうち、給料及び手当が7.2億円(構成比39%)、役員報酬が2.4億円(同13%)を占めています。

(3) セグメント収益


ウェルネス事業はソフトウェア事業譲渡や機材販売の減少等により減収となり、営業損失を計上しました。ファイナンシャル事業も保険代理店等の成約が想定を下回り減収となり、人的投資等の負担で営業損失となりました。

区分 売上(2024年3月期) 売上(2025年3月期) 利益(2024年3月期) 利益(2025年3月期) 利益率
ウェルネス事業 23億円 18億円 1.0億円 -0.3億円 -1.6%
ファイナンシャル事業 11億円 10億円 0.2億円 -1.3億円 -12.2%
連結(合計) 34億円 29億円 1.2億円 -1.5億円 -5.4%

(4) キャッシュ・フローと財務指標

項目 2024年3月期 2025年3月期
営業CF 0.0億円 1.6億円
投資CF 0.1億円 1.5億円
財務CF 1.4億円 -2.9億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は当期純損失のため算出できませんが、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は10.2%で市場平均を下回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社グループは「DESIGNING WELLNESS LIFE」というパーパスのもと、「人生から不安をなくし、生きるをサポートする。」企業グループとして、人生における「からだ」と「おかね」の2つの不安をなくす事業を展開し、誰もが心から豊かで前向きになる社会の実現を目指しています。

(2) 企業文化


同社は、経営理念の浸透を重視し、すべての従業員が活躍できる組織環境づくりに取り組んでいます。また、「女性の活躍」を重要な経営戦略のひとつと位置付け、育児や家庭と両立しながら安心して働ける職場環境づくりや、多様な人材が活躍できる環境整備を推進しています。

(3) 経営計画・目標


同社グループでは、継続的に収益を確保し、事業規模の拡大を図るためにも、売上高・経常利益及び営業利益率を重要な経営指標と位置付けています。具体的な数値目標については、有価証券報告書内に記載はありません。

(4) 成長戦略と重点施策


全国約5万院ある接骨院との取引シェア拡大を目指し、新規開拓活動を推進します。また、接骨院のIT化やDX支援、IFMC.を活用した新商品開発、ヘルスケア業界全体への事業展開に注力します。さらに、組織的な営業体制の構築やストック収益の確保による安定収益基盤の強化にも取り組みます。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


「どの社会に出ても通用する人材を創る」という教育方針のもと、社員教育を実施しています。組織的な営業体制構築のため、優秀な人材の確保と教育制度の充実に注力し、すべての従業員が能力を最大限に発揮できる環境づくりに取り組んでいます。また、多様な人材の活躍推進も進めています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均をやや下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年3月期 34.3歳 5.2年 5,333,000円


※平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社および連結子会社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。

また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、全従業員に占める女性の割合(40.1%)、管理職に占める女性の割合(12.5%)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 外部環境の変化


接骨院業界における競争激化や療養費の引き下げ等が起きた場合、取引先の業績悪化を通じて同社グループの売上が減少する可能性があります。また、金融商品仲介業においては、市場環境の悪化により顧客の投資意欲が減退し、収益に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 法的規制への対応


ウェルネス事業は医薬品医療機器等法、ファイナンシャル事業は保険業法や金融商品取引法等の規制を受けています。法改正や規制強化が行われた場合、対応コストの増加や事業活動への制約が生じ、業績に影響を与える可能性があります。また、広告表現に関する規制違反等があれば社会的信用を失う恐れがあります。

(3) 情報セキュリティ


事業において個人情報等を扱っているため、不正アクセス等により情報の流出や消失が発生した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜を招き、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。特に療養費請求代行や金融サービスでは機微な情報を扱うため、厳格な管理が求められます。

(4) 特定の仕入先への依存


IFMC.製品、EMS、トムソンベッド等の主要商品は特定の仕入先から調達しています。自然災害や仕入先の経営破綻等により安定的な仕入が困難になった場合、販売機会の損失や代替品の確保に伴うコスト増などにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。