※本記事は、リグアの有価証券報告書(第22期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. リグアってどんな会社?
同社は、接骨院向けの経営支援や健康サポート製品の提供と、保険代理店などの金融事業を展開しています。
■(1) 会社概要
2004年にリグアを設立し、2009年に接骨院向けシステム運営を開始しました。2020年には東証マザーズに上場し、2022年の市場再編で東証グロース市場へ移行しました。直近では2025年8月に金融商品仲介業を譲渡するなど、事業ポートフォリオの見直しを進めています。
従業員数は連結で129名、単体で63名です。筆頭株主は創業者で代表取締役社長の川瀨紀彦氏であり、第2位は事業会社のBRIDGE、第3位はTBMとなっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 川瀨 紀彦 | 29.64% |
| BRIDGE | 12.15% |
| TBM | 6.29% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性9名、女性0名の計9名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は川瀨紀彦氏です。社外取締役は2名選任されています。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 川瀨 紀彦 | 代表取締役社長 | 商工ファンド、ホロニックを経て2004年同社設立。複数子会社の役員を歴任し現職。 |
| 藤原 俊也 | 取締役副社長 | ノヴァを経て2005年同社入社。同年取締役就任。子会社社長等を兼任し2015年より現職。 |
| 大浦 徹也 | 取締役 | ノヴァ、eWeLL等を経て2015年同社入社。2016年取締役就任。複数子会社取締役を兼任し現職。 |
| 半田 晴彦 | 取締役 | 日本マイクロソフト、LINEヤフー、アクシスコンサルティング等を経て2024年同社入社。2025年より現職。 |
社外取締役は、村田雅幸(元東京証券取引所執行役員)、丸岡吉人(元電通デジタル代表取締役社長)です。
2. 事業内容
同社グループは、「ウェルネス事業」および「ファイナンシャル事業」を展開しています。
■ウェルネス事業
接骨院向けに、AIやWebを活用したコンサルティング、ソフトウェアの販売・保守、療養費請求代行サービスなどを提供しています。また、健康増進メニューを支援する医療機器等の機材・消耗品や、独自素材IFMC.を用いた健康サポート製品の販売も行っています。
接骨院からのシステム利用料やコンサルティング料、機材・製品の販売代金、請求代行手数料が主な収益源です。運営は同社のほか、子会社の日本ソフトウエア販売、ヒゴワン、ヘルスケア・フィット、イフミックウェルネスが行っています。
■ファイナンシャル事業
ウェルネス事業を展開する同社グループや提携先からの紹介を通じ、生命保険および損害保険の募集活動を行う保険代理店事業を提供しています。また、財務コンサルティングを中心とした事業会社の経営支援業務も行っています。
主な収益源は、保険会社から受け取る代理店手数料や、顧客から受け取る財務コンサルティングなどの経営支援・紹介手数料です。本事業の運営は、子会社のFPデザインが行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近3期間の業績を見ると、売上高は減少傾向にあります。事業譲渡などの影響により利益面でも苦戦が続いており、経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失を計上しています。収益性の改善が急務となっています。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 34億円 | 29億円 | 24億円 |
| 経常利益 | 0.9億円 | -1.9億円 | -1.6億円 |
| 利益率(%) | 2.7% | -6.5% | -6.6% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 1.0億円 | -3.0億円 | -2.4億円 |
■(2) 損益計算書
売上高の減少に伴い、売上総利益も縮小しています。一方で販売費及び一般管理費を抑制したことにより、営業赤字の幅は前期と比較して縮小しています。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 29億円 | 24億円 |
| 売上総利益 | 17億円 | 14億円 |
| 売上総利益率(%) | 59.4% | 58.8% |
| 営業利益 | -1.5億円 | -1.2億円 |
| 営業利益率(%) | -5.4% | -5.1% |
販売費及び一般管理費のうち、給料及び手当が5.6億円(構成比36%)、役員報酬が1.8億円(同11%)を占めています。売上原価の主な内訳に関する具体的な記載はありません。
■(3) セグメント収益
主力のウェルネス事業は、事業譲渡等の影響で減収となり、営業損失が拡大しました。ファイナンシャル事業も、金融商品仲介業等の譲渡や紹介手数料の減少により大幅な減収となりましたが、費用の減少により赤字幅は縮小しています。
| 区分 | 売上(2025年3月期) | 売上(2026年3月期) | 利益(2025年3月期) | 利益(2026年3月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| ウェルネス事業 | 18億円 | 18億円 | -0.3億円 | -0.4億円 | -2.1% |
| ファイナンシャル事業 | 10億円 | 6.5億円 | -1.3億円 | -0.9億円 | -13.4% |
| 連結(合計) | 29億円 | 24億円 | -1.5億円 | -1.2億円 | -5.1% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
営業利益で借入返済を行い、投資も手元資金で賄う優良企業である健全型です。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 1.6億円 | 2.6億円 |
| 投資CF | 1.5億円 | -0.4億円 |
| 財務CF | -2.9億円 | -3.9億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は当期純損失のため算出されていませんが、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は7.1%で、グロース市場の非製造業平均を下回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
「DESIGNING WELLNESS LIFE」というパーパスのもと、「人生から不安をなくし、生きるをサポートする。」企業グループとして、人生における2つの不安である「からだ」の不安をなくすウェルネス事業と「おかね」の不安をなくすファイナンシャル事業を展開し、誰もが心から豊かで前向きになる社会の実現を目指しています。
■(2) 企業文化
同社は「どの社会に出ても通用する人材を創る」という教育方針を掲げており、入社した人材が能力を最大限に発揮できる教育制度や組織環境づくりを推進しています。また、従業員が定着し活躍するためには共通の考え方となる経営理念の浸透が重要であると考え、理念をベースとした組織文化の醸成に取り組んでいます。
■(3) 経営計画・目標
同社グループでは、継続的に収益を確保し事業規模の拡大を図るため、「売上高」「経常利益」および「営業利益率」を重要な経営指標として位置付けています。現状では具体的な数値目標は公表されていませんが、これらを重視しながら持続的な成長を目指しています。
■(4) 成長戦略と重点施策
成長戦略として、全国の接骨院との取引シェア拡大を推進しています。また、IT化やDXによる生産性向上を支援する新商品・サービスの開発や、独自素材「IFMC.」を活用したヘルスケア業界全体への事業展開に注力しています。併せて、継続的なストック収益を確保し、安定的な収益基盤の強化を図っています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
「どの社会に出ても通用する人材を創る」という教育方針のもと、若手には基礎力、中堅にはマネジメントスキルといった階層別の教育を充実させています。また、キャリアフォロー面談を通じた適材適所の配置や、メンター制度による定着支援、女性活躍を見据えた職場環境の整備を進めています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均を大きく下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | 36.1歳 | 6.8年 | 5,223,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社および連結子会社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。
また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、全従業員に占める女性の割合(40.1%)、管理職に占める女性の割合(12.5%)などです。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 業界特有の法的規制の変更
同社の事業は、医薬品医療機器等法や保険業法など複数の法的規制を受けています。今後新たな規制の導入や現行ルールの強化などの法改正が行われた場合、コンプライアンス対応へのコスト増加や事業活動の制限が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
■(2) 特定の仕入先への依存と品質問題
「IFMC.製品」や医療機器などの主力商品は、特定の仕入先に依存しています。不測の事態により適切な価格・タイミングでの仕入が困難になった場合や、製品の安全性や品質に問題が生じて大規模な回収等が発生した場合には、同社の業績や社会的信用に影響を与えるリスクがあります。
■(3) 療養費請求代行サービスにおける事務過誤
接骨院等から委託を受ける療養費請求代行サービスでは、業務の一部を外部委託しつつ人員体制を整えています。しかし、想定を上回る請求申請書の不備や提出の遅延が発生し、顧客への支払いが滞った場合、社会的信用を失い業績に影響を及ぼす可能性があります。



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