※本記事は、TDSE株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
TDSEは、データおよびAI活用をコアバリューとするデータサイエンティストやエンジニアが、企業の業務改革や新事業構築を支援する企業です。生成AI・AIエージェント技術の急速な進展に対応し、コンサルティングサービスとプロダクトサービスの両面で生成AIエージェント関連サービスの比率を高めています。
同社の単体従業員数は170名です。セグメントはビッグデータ・AIソリューション事業の1つです。
同社は、データおよびAI活用のノウハウをコアバリューとするデータサイエンティストやエンジニアが、データ経営を目指す企業の業務改革や新事業構築を支援しています。提供するサービスは「コンサルティングサービス」と「プロダクトサービス」の2つに分類されます。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
TDSEは、データサイエンスとAI技術を核に事業を展開しており、専門性の高い人材が活躍する環境です。同社では、従業員の成長とエンゲージメントを重視した人事制度を整備し、個々のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を支援しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、比較的若い年齢層の従業員が活躍しており、平均勤続年数から見ても、一定の定着傾向が見られます。データサイエンスやAIといった専門分野でのキャリアを築きたい方にとって、成長機会の多い環境であると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,771,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.5年 |
| 平均年齢 | 36.4歳 |
| 単体従業員数 | 170人 |
同社は、確定拠出年金制度を設けているほか、総合設立型の確定給付企業年金(日本ITソフトウエア企業年金基金)に加入しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、「データに基づいて意思決定を高度化する」というミッションと「データを活用した可能性に溢れた豊かな社会」というビジョンの達成には、顧客課題を深く理解し、先端AI技術を活用して解決に導くことができる人材の確保・育成が不可欠と考えています。この認識のもと、「人事ポリシー」を策定し、当社の文化及びミッション・ビジョンに共感し、ともに実現するために必要な「求める人物像」を定めています。
給与その他の給付に関する方針については、仕事の責任の重さ(役割)と仕事の結果(成果・行動の事実)に対し、公平に人件費の配分を行うことを基本としています。役割の責任の重さに応じて等級を決定する等級制度を採用し、等級・職種別に期待する役割を定義したうえで給与水準を設定しています。特定の領域で卓越した専門性を発揮する人材については、その専門性を評価する等級・処遇を設けることで、高度専門人材の確保・定着を図っています。
従業員の給与は、等級ごとに設定した給与レンジに基づく月例給与、会社の業績に連動する賞与及び各種手当により構成されています。評価は、戦略マップやバランススコアカード等を用いて会社目標及び組織目標と個人目標との整合を図ったうえで、成果と行動の両面から実施しています。また、技術要員の採用および育成を強化するため、『人財強化専門組織』を設置しています。創業時より人材強化に繋がる教育ノウハウが豊富に蓄積されており、人材育成に関する仕組みや教育風土に優位性があると自負しています。スキル向上と業績成果に応じた人事評価・報酬制度の充実を図るとともに、フレックスタイム制度・在宅勤務制度、出産・育児・介護休暇制度、教育支援制度(資格取得補助制度、研修受講料補助制度、書籍購入費補助制度等)、慶弔見舞金、社会貢献活動休暇、サバティカル休職制度を整備しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。各指標は、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性従業員の割合 | 3.2% |
| 男性従業員の育児休業取得率 | 100.0% |
| 従業員の男女の賃金の差異(全従業員) | 85.3% |
| 従業員の男女の賃金の差異(雇用期間の定めのない従業員) | 86.3% |
| 従業員の男女の賃金の差異(臨時従業員) | 91.9% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 技術社員増加率の目標 | 12.2% |
| 技術社員増加率の実績 | 1.4% |
| 2025年4月技術者 | 148名 |
| 2026年4月技術者 | 150名 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
TDSEは、データとAIの活用を核として、企業の業務改革や新たな事業構築を支援する専門集団です。コンサルティングサービスとプロダクトサービスを通じて、多様な業界の課題解決に取り組んでいます。
同社は、データサイエンスの専門性を活かし、データ経営を目指す企業を支援しています。提供するサービスは「コンサルティングサービス」と「プロダクトサービス」に分類され、いずれの領域でも生成AIエージェントに関連するサービスの比率を高める方向性を示しています。
コンサルティングサービスでは、AIを中心とした統合型ソリューションを提供しており、データ活用のテーマ抽出から分析、AIモデル構築、AIシステム実装、教育までを一貫して支援しています。生成AIを活用したコンサルティングも含まれ、AIエージェントの設計・構築・業務組み込みまで対応範囲を広げています。
プロダクトサービスでは、同社独自のAI製品「TDSEシリーズ」や、他社AI製品の販売、業務特有のAIモジュールを提供しています。ソーシャルメディア分析製品や対話型AIプラットフォーム、生成AIプラットフォームなど多様な製品群を展開しており、DifyやCognigyといった生成AIエージェント関連製品も含まれます。このサービスは継続利用・契約に基づくストック型収益を担う領域として位置づけられています。
同社は、創業以来500社を超える企業を支援しており、国内最高峰のデータサイエンティスト集団を自負しています。社員の8割以上がデータサイエンティストとエンジニアで構成され、高い専門性を持つ人材が多数在籍しています。コンサルティングで得た知見をプロダクト開発に反映させ、プロダクトがコンサルティングの高度化を支えるという好循環を実現しています。
特定の顧客への収益集中が見られます。当事業年度においては、ファーストリテイリングへの販売実績が全体の一定割合を占めており、リクルートへの販売実績も同様に一定割合を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高と各利益項目において増加傾向を示しています。当事業年度の売上高は、プロダクトサービスとAIエージェントサービスが順調に拡大したことにより、前期から増加しました。利益面では、コンサルティング事業の強化や新たなAIエージェント部門の立ち上げに伴う人件費の増加があったものの、売上高の増加がこれを上回り、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前期から増加しています。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、財務の安定性を示す指標において、堅実な状況にあることがうかがえます。事業活動で安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資余力も確保している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、純資産合計と手元資金の状況から確認できます。純資産合計は安定的に推移しており、手元資金も潤沢に確保されている状況です。これにより、事業運営の安定性が保たれ、従業員の雇用や給与の安定性にもつながる基盤があることが示されています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産合計 | 22.1億円 | 23.8億円 |
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 19.6億円 | 21.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、事業活動で安定的に資金を生み出している状況を示しています。本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローはプラスであり、安定した資金創出能力があることがうかがえます。
投資活動によるキャッシュフローはプラスに転じており、保険積立金の解約による収入が主な要因となっています。財務活動によるキャッシュフローは配当金の支払によりマイナスとなっています。
これらの結果、フリーキャッシュフローはプラスを維持しており、同社が事業活動で得た資金を自由に使える状態にあることを示しています。この資金状況は、事業の安定的な運営と将来への再投資余力を確保していることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながるものとなっています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 2.0億円 | 1.9億円 |
| 投資CF | △12百万円 | 7百万円 |
| 財務CF | △22百万円 | △22百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 1.9億円 | 2.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、ビッグデータ活用技術及びAI技術に基づく事業を展開しており、新技術の開発が相次ぐ変化の激しい業界にあります。競合他社の代替サービスが登場した場合、同社の競争力に影響を与える可能性があります。
また、特定の取引先への売上高依存もリスクとして挙げられています。株式会社ファーストリテイリングと株式会社リクルートへの売上高が、2026年3月期売上高に対してそれぞれ18.1%、15.5%を占めています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、今後の事業拡大及び多様化に対応するため、専門的な情報技術や業務知識を有する優秀な人材の確保を必要としています。優秀な人材の確保が計画どおりに進まない場合や社外に流出した場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
TDSEは、「データを活用した可能性に溢れた豊かな社会」の実現をビジョンに掲げ、企業の意思決定を高度化・加速化する支援を提供しています。データサイエンスの専門性とAIエージェント実装力を組み合わせ、社会や顧客企業に貢献することを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は、「データを活用した可能性に溢れた豊かな社会」をビジョンとして掲げています。また、「データに基づいて意思決定を高度化する」ことをミッションであり、社会的役割と位置付けています。
生成AI・AIエージェント技術の進展により、分析結果を踏まえた判断・実行・運用までを支援することが可能となりました。これにより、同社は企業の意思決定をより一層高度化・加速化する支援を提供していく方針です。
新中期経営計画「SHIFT 2028」では、『次世代労働力としてのエージェント(データとAIの集合知)と、人が共存・共創する社会へのシフト』をビジョンとしています。生成AI・AIエージェントを活用し、人の意思決定を拡張し、企業経営のスピードと質を高める支援を提供することを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、ミッション・ビジョンの達成には、顧客課題を深く理解し、先端AI技術を活用して解決に導く人財の確保・育成が不可欠と考えています。この認識のもと、「人事ポリシー」を策定し、「求める人物像」を定めて社内への浸透を図っています。
同社のコアコンピタンスは、「国内最高峰のデータサイエンティスト集団」「ビジネス課題ファーストな技術力と実績」「コンサルティングからプロダクト開発まで一気通貫の実現体制」の3つです。
Valueの一つとして、『「チームワークと成長」互いの考え方・働き方・生き方を尊重し、常に協力して、自分とチーム全体を成長させる。』を掲げています。性別・年齢等を問わず能力の高い人財の採用を進める方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、顧客企業の経営層の関心がAI精度向上から現場で使えるAIによる効率化、意思決定スピードの加速へと変化していることを課題としています。このため、従来の分析提供にとどまらず、生成AIを用いた判断・実行までを見据えた支援への進化が求められています。
また、本業における高品質・開発期間の長いオーダーメイドAI構築から、生成AIを組み合わせたAI活用へ切り替えることが、持続的成長の基盤であるとの認識を強めています。
新中期経営計画「SHIFT 2028」では、テクノロジー、ビジネスモデル、実行体制の三つの観点から段階的な構造転換を進めることを重点テーマとしています。具体的には、成長軸の転換(従来型AIから生成AIへ)、収益構造の転換(フロー型からストック型へ)、営業組織および技術組織の再設計による実行力強化に取り組む方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
TDSEは監査役制度を採用しており、取締役会と監査役が連携して経営の監視・監督を行っています。社外役員も積極的に登用し、客観的な視点を取り入れたガバナンス体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は事業会社であるテクノスジャパンです。その他、個人株主や機関投資家が上位株主として名を連ねています。特定の事業会社が筆頭株主として同社を支える資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| テクノスジャパン | 18.15% |
| 城谷 直彦 | 7.94% |
| あいおいニッセイ同和損害保険 | 7.64% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.0%です。代表取締役社長は東垣直樹氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 東垣 直樹 | 代表取締役社長 | 2003年4月テクノスジャパン入社、2017年9月同社執行役員エンジニアリンググループ長、2020年6月同社代表取締役社長より現職。 |
| 池野 成一 | 取締役 執行役員常務 | 1997年2月アリスエフ入社、2014年2月同社執行役員マーケティング&セールスグループ長、2026年4月同社取締役執行役員常務Data&AI-Driven本部副本部長 兼 Data&AI-Driven本部営業統括長より現職。 |
| 結束 晃平 | 取締役 執行役員常務 | 2013年4月ブレインチャイルド入社、2014年4月同社入社、2023年6月同社取締役執行役員常務コンサルティング本部長 兼 コンサルティング本部データサイエンスグループ長、2026年4月同社取締役執行役員常務Data&AI-Driven本部長 兼 Data&AI-Driven本部D3E統括長より現職。 |
社外取締役は、宮本竜哉氏(イエルバ・ブエナ代表取締役・立教大学経営学部兼任講師)です。
同社は監査役会設置会社としてコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。社外監査役は取締役会に参加して経営を監視・監督し、内部監査室や会計監査人と連携を図ることで、業務の適正性を確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は、企業価値の持続的な向上を図ることを基本方針としています。業務執行取締役の報酬は固定報酬と株式報酬で構成され、社外取締役には固定報酬のみが支給されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 68百万円 | 17.1百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 9百万円 | 8.7百万円 |
| 社外取締役 | 1名 | 4百万円 | 4.3百万円 |
| 社外監査役 | 2名 | 8百万円 | 4.0百万円 |
非金銭報酬等として取締役(社外取締役を含まない)に対して株式報酬を交付しています。報酬等の総額は89.6百万円であり、対象となる役員の合計は8名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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