gooddaysホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

gooddaysホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

gooddaysホールディングスは東京証券取引所グロース市場の上場企業です。主にITセグメントでのシステム開発やサービス提供と、暮らしセグメントでの賃貸住宅リノベーション、生活プラットフォームの運営を展開しています。直近の業績は売上、利益ともに大きく伸長しており、増収増益のトレンドで推移しています。


※本記事は、gooddaysホールディングス株式会社の有価証券報告書(第11期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. gooddaysホールディングスってどんな会社?


ITソリューションの提供と賃貸住宅を中心とした暮らしプラットフォームの運営を展開する企業です。

(1) 会社概要


2016年3月にオープンリソース、オープンワークス、ハプティックおよびグッドルームを子会社とする純粋持株会社として新設統合されました。2019年3月に東京証券取引所マザーズに上場し、2020年8月には経営効率化のため本社を東京都品川区へ移転しました。その後、2022年4月にグロース市場へ移行しています。

従業員数は連結358名、単体18名です。筆頭株主は創業者や役員の資産管理会社であるCASABLANCAで、第2位は創業家で代表取締役副社長の小倉弘之氏、第3位も創業家で代表取締役社長の小倉博氏となっています。

氏名 持株比率
CASABLANCA 45.91%
小倉 弘之 11.00%
小倉 博 9.98%

(2) 経営陣


同社の役員は男性7名、女性1名の計8名で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は小倉博氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。

氏名 役職 主な経歴
小倉 博 代表取締役社長 元日本NCR。1987年オープンリソース代表取締役社長に就任し現職。2016年より現職。
小倉 弘之 代表取締役副社長 元竹中工務店。2013年グッドルーム代表取締役社長に就任し現職。2016年より現職。
横田 真清 取締役 兼グループ企画部長 元良品計画。2018年同社入社、グループ企画部長就任。2021年より現職。


社外取締役は、菅原貴弘(エルテス代表取締役社長)、中村岳(レアジョブ代表取締役社長)です。

2. 事業内容


同社グループは、「IT」および「暮らし」事業を展開しています。

(1) IT


主に流通小売業界と金融業界向けにシステム開発やITソリューションを提供しています。新しいビジネス変革に対応するため、「Redxビジネス」と「ユーザーコネクトビジネス」を展開しており、顧客のDX推進や課題解決を支援しています。

収益は、自社プロダクトの導入支援やハードウェア・ライセンスの販売、システムの受託開発による請負収益や常駐エンジニアによるSEサービス収益を得ています。運営は主にオープンリソースが行っています。

(2) 暮らし


賃貸住宅のリノベーション工事から入居者募集、運営までを一貫して手がけており、「goodroomソリューションビジネス」と「リノベーションビジネス」を展開しています。新しい暮らし方や働き方の提案を目的としています。

収益は、賃貸住宅向けリノベーションの設計・施工請負収益や、メディア運営、シェアオフィス、マンスリー賃貸などの施設運営収益から得ています。運営は主にグッドルームおよびグッドセーフティが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5期間の業績を見ると、売上高は一貫して増加傾向にあり、事業規模の拡大が続いています。経常利益も当期において大きく伸長しており、収益力の向上がうかがえます。当期利益は変動がありますが、全体として増収基調を維持しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 61億円 64億円 74億円 88億円 115億円
経常利益 5億円 5億円 5億円 6億円 9億円
利益率(%) 7.7% 8.6% 6.5% 6.3% 8.0%
当期利益(親会社所有者帰属) 0.3億円 0.3億円 0.1億円 7.9億円 0.2億円

(2) 損益計算書


売上高と売上総利益ともに増加しており、堅調な事業成長が確認できます。営業利益も大きく増加し、営業利益率も改善していることから、効率的なコストコントロールと本業の収益力強化が進んでいることがわかります。

項目 2025年3月期 2026年3月期
売上高 88億円 115億円
売上総利益 22億円 27億円
売上総利益率(%) 25.1% 23.2%
営業利益 6億円 9億円
営業利益率(%) 6.9% 8.1%


販売費及び一般管理費のうち、給料及び手当が5億円(構成比30%)、業務委託費が3億円(同15%)を占めています。売上原価は88億円で、売上高に対する構成比は77%となっています。

(3) セグメント収益


ITセグメントは前期と同水準の売上を維持しており、安定した基盤となっています。一方、暮らしセグメントは大きく売上を伸ばしており、同社グループの成長を牽引する主力事業として全体の増収に大きく貢献しています。

区分 売上(2025年3月期) 売上(2026年3月期)
IT 38億円 38億円
暮らし 50億円 77億円
連結(合計) 88億円 115億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標


同社のキャッシュ・フローは、営業CFがプラス、投資CFがマイナス、財務CFがプラスとなっており、営業で利益を出し、借入によって積極投資を行う「積極型」の状態です。

項目 2025年3月期 2026年3月期
営業CF 6億円 3億円
投資CF -1億円 -21億円
財務CF -0.0億円 18億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は18.3%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は41.5%で市場平均を下回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


ミッションに「どこにもないふつう」を掲げています。業界の常識を疑い、固定観念にとらわれない発想で、今まで「ふつうでなかった」ことを明日「ふつう」にすることで、新しいニーズや顧客層を生み出し、社会に貢献する企業を目指しています。

(2) 企業文化


同社は「お客様の立場に立脚」「仕組み・標準化」などをバリューとして掲げています。個々の顧客に適合したサービスをモデル化して提供することで差別化を図るとともに、抜本的なオペレーションコストの削減を「仕組み」で実現することを重視して事業を推進しています。

(3) 経営計画・目標


構造改革の一助となることで社会的コストの低減化を目指すとともに、新しいサービスビジネスの実現による事業基盤の強化と収益力の向上を中長期的な目標として掲げています。

(4) 成長戦略と重点施策


両セグメントにおいて「標準化」を推進し、継続型サービスビジネスへの転換を強化しています。ITセグメントでは小売業界向けプラットフォームの展開を進め、暮らしセグメントでは施設の安定稼働と収益性向上を図ります。これによりプラットフォームビジネスおよびグローバル展開を目指します。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


人材戦略において「人財」を重要な経営資本と位置付けており、従業員の役割・成果・専門性を適切に評価する新人事制度を導入しています。多様な業務経験や成長機会の提供を通じて、自律的かつ継続的に挑戦できる組織基盤を構築し、中長期的な企業価値の向上を目指しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均をやや下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2026年3月期 42.1歳 9.6年 5,119,000円


※平均年間給与には賞与を含めております。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 50.0%
男性育児休業取得率 -
労働者の男女の賃金の差異 -


※同社は労働者の男女の賃金の差異について公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。

また、同社は「従業員の状況」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、連結子会社オープンリソースの女性管理職比率(4.0%)、連結子会社グッドルームの女性管理職比率(42.1%)、グッドルームの男性育児休業取得率(100%)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 大規模災害や事故に関するリスク


地震や気候変動に起因する自然災害、感染症の流行により、事業拠点の閉鎖やサプライチェーンへの影響が生じる可能性があります。対策としてクラウドサービスの利用やリモートワーク環境の整備を進め、事業継続性の強化に努めています。

(2) 新規事業に対するリスク


新規施設の開設や新サービスへの投資を積極的に進めていますが、市場ニーズとの乖離により当初の販売計画や収益計画を達成できず、投資額の回収が見込めない場合には減損処理が必要となり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 情報管理及びシステム障害のリスク


個人情報や秘密情報を取り扱うためセキュリティ対策を講じていますが、サイバー攻撃やシステムトラブルによる情報漏洩や事業停止が発生した場合、ブランドイメージの低下や多額の損害賠償責任が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。