gooddaysホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

gooddaysホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東証グロース市場に上場する同社グループは、システム開発を行うITセグメントと、賃貸リノベーションやメディア運営を行う暮らしセグメントを展開しています。2025年3月期は、主力事業の伸長により売上高は88億円、経常利益は5.5億円と増収増益を達成しました。


#記事タイトル:gooddaysホールディングス転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

※本記事は、gooddaysホールディングス株式会社 の有価証券報告書(第10期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月27日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. gooddaysホールディングスってどんな会社?


IT×暮らしの領域で、システム開発やクラウドサービス、賃貸リノベーションやメディア運営などを展開する企業グループです。

(1) 会社概要


同社グループの歴史は、1987年に小倉博氏が設立したオープンリソース(現連結子会社)に始まります。その後、2009年に小倉弘之氏がハプティック(現グッドルーム)を設立し、暮らし事業を開始しました。2016年に持株会社体制へ移行し、2019年に東証マザーズへ上場。2022年には市場区分見直しに伴いグロース市場へ移行しました。

2025年3月31日現在、グループ全体の従業員数は331名(連結)、単体では20名です。筆頭株主は代表取締役社長の小倉博氏および代表取締役副社長の小倉弘之氏の資産管理会社であるCASABLANCAで、第2位、第3位も両氏が個人で保有しており、経営陣が安定した持分を保有しています。

氏名 持株比率
CASABLANCA 45.99%
小倉 弘之 11.02%
小倉 博 10.01%

(2) 経営陣


同社の役員は男性8名、女性1名の計9名で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は小倉博氏が務めています。社外取締役比率は約22.2%です。

氏名 役職 主な経歴
小倉 博 代表取締役社長 1971年日本エヌ・シー・アール入社。教学社(現オープンリソース)やスコアの代表を経て、2016年より現職。
小倉 弘之 代表取締役副社長 2004年竹中工務店入社。ボストンコンサルティンググループを経て、ハプティック(現グッドルーム)代表に就任。2016年より現職。
横田 真清 取締役 兼グループ企画部長 1997年良品計画入社。スコア等を経て2018年同社入社。2021年より現職。オープンリソース取締役副社長も務める。
田所 亮 取締役 2005年楽天入社。LITALICO取締役を経て2021年グッドルーム入社。同年より現職。グッドルーム代表取締役副社長も務める。


社外取締役は、菅原貴弘(エルテス代表取締役社長)、中村岳(レアジョブ代表取締役社長)です。

2. 事業内容


同社グループは、「IT」、「暮らし」の2つの報告セグメントで事業を展開しています。

(1) ITセグメント


オープンリソースが運営を行い、主に流通小売業界と金融業界向けにシステム開発や保守サービスを提供しています。自社プロダクトのクラウドPOS「Redx」の導入支援やハードウェア販売を行う「Redxサービスビジネス」と、金融・小売業向けの受託開発やSEサービスを行う「ユーザーソリューションビジネス」で構成されています。

収益は、顧客企業やシステム・インテグレータからのシステム開発請負費用、SEサービスの対価、および自社プロダクトのライセンス料や保守管理料等から得ています。運営は主にオープンリソースが行っています。

(2) 暮らしセグメント


グッドルームが運営を行い、賃貸住宅のリノベーション工事や入居者募集、運営サポート等を展開しています。オリジナルリノベーション「TOMOS」の提供を行う「リノベーションビジネス」と、集客メディア「goodroom」やシェアオフィス、マンスリー賃貸等を運営する「goodroomソリューションビジネス」で構成されています。

収益は、不動産オーナーからのリノベーション工事請負代金、賃貸仲介手数料、広告掲載料、およびシェアオフィスやマンスリー賃貸の利用者からの利用料等から得ています。運営は主にグッドルームが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


第6期から第10期までの業績を見ると、売上高は一貫して増加傾向にあります。利益面では第7期以降、安定して黒字を計上しており、直近の第10期では売上高、経常利益ともに過去最高水準となっています。

項目 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期
売上高 54億円 61億円 64億円 74億円 88億円
経常利益 1.6億円 4.7億円 5.5億円 4.8億円 5.5億円
利益率(%) 3.0% 7.7% 8.6% 6.5% 6.3%
当期利益(親会社所有者帰属) 0.3億円 2.9億円 3.6億円 3.0億円 3.4億円

(2) 損益計算書


直近2期間を比較すると、売上高の増加に伴い売上総利益も増加しています。販売費及び一般管理費も増加していますが、増収効果により営業利益は増加し、営業利益率も改善傾向にあります。

項目 2024年3月期 2025年3月期
売上高 74億円 88億円
売上総利益 21億円 22億円
売上総利益率(%) 27.6% 25.1%
営業利益 5.0億円 6.1億円
営業利益率(%) 6.7% 6.9%


販売費及び一般管理費のうち、給料及び手当が5.4億円(構成比34%)、業務委託費が1.6億円(同10%)を占めています。売上原価では詳細な内訳データはありませんが、システム開発やリノベーション工事にかかる労務費や外注費が主要な要素と考えられます。

(3) セグメント収益


セグメント別に見ると、暮らしセグメントが大幅な増収増益となり、全社の成長を牽引しています。ITセグメントも堅調に推移し、増収増益を達成しました。

区分 売上(2024年3月期) 売上(2025年3月期) 利益(2024年3月期) 利益(2025年3月期) 利益率
IT 37億円 38億円 3.3億円 3.5億円 9.3%
暮らし 37億円 50億円 1.5億円 2.3億円 4.6%
調整額 -1.6億円 -2.0億円 0.2億円 0.2億円 -
連結(合計) 74億円 88億円 5.0億円 6.1億円 6.9%

(4) キャッシュ・フローと財務指標

gooddaysホールディングスは、成長過程の途上にある企業として、営業活動で得た資金を既存事業の成長や新規分野、研究開発に充当する方針です。

当連結会計年度は、営業活動により多くの収入を得て、前連結会計年度から大幅に増加しました。投資活動では、固定資産の取得等で支出がありましたが、前連結会計年度に比べると支出額は減少しました。財務活動では、株主への配当金の支払い等により、わずかな支出となりました。

同社は、事業運営に必要な資金を安定的に確保するため、原則として自己資金を中心に賄い、必要に応じて金融機関からの借入等も活用しています。

項目 2024年3月期 2025年3月期
営業CF 0.4億円 6.4億円
投資CF -7.5億円 -1.5億円
財務CF 3.0億円 -0.0億円

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社グループは「どこにもないふつう」をミッションに掲げています。業界の常識を疑い、固定概念に囚われない発想で、今まで「ふつうでなかった」ことを明日「ふつう」にすることで、新しいニーズや顧客層を生み出し、社会に貢献する企業を目指しています。

(2) 企業文化


同社は、業界の常識を疑い、固定観念にとらわれない発想で暮らしとITを掛け合わせることを重視しています。この時代にまだなかった新しいサービスビジネスを実現するために、全領域で「標準化」を進め、仕組みによるオペレーションコストの削減を追求する文化を持っています。

(3) 経営計画・目標


同社は、暮らしセグメントにおいて「goodroom residence」の拡大を掲げており、2027年3月期までに2,000室の稼働を目指しています。

(4) 成長戦略と重点施策


同社は、ITセグメントと暮らしセグメントの両方において「ストック型ビジネス」への転換と強化を掲げています。ITセグメントでは「Redxサービスビジネス」を中心に、共通化できるエリアの標準化を進め、コスト削減とサービス強化を図ります。暮らしセグメントでは、「goodroomソリューションビジネス」において、アセット開発から運営までを一気通貫で行うモデルの標準化を強化し、集客メディアの強化を通じて「goodroom residence」の拡大を目指します。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


同社は、人材強化政策を進めるとともに、新しいビジネスモデルの「標準化」を実行することで、事業推進や業務推進ができる人材を生み出し、魅力ある職場を創出することを目指しています。また、人的資本経営に着目し、働き方改革や次世代支援等を通じて、企業価値の向上と持続的成長を図る方針です。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均をやや上回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年3月期 42.4歳 8.9年 7,250,000円


※平均年間給与は賞与を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 42.9%
男性育児休業取得率 -
男女賃金差異(全) -
男女賃金差異(正規) -
男女賃金差異(非正規) -


※男性育児休業取得率の「-」は、対象となる従業員がいないことを示しています。同社は女性活躍推進法の規定による公表義務の対象ではないため、有報には男女賃金差異の記載がありません。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 大規模災害や事故、重大な感染症等


複数の事業拠点を使用しているため、地震等の自然災害や重大な感染症の拡大により、拠点の閉鎖や役職員の長期離脱が発生した場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これに対し、クラウドサービスの利用促進やリモートワーク環境の整備等を進めています。

(2) 経営陣への依存


戦略決定や事業運営において現在の経営陣への依存度が高く、これらの経営陣が離脱し、代替人材を確保できない場合、事業運営に支障をきたす可能性があります。経営人材の育成と確保を最重要課題と位置付けています。

(3) 新規事業・新規サービス


暮らしセグメントにおける不動産関連事業やITセグメントのRedxサービスビジネス等において、投資を伴う事業展開を行っています。当初の計画と実績が大きく乖離し、投資回収が見込めなくなった場合、減損処理等により経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 人材の確保


事業発展には優秀な人材が不可欠ですが、求める人材を十分に確保できない場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。人事制度の充実や魅力ある職場の創出により、採用力の強化と人材育成に努めています。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。