※本記事は、共栄セキュリティーサービス株式会社 の有価証券報告書(2025年3月期、2024年4月1日 ~ 2025年3月31日、2025年6月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
共栄セキュリティーサービスは、施設警備業務や交通誘導警備業務を主軸とした警備事業を展開しています。同社グループは、空港消防業務、ボディーガード、駐車場運営管理、マンション代行管理、建物・設備管理など多岐にわたるサービスを提供しています。
単体従業員数は525名、連結従業員数は750名です。同社グループは警備事業の単一セグメントで事業を展開しています。
主な国内グループ会社は、レセプション・コンシェルジュ、空港消防業務、ハイウェイ・セキュリティー、ボディーガード、駐車場運営管理などです。
同社グループはM&Aを成長戦略として推進しており、前期以降に複数の連結子会社を新たに迎え入れています。これにより売上高の増加に貢献しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
共栄セキュリティーサービスは、警備事業を主軸に人的サービスを展開する企業です。同社グループでは、社員の成長を重視した人材育成方針を掲げ、誰もが働きやすい職場環境づくりに取り組んでいます。多様な人材が活躍できる環境整備に注力しており、長期的なキャリア形成を支援する姿勢が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
共栄セキュリティーサービスでは、平均年齢と平均勤続年数から、比較的若い世代が中心となりながらも、一定の期間にわたってキャリアを築いている従業員が多い傾向が見られます。同社グループは、社員の成長を重要な経営基盤と捉え、働きやすい職場環境の整備に力を入れています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 3,619,000円 |
| 平均勤続年数 | 7.5年 |
| 平均年齢 | 35.9歳 |
| 単体従業員数 | 525人 |
| 連結従業員数 | 750人 |
| 単体のグループ内比率 | 70.0% |
同社グループは、確定給付型の退職給付制度を採用しています(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度です)。この制度は国内グループ会社に適用されています。
退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「社員が最も重要な財産であり、社員の成長こそが最も重要な経営基盤のひとつである」という考えのもと、人材育成に力を入れています。「教育のレベルは、会社のレベルである。」というスローガンを掲げ、階層別の社員教育や資格取得支援を通じて、社員の成長をサポートしています。
また、誰もが働きやすい職場環境づくりを推進しており、ジェンダー平等を目指した女性の役員・管理職登用比率向上に取り組んでいます。女性警備員が働きやすい勤務シフトや仮眠室の整備、若手からアクティブシニアまで幅広い世代の雇用機会創出にも注力しています。
長時間労働の是正や多様な勤務体系への対応にも努め、人権尊重の一環としてハラスメント対策も強化しています。外部人材の採用も積極的に行い、他社経験者と新卒入社者の人事評価に区別を設けないことで、多様な経験を持つ人材の活躍を後押ししています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率は、育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 14.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 91.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 83.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 74.1% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ ㈱道都警備
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 50.0% |
▼ 合建警備保障㈱
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 40.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 90.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 105.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 58.1% |
▼ ㈱セキュリティ
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 33.3% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 19.6% |
人材育成・エンゲージメント
正社員のうち警備及び消防に関連する資格所有者の割合を示しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 資格保有者の割合 | 63.4% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
共栄セキュリティーサービスグループは、警備事業を単一セグメントとして展開しています。施設警備業務や交通誘導警備業務などを通じて収益を上げています。
収益モデルとしては、契約期間が1年以上の「常駐契約」と1年未満の「臨時契約」に分類されます。常駐契約は安定的な収益基盤となっており、中長期の成長を見据えて受注を積み上げていく方針です。前連結会計年度においては、常駐契約の売上高が臨時契約の売上高を大きく上回っています。
同社グループはM&A及びグループ経営を成長戦略として推進しており、連結子会社の買収が売上高増加に貢献しています。海外への売上高や海外に所在する有形固定資産はないため、事業は国内に集中しています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
共栄セキュリティーサービスグループの業績は、直近5年間で売上高が継続的に増加傾向にあります。経常利益は変動が見られるものの、当連結会計年度は前期から増加しました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度に損失を計上しましたが、これは主に連結子会社におけるのれんの一部減損損失によるものです。営業活動によるキャッシュ・フローは当連結会計年度に増加しており、本業でのキャッシュ創出は堅調に推移しています。
| 項目 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 61.8億円 | 80.0億円 | 80.2億円 | 93.5億円 | 101億円 |
| 経常利益 | 4.2億円 | 10.5億円 | 5.3億円 | 3.9億円 | 5.4億円 |
| 経常利益率 | 6.8% | 13.2% | 6.6% | 4.1% | 5.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.7億円 | 7.4億円 | 4.5億円 | 2.5億円 | △39百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 183.68 | 508.60 | 311.35 | 171.43 | △26.71 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
従業員1人あたりの売上高は、当連結会計年度において前期から増加しています。これは、同社グループの事業規模拡大と効率化の進展を示唆しています。
従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、生産性の向上がうかがえます。当連結会計年度に計上されたのれん減損損失は、1人あたり利益の算出には直接影響していません。
| 指標 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 11.7百万円 | 13.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.4百万円 | 0.6百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
共栄セキュリティーサービスグループは、本業で安定した資金を生み出し、財務基盤を堅固にしている状況です。将来に向けた投資も行いながら、資金の健全な循環を維持しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は71.3%となっており、前期から増加しています。これは、非製造業のプライム市場平均(24.2%)と比較して高い水準を示しています。
ROE(自己資本利益率)は当期に△0.8%となりましたが、前期は5.3%でした。手元資金である現金及び預金は21.9億円となっており、前期の33.2億円から減少しています。
| 指標 | 2024年3月期(前期) | 2025年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 47.1億円 | 45.3億円 |
| 自己資本比率 | 69.1% | 71.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 5.3% | -0.8% |
| 現金及び預金 | 33.2億円 | 21.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
共栄セキュリティーサービスグループは、本業で安定的に資金を稼ぎ出しています。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは399百万円の収入となり、前期から増加しました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上や、減損損失、のれん償却費による内部留保が生じたためです。
投資活動によるキャッシュ・フローは△149百万円の支出となりました。これは主に、金地金購入や子会社株式の取得による支出があったためです。財務活動によるキャッシュ・フローは△592百万円の支出となり、長期借入金の返済による支出が主な要因となっています。本業で得た資金を投資に回しつつ、借入金の返済も進めている状況であり、資金の健全な循環が見られます。
| 項目 | 2024年3月期(前期) | 2025年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 249百万円 | 399百万円 |
| 投資CF | 116百万円 | △149百万円 |
| 財務CF | △237百万円 | △592百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 364百万円 | 249百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、国内の警備業界において多くの企業と競争しています。価格競争の激化により料金が下落した場合、利益率の低下につながる可能性があります。
また、人工知能(AI)やロボット、IoT機器等の技術進化により、人的警備が代替される可能性があり、業績に悪影響が及ぶリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、警備員やマンション管理人、人材派遣スタッフなどがサービスを提供する労働集約型セクターであり、人的リソースに大きく依存しています。保安職業従事者の有効求人倍率が高い厳しい採用環境において、必要な人員の確保が計画未達となった場合、業績に悪影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
共栄セキュリティーサービスは、警備業を通じて社会の安全に貢献し、持続的な成長を目指す企業です。人の力を重視したサービス提供と、変化する経営環境への迅速な対応を追求しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「誠実かつ確実」を経営理念として掲げています。警備業を通じて社会の安全に寄与し、持続的成長を志向しています。社会的責任と使命を深く認識し、社会から信頼される企業となることを目指しています。
事業活動を通じて持続的に社会価値と経済価値を両立させ、持続可能な社会への貢献を目指す方針です。長期視点での経営方針として、規模拡大による交渉力強化と人員確保のため、積極的なM&Aとグループ経営を推進しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、社員を最も重要な財産と捉え、「教育のレベルは、会社のレベルである。」という教育スローガンを掲げています。階層別の社員教育や資格取得のサポートを通じて、社員の成長を重要な経営基盤としています。誰もが働きやすい職場環境づくりにも取り組んでおり、ジェンダー平等を目指して女性の役員登用および管理職登用比率向上に注力しています。
若手の採用に加え、「アクティブシニア」が働きやすい職場づくりも推進し、雇用機会の提供による社会貢献を果たしています。長時間労働の是正や短時間労働など、多様な勤務体系への対応にも努めています。「共栄グループ社員行動規範」において、人権尊重と誠実な事業活動を求め、ハラスメント対策も強化しています。他社での経験を持つ外部人材の知見も重視し、入社後の人事評価において新卒入社者と区別しない方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、競合他社との価格競争による料金低下圧力の高まりに直面しています。これに対し、積極的なM&Aとグループ経営の加速により、あらゆる規模の警備を実施可能な動員力の実現を目指しています。また、グループ共通の品質戦略の定義と実行、資格取得の推進によるサービス付加価値向上に取り組んでいます。
セコムとの資本業務提携を背景とした営業力強化とサービス品質強化も推進しています。深刻な人手不足も事業活動の制約となる課題であり、採用活動に注力するとともに、積極的なM&Aを通じて人員数とエリア補完体制の拡大・強化を進めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
共栄セキュリティーサービスは、2025年6月27日をもって監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しました。この移行により、意思決定の迅速化と取締役会の監督機能の強化・高度化を図り、企業価値の向上に取り組んでいます。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループの筆頭株主は合同会社あっとプラニングであり、発行済株式の44.38%を保有しています。上位株主には、株式会社ケイ・エス・エスやマックスコーポレーションといった事業会社が名を連ねています。これらの上位株主は、同社グループの経営に強い影響力を持つ傾向が見られます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 合同会社あっとプラニング | 44.38% |
| ケイ・エス・エス | 8.41% |
| マックスコーポレーション | 7.60% |
| 共栄セキュリティーサービス社員持株会 | 3.32% |
| セコム | 3.11% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は我妻文男氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 我 妻 文 男 | 代表取締役社長 | 1985年5月同社設立代表取締役、2012年6月同社代表取締役会長、2017年6月同社代表取締役社長より現職。 |
| 我 妻 和 文 | 専務取締役 | 1993年4月同社入社、1998年7月同社取締役、2012年6月同社代表取締役社長、2017年6月同社取締役より現職。 |
| 松 林 篤 樹 | 常務取締役 | 1993年4月大倉商事㈱入社、2004年12月あずさ監査法人入所、2014年7月㈱エルテス取締役、2024年6月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、小崎教仁氏(㈱ビガー・コーポレーション設立代表取締役社長・監査等委員)、渡辺真一氏(福星運輸㈱代表取締役・監査等委員)、三宅伸幸氏(㈱ファインフードシステムズ代表取締役CEO・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役3名全員が監査等委員を務めています。社外取締役は、企業経営に関する実践的な視点や客観的・専門的な視点から、経営戦略の遂行を監督し、意思決定に参加することで、健全で持続的な発展と企業価値の向上を目指しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、役員報酬の決定方針を定めており、報酬構成は機能・役割を適切に担うため、基本報酬(固定報酬)のみで構成されています。報酬水準は、役員が担うべき機能・役割や業績水準に応じて決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 1.5億円 | 37.5百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 23百万円 | 4.6百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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