※本記事は、ワシントンホテル株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ワシントンホテルは、ホテル事業を主軸とする企業です。「ワシントンホテルプラザ」と「ワシントンR&Bホテル」の2ブランドを展開し、全国に43ホテル、総客室数9,435室を運営しています。主にビジネスや観光目的の顧客に利用されており、収益の98.5%をホテル事業が占めています。
単体従業員数は428名です。
ワシントンホテルは、ホテル事業の単一セグメントで構成されており、「ワシントンホテルプラザ」と「ワシントンR&Bホテル」の2ブランドのホテル運営、およびゴルフ場クラブハウス内レストランの運営受託を主な事業としています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ワシントンホテルは、ホテル事業を通じてお客様と働く人の幸せを追求する企業です。人的サービスを重視する事業特性から、人材の確保と育成に力を入れています。従業員一人ひとりの成長を支援し、多様な働き方を推進する環境づくりに取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の定着と成長を重視する姿勢が見られます。平均勤続年数と平均年齢から、一定の経験を積んだ従業員が長く活躍している傾向がうかがえます。また、需要拡大に伴う運営体制の強化や将来の事業展開を見据え、中途採用の強化にも積極的に取り組んでいます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,902,000円 |
| 平均勤続年数 | 9.1年 |
| 平均年齢 | 38.4歳 |
| 単体従業員数 | 428人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
同社は、確定拠出年金制度及び前払退職金制度を選択制で採用しています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ワシントンホテルは、「リーズナブルなホテル事業を通じて、「よかった、また来るよ」を実現し、お客様と働く人を幸せにする。」という経営理念のもと、人材の確保から育成・評価・処遇までのプロセスを総合的に強化することを人材戦略の基本方針としています。従業員一人ひとりの成長と能力発揮を支援し、接遇力の向上を通じてお客様に選ばれるホテルづくりを推進しています。
同社は、会社の持続的な成長には人的資本への取り組みが最も重要であると考えており、多様性を含めた人材確保と人材育成を大きなテーマとしています。特に若年層の採用強化に取り組むほか、能力や実績を重視する人物本位の人材登用により、女性や中途採用者を積極的に採用しています。また、従業員紹介制度の推進によりリファラル採用を強化しています。
人材育成においては、OJT教育を根幹とし、Webを活用した映像マニュアルや動画研修、外部研修の受講にも力を入れています。今後は各ホテルの接遇担当者を選抜した専門研修を充実させ、全社的な接遇力の向上を進める方針です。自己訓練の資金補助や資格手当の支給など、自己研鑽を促す制度の再整備にも取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。管理職は労働基準法上の管理監督者に該当する者であり、2026年3月31日時点の数値です。賃金には基準外賃金及び賞与を含んでいます。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 40.0% |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 76.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 81.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 94.1% |
多様性・登用
同社は、多様性を含めた人材確保の必要性から、以下の数値を目標としています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率(2026年3月期) | 40.0% |
| 女性管理職比率(2029年3月期) | 40.0% |
| 外国人社員数(2026年3月31日時点) | 43人 |
| 外国人社員数(2029年3月期) | 55人 |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 社員退職率(2026年3月期) | 8.3% |
| 社員退職率(2029年3月期) | 7.5% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ワシントンホテルは、主に「ワシントンホテルプラザ」と「ワシントンR&Bホテル」の2つのブランドを展開し、ホテル事業を主軸としています。ゴルフ場クラブハウス内レストランの運営受託も行っていますが、収益の大部分はホテル事業が占めています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ワシントンホテルは、ホテル事業を主軸とする企業です。同社は「ワシントンホテルプラザ」と「ワシントンR&Bホテル」の二つのブランドを展開しており、全国に43ホテル、総客室数9,435室を運営しています。ワシントンホテルプラザはビジネスパーソンを中心に支持を集め、主要駅や繁華街に近い立地で多様な客室を提供し、飲食店や宴会場を併設する施設もあります。一方、ワシントンR&Bホテルは宿泊特化型として大都市圏を中心に展開し、少人数オペレーションによるリーズナブルな価格設定が特徴です。
同社の収益は、これらホテル事業が大部分を占めており、ゴルフ場クラブハウス内レストランの運営受託による収益は僅少です。客室販売は、自社運営の宿泊予約サイト「ワシントンネット」のほか、オンライン旅行予約サイトや旅行会社を通じたインターネット経由が主要な経路となっています。同社は「ワシントンネット」や「ワシントンレストランカード」といった会員システムを通じて、顧客の囲い込みとロイヤルカスタマーの育成にも注力しています。
新規出店においては、政令指定都市や中核都市での宿泊特化型ホテルの展開に加え、地方都市や海外も視野に入れ、収益性を重視した拠点拡大を進めています。出店形態は、自社物件、建物の賃貸借方式、土地の賃貸借方式など、複数の手法を柔軟に活用しています。ホテル運営は原則として自社人員で行い、Webを活用した映像マニュアルや動画研修、マルチジョブの推進により人材育成と効率的な人員配置を図っています。
直近では、全館リニューアルを完了した事業所の収益性が向上し、大阪・関西万博の開催があった近畿地区や名古屋駅前・岡山・博多の各地区が好調に推移しました。設備刷新による商品力向上やレベニューマネジメントの精度向上、セールスプロモーション活動も奏功しています。外国人宿泊比率も増加傾向にあり、国内外の旅行代理店や法人への営業強化、旅行博覧会への参加を通じて販売促進を図っています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前期から増加しています。特に営業利益と経常利益は大幅な増加を示しており、当期純利益も堅調に伸びています。これは主に宿泊部門の収益改善が寄与した結果であり、コスト増を吸収して利益水準が大きく向上したことを示しています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社は、需要拡大に伴う運営体制の強化と将来の事業展開を見据えた人材確保のため、中途採用を強化しており、前期末に比べて従業員数が増加しています。これにより、組織全体の稼働能力が向上している状況です。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
財務基盤の状況と資金の流れから、同社の安定性と成長に向けた資金活用状況を把握できます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
財務基盤の安定性を示す自己資本比率やROE、手元資金の状況は、提供されたデータからは確認できません。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
キャッシュフローの状況については、提供されたデータからは確認できません。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | - |
| 投資CF | - | - |
| 財務CF | - | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | - |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
景気減退による宿泊需要の減少や、金利上昇による支払金利・調達コストの増加が挙げられています。
また、競合他社の新規参入や競争激化による集客低下、価格下落のリスクも認識されています。
③ 人材・組織に関するリスク
ホテル業は人的サービスに拠る面が大きく、採用難や人材流出により事業運営が停滞する可能性があります。
また、最低賃金や社会保険料率の引き上げによる人件費上昇、採用コスト増加も業績に影響を及ぼすリスクとして挙げられています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ワシントンホテルは、リーズナブルなホテル事業を通じて顧客と従業員の幸せを実現することを経営理念に掲げています。持続可能な社会の実現を目指し、ホスピタリティ溢れる事業活動と環境保全、地域発展の課題に取り組む企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ワシントンホテルは、「リーズナブルなホテル事業を通じて、「よかった、また来るよ」を実現し、お客様と働く人を幸せにする。」を経営理念としています。この理念に基づき、お客様に満足と感動を提供し、従業員が働きがいを感じられる企業を目指しています。
同社は、事業活動を通じて環境負荷の低減に努めるとともに、企業市民として地域と共生を図る活動を推進しています。これらの活動を通して「持続可能な開発目標(SDGs)」への貢献も目指す方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ワシントンホテルは、経営理念に掲げる「お客様と働く人を幸せにする」というホスピタリティ溢れる事業活動を重視しています。サステナビリティ基本方針として、環境問題への配慮、人権の尊重・人材の育成、地域社会との関係、公正な事業活動を掲げています。
特に、人的資本への取り組みを最も重要であると考えており、多様性を含めた人材確保と人材育成を大きなテーマとしています。国籍、信条、出身地、性別、宗教、身体的特徴などによる差別を受けない健全な職場環境を確保し、仕事を通じて資質の向上や人間としての成長を期する価値観を大切にしています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ワシントンホテルは、今後の事業環境において、商品価値の向上を重点課題の一つとしています。お客様のニーズに応える商品展開を行いながら、顧客満足度の向上を図る方針です。
また、ブランド価値向上と顧客基盤強化にも取り組んでいます。藤田観光株式会社との宿泊予約サイトの会員相互送客や株主優待の相互利用を進め、両社の顧客基盤を活かした提携へと発展させることで、ブランド価値の向上につなげています。
さらに、人材確保と育成も重要なテーマです。将来を担う人材の確保・育成のため、若年層の採用強化や外国人材の育成、全社的な接遇力の向上を進めるための専門研修の充実に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ワシントンホテルでは、取締役会と監査等委員会が連携し、経営の効率化と透明性の確保に努めています。株主やステークホルダーの信頼に応え、企業価値の継続的な向上を目指す体制が構築されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ワシントンホテルの株主構成を見ると、筆頭株主は興和ファシリティズであり、その他にも藤田観光といった事業会社や、国内外の金融機関が上位に名を連ねています。多様な株主によって支えられていることが特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 興和ファシリティズ | 11.81% |
| 藤田観光 | 7.10% |
| THE CHASE MANHATTAN BANK, N.A. LONDON SPECIAL ACCOUNT NO.1 | 4.20% |
| みずほ銀行 | 4.14% |
| 三菱UFJ銀行 | 4.14% |
なお、株式会社丸栄は2025年10月1日に興和ファシリティマネジメント株式会社と合併し、現在は興和ファシリティズ株式会社となっています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長社長執行役員は長谷川太氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 長谷川 太 | 代表取締役社長社長執行役員 | 1987年11月同社入社、事業改革部部長、取締役執行役員兼事業開発部部長等を経て、2024年6月より現職。 |
| 内田 和男 | 代表取締役会長 | 1968年3月同社入社、鳥取ワシントンホテル総支配人、代表取締役社長社長執行役員等を経て、2024年6月より現職。 |
| 井戸川 学 | 取締役常務執行役員営業本部本部長 | 1990年3月同社入社、名古屋錦ワシントンホテルプラザ総支配人、取締役執行役員兼新大阪ワシントンホテルプラザ総支配人等を経て、2024年12月より現職。 |
| 田中 良佐 | 取締役執行役員事業開発部部長 | 1992年4月同社入社、R&Bホテル事業部事業部長、取締役執行役員兼営業本部副本部長等を経て、2025年9月より現職。 |
| 布目 浩 | 取締役執行役員経営企画部部長 | 1998年3月同社入社、経営企画室室長、執行役員兼経営企画部部長等を経て、2024年6月より現職。 |
社外取締役は、小島浩司氏(監査法人東海会計社代表社員)、名越陽子氏(グランツ法律事務所パートナー弁護士)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役が監査等委員として経営監視機能を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ワシントンホテルでは、役員報酬は基本報酬、短期インセンティブとしての賞与、長期インセンティブとしての株式報酬で構成されています。外部調査機関のデータや経営状況、従業員給与との均衡を考慮し、株主総会で定められた上限内で決定されています。これにより、持続的な業績改善と中長期的な企業価値向上への貢献を促す設計となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 88百万円 | 17.7百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 8.1百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 9百万円 | 2.9百万円 |
なお、業績連動報酬は売上高及び経常利益を指標とした賞与であり、非金銭報酬等は株式報酬制度に基づく費用計上額です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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