※本記事は、株式会社ジーネクスト の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ジーネクストは、「ビジネス現場に革命的な「楽」をつくる」をミッションに掲げ、アナログで煩雑な顧客対応のDX化を促進するサービスを提供しています。同社グループは、ステークホルダーリレーションシップマネジメント(SRM)を通じて、企業を取り巻く各ステークホルダーへの情報共有・利活用を支援し、経営改善に貢献しています。
単体従業員数は21名、連結従業員数は22名です。セグメントはステークホルダーDXプラットフォーム事業の1つです。
主な国内グループ会社は、VoXテクノロジー(連結子会社)などです。
同社グループは、2025年10月1日付で株式会社VoXテクノロジーを設立し連結子会社としたことに伴い、当連結会計年度より連結決算に移行しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社ジーネクストは、DXプラットフォーム事業を展開する企業です。従業員一人ひとりの働きやすさや成長を重視し、多様な働き方を推進する環境づくりに力を入れています。給与水準や在籍傾向、具体的な人材戦略を通じて、同社グループで働く魅力を見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ジーネクストでは、経験豊富な人材が中心となって事業を推進している傾向が見られます。一方で、平均勤続年数は比較的短く、組織の新陳代謝が活発である可能性も考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,394,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.29年 |
| 平均年齢 | 42.38歳 |
| 単体従業員数 | 21人 |
| 連結従業員数 | 22人 |
| 単体のグループ内比率 | 95.5% |
ジーネクストは、従業員の退職給付として確定給付型の退職一時金制度を採用しています(確定給付型とは、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度です)。この制度は国内の従業員に適用され、退職給付として給与と勤続期間に基づいた一時金が支給されます。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ジーネクストは、人材を最も重要な経営資源と位置づけ、持続的な企業価値向上を目指す人材戦略を推進しています。特に、サービス利便性や機能向上に不可欠な優秀なエンジニアの確保と育成を重視しており、多様な働き方を推進することで採用力を高め、教育・研修体制の充実化を図っています。子会社のリスキリング事業をグループ内で活用し、デジタル化に対応できる人材基盤の構築にも取り組んでいます。
人事制度においては、従業員の挑戦と成長を適切に評価する人事考課制度の改定を進め、評価指標の再設定を行っています。また、会社の収益力強化と従業員の賃上げを一体的に推進する方針を掲げ、事業成長による価値を適切に還元することで、人材への投資と企業価値向上の好循環を目指しています。働き方の多様化を推進し、従業員が安心して能力を発揮できる職場環境の整備にも注力しており、テレワークや時差出勤、スキルアップ補助、リモート備品手当、育児休業取得制度の拡充など、具体的な施策を展開しています。特に男性の育児休業取得を積極的に推進しており、実績も出ています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは本記事では取得できていません。
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性従業員の比率 | 30.0% |
| 女性役員比率 | 33.0% |
健康・安全
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 定期健康診断受診率 | 100.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ジーネクストグループは、企業の顧客体験の一貫性を支援し、ビジネス現場に「楽」と「楽しさ」をもたらすことをミッションとしています。アナログで煩雑な顧客対応のDX化を促進するサービスを展開し、ステークホルダーリレーションシップマネジメント(SRM)を提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは「ステークホルダーDXプラットフォーム事業」の単一セグメントで事業を展開しています。主力サービスは、自社開発のステークホルダーDXプラットフォーム「Discoveriez」です。このプラットフォームは、電話・メール・チャットなど多様なチャネルから取得した顧客対応情報を一括管理し、情報の分断を解決することで業務効率化と顧客体験向上を支援しています。
収益モデルは、主にクラウド型とオンプレミス型の2つのサービス区分で提供されており、導入支援と月額ライセンス料、または導入料とメンテナンス・保守費用が中心です。同社グループは2023年4月から、自社プロダクトに加えパートナーとの共創による課題解決プログラム「SRM Design Lab」も提供しています。また、生成AIを活用した業務効率化支援サービス「Discoveriez AI」も提供しており、顧客対応における作業負担軽減やVOC(顧客の声)活用を支援しています。
同社グループは、サービス提供をパートナー経由とすることを基本としています。当連結会計年度において、株式会社シイナへの販売実績が総販売実績の一部を占めています。本邦以外の外部顧客への売上高はなく、海外での事業展開は行っていません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
過去5期間の連結経営指標を見ると、同社グループの売上高は変動しながらも、直近の当連結会計年度では大きく増加しました。創業以来初めて売上高が10億円を超え、事業規模の拡大が見られます。一方で、経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失は継続して計上されている状況です。
しかし、当第4四半期連結会計期間においては5年ぶりの四半期営業利益黒字化を達成しており、同社グループが進めてきた経営再建活動の成果が着実に表れています。継続企業の前提に関する重要な疑義は存在していますが、翌連結会計年度での通期営業利益黒字化と注記解消を目指す方針を示しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 5.0億円 | - | - | - | 10.2億円 |
| 経常利益 | △3.9億円 | - | - | - | △72百万円 |
| 経常利益率 | △78.5% | - | - | - | △7.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △4.2億円 | - | - | - | △72百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △101.24 | - | - | - | △13.32 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、当連結会計年度において46.2百万円となっています。また、従業員1人あたりの営業利益は、当連結会計年度において△3.2百万円となっています。
これらの指標は、同社グループが事業規模を拡大しつつ、収益性の改善に取り組んでいる状況を示しています。当連結会計年度から連結決算に移行しているため前期との比較はできませんが、今後の生産性向上が期待される状況です。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | 46.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | - | △3.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務基盤は、事業活動と投資活動による資金の流れから、現在の経営状況を把握できます。特に、成長に向けた投資が活発なフェーズにあることが示されています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は17.5%となっており、プライム市場の非製造業平均24.2%と比較すると低い水準です。ROE(自己資本利益率)は△54.4%を示しています。手元資金である現金及び預金は1.8億円となっており、前期の4.1億円から減少しています。これらの財務状況は、今後の事業展開や雇用・給与の安定性を検討する上で重要な情報となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 1.7億円 | 97百万円 |
| 自己資本比率 | - | 17.5% |
| ROE(自己資本利益率) | - | △54.4% |
| 現金及び預金 | 4.1億円 | 1.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失の計上や売上債権及び契約資産、前受収益の減少などにより、1.6億円の支出となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得や事業譲受による支出が主な要因となり、37百万円の支出となっています。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出が主な要因で、32百万円の支出となりました。
これらの結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュ・フローは2.0億円のマイナスとなっています。同社グループは、継続企業の前提に関する重要な疑義を解消するため、ソフトウェア事業の収益化やソリューション・ハードウェア事業の拡大、コスト構造の見直しなどに取り組んでおり、当第4四半期には5年ぶりの四半期営業利益黒字化を達成しました。この状況は、今後の事業拡大に向けた資金繰りや、それに伴う雇用・給与の安定性に影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | △1.6億円 |
| 投資CF | - | △37百万円 |
| 財務CF | - | △32百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | △2.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
同社グループは、前連結会計年度まで継続的に営業損失を計上しており、当連結会計年度においても営業損失を計上していることから、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しています。同社グループは、ソフトウェア事業の収益化やソリューション・ハードウェア事業の拡大、コスト構造の見直し等の諸施策に取り組んでおり、翌連結会計年度(2027年3月期)においては通期営業利益の黒字化と当該注記の解消を目指しています。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、事業を展開するクラウド市場の継続的な成長を前提として事業の拡大を見込んでいます。しかし、クラウド市場の拡大が想定通りに進まなかった場合、新規契約数が鈍化し、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、今後既存企業との競争激化や新たな企業の参入が予想されており、過度な価格競争等が生じた場合や、十分な差別化が図れず競争力が低下した場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、積極的に優秀な人材を採用し、社内教育等を行うことで体制の拡充を図っています。しかし、適切な人材を十分に確保できなかった場合や、在職中の従業員が退職するなどした場合には、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。特にエンジニアおよび営業人員の確保が重要であり、採用が計画どおり進まなかった場合や人材の流出が生じた場合には、事業拡大の制約となる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ジーネクストは「ビジネス現場に革命的な「楽」をつくる」というミッションを掲げています。ステークホルダーDXプラットフォーム「Discoveriez」を通じて、顧客価値の共創を目指す企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「ビジネス現場に革命的な「楽」をつくる」というミッションのもと、ステークホルダーDXプラットフォーム「Discoveriez」を提供しています。社会に対して「つなぐ」「まとめる」「活用する」ことを提案し、業務の効率化や情報の可視化による喜びの声を得てきました。
お客さまの声を社内外で活用される世界を作り、同社グループが提唱するSRM(Stakeholders Relationship Management)を実現することが経営方針です。現場をより良く変えていく仕組み作りを具体化し、企業価値向上を目指す新たな経営戦略・手法を追求しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループはミッション実現のため、ステークホルダーDXプラットフォーム「Discoveriez」を様々な企業に提供することを推進しています。企業に提供する中で生まれるノウハウをフィードバックし、プラットフォームの機能を強化することで顧客満足度向上と新規営業への貢献を目指しています。
人的資本への投資を重要だと認識しており、人材の育成に関する取り組みを強化することが中長期的な企業価値の向上に寄与すると考えています。社員の労働意欲が高まる働きやすい職場環境を整備し、多様化する働き方や社会情勢・ニーズに対応できる体制を構築しています。社員が自身の裁量で働ける環境やスキルアップに積極的に取り組める制度を整え、多様性を尊重した人材の採用・育成に努めています。
具体的には、テレワークの促進、時差出勤、スキルアップ補助、リモート備品手当、育児休業取得制度の拡充などがあります。男性の育児休暇取得も積極的に推進しており、実績もあります。能力のある女性を積極的に雇用し、管理職にも登用することを目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、主力サービスである「Discoveriez」のユーザビリティの更なる向上を課題としています。顧客ニーズを迅速に把握し、機能強化に注力することで競合他社との差別化を図っています。
また、新市場の開拓・創出として「SRM Design Lab」を開始し、新規事業の進捗に取り組んでいます。これは、課題解決の範囲拡大とパートナーとのコラボレーションにより、企業のIT戦略における上流から下流までを一気通貫で行う課題解決プログラムです。
持続的な成長のためには、優秀な人材を数多く確保・育成することが重要であり、特に優秀なエンジニアの継続的な採用・育成が課題と認識しています。従業員の多様な働き方を推進し採用力を高めるとともに、既存人材の能力及び技術の向上のため、教育・研修体制の充実化を進めていく方針です。情報セキュリティを含む内部統制体制への信頼性確保の重要性が高まっており、統制の仕組み化を強化すると共に、専門性や経験を有する人材を採用することで、更なる内部管理体制の強化とコーポレート・ガバナンスの充実に努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
株式会社ジーネクストは、監査役会設置会社として、取締役会が経営の基本方針や重要な業務執行を決定・監督しています。監査役会は全員が社外監査役で構成されており、公正かつ独立した立場から経営を監査する体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社である舞花です。次いで個人株主の横治祐介氏、高桑弘道氏が上位に名を連ねています。このように、事業会社と複数の個人株主が上位を占める資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 舞花 | 22.30% |
| 横治 祐介 | 12.20% |
| 高桑 弘道 | 4.50% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役は村田実氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 村田 実 | 代表取締役 | 2011年4月 株式会社ALL Japan Solution入社、2018年12月 同社入社 執行役員営業部長、2024年9月 同社 代表取締役兼管理管掌より現職。 |
| 小林 潤一 | 取締役 | 2007年4月 トヨタ自動車株式会社入社、2024年9月 同社入社 取締役兼事業開発管掌より現職。 |
| 小沼 忠國 | 取締役 | 2007年4月 株式会社ヴィンキュラム ジャパン入社、2015年2月 株式会社UK Holdings設立 代表取締役就任、2024年9月 同社 取締役就任より現職。 |
社外取締役は、江頭敬太氏(株式会社ANON 代表取締役)、高橋智氏(株式会社アクロスザシー 代表取締役)です。
同社は会社法に基づく機関として株主総会、取締役会、監査役会および会計監査人を設置する監査役会設置会社です。経営の健全性、透明性および効率性を確保するため、全員が社外監査役で構成される監査役会が公正かつ独立した立場から監査を行う体制を採用しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を牽引する優秀な経営人材を保持・獲得するため、競争力のある報酬水準を設定しています。業務執行取締役の報酬は、固定報酬としての基本報酬と非金銭報酬等(譲渡制限付株式)により構成されています。監督機能を担う社外取締役については、その職責に鑑み基本報酬のみを支払い、業績連動報酬は採用していません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 44百万円 | 14.7百万円 |
| 社外取締役 | 2名 | 6百万円 | 3.0百万円 |
| 社外監査役 | 3名 | 13百万円 | 4.4百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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