【平均年収484万円】ポート 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収484万円】ポート 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

ポートは、人材領域とエネルギー領域を中心に成果報酬型の成約支援事業を展開しています。連結従業員数は千名を超え、直近の業績は過去5期にわたり増収増益を達成し、成長を加速させています。


目次

※本記事は、ポート株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月18日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。

1. 企業概要:どんな会社?


ポートグループは、「社会的負債を、次世代の可能性に。」をパーパスに掲げ、成果報酬型の成約支援事業を展開しています。日本の労働市場が抱える課題に対し、企業の人材採用や販促活動を支援しており、現在は人材領域とエネルギー領域を中心に事業を展開しています。

単体従業員数は754名、連結従業員数は1,032名です。同社グループの事業セグメントは成約支援事業の単一セグメントです。

主な国内グループ会社は、INE、就活会議(成約支援事業・(人材領域))などです。

同社グループは、エネルギー領域で資本業務提携による販路拡大、人材領域ではプロダクトラインナップ強化と資本業務提携を進めました。また、株式会社HRteamを子会社化し、系統用蓄電所事業にも参入しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ポートは、社会課題の解決をパーパスに掲げ、急成長を続ける企業です。従業員エクスペリエンスを重視し、人材への積極的な投資を通じて組織の拡大と強化を図っています。若手が多く活躍し、多様な働き方を支援する環境が整備されている傾向が見られます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が比較的短く、平均年齢も若い傾向にあります。これは、組織の成長に伴う積極的な人材採用と、若手社員の活躍が背景にあると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 4,837,000円
平均勤続年数 3.1年
平均年齢 28.9歳
単体従業員数 754人
連結従業員数 1,032人
単体のグループ内比率 73.1%


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


ポートは、「社会的負債を、次世代の可能性に。」というパーパスの実現に向け、「競争力の核となる人材の拡大と強化」を最重要経営資源と位置付けています。中期経営計画「ODYSSEY800」の達成を牽引するため、人的投資とM&Aを両輪とした成長戦略を推進しています。

従業員エクスペリエンスの量と質の向上を重要な組織基盤とし、Purpose(パーパス)、Work(職務・成長)、People(人間関係・支援)、Reward(報酬・承認)の4要素を重視しています。ピープルアナリティクスを基盤としたデータ駆動型アプローチを通じて、組織および従業員のコンディションを定量的に可視化・蓄積しています。

報酬制度においては、採用競争力の強化として新卒初任給の引き上げを実施しています。また、前年度の年間平均昇給率が8.2%と高い水準に設定されており、業績貢献・組織貢献に応じた業績給も一部事業部門で導入されています。給与以外の報酬要素にも注力しており、従業員持株会やリモートワーク制度、資格取得支援制度、特別休暇制度、リフレッシュ支援手当などの福利厚生が充実しています。さらに、四半期ごとのQ総会や年1回の社員総会を通じて、優秀成績者の賞賛や経営陣による慰労を行うなど、承認・賞賛文化への投資も行われています。

人材育成と組織開発においては、E&B(Equity & Belonging)の推進、専門性の深化を促すスキルUPプログラム、リーダー育成プログラム「PORT DOJO」や「マネジメントカンファレンス」を通じたリーダーシップの強化に取り組んでいます。ホリスティックウェルビーイングの向上、社内公募制度や抜擢人事による組織流動化の促進、リモートワークを含む柔軟な働き方の拡充も進められています。これらの施策を通じて、健全な急成長と中長期的な事業成長を支える人材基盤の構築を目指しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 28.7%
男性労働者の育児休業取得率 116.6%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 79.9%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 77.2%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 141.7%

多様性・登用

指標 数値
女性管理監督者比率(2026年4月1日付新規昇格者含む) 31.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ポートは「社会的負債を、次世代の可能性に。」をパーパスに掲げ、企業の成約活動を支援する事業を展開しています。高い成約力とマルチチャネルマーケティング力を強みとし、成果報酬型モデルで収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、成約支援事業の単一セグメントで事業を展開しています。クライアントの見込み客集客から成約までを一気通貫で支援し、成約時に報酬が発生する成果報酬型モデルを採用することで、クライアントの採用・販促活動におけるリスクを最小化することを目指しています。特に、競争環境が厳しく、ユーザー獲得難易度が高い領域、そしてユーザーにとって意思決定の難易度が高い「非日常領域」をターゲットとしています。

事業は主にエネルギー領域、人材領域、新規・その他領域に分かれています。エネルギー領域では、電力・ガス事業者向けに成約支援サービスを提供しており、「エネチョイス」や「引越手続き.com」といったマッチングサイトを運営しています。この領域では、M&Aや資本業務提携も活用した成長戦略を推進し、国内最大規模の成約支援事業者として成長を遂げています。

人材領域では、未就業・未経験の若手人材の就職支援を中心に、「就活会議」や「キャリアパーク!」といった国内最大級の就活ノウハウ情報サイトを運営しています。さらに、OB・OG訪問マッチングサービス「Matcher」や就活生向けコミュニティサイト「みん就」なども加わり、新卒採用支援市場において国内最大規模の会員基盤を保持するグループ企業へと成長しています。

新規・その他領域では、カードローン情報サイト「マネット」の運営など、これまでのビジネスオペレーションノウハウを活かした新規事業開発を進めています。同社グループの売上収益の10%以上を占める顧客グループがエネルギー領域に存在しており、この領域への収益集中が見られます。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期における業績は、売上収益、税引前当期利益、親会社の所有者に帰属する当期利益のいずれも一貫して増加傾向を示しています。特に当連結会計年度においては、前年同期比で大幅な増収増益を達成しており、事業の成長が加速していることがうかがえます。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上収益 69.9億円 114億円 156億円 220億円 291億円
税引前利益 5.6億円 16.6億円 21.5億円 29.3億円 40.0億円
税引前利益率 8.1% 14.6% 13.8% 13.3% 13.8%
親会社の所有者に帰属する当期利益 3.3億円 10.7億円 14.6億円 18.9億円 27.2億円
1株当たり当期純利益(円) 29.03 96.57 118.23 142.50 206.56

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上収益(連結)は前期から減少しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から減少する傾向が見られます。これは、業容の拡大に伴う新卒採用や子会社化による従業員数の増加が影響していると考えられます。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上収益(連結) 32.4百万円 28.2百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 4.4百万円 3.9百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も積極的に行っています。その上で手元資金を厚くしており、財務基盤の健全性を維持しながら成長を目指している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は、プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあります。ROE(自己資本利益率)も平均を大きく上回っており、効率的な経営で利益を生み出していることがうかがえます。手元資金も増加しており、事業運営の安定性を示す指標となっています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
自己資本 85.1億円 105億円
自己資本比率 37.4% 29.3%
ROE(自己資本利益率) 24.7% 28.5%
現金及び現金同等物 25.4億円 71.6億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益の計上や営業債務及びその他の債務の増加などにより、前期に比べて大幅に増加しました。投資活動によるキャッシュ・フローは、無形資産の取得や子会社株式の取得による支出などがあり、引き続き支出超過となっています。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れや短期借入れによる収入が増加したことで、前期に比べて収入が増加しました。

フリーキャッシュ・フローは前期のマイナスから当期はプラスに転じており、本業で生み出した資金で投資活動を賄い、なお余剰資金がある状態を示しています。これは、同社グループが事業成長のための投資を継続しつつ、安定した資金創出能力を備えていることを示唆しており、将来的な雇用や給与の安定性にもつながる可能性があります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 20.7億円 57.4億円
投資CF △50.5億円 △45.3億円
財務CF 17.3億円 34.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △29.8億円 12.1億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

景気の動向等のマクロ環境に関するリスクとして、景気悪化による企業の採用意欲減退や個人消費の冷え込み、金利上昇に伴うのれん・無形資産の減損リスクなどが挙げられています。これらのマクロ環境の変動が、同社グループの事業継続や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、事業プラットフォーム及び技術革新に関するリスクとして、主要検索エンジンのアルゴリズム変更や広告掲載基準の厳格化、生成AI技術の台頭によるユーザー検索行動の変化などが挙げられています。これらの変化に同社グループが適切に対応できなかった場合、既存のビジネスモデルが陳腐化し、事業継続や売上収益に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材の確保及び育成のリスクとして、持続的な成長には優秀な人材の確保と育成、人的資本の拡充が不可欠であると認識されています。労働市場の需給逼迫や若手人材の育成遅延、従業員エンゲージメント低下による離職率高止まりが、組織力の低下や事業計画の遅延、競争力低下に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ポートは「社会的負債を、次世代の可能性に。」というパーパスを掲げ、社会課題の解決を通じて持続的な成長を目指す企業グループです。テクノロジーとリアルを融合させ、企業の成約活動を支援することで社会全体の生産性向上に貢献しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは「社会的負債を、次世代の可能性に。」というパーパスを掲げています。社会が今を優先した結果として積み重ねてきた「負債」を次世代に引き継ぐのではなく、自らが社会課題を特定し、解決に導くことをグループの目的としています。

労働人口減少という社会的負債に対し、ROIが明確なサービス提供を通じて企業の掛け捨てリスクをゼロにし、企業と社会全体の生産性向上に貢献することを目指しています。少子高齢化や生産年齢人口の減少が進む日本社会において、企業の販促活動や人材採用の効率化を解決すべきテーマと特定しています。集客から成約まで一気通貫で支援し、企業にとって導入リスクの低い成果報酬型サービスを展開することを基本戦略としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、コーポレート・ガバナンスに関する最重要規律である「コーポレート・ガバナンス・ガイドライン」をサステナビリティに関する基本方針としています。パーパスに従い、事業領域における社会課題の解決を目指すとともに、マルチステークホルダーや産業・社会の持続可能性を考慮することを定めています。

サステナビリティに関する最重要課題(マテリアリティ)として、迅速果断で規律ある挑戦のためのガバナンス体制の構築、安心安全な事業運営のためのリスク管理体制の強化を挙げています。また、競争力の核となる人材の拡大と強化、産業・業界の持続的発展への貢献、人権の尊重、地球環境に対する責任と取組みもマテリアリティとしています。

「人(役職員)」と組織の成長を最重要経営資源と認識し、「人的資本マネジメント方針」を策定しています。健全な急成長を実現するため、人的資本の確保とその活性化を有機的に連携させることを不可欠としています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、持続的な成長のために、認知度の向上とユーザー数の拡大を優先的に対処すべき課題としています。マルチチャネルマーケティングの強みを活かした広告宣伝活動や、既存プロダクトでの良質な情報蓄積、新規領域を含む複数プロダクトの展開を通じて、知名度向上とユーザー数拡大に努めています。

成約支援組織の拡大及び生産性の維持も重要な課題であり、AIをはじめとしたテクノロジー活用や採用体制強化、独自の教育体制を通じて、高い成約率と生産性の維持・向上を目指しています。グループガバナンス及び内部統制の強化も重点テーマであり、拡大する企業集団におけるガバナンス体制の構築と内部管理体制の継続的な強化に取り組んでいます。

その他、インターネット関連事業の特性を踏まえ、継続的な事業の創出、情報セキュリティの強化、優秀な人材の確保と育成も重要な課題としています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ポートは監査等委員会設置会社であり、経営の公正性と透明性を重視したガバナンス体制を構築しています。取締役会は、業務執行取締役と監査等委員である社外取締役で構成されています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ポートの株主構成を見ると、代表取締役社長CEOである春日博文氏が筆頭株主となっています。その他、複数の個人株主や機関投資家が上位に名を連ねています。特定の株主グループが経営に強い影響力を持つ傾向が見られます。

株主名 持株比率
春日 博文 31.63%
日本カストディ銀行(信託口) 4.66%
BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC) 4.38%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は5名(男性3名・女性2名)で構成され、女性役員比率は40.0%です。代表取締役社長は春日博文氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。

氏名 役職 主な経歴
春日 博文 代表取締役社長 2011年4月同社設立、代表取締役社長就任。一般社団法人テレメディーズ理事、株式会社INE取締役、就活会議株式会社取締役、株式会社Five Line取締役、みん就株式会社取締役、株式会社HRteam取締役(非常勤)を兼任し、現在に至ります。
丸山 侑佑 取締役副社長 2013年1月同社入社、2013年3月取締役副社長就任。八ヶ岳農業大学校専務理事を兼任し、現在に至ります。


社外取締役は、大森愛久美(伊田愛久美)氏(法律事務所ZeLo・外国法共同事業弁護士・株式会社CaSy社外取締役)、冨岡大悟氏(M&A Bank代表取締役・株式会社SUPER STUDIO社外取締役)、木村由美氏(株式会社IVRy CFO・株式会社日本産業推進機構在籍)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会は独立社外取締役が過半数を占める構成を目指しています。これにより、経営の監督機能と透明性の強化を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社グループの取締役の報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして機能するよう設計されています。個々の取締役の職責を踏まえた適正な水準を基本方針とし、固定報酬としての基本報酬を支給しています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 2名 52百万円 25.9百万円
社外役員 4名 13百万円 3.1百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。