※本記事は、株式会社フレアス の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
フレアスは在宅医療をサポートする企業として、マッサージ直営事業、マッサージフランチャイズ事業、メディカルケア事業を主軸に展開しています。寝たきりなどで通院が困難な高齢者に対し、自宅や介護施設への訪問マッサージサービスを提供しています。
単体従業員数は728名、連結従業員数は761名です。セグメントはマッサージ直営、マッサージフランチャイズ、メディカルケア、その他の4つです。
主な国内グループ会社は、オルテンシアハーモニー(マッサージフランチャイズ事業)、フレアスカインドケア(メディカルケア事業・その他事業)、フレアスミライワークス(その他事業)などです。
メディカルケア事業では、2025年9月1日に医療対応型療養施設の全部と看護小規模多機能型居宅介護施設の一部を事業譲渡しました。これにより、同事業は看護小規模多機能型居宅介護施設6施設での運営体制となっています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
フレアスは、超高齢社会における社会問題の解決に貢献することを目指し、在宅医療・介護サービスを展開しています。従業員の働きがい向上と雇用の多様化に注力しており、安定した環境で専門性を高めながら長く活躍できる可能性を秘めている会社と言えるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員一人ひとりの能力発揮とエンゲージメント向上を重視し、公平・適正な処遇と公正・納得性のある評価を軸とした人事制度を運用しています。平均勤続年数や平均年齢から、一定の経験を積んだ従業員が長く活躍している傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,200,000円 |
| 平均勤続年数 | 5.7年 |
| 平均年齢 | 44.4歳 |
| 単体従業員数 | 728人 |
| 連結従業員数 | 761人 |
| 単体のグループ内比率 | 95.7% |
同社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付制度と確定拠出制度を採用しています。確定給付制度は給与と勤務期間に基づいた一時金を支給する退職一時金制度であり、確定拠出制度として確定拠出年金制度を設けています。
ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループの人材戦略は、「超高齢社会」における医療難民、介護難民の発生への対応という社会問題の解決に資する企業となることを目指す経営戦略と密接に連携しています。持続的な企業価値の向上と経営効率の最大化に向けて、従業員一人ひとりの能力発揮とエンゲージメントの向上が不可欠であると認識しています。
報酬体系は、固定報酬としての基本給、各種手当、および夏季・冬季賞与により構成されています。基本給は年齢や勤続年数にとらわれず、役割の重要度、難易度、専門性に応じて等級・区分を決定し、外部労働市場における報酬水準等を勘案して設定されます。賞与は、会社業績、部門業績、個人の成果・貢献等を総合的に勘案して決定され、必要に応じてインセンティブが支給される場合もあります。
人事考課は、職種ごとの職業的スキルに基づく能力考課、業務目標の達成度を検証する成績考課、行動規範を踏まえた業務姿勢を評価する態度考課の3つの観点から多角的に運用されています。考課者と被考課者による定期的な面談を通じて、職業人としての成長課題や業務成果を共通認識として把握し、能力開発および業務成果の発現を促しています。また、育児・介護休業、在宅勤務、時短勤務等の制度を整備し、従業員がライフイベントに応じて柔軟に働ける環境の構築に努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 31.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 71.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 83.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 83.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 98.7% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| ES調査回答率 | 88.3% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
フレアスは、在宅医療をサポートする企業として、マッサージ直営事業、マッサージフランチャイズ事業、メディカルケア事業を主軸に事業を展開しています。同社グループの事業は日本国内に限定されており、海外での売上高や有形固定資産はありません。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、主に医療保険制度や介護保険制度の適用対象となるサービスを提供し、在宅での療養生活を余儀なくされている高齢者等をサポートしています。収益は、これらの制度を利用したサービス提供料やフランチャイズロイヤルティから得ています。特定の外部顧客への売上高が連結売上高の10%以上を占めることはありません。
マッサージ直営事業
同社グループのマッサージ直営事業では、主に医療保険制度の適用対象となる保険適用マッサージサービスを提供しています。寝たきり等の理由により通院が困難な高齢者等の利用者に対し、あん摩マッサージ指圧師が自宅や介護施設を訪問し、マッサージサービスを提供しています。疼痛緩和、麻痺改善、関節拘縮改善などを目的とし、利用者の主治医の同意に基づきサービスを提供しています。
収益は、健康保険組合等の保険者および利用者からの報酬から得ています。当連結会計年度においては、営業専門部署の設置や鍼灸施策により売上が増加しましたが、採用や研修への人的先行投資を進めたため、セグメント利益は減少しました。
マッサージフランチャイズ事業
マッサージフランチャイズ事業では、フランチャイズ加盟店を通じて保険適用マッサージサービスを展開しています。同社グループは、FC加盟店に対して開業支援や事業運営に関する助言、施術研修などを継続的に提供しています。
収益は、フランチャイズ加盟店からのロイヤルティ収入等から得ています。フランチャイズ加入パッケージの拡充により新規開設が進み、当連結会計年度末の加盟店数は増加しました。これにより、売上高およびセグメント利益は前期比で増加しています。
メディカルケア事業
メディカルケア事業では、看護小規模多機能型居宅介護施設を運営しています。2025年9月1日に、医療対応型療養施設の全部および看護小規模多機能型居宅介護施設の一部を事業譲渡したため、現在は看護小規模多機能型居宅介護施設6施設での運営となっています。
収益は、医療保険制度および介護保険制度を利用した訪問看護サービスや看護小規模多機能型居宅介護サービスの提供料から得ています。事業譲渡の影響により売上高は減少しましたが、セグメント損失は前期から縮小しました。
その他の事業
その他の事業は、主に訪問介護事業および居宅介護支援事業等で構成されています。研修事業も含まれており、同社グループの研修強化に伴いセグメント間での内部売上取引が発生しています。
当連結会計年度においては、一部の訪問介護事業を譲渡した影響もあり、売上高は減少しました。セ
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近5年間で増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に損失を計上しましたが、当期は大幅に改善し黒字に転換しました。これは、事業譲渡による収入や売上債権の減少などが営業活動によるキャッシュ・フローの増加に寄与したことによるものです。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 41.7億円 | 45.8億円 | 57.1億円 | 75.8億円 | 76.4億円 |
| 経常利益 | 2.2億円 | 71百万円 | 1.3億円 | △1.7億円 | 3.4億円 |
| 経常利益率 | 5.3% | 1.5% | 2.2% | △2.2% | 4.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.5億円 | 32百万円 | 58百万円 | △2.4億円 | 5.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 63.30 | 13.45 | 24.78 | △103.65 | 196.21 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 9.5百万円 | 10.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △0.1百万円 | 0.4百万円 |
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から増加しており、事業規模の拡大と効率化が進んでいることを示しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期の損失から当期は黒字に転換しました。これは、同社グループの収益性が改善し、従業員一人あたりの稼ぐ力が高まっている傾向にあることを示しています。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
フレアスグループの財務状況は、事業活動と投資活動の両面で資金を生み出している状況を示しています。これにより、安定した経営基盤を構築していることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
フレアスグループの財務基盤は、自己資本比率が前期から大きく改善し、非製造業のプライム市場平均を上回る水準となっています。ROEも大幅に改善し、高い収益性を示しています。手元資金である現金及び預金も増加しており、事業運営の安定性につながる状況です。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性に関わる重要な要素となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 15.5億円 | 21.8億円 |
| 自己資本比率 | 17.5% | 40.4% |
| ROE(自己資本利益率) | △14.9% | 27.5% |
| 現金及び預金 | 8.1億円 | 16.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
フレアスグループのキャッシュフローは、当連結会計年度において大きく改善しています。本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、前期の支出から当期は収入に転じ、税金等調整前当期純利益の計上や売上債権の減少により増加しました。投資活動によるキャッシュフローも前期の支出から収入に転じており、これは主に事業譲渡による収入や敷金及び保証金の回収によるものです。
その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは大幅なプラスとなりました。一方で、財務活動によるキャッシュフローは長期借入金の返済などにより支出となっています。これらの資金の流れは、同社グループが事業再編を進めつつ、本業で安定的に資金を生み出し、財務体質の改善に取り組んでいる状況を示しており、入社後の安定性や成長性にもつながる要素です。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △3.2億円 | 5.9億円 |
| 投資CF | △3.5億円 | 8.0億円 |
| 財務CF | 3.6億円 | △5.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △6.7億円 | 13.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
フレアスグループは、在宅マッサージ業界や訪問看護業界における競争激化のリスクを認識しています。また、売上高の多くを医療保険制度や介護保険制度といった公的制度の利用に基づく収入に依存しており、これらの制度改定や競争激化が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
フレアスグループは、事業の維持と拡大のために、あん摩マッサージ指圧師や看護師等の国家資格を有する専門的な人材の確保が不可欠であると認識しています。これらの人材を十分に確保できなかった場合や、大量に社外流出した場合には、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
フレアスは、超高齢社会における社会問題の解決に貢献することを目指し、在宅医療をサポートする事業を展開しています。人と人とのふれあいを大切にし、社員の物心の幸せを追求する理念のもと、社会貢献と事業成長を両立させる企業文化を築いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「人と人とのふれあいを大切にし社会貢献すると共に、社員の物心の幸せを追求する」という会社理念を掲げています。この理念に基づき、「全国津々浦々に一人でも多くの方に速やかにフレアスのサービスを提供し、日本の在宅事情を明るくする。」という経営ビジョンを推進しています。事業を通じて「超高齢社会」における社会問題の解決に資する企業となることを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、従業員の働きがい向上と雇用の多様化に注力しています。全従業員が生産性高く働き、心理的安全性の高い職場環境を実現するため、毎年従業員満足度調査を実施しています。また、障がい者の自立支援を促し、在宅マッサージの現場で活躍する場を提供することにも積極的に取り組んでいます。
人材の定着と育成を重視し、待遇改善やコンプライアンス委員会の開催、外部相談窓口の設置など、全社的な取り組みを進めています。高品質なサービス提供と成長実感を得られる職場環境の提供を通じて、社員の就労意欲を高めることを大切にしています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、事業拡大のために人材の定着と採用の強化を重要な課題と認識しています。待遇改善や採用専門部署の設置、専門学校での会社説明会を通じて、人的経営資源の維持と確保に努めています。
また、適切な事業遂行と持続的な成長のため、人材育成にも注力しています。より高度で充実した教育研修体制の構築や、サービス品質の維持・向上を図る専門部署の設置、症例データの活用を進めています。さらに、特定の制度や利用者層への過度な依存を避け、フランチャイズ加盟店からのロイヤリティ収入や保険適用外サービスの展開を通じて、安定的な事業基盤の確立に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
フレアスは、取締役会、監査等委員会、会計監査人を設置する体制を採用しています。監査等委員会と独立社外取締役が経営陣から独立した立場で監督機能を果たし、コーポレート・ガバナンスの実効性確保に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
フレアスの筆頭株主は優美であり、代表取締役社長CEOである澤登拓氏も主要な株主の一人です。特定の事業会社と経営トップが上位株主として名を連ねる資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 優美 | 30.67% |
| 澤登 拓 | 27.18% |
| SBI証券 | 4.83% |
| MSIP CLIENT SECURITIES | 4.56% |
| フレアス従業員持株会 | 2.49% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
フレアスの役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長CEOは澤登拓氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 澤登 拓 | 代表取締役社長CEO | 1999年有限会社東洋医学会館入社、2002年有限会社ふれあい在宅マッサージ(現同社)設立代表取締役社長、2024年5月より同社代表取締役社長CEO現職。 |
| 長田 大徳 | 取締役副社長 | 2011年弁護士登録、ネクスト法律事務所入所、2014年法律事務所横濱アカデミア代表弁護士、2026年6月より同社取締役現職。 |
| 髙階 陽介 | 取締役CFO | 1996年東京三菱銀行入行、三菱東京UFJ銀行等で要職を歴任、2026年6月より同社取締役現職。 |
社外取締役は、吉田雄三氏(元三菱自動車工業理事 広報/渉外担当・監査等委員)、三好昌武氏(元社会保険診療報酬支払基金専務理事・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会と監査等委員会、会計監査人を設置しています。監査等委員会は社外取締役2名を含む3名で構成され、取締役の職務執行を監査しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
フレアスの役員報酬は、業務執行取締役に対しては基本報酬と株式報酬で構成され、社外取締役には基本報酬のみを支払う方針です。業績連動報酬は導入していませんが、ストックオプションを非金銭報酬として支給し、業績向上への貢献意欲を引き出すインセンティブとしています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 48百万円 | 12.1百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 4百万円 | 4.4百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 15百万円 | 3.0百万円 |
取締役(社外取締役を除く)に対する非金銭報酬等の総額の内訳は、ストック・オプションとして付与した新株予約権に係る当事業年度中の費用計上額であります。
報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の開示は行われていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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