※本記事は、株式会社ランディックス の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ランディックスグループは、不動産売買・仲介、注文住宅顧客と施工事業者のマッチングを行う「sumuzu」事業、およびビル・マンション等の賃貸を行う「賃貸」事業を展開しています。東京城南6区を主力エリアとし、富裕層顧客をターゲットに一気通貫の不動産売買サービスを提供しています。
単体従業員数は79名、連結従業員数は104名です。セグメントはsumuzu事業、賃貸事業の2つです。
主な国内グループ会社は、グランデ(sumuzu事業・賃貸事業)、リンネ(sumuzu事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ランディックスは、東京エリアの富裕層顧客を対象とした総合不動産事業・建築コンサルティング事業を展開しています。同社グループでは、社員一人ひとりが専門性と自律性を高めながら成長できる環境の整備を重視しており、人材への継続的な投資を経営戦略の中核に位置付けています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数と平均年齢から、比較的若い世代が活躍しつつも、一定の定着傾向が見られる環境であることがうかがえます。従業員が長期的にキャリアを形成できるような取り組みも行われています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,844,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.8年 |
| 平均年齢 | 32.6歳 |
| 単体従業員数 | 79人 |
| 連結従業員数 | 104人 |
| 単体のグループ内比率 | 76.0% |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ランディックスは「唯一無二の豊かさを創造する」という経営理念のもと、コンサルティング人材の採用と総戦力化を重要な成長要因と位置付けています。そのため、人的資本への継続的な投資を経営戦略の中核に据え、社員一人ひとりが専門性と自律性を高めながら成長できる環境整備を重要課題としています。
従業員の給与は、個人の貢献度と行動姿勢を公正に評価・反映する人事評価制度に基づき決定されます。具体的には、経営戦略に沿って設定された業績目標の達成度を測る「目標管理制度(MBO)」と、同社グループが求める人物像への適合性を評価する「コンピテンシー」の二軸で評価が行われます。これらを総合的に勘案し、実力と組織貢献に見合った報酬体系を運用しており、給与の見直しは年2回を基本としています。
また、人材育成方針として、従業員自らがキャリアを描き、自律的に能力・技術を磨ける教育研修の機会を提供しています。新しいスキルを身に付け、新たな価値を創出するためのキャリア形成と能力開発を支援し、チャレンジ精神のある社員を評価する体制を構築しています。社内環境整備方針では、従業員一人ひとりの人格・個性を尊重し、各々のライフステージに応じた仕事が選択できる環境を整備することで雇用の維持と企業の持続的な成長を目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の数値は本記事では取得できていません。
多様性・登用
2026年4月1日現在の同社グループの状況を反映させています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 内部登用率 | 77.8% |
| 管理職に占める女性の割合 | 8.3% |
人材育成・エンゲージメント
2026年4月1日現在の同社グループの状況を反映させています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| グループ社員1人当たり営業利益 | 2,886.1万円 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社ランディックスグループは、不動産売買・仲介、注文住宅希望顧客と施工事業者のマッチングを行う「sumuzu(スムーズ)」事業と、ビル・マンション等の賃貸を行う「賃貸」事業の二つの報告セグメントを展開しています。主に富裕層顧客をターゲットに、東京城南エリアを中心に事業を展開し、唯一無二の豊かさを創造することを企業理念としています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、不動産に関する多角的なサービスを提供することで利益を上げています。特に「sumuzu」事業が事業規模の大部分を占めており、安定した顧客基盤と効率的な販売活動を強みとしています。
sumuzu事業
住宅用地を中心とした仕入れ・分譲による売買収入、不動産仲介収入、注文住宅建築に伴う建築業者からの請負紹介手数料収入を得ています。2021年2月からは収益用不動産の販売も本格化しており、富裕層向けの収益用レジデンスのシリーズ化も進めています。
収益は、不動産の売買収入、仲介手数料収入、建築業者からの請負紹介手数料収入が主な収益源です。前期比で売上、利益ともに大幅に増加しています。
賃貸事業
収益用不動産を購入し、賃料収入を継続的に得ることで、安定収益の基盤を形成しています。
収益は、賃料収入が主な収益源です。前期比で減収となったものの、賃料の適正化が寄与し増益となりました。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| sumuzu | 202億円 | 234億円 |
| 賃貸 | 1.2億円 | 1.1億円 |
| その他の事業セグメント | 1百万円 | 1百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5期間にわたり一貫して増加傾向を示しています。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、一時的な変動はあったものの、全体としては大きく伸長し、直近の当連結会計年度では過去最高を更新しました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 111億円 | 150億円 | 170億円 | 203億円 | 235億円 |
| 経常利益 | 14.2億円 | 16.0億円 | 11.9億円 | 21.1億円 | 27.8億円 |
| 経常利益率 | 12.8% | 10.7% | 7.0% | 10.4% | 11.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 9.4億円 | 10.5億円 | 7.9億円 | 14.0億円 | 18.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 165.77 | 185.71 | 139.61 | 247.90 | 326.19 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたり営業利益も前期から大きく増加しており、事業活動による収益創出能力が高まっていることを示しています。これは、積極的な人材採用と育成を進めつつ、事業効率の改善が図られている状況を反映していると考えられます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 181.0百万円 | 226.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 20.2百万円 | 28.9百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社ランディックスは、財務基盤と資金の流れにおいて、事業の成長に向けた投資を継続している状況です。現在の財務状況は、今後の事業展開を支える上で重要な要素となります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が前期から増加し、39.1%となっています。これは非製造業のプライム市場平均と比較すると高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)も20.3%と、プライム市場平均を上回る水準です。手元資金である現金及び預金は70.2億円となっており、事業運営に必要な流動性を確保している状況です。これらの財務指標は、同社グループの安定した事業運営を支える基盤を示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 83.5億円 | 98.7億円 |
| 自己資本比率 | 38.3% | 39.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 18.1% | 20.3% |
| 現金及び預金 | 61.6億円 | 70.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローが前期に引き続きマイナスとなっていますが、その支出額は減少しています。これは主に税金等調整前当期純利益の計上による資金増加があった一方で、sumuzu事業の拡大に伴う棚卸資産の増加や法人税等の支払いが資金減少要因となったためです。投資活動によるキャッシュフローも前期に引き続きマイナスですが、支出額は減少しています。これは定期預金の預入や敷金及び保証金の差入による支出があったものの、定期預金の払戻による収入も影響しています。
財務活動によるキャッシュフローはプラスとなっており、短期借入金や長期借入れによる資金調達が行われています。フリーキャッシュフローはマイナスですが、そのマイナス幅は前期から大幅に減少しています。これは事業拡大のための棚卸資産への投資が継続している状況を示しており、今後の事業成長に向けた資金投下が行われていることがうかがえます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △34.1億円 | △3.7億円 |
| 投資CF | △5.3億円 | △2.6億円 |
| 財務CF | 45.2億円 | 13.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △39.4億円 | △6.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの事業は、景気動向、金利水準、地価の水準等のマクロ経済要因の変動と密接に関係しており、業績に影響を与える可能性があります。また、他社との競争激化や地価の上昇等により、不動産の仕入れが計画通りとならない場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、役員及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして新株予約権を付与しています。新株予約権の権利行使が行われた場合、株式価値が希薄化する可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ランディックスは「唯一無二の豊かさを創造する」という企業理念のもと、富裕層顧客を対象とした不動産サービスを展開しています。顧客ニーズを捉え、事業領域を拡大しながら、東京エリアにおける富裕層向け不動産のトッププレイヤーを目指している会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「唯一無二の豊かさを創造する」を企業理念に掲げ、富裕層顧客を対象としたサービスを展開しています。主力事業である戸建住宅の売買および仲介に加え、富裕層顧客ニーズを確実に捉える周辺領域への事業展開を成長戦略の方針としています。
日本における従来型の「大量型住宅生産」では得られない顧客体験の創造と、家が本来持つ本質的価値の追求を通じて、東京エリアにおける富裕層向け不動産のトッププレイヤーを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、より美しい街並みと安心して暮らせる魅力的な街づくりに寄与し、ステークホルダーとの信頼関係を築くことで、社会と共に成長していくことをサステナビリティに関する考え方としています。人的資本に関する課題として、人材価値を最大限に引き出すことを重視しています。
人材育成方針では、多様性ある人材の育成を重要事項とし、教育研修の提供、キャリア形成と能力開発の支援、チャレンジ精神の重視と実行者への評価に取り組んでいます。社内環境整備方針では、従業員一人ひとりの主体性と創造力、安全と心身の健康を守ることを重要事項とし、人格・個性の尊重と安全で健康な職場環境の確保に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、今後のさらなる成長に向けた主要な課題として、「優秀な人材獲得と教育による強い営業組織の構築」を認識しています。また、「DX推進による営業オペレーションの効率促進」を通じて、営業の生産性と顧客満足度向上を図る方針です。
継続的な成長のためには「内部管理体制の強化」も重要な課題と捉え、経営上のリスクを適切に把握しコントロールするための体制強化に取り組んでいます。サステナビリティ戦略においては、人材に焦点を当てたリスク管理を最重要課題としています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ランディックスでは、取締役会が経営の意思決定と監督を担い、監査役会が独立した立場から業務執行を監査する体制が構築されています。外部の視点を取り入れたガバナンス体制を重視していることが特徴です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ランディックスの株主構成を見ると、創業家が上位を占めていることが特徴です。筆頭株主は岡田和也氏であり、そのほかにも岡田英利子氏など、創業家とみられる個人株主が上位に名を連ねています。また、エムジェイ・アール合同会社も上位株主として名を連ねています。これらの株主が同社の経営に一定の影響力を持っていると考えられます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 岡田 和也 | 40.82% |
| エムジェイ・アール合同会社 | 17.75% |
| 岡田 英利子 | 4.21% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は岡田和也氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 岡田 和也 | 代表取締役社長 | 1991年4月協立広告株式会社入社、1993年11月城南リハウス株式会社入社、1995年4月ランディックス(旧会社)入社。2001年2月同社入社、2002年6月同社代表取締役社長就任より現職。 |
| 古室 健 | 専務取締役 | 1988年4月住友不動産販売株式会社入社。2013年4月同社入社、2017年3月同社取締役就任。2020年6月同社専務取締役流通営業部本部長就任より現職。 |
| 松村 隆平 | 取締役 | 2011年4月住友電気工業株式会社入社。2015年9月同社入社、2017年4月同社経営企画室長就任。2023年6月同社取締役就任より現職。 |
社外取締役は、西村弘之氏(元アクセンチュア株式会社パートナーコンサルタント)です。
また、社外監査役は、諌山祐美氏(公認会計士・諌山公認会計士事務所所長)、岡本弘氏(元新光投信株式会社執行役員)、堀内雅生氏(株式会社U-NEXT HOLDINGS常勤監査役)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会を設置しています。監査役3名全員が社外監査役で構成されており、外部からの経営監視機能が有効に機能する体制となっています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ランディックスの役員報酬は、金銭報酬から構成されています。取締役の報酬は、全社的な成長への動機づけと適正な利益貢献への評価を重視し、前連結会計年度の連結経常利益を指標として、各取締役の職務内容を勘案して決定されます。社外取締役および監査役の報酬は、経営に関する独立性の観点から業績による評価は行わず、職務状況に基づいて決定される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 1.2億円 | 39.2百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 17百万円 | 4.3百万円 |
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