※本記事は、WDBココ株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
WDBココは、医薬品・医療機器開発における代行および支援業務を手掛ける企業です。安全性情報管理サービスを主軸に、ドキュメントサポート、製造販売後調査支援、臨床研究支援の各サービスを展開しています。
単体従業員数は516名です。セグメントはCRO事業の1つです。
主な国内グループ会社は、WDBホールディングス(人材サービス事業、CRO事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
WDBココは、医療の未来に貢献するという企業理念のもと、お客様の課題解決と新しい価値提供を目指しています。給与水準や働き方については、優秀で多様な人材の確保と育成、そして定着を重要な経営課題と捉え、人事制度の整備に力を入れていることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢が比較的若く、勤続年数も平均的な水準となっています。これは、新しい人材が継続的に加わり、組織が活性化している状況を示していると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,565,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.7年 |
| 平均年齢 | 36.6歳 |
| 単体従業員数 | 516人 |
退職給付制度
同社は確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を設けています。これらの制度は国内グループ会社を対象としています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。退職給付債務は1.6億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、製薬・医療機器企業から受託する規制業務において、品質の高いサービス提供が企業価値向上に不可欠であると考えています。そのため、優秀かつ多様性のある人材の確保、育成、定着を重要な経営課題として認識しています。
2022年4月には、企業理念や人事理念を体系化したフィロソフィー「COCO way」を制定しました。このフィロソフィーに基づき、人的資本に関する様々な人事制度や研修制度を設計し、人材の確保と成長を促しています。
新人事制度は段階的に変更されており、評価制度の変更や役割期待に応じたグレード制度が導入されました。2026年4月からは給与制度の改定も実施されており、社員の給与はグレードに応じた役割期待やパフォーマンスを総合的に考慮して決定されます。賞与は個人の成果および業績に基づき決定される仕組みです。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 64.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 66.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 79.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 77.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 73.2% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
WDBココは、医薬品・医療機器開発における安全性情報管理をはじめとする各種支援サービスを提供する企業です。顧客である製薬企業や医療機器メーカーの開発プロセスをサポートし、その専門性で収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
WDBココは、医薬品や医療機器の開発プロセスにおいて、安全性情報管理、ドキュメントサポート、製造販売後調査支援、臨床研究支援といった専門的なサービスを提供しています。これらのサービスは、主に委受託契約、一部人材派遣契約によって提供されており、医薬品・医療機器企業の複雑な開発課題解決を支援しています。
同社はCRO事業の単一セグメントで事業を展開しており、医薬品・医療機器開発の各段階で発生する多様な業務をサポートしています。安全性情報管理サービスでは、臨床試験や市販後に発生する安全性情報の収集、評価案作成、報告書案作成などの支援を行います。ドキュメントサポートサービスでは、承認申請資料の品質管理や翻訳、治験関連文書の作成支援など、幅広いドキュメント業務を支援しています。
また、製造販売後調査支援サービスでは、新薬承認後の調査における契約書類作成代行やデータマネジメント、統計解析などを提供しています。臨床研究支援サービスでは、医学系研究における医療機関サポートからデータ収集、モニタリング、統計解析までを一貫して支援しています。同社の売上高はすべて日本国内の外部顧客からのものであり、海外売上高はありません。特定の顧客への販売実績が一定の割合を占める傾向が見られます。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高および各利益項目において前期から減少する傾向を示しています。売上高は減収となり、営業利益、経常利益、当期純利益もそれぞれ減益となりました。売上高経常利益率も前期と比較して低下しています。これは、一部顧客における委託業務範囲の見直しや副作用情報の症例数減少が影響した一方で、時間外業務や採用抑制による労務費の適正化で収益悪化幅の抑制に努めた結果となっています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
企業の収益性と生産性は、事業運営の効率性や従業員一人ひとりの貢献度を示す重要な指標です。これらの指標は、企業の持続的な成長と収益体質を評価する上で注目されます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の財務基盤や資金の流れ、事業を取り巻くリスクについて確認し、経営の安定性を評価します。これらの情報は、入社後の雇用や給与の安定性にも関わるため、転職を検討する上で重要なポイントです。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本の厚みや手元資金の状況から安定性を評価します。これらの指標は、企業の持続可能性や将来の成長投資余力を示すものです。財務の安定性は、入社後の雇用や給与の安定性にも関わるため、確認しておくことが大切です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社は、事業活動、投資活動、財務活動を通じて資金をどのように動かしているかを確認します。キャッシュフローの状況は、企業の資金繰りや成長戦略を理解する上で重要な情報です。これらの資金の流れは、入社後の安定性や成長性にも関わるため、注目すべきポイントです。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | - |
| 投資CF | - | - |
| 財務CF | - | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | - |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社のCRO事業は、特定のサービスである安全性情報管理が中核となっており、売上高の大部分を占めています。また、売上高は上位3社の顧客に大きく依存している状況です。これらの特定のサービスや顧客への依存は、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、継続的な事業拡大のために優秀な人材の確保、育成、定着が重要であると認識しています。しかし、求める人材が適時に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、安定した業務運営や事業拡大に支障が生じる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
WDBココは、医薬品・医療機器企業の課題解決を通じて医療の未来に貢献することを企業理念としています。品質の高いサービス提供と持続可能な成長を重視し、変化する市場環境に対応するための変革を進めている会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は、「仕事の成果」の保証と「新しい価値」の提供を通じて、顧客の課題を解決し、医療の未来に貢献することを企業理念としています。医薬品・医療機器企業の開発から製造販売後の各段階において、「安全性情報管理」、「ドキュメントサポート」、「製造販売後調査」、「臨床研究」といったサービスを提供しています。
継続的な品質向上や生産性改善を伴う受託業務のオペレーションに加え、標準化・自動化を推進することで業務プロセスとオペレーションの改革を進めています。これにより、顧客の課題解決支援とさらなる価値提供を進め、市場での競争優位性を強化し、持続可能な成長と中長期的な企業価値の向上に努めています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、「仕事の成果」の保証と「新しい価値」の提供を通じて、顧客の課題を解決し、医療の未来に貢献することを企業理念としています。この理念を継続的に達成することで、患者が革新的医薬品へ早期にアクセスし、医療アウトカムが向上することを目指しています。
優秀かつ多様性のある人材の確保と育成、定着は、サービス品質の維持・向上、および顧客との継続的な取引関係に直結する重要な経営課題と認識しています。そのため、同社は人的資本・多様性を特に重要なサステナビリティ項目として重視しています。企業理念、行動理念、人事理念、社員人材像等を包括的に体系化し明文化したフィロソフィー「COCO way」を2022年4月に制定しました。
このフィロソフィーに基づき、人的資本に関する様々な人事制度や研修等の各種制度を設計し、運用することで、優秀かつ多様性のある人材を確保し、成長を促しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、CRO市場における定型業務の自動化や、アウトソーシングに依存しない業務運用といった構造的変化を的確に捉えることを課題としています。CROとしてのサービスの提供価値を見直し、業務の属人化を排除し、業務プロセスの標準化と自動化を念頭においた取り組みを進めています。
これにより、品質の再現性と生産性の向上を目指しています。具体的には、判断、顧客対応、品質担保、マルチタスクへの対応など、人が担うべき実務価値領域に資源を集中させ、AIと共存する新たなCROモデルの確立に取り組んでいます。
顧客の課題解決支援とさらなる価値提供を進めることで、市場の競争優位性を強化し、持続可能な成長と中長期的な企業価値の向上に努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会を中心としたコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。社外取締役および社外監査役を選任し、経営の監督・監視機能を強化しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主はWDBホールディングスです。同社はWDBホールディングスの子会社であり、同社グループの経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。上位株主には、事業会社や同社の代表者が名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| WDBホールディングス | 67.66% |
| 光通信 | 4.00% |
| 谷口 晴彦 | 2.49% |
| 五味 大輔 | 1.41% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 1.21% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.1%です。代表取締役社長は谷口晴彦氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 谷口 晴彦 | 代表取締役社長 | 1999年3月WDB㈱入社、2012年6月WDB㈱取締役、2014年11月同社代表取締役社長より現職。 |
| 平光 初音 | 取締役 薬事申請・品質保証部長兼エビデンス創出部長 | 2008年4月WDB㈱入社、2016年6月同社取締役、2026年4月同社取締役 薬事申請・品質保証部長兼エビデンス創出部長より現職。 |
| 藤原 素行 | 取締役プロセス 開発部長 | 2007年3月WDB㈱入社、2012年6月同社取締役、2025年2月同社取締役 プロセス開発部長より現職。 |
| 今村 敦 | 取締役臨床開発部長兼エビデンス創出部長兼営業部長 | 1998年3月WDB㈱入社、2010年4月WDBメディカル㈱(現同社)取締役、2026年4月同社取締役 臨床開発部長兼エビデンス創出部長兼営業部長より現職。 |
| 齋藤 和貴 | 取締役経営管理部長兼人事部長 | 2007年3月WDB㈱入社、2021年4月同社経営管理部長、2025年6月同社取締役 経営管理部長兼人事部長より現職。 |
| 中野 敏光 | 取締役 | 1985年7月㈱ワークデーターバンク(現WDBホールディングス㈱)設立 代表取締役、2011年4月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、横川堅太氏(公認会計士・㈱crest plus 代表取締役)、大井理氏(弁護士・松柏法律事務所 パートナー)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会による監督と監査役による監査の二重チェック体制をとっています。社外取締役および社外監査役が独立した立場から経営を監督・監視しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして、株主利益と連動した報酬体系を基本としています。業務執行取締役の報酬は基本報酬と賞与で構成され、社外取締役の報酬は職務内容を踏まえた固定報酬となっています。報酬の決定方針は、社外取締役を委員長とする指名報酬委員会の答申を経て、取締役会で決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 38百万円 | 7.6百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 11百万円 | 10.9百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 14百万円 | 3.5百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、無報酬の取締役1名を除いています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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